しまった、閉じ込められた。
暗い…誰がどこに居るのかすら分からない…
「すみません光太郎様…私があの様な事を言ってしまったせいで…」
「ルペラのせいじゃないよ。俺もさ、暗いとは思ってたから、どっちにしろ同じ結果になってたよ。」
そう、誰が悪いとかいう問題では無い。
まぁ、経年劣化やその他諸々のリスクを考えなかった俺に、責任はある。
「ねぇ、サイガはここから出る方法って知ってるの?」
「うーん…サイガは知らないのな…頑張れば開くんじゃないのな?」
「そうかも! 私頑張ってみる!」
どうやら、ニホンオオカミが扉を開けようとしているらしい。
扉…壁?を叩く音が聞こえる。
「…全然ダメ……びくともしないよ!」
「あっ、そうだ…」
「光太郎、何か思いついたの?」
「心の目…心の目で見れば、きっと何か分かるかもしれない!」
「すごい! で、どうやって見るの?」
「……どうやるの、ルペラ?」
「えっ、私ですか!? うーん…挑戦してみます…」
俺は、この時気付いた。 とんでもない無茶振りをしてしまった…と。
「……光太郎様、無理があります。」
「だよね…ごめん。」
「ふっふっふっ…お困りのようでしゅね…」
「ニホニホ、ちょっと声変わった?」
「ううん、私じゃないよ?」
「サイガでもないのな!」
「…ルペラ、キャラ変した?」
「してないですよ…」
「無視しないでほしいでしゅ…」
しまった、声の主が…
「あっ…ごめんなさい。あの…お名前は?」
「スゥ…自由気ままにパトロールし隊、昼間担当のウサギコウモリでしゅ!」
「隊という事は…ここにお仲間も?」
「1人でしゅ、迷子でしゅ…」
「でも…コウモリだから、この部屋に何があるか分かるんじゃない?」
「…私は基本、おめめに頼ってパトロールしてるから、そーゆーのは苦手でしゅ…」
「どうして迷子になったのな?」
「何だか、凄く大きなセルリアンが出たって聞いて、パトロールしたい欲に駆られたんでしゅ。それで、自気パ隊みんなでここをパトロールしてたら…」
「迷子になった…と。 ここから出られたら、俺達も捜すの手伝うよ。」
「面目ないでしゅ…私も、この部屋に何があるか、頑張って探してみるでしゅ!」
「…ニホンオオカミさん、助けを呼んでみましょう。」
「確かに……それなら私、目一杯声出すよ! さぁ、みんな…耳、しっっかり塞いどいてよぉ…」
シェルターの中に、ニホンオオカミの声が響く。
「…うぅ……助けてこうたろぉ…耳痛い…」
「よしよし…ニホニホおいでぇ……」
ダメだ…ニホンオオカミの場所が分からない…
「あっ…そういえば…」
「光太郎様、今度は何を思いついたのですか?」
光太郎は持ってきた鞄をあさり始めた。
「あったあった…」
「何? 気になるよぉ!」
「へっへっへっ…懐中電灯!」
意気揚々と懐中電灯の電源を入れた。
「…あれ? 付かない…」
「光太郎様…?」
「……付かない…どうせ……どうせ俺なんか…」
「元気だすのなー…」
「大丈夫だよ、たまにはこんな事もあるよ!」
〜1時間半経過〜
「…流石に、やる事がなくなってきたな…」
「光太郎様、このままですと体内時計が狂いそうです…」
「ずっと暗いままだからね…光太郎、他に何か道具ある?」
「…あとは全部バスの中。」
「なー光太郎、どうして3人で旅してるのなー?」
「うーん…楽しいから…?」
「楽しい…でしゅか?」
「そう、それに、俺一人じゃここまで来れなかった。」
「何か大変な事があったんでしゅか?」
「あったあった! 大きなセルリアンと戦ったり、雪の中で倒れたり砂漠で倒れたり…」
「後半は全部光太郎の事だよ…けど、光太郎に助けられた事もあるよ。」
「えぇ、私が光太郎様とニホンオオカミさんと出会ったのは、二人が私を助けてくれたからなんですよ。」
「私達を助けようとして、ボロボロになった時も………もう、あんな無茶しないでね?」
「あの時は、本当に辛かったんですから…」
「ごめんごめん…なるべく無茶しないようにするよ。」
「…完全に三人だけの世界に入ってるでしゅ。」
「凄い仲良いのなー…」
ピッ
「…光太郎、遂に壊れた?」
「……多分、まだ大丈夫だよ。」
何処からか音がした。電子音だ。
「…光太郎、扉カラ離レテ。」
「ん? あぁ…」
取り敢えず、ラッキービーストの言葉の通りに扉から離れた。
…ドコが扉だか分からないので、みんなで部屋の真ん中へ固まった。
何やら重い何かが動く音が、部屋に響く。
微かに揺れる部屋。
その時、扉が開いた。
光太郎「あ、開いた…?」
ニホ「うーん、やっと出れたー!!」
光太郎「ラッキー、どうやって開けたの…?」
ボス「コノ辺リノ ラッキービースト 二、扉ノ修理ヲ依頼シタンダ。」
サイガ「早く出るのなー!」
ルペラ「さぁ、ウサギコウモリ様のお仲間を探しましょう?」
ウサギコウモリ「ルペラしゃん…ありがとうでしゅ!」
-地下バイパス-
どうやら本来、地下シェルターには、このバイパスから入るべきだったらしい。
ウサギコウモリ「ちょっと涼しくて、快適でしゅ!」
光太郎「さてと…無事に出られた事だし、自気パ隊のみんな捜そうか!」
先ずは、この辺りを探すか…
ルペラ「ありがとうございます、ボス。」
普段は何も反応しないラッキービースト。
だが、今は尻尾を振っている。喜んでいるのだろうか。