けものフレンズ 軈テ星ガ降ル。   作:ヒトアマゾン

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Ep.19「蒼星」

るぺら「こうたろうさま、すみません…」

 

光太郎「いや大丈夫…うん、取り敢えず一旦退こう。」

 

正直、今の状態でセルリアンと戦うのは無理がある。

体勢を立て直す事さえできれば、或いはニホニホ達と合流出来れば…

 

 

ニホ「待ってて、今行くから!!」

 

ドードー「どうやって行くの?」

 

ニホ「それは! えっと…」

 

 

セルリアンが、アンテナから天に向かって光線を放つ。

 

 

光太郎「…へ?」

 

 

放たれた光線は、光太郎達の頭上で破裂、拡散した。

 

その破片は、紫色のカーテンの様なモノを張り巡らせながら落ちて行った。

 

 

ニホ「なにこれ…?」

 

 

崖の下が、紫色のドームで覆われた。

 

 

-ドーム内-

 

 

しまった、何か囲まれた…

 

るぺら「セ、セルリアンは!?」

 

セルリアンの姿が見えない…

 

光太郎「ルペラ、取り敢えずここから離れよう。」

 

ルペラの手を引いて、その場から離れた。

 

…不思議と、不安感や恐怖が湧かなかった。

 

 

-ドーム外-

 

 

ニホ「んぅ…どうしよ…」

 

ドードー「どうしたの?」

 

ニホ「何だろ、何にも思いつかないの…あんまり力も入らないし…」

 

ドードー「そっか…協力してくれそうな子、捜す?」

 

ニホ「うん…そうしよっか。」

 

二人は、とぼとぼと歩き始めた。

 

 

-ドーム内-

 

 

あのセルリアン、何がしたかったんだ…?

 

ルペラが幼女になるし、何か隔離されるし…

 

るぺら「こうたろうさま?」

 

光太郎「ん、どうしたの?」

 

るぺら「…おなか、空きませんか?」

 

…空いた。この訳の分からない安心感の所為で余計に。

 

俺はかばんからジャパまんを取り出し、ルペラに渡した。

 

るぺら「ありがとうございます! その辺りで食べましょうか。」

 

近くの倒木へ腰を掛けた。

 

光太郎「どう、美味しい?」

 

るぺら「はい! とっても…」

 

光太郎「…ルペラ?」

 

ルペラ「…また、こうして…ニホンオオカミさんは居ませんけど、それでも…こうして、こうたろうさまといっしょに居られる事が…わたくし、うれしくて…」

 

光太郎「…そっか。俺も、ルペラが側に居てくれて嬉しい。」

 

るぺら「…ありがとうございます。」

 

 

 

-ドーム外-

 

 

ニホ「うぬぅ…この辺り、全然フレンズが居ないよぉ!?」

 

ドードー「…あ、もしかして…」

 

ニホ「? 思い当たる事があるの?」

 

ドードー「もしかしたら、もうちょっと歩いた所にリョコウバトちゃんが居るかも。」

 

ニホ「本当!? 今は誰の手でも借りたいよ!!! 早速行こ!」

 

ドードー「おぉ、気合入ってるねぇ!」

 

 

-ドーム内-

 

 

ジャパまんを食べ終え、寝床を探し始めた。

 

一緒に歩いてみて改めて思ったんだが、本当にルペラの背が縮んでる。

頭の翼を含めても、俺の肩位の高さだ。

…パっと見、誘拐に見えないか、これ?

 

光太郎「だいぶ暗くなってきたね…」

 

るぺら「はい…」

 

光太郎「…もしかして、寒い?」

 

暗くなってきたので、迷子にならない様、手を繋いで歩いていたが…

俺の手を握る、ルペラの力が少し強くなった気がした。

 

光太郎「…はい、これで少しは寒くなくなったんじゃない?」

 

俺の着ているジャケットを羽織らせてみた。

 

勿論、丈が合う訳もなく、相当ぶかぶかではあるが…

 

るぺら「ありがとうございます。ですが…こうたろうさまは、お寒く無いのですか?」

 

光太郎「あぁ、俺なら大丈夫。……ルペラ、歩き疲れたでしょ? おんぶしよっか?」

 

るぺら「…おねがいします。」

 

 

俺はルペラを背負い、改めて寝床を探した。

 

小さな吐息が耳にかかる。やっぱり疲れていたんだろうな…

 

 

るぺら「…おもくないですか?」

 

光太郎「全然。 ……なんか懐かしいなぁ…」

 

るぺら「?」

 

光太郎「ほら、ルペラとはじめて逢った日の事だよ。あの時はルペラがすぐ寝ちゃってさぁ…」

 

るぺら「…お恥ずかしながら…」

 

光太郎「いいんだよ、あの時は色々あったからさ。 …たまにはさ、こうして甘えてくれて良いんだよ…」

 

るぺら「…えっ?」

 

光太郎「…ルペラはさ、強いんだよ。それに、俺なんかよりも大人なんだよ。だから、何でも背負おうとする…使命も、責任も。」

 

るぺら「……」

 

光太郎「けど、背負う事に耐え続ける事だけが強さじゃない…たまには俺やニホニホを頼っても良いんだよ? まぁ、俺じゃ頼りないかもしれないけど…」

 

るぺら「…確かに。」

 

光太郎「そうそう…えっ…」

 

るぺら「確かに、あなたは直ぐにケガはするし直ぐ泣くし、おまけにドジをしてはほぼ必ずと言っていいほどトラブルに巻き込まれる…」

 

光太郎「うぅ…」

 

ルペラ「ですが、私やニホンオオカミさんの為に文字通り命を懸けて、こうして私を支えてくれる、そんな優しい貴方に恩を返したいんです。それに、心配させたくなかったんですよ。貴方は優しいので…」

 

光太郎「優しいだなんて…照れるな……でも、いつもルペラに頼ってばかりじゃ何か…ねぇ? 何か、頼られたいって言うか何というか…」

 

るぺら「………ありがとうございます。…それでは、もう少しだけ、甘えさせてください…」

 

光太郎「お安い御用で…」

 

 

-ドーム外-

 

 

二人は、協力者を捜すべく、小さな洞穴に来ていた。

 

ドードー「多分、ここにいると思うけど…」

 

ニホ「…居そう?」

 

ドードー「多分、最近はセルリアンが多いから、ここに避難してると思うんだよぉ」

 

ニホ「リョコウバトさぁん! 居ますかぁ!?」

 

洞穴の中から足音が聞こえる。

 

リョコウバト「は、はい! 何でしょう?」

 

ニホ「あなたがリョコウバトさんだね? よろしく!」

 

リョコウバト「よ、宜しくお願いします……ドードーさんの知り合いですか?」

 

ニホ「そう! 会ってからまだ数時間だけどね!」

 

ドードー「リョコウバトちゃん、ちょっと手伝った欲しい事があるのぉ」

 

リョコウバト「???」

 

 

-ドーム内-

 

 

るぺら「こうたろうさま、アレが北斗七星ですか?」

 

光太郎「…多分そうだね、綺麗…」

 

るぺら「本当に……それに、北斗七星の傍で輝く蒼い星も…」

 

光太郎「……俺には見えないなぁ…流石ルペラ、目が良いね。」

 

るぺら「そうですか? ありがとうございます。」

 

光太郎「………あっ、あそことか良さそうじゃない? もし雨が降ってきても大丈夫そうだし。」

 

ちょっとした洞穴を見つけた。

 

るぺら「いいですね、あそこにしましょう。」

 

 

〜洞穴内〜

 

 

地面にブルーシートを敷いてみた。

 

…俺の部屋から持ってきておいて良かった…

 

光太郎「さ、おいで、ルペラ。」

 

るぺら「…はい♪」

 

枕が無いのもアレなので、ルペラには腕枕、俺には…丸めたタオルを。

 

ジャケットを掛け布団代わりに使い、完成。本日の寝床。

 

るぺら「…顔、ちかいですね。」

 

光太郎「うん、想定外だったわ。」

 

るぺら「…あたたかいですね。」

 

光太郎「……これが、温もりだね。」

 

るぺら「………おやすみなさい、こうたろうさま。」

 

光太郎「…おやすみ。」

 

 

 

 

-ドーム内-

 

 

月光が射す崖の下、セルリアンが再び天に向けて光線を放った。




おまけ

ボス「今日ハ、星の話をするヨ。

"北斗七星"。聞いたことがあるフレンズは多いんジャないかナ?

北斗七星ハ、おおぐま座を構成する星の中デ、腰から尾の先までを構成する恒星で作られているヨ。

その形が柄杓の形をしているかラ、名前に"斗"と付いているんダ。

他に"斗"と付く星の集まりと言えバ、"南斗六星"も有名なんジャないかナ。

…南斗乱れる時、北斗現る………コレはまた別の話だネ。

…因みに、北斗七星の傍で輝く蒼い星ハ、"死兆星"と呼ばれているヨ。

死兆星には、この星が見えなくなると死ヌと言う言い伝えがあるんダ。これには理由があっテ、老化による視力の低下の影響デ、死兆星が見えなくなるという説があるヨ。

また、世界によっては、死兆星が見えた者には、その年の内に死が訪れると言われたリしているネ。

…この世界でハ、どちらの言い伝えが当てはまるのカナ?

星に関しては、ヤマバクのフレンズの方が詳しいネ。」
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