けものフレンズ 軈テ星ガ降ル。   作:ヒトアマゾン

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Ep.22「激闘!ホッカイエリア」

-ホッカイエリア-

 

 

激しい吹雪の中、2人の拳が交わる。

 

 

ニホ「…始めて戦うけど、結構強いね…!」

 

ルペラ「ニホンオオカミさんこそ、その全力な姿勢…私は好きですよ…!」

 

ルペラは薄らと笑みを浮かべ、頭の翼を羽ばたかせた。

 

すると辺りの雪が舞い、ニホンオオカミの視界を白く染め上げた。

 

ニホ「うぅっ…」

 

視界が鮮明になると、そこには既にルペラの姿が無い。

その代わりに、数百もの羽根がニホンオオカミを囲むように空中に静止し、その鋭利な軸の先をニホンオオカミに向けていた。

 

ニホ「何これ!?」

 

それにニホンオオカミが気づいた途端、羽根は一斉にニホンオオカミへ向かっていった。

 

ニホ「スゥ…」

 

次の瞬間、ニホンオオカミの咆哮が轟いた。

その衝撃で羽根は砕け散り、眩しいくらいに輝きを発していた。

更にその輝きは積もった雪や降り注ぐ雪に反射し、またしてもニホンオオカミの視界を奪う。

 

そんな中、空から一つの影がニホンオオカミへ向かって雷の様に落ちていった。

 

間一髪のところで腕を交差し防御姿勢をとったニホンオオカミ。

その腕の先には勢いよく突き出されたルペラの右脚があった。

命中の衝撃で降り積もった雪は吹き飛び、雪の下に眠っていた土を露にした。

 

ルペラ「…まさか防がれるとは思いませんでしたよ…」

 

ニホ「そりゃルペラとの付き合いは長いからね…!」

 

ニホンオオカミは思い切り腕を広げ、ルペラの足を弾いた。

 

ルペラは再び羽ばたき、ニホンオオカミとの距離をとろうとした。

しかし

 

ルペラ(しまった、翼が悴んで…!)

 

慣れない寒さのために翼が悴み体勢が崩れたルペラ。

 

ニホ「勝機!!」

 

大地を蹴って飛び跳ね、素早くルペラとの間合いを詰めるニホンオオカミ。

羽ばたけぬまま、空中へ投げ出されたルペラは、ニホンオオカミに向かって羽根を放った。

 

その羽根を薙ぎ払い、ルペラの懐に入り込み、その勢いのまま拳を浴びせかけた。

渾身の一撃を喰らったルペラは吹き飛び、岩壁に叩きつけられた。

 

ルペラ「うっ……」

 

岩壁にヒビが入り、岩壁の一部が崩れ、岩となってルペラの頭上へ落ちてきた。

 

ニホ「!? それはダメッ!!」

 

ニホンオオカミはルペラの元へ駆け寄り、全霊の拳を振るい岩を粉砕した。

 

ニホ「……大丈夫…? ケガしてない?」

 

ルペラ「すみません…ありがとうございます。」

 

ゲンブ『お主ら、大丈夫か!?』

 

光太郎の姿をしたゲンブが駆け寄る。

 

ルペラ「えぇ、ニホンオオカミさんが助けてくれたんですよ。」

 

ニホ「ごめんね、つい力んじゃって…」

 

ルペラ「いえ、全力で戦ってこそ、意味があるんですよ。」

 

ニホ「うん…ありがとね?」

 

 

〜数時間前〜

 

 

ホッカイエリアに到着した一行。

 

ゲンブの案内でホッカイエリアの中心部へ向かった。

 

ゲンブ『…お主らは、拳を交えた事はあるのか?』

 

ニホ「…なかったと思うけど…どうして?」

 

ゲンブ『実はな、これからお主らの戦いを見たいと思ってな…』

 

ルペラ「そんな…どうして…?」

 

ゲンブ『本当なら、わしが直々に手合せしたいのだが、あまり時間が無い上に満足に戦える力があるかも微妙な所。それ故に、お主らが手合せしている姿を見て、これからの戦いに送り出すべきが否かを判断したいのだ。』

 

ニホ「そっか……ルペラ、どうする?」

 

ルペラ「確かに、四神獣の方に判断していただけるのは確実でいいと思いますが…うぅん…」

 

光太郎「ゲンブさん、絶対に2人にケガをさせないでください…もしさせようものなら、例え四神の1人が相手だとしても…」

 

ゲンブ『…安心せい、力が損なわれた今でも、お主らの体に簡易的な結界を張る事など容易い事よ。 絶対にお主の大切な者を、傷つけはせん。』

 

ニホ「光太郎…ありがとう……」

 

ゲンブ『それでは、それぞれ準備をしてくれ。』

 

 

 

〜数時間後〜

 

 

 

ゲンブ『……わしは、とんだ思い違いをしていたようだ…』

 

ニホ「そんな…」

 

ゲンブ『…まさか、強さと優しさを、ここまで兼ね備えているとは…』

 

ルペラ「………えっ?」

 

ゲンブ『…相手の実力が計り知れない以上、不安は拭いきれないが、その強く優しい心があれば…きっとどんな壁をも乗り越えられるだろう。』

 

ニホ「それって……合格!?」

 

ゲンブ『あぁ…だが、決して楽な戦いでは無い。きっと辛い思いもするだろう。それでも、この戦争(戦い)に身を投じるのか? 身を引いても、誰もお主らを責めはしない。』

 

ルペラ「それでも……戦って、勝って、またみんなで同じ朝を迎えられるなら…私は戦います。」

 

ゲンブ『そうか…お主はどうだ、ニホンオオカミ?』

 

ニホ「私は……守りたい、みんなを守りたいの。みんなと過ごしたこの場所を、みんなの命を…」

 

ゲンブ『守りたい…か。わしも四方を守護する四神の1人、その願いを見過ごす事は出来無いな…』

 

 

ゲンブは、空を見上げていた。

その横顔は、何処か切なさを感じた。

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