ルペラ「そういえば…」
光太郎「どうしたの、ルペラ?」
ルペラ「ベッドが2つしか…」
あ… 気付かなかった。…俺がベッドに寝て、ニホニホかルペラかを床で寝させる…
論外だ。 そんなこと、出来る訳無いだろ。
…仕方ない。
光太郎「ソファは…あるな。」
ルペラ「まさか…ソファで寝るおつもりですか?」
光太郎「そうだよ。 どうせ一晩だけだし。」
そうだ、一晩だ。
…一晩?
ま、まぁ、仕方ない。
床よりはマシだ。
ルペラ「なら、ベッドを動かして繋げる事が出来れば、全員でベッドに眠れますね。」
その発想があったか!
…ちょっと頑張るか。
俺自身の安眠の為にも。
光太郎「まぁ、これ位の距離なら動かせるな。 頑張るよ。」
ルペラ「お手伝いしましょうか?」
光太郎「あ、大丈夫だよ。 ちょっと待ってて…」
ルペラ「大丈夫…ですか?」
光太郎「大丈夫…だ…よ。」
これは…明日、全身が痛くなるヤツだ。
ルペラ「その…お疲れ様です。 これでゆっくり休めますね。」
光太郎「そうだね。 まぁ、ちょっと狭いけど…」
ルペラ「ふふっ、そうですね♪」
ルペラ…笑った… 今、確かに笑った。
おしとやかに…笑った。
…可愛い。
ルペラ「? どうかしましたか? 私の顔に、何か付いていますか?」
えっと、ホクロが付いてる。
光太郎「いや、良い笑顔だな…って思ってさ。………ん?」
んー… あ。
逆だ。 伝えたい言葉と、胸に秘めておきたい言葉とが逆になってしまった…
ルペラ「そう…ですか…? 褒められるのは…嬉しいです…」
光太郎「そっか… 良かった。」
顔が紅くなってる…ダメだ…可愛い!
ルペラ「その… ニホンオオカミ様、大丈夫ですかね。」
光太郎「そうだね、ちょっと様子見て来よっか?」
確かに、ニホンオオカミが部屋を出てから、大分経った気がする。
ルペラ「そうですね。 何か困っているのなら、手助けする事が出来ますからね。」
光太郎「あ、ルペラは残ってて? 入れ違いは防ぎたいし、怪我がやっと治ってきているから。 無理はしないでね。」
ルペラ「…はい。 お気遣い、ありg
ニホ「ただいま! 遅れてごめん、タイリクオオカミに会っちゃって、話してたら遅れちゃった!」
どうやら、何事も無かったようだ…
良かった。
ルペラ「いえ、わざわざ取りに行ってもらい、ありがとうございました。」
光太郎「ニホニホ、ありがと。 さ、座ろ?」
タイリクオオカミか…
何故だろう、異様に懐かしさを感じる。
………菜々…?
…菜々ちゃん………
ニホ「これが、ルペラの分。で、こっちが光太郎の分。 さ、食べよっ!」
ルペラ「はい、それでは、頂きます。」
ニホ「いただきます!」
光太郎「…いただきます。」
ジャパリまんじゅう、通称ジャパまん。 何とか、ある程度の事は思い出せた。
菜々という、急に頭に思い浮かんだ名前のお陰で、頭の中の突っかかりが取れ始めた。
しかし、菜々とは誰なのだろうか…
ニホ「? 光太郎、どうしたの?」
光太郎「いや、ちょっと考え事してただけだよ。」
菜々…タイリクオオカミ……
…何の繋がりだ?
光太郎「ご馳走さまでした。」
凄く美味しかった。
…空腹も相まってか?
ルペラ「…それでは、そろそろ就寝しましょうか。」
ニホ「そうだね。今日は色々あって疲れちゃったよ…」
全くだ。 目覚めたら森にいて、セルリアンに襲われ、ニホニホに助けられルペラを助け… 濃い1日だなぁ…
光太郎「寝ようか。」
光太郎「それじゃ、お休み。」
ニホ「お休み!」ルペラ「お休みなさい、光太郎様。」
とは言ったものの、眠れない。
頭の中の突っかかりが取れた事で、ある程度の記憶が甦り始めた。
それでも曖昧な状態で…
色々な事を考えてしまう。
その結果、頭が冴えてしまった…
どうしようか… 流石に寝ないと不味いか?
ニホ「光太郎…眠れないの?」
光太郎「あ…ごめん、起こしちゃった?」
ニホ「ううん、大丈夫だよ。私、夜でも活動するから。」
光太郎「そっか… 実はさ、寝ようと思っても、色々考えちゃって…」
ニホ「悩み事があるの? 相談に乗るよ?」
光太郎「……目覚めた時、知人が誰も周りに居なくて… すっかり景色も変わって… 記憶も曖昧で……」
最悪だ… こんな愚痴を吐いてしまった…
ニホ「…寂しいの?」
光太郎「……。」
バレバレだな…
ニホ「…少しでも、私達が光太郎の寂しさを和らげられたら、いいな……なんてね。」
光太郎「ニホニホ…泣いてるの?」
何故…泣いている?
ニホ「光太郎こそ… 私達は、独りぼっちの寂しさは、分かってるつもりだからさ…」
….まさか、二人共……
ニホ「さ、寝よ。 明日は早いよ。」
そう言う彼女の顔には、何処か哀愁……というよりも哀傷が漂っていた。
光太郎「…お休み。………ありがと。」
俺は、二人に挟まれる形で寝たが、二人の寝息を聴いていると、いつのまにか寝ていた。
ニホニホとルペラのお陰…だな。