東方嫉妬王 ~Jealousy of the OOO~   作:秋塚翔

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極アームズ半端無ぇ……出来れば今話はアレ出る前に更新したかった。普通に見劣りする気が(苦笑)


第015話「勝鬨と紫コンボと演じる狂気」

《カチドキ》!

 

ジイィィィ~~~~~ッ!

 

《ロックオン》!

 

カチドキロックシードを解錠したフランの頭上にクラックが開き甲冑の様なアームズが下りてくる。続けてフランは解錠したカチドキロックシードを腰に巻く戦極ドライバーに装着。ハンガーを閉じて法螺貝の待機音を鳴らすとカッティングブレードを下ろしロックシードの前面を展開させた。

 

《ソイヤッ》!

 

ブレードがロックシードの前面を開かせるとドライバーから小粋な音声が発せられる。ソレと同時にフランの頭上で停滞していた甲冑が全身を包み込む形で頭から覆い被さり変形。フランに全身装甲の鎧が装着された。

 

《カチドキアームズ》!

《いざ出陣!エイ・エイ・オー》!

 

変身音声と共に装われる甲冑。胸部に鎧武のマークがある鎧を全身に纏い帽子の日本刀を模した装飾には更に飾りが加わって手足にも籠手や装甲を装着し背中に鎧武のマークを掲げる2本の旗『カチドキ旗』を差すカチドキアームズになったフランは火縄銃型アームズウェポン『火縄大橙DJ銃』を右手に持ち壊れた微笑をパルスィに向けて浮かべた。

 

フラン「うふふふっ、ココからは僕のステージだよ♪」ガシャッ!

 

ドキュンドキュンドキュウウウンッ!

 

パルスィ「! くっ……!?」シュバッ!

 

アームズチェンジして一番、フランはDJ銃の銃口も笑顔共々向け引き金を引く。三連射で銃弾が放たれパルスィは床を蹴り横っ飛びにする。

 

フラン「アハッ♪」シュクシュクシュッ

 

銃弾を避けたパルスィを目で追うフランはDJ銃を持ち上げる。そうして左手でDJ銃の銃身にあるターンテーブルを擦った。するとターンテーブルが発光してドライバーの待機音と同じ法螺貝の音を鳴らし更にフランはそのターンテーブルの横、グリップに近い位置にあるツマミを捻って『H』に合わせると法螺貝の音はアップテンポに変わりもう一度ターンテーブルを擦る。

 

フラン「次はこうだよ!」ジャカッ!

 

ドガガガガガガガガガガアッ!

 

そして両手でDJ銃を構え直し引き金を引く。そうするとアップテンポの法螺貝を鳴らすDJ銃の銃口からマシンガンの様に銃弾が放たれた。

 

パルスィ「なっ!?くうっ……!」ダッ!

 

ソレに狙いを定められるパルスィはフランの周りを走り出し銃弾を避ける。防戦となるパルスィだが、ただ避けるばかりでは無い。その最中でポケットからメダルを3枚取り出すとオーズドライバーに今装填される橙色のメダルと入れ替え走りながら、避けながらオースキャナーで入れ替えたメダルをスキャンした。

 

ギンギンギンッ!

《タカ》!《クジャク》!《コンドル》!

《タァ~ジャ~ドルゥ~》!

 

ブラカワニからコンボチェンジするはタジャドル。ガタキリバコンボになり分身を使っての一斉攻撃を一瞬考えたパルスィだったがフランの火縄大橙DJ銃は単体から複数に至る迄に大ダメージを与えるアームズウェポンだ。そんな武器を前にガタキリバの分身体で一斉に掛かれば纏めて返り討ちにされかねず『分身が元の1人に戻った際、受けたダメージがフィードバックする』と言うガタキリバのデメリットで劣勢又は敗北になりかねない。なので単体で比較的スペックや攻撃手段の多いタジャドルコンボを選んだパルスィは翼を羽ばたかせて追ってくる無数の銃弾から逃れる。

 

パルスィ「はあああああッ!」ボボボボボォンッ!

 

フラン「っ!」

 

ドドドドドガァァァンッ!

 

そして上手く立ち回り炎を纏った弾幕をフランに放つ。迫り来る灼熱の炎弾にフランはつい反応が遅れて直撃してしまう、のだが───

 

フラン「……きひひひっ、効ィかなァい♪」ニヤァ

 

パルスィ「んなっ!?」

 

防ぎもせず受けたフランは平然と笑う。決して生半可では無い手加減無しの炎弾にフラン自身は勿論、アームズにも傷一つ付いておらずパルスィは戦慄した。

 

フラン「じゃあ次は僕の番ね!」シュクシュクシュッ

 

対照的に笑顔のフランは再びDJ銃のターンテーブルを擦る。そして今度はツマミを『L』に合わせるとアップテンポの法螺貝は反対にローテンポとなりフランはまたターンテーブルを擦って銃口をパルスィに向けた。

 

フラン「えいっ!」カチッ

 

ドキュウウウウウーンッ!!

 

可愛い掛け声と共に引き金を引いて放たれるは大玉のエネルギー弾。大きな発射音を響かせて撃ち出された砲弾にパルスィは即座に飛翔し回避すると的を外した砲弾は床に着弾して爆発を起こす。その威力で部屋全体に張られる防御結界は揺らぎ崩れ掛かった。

 

フラン「どんどん行くよ~?」ヂャキッ!

 

ドキュオンッ!ズドオンッ!ドオアンッ!

 

パルスィ「っ……!」バサァッ!

 

続けてフランは狙いを定め砲弾を放つ。直撃すれば一堪りも無い砲弾は当たるもの全てを破壊せん勢いでパルスィに迫り対するパルスィはソレらを飛んで避けながら左腕にある円盤状の装備『タジャスピナー』を開く。そして中にあるセルメダル3枚とタカ・クジャク・コンドルのコアメダルを入れ換えて閉じるとオースキャナーでタジャスピナーをスキャンした。

 

《タカ》!《クジャク》!《コンドル》!《ギン》!《ギン》!《ギン》!

《ギガスキャン》!

 

パルスィ「欲焔『マグナブレイズ』!」ボワアッ!

 

タジャスピナー内のメダルがギガスキャンされパルスィはメダルの力で火の鳥と化すとフラン目掛けて羽ばたく。フランは更に砲弾を撃ち込み返り討ちしようとするが灼熱の炎を纏う火の鳥となったパルスィはソレらを弾き飛ばした。

 

パルスィ「セイヤアアアアアッ!」グワッ!

 

フラン「……!」ジャキッ!

 

砲撃をものともしない火の鳥がフランへ急降下する。欲望の炎が燃え盛るパルスィの一撃に対しフランは身構えると背中に差す鎧武のマークが掲げられる2本の旗『カチドキ旗』を抜き両手に握ると対抗するかの様に炎を纏わせ迎え撃つ形で振るう。炎の鳥と炎の旗が真っ正直から衝突した。

 

ガキイイイイインッ!

 

パルスィ「なっ!?お、押し返せな……!」

 

フラン「アハハハァッ!禁忌『レーヴァテイン・V』!」グオッ!

 

ボワアアアアアッ!

 

パルスィ「きゃあああああッ!?」

 

激しい衝突音を響かせぶつかり合い競り勝ったのはフランのカチドキ旗。フランのスペルカード、禁忌『レーヴァテイン』の力と掛け合わさり2振りの炎剣となったカチドキ旗はパルスィの攻撃を受け止め更に弾き返す。幸い炎を纏っていたお陰で破壊によるもので無く打ち身のダメージだけだがそれでもパルスィは苦悶した。

 

フラン「あ、大丈夫お姉ちゃん?まだ壊れちゃってないよね?」カクッ

 

パルスィ「つうッ……大丈夫だったらどうなのよ?そのあどけない顔が妬ましいわ」グググッ

 

依然ハイライトの無い目で首を傾げ倒れたパルスィに声を掛けるフラン。パルスィは体を起こしながらその問い掛けに悪態を吐き答えた。

 

フラン「良かったぁ。壊れて使い物にならなくなったら外に出られないからね。新しい玩具が来る迄お預けになっちゃうよ♪」ニコッ

 

パルスィ「……アンタ本気で私に成り代わるつもり?だとしたらアンタの姉が言う通り狂ってるわ」

 

フラン「うん、そうだよ。僕は狂ってるの。見えるもの全ての『破壊の目』が見えてソレを握ればどんなものだってチリにしちゃう狂気の吸血鬼……それが僕、フランドール・スカーレット。そんな僕が自由になる為にお姉ちゃん、その顔を頂戴?」ニィ

 

口角を釣り上げフランはパルスィにそう言って笑い掛ける。その表情は狂気そのものと言った感じで思わず震えが起きる……のだがパルスィは同時に何かを感じ取って少々眉をしかめた。そして何を思ってかパルスィはフランにこう言い放つ。

 

パルスィ「───そうかしら?もしも本当にそうだとしたら何でアンタは力ずくで外に出ないのよ。狂ってるんなら無理矢理にでも出れるでしょうに……例え自分の姉を殺してでも」

 

フラン「ッ!?…………な、何が言いたいの?」キッ

 

パルスィ「いいえ、何でも無いわ。単なる下遷な妖怪の他愛も無い疑問……それより続きよ。死にたくないからアンタに勝って帰らせてもらうわ」バサァッ!

 

その質問にフランはふと表情をやや険しくするがパルスィは自ら会話を終わらせて背中の翼を一羽ばたきする。ソレにフランは先程迄の笑顔から一変、表情を歪めてそんなパルスィに受けて立った。パルスィは翼から羽根を射出しフランに数十発のエネルギー弾が襲い掛からせる。

 

ドバババババァンッ!

 

フラン「っ!」バッ!

 

パルスィ「はあああああッ!」ダッ!

 

ガキィィィンッ!

 

フラン「くっ……ッ!?」ギリッ

 

迫る羽根のエネルギー弾をフランは回避する。ソレを読んでいたかパルスィは避けた方向へ攻撃を仕掛けフランは振るわれた拳をカチドキ旗を交差させ受け止めた。しかしフランは先程の様に余裕のある態度で止められず僅かに仰け反る。苦悶の表情を見せて押し留めるフラン……ソレにパルスィは対照的に余裕の笑みを見せて彼女に問い掛けた。

 

パルスィ「あら?どうしたのよ。さっきは妬ましい位に余裕で返してたのに打って変わったじゃない」グッ

 

フラン「う、五月蝿い……!貴女が変な事を聞いてくるから───」

 

パルスィ「? 変って何よ。私は『狂ってるにしては狂い方が不自然』だって思っただけよ?ソレがどうかしたの?」

 

フラン「ッッッ!」ギリッ!

 

ガィンッ!

 

パルスィ「!」ザザザッ!

 

フラン「五月蝿い五月蝿い五月蝿ァァァァァいィィィィィッ!」グワッ!

 

足を踏ん張るパルスィがそう言うと突如フランは弾き返して激昂し勢い良く飛び掛かる。焦っている様な顔色で両手に無双セイバーと黒い背骨を模した愛用の杖を握り襲い来るフランにパルスィは後退しながら回避していく。

 

フラン「僕は狂ってるの!何を壊してもどうもしない誰に嫌われても何とも思わない!ただ面白いから、楽しいから壊す!だから僕は狂ってる!気が触れてるっ!いかれてるのよッ!」ブオンッ!ヒュッ!シュバアッ!

 

パルスィ「っ……!」グレイズ!

 

フラン「その気になればお姉様だろうと咲夜だろうと美鈴だろうと壊せる!勿論僕自身だってね!それ程狂気なんだよ僕はァッ!ウフフフッ、アハッ♪キヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒッ!」ヒュッ!

 

ドスッ!

 

パルスィ「ぐうっ!?」シュザアーッ!

 

声を荒げながらフランは二振りの得物を振るう。まるで『自分へ言い聞かせる』かの様にそう言うと壊れた笑いと共にフランは拳を放った。大振りな剣撃を避けていたパルスィだったが突如の打撃に対応できず腹部へ打ち込まれ飛び退く。するとフランはカッティングブレードを2回叩いた。

 

《ソイヤッ》!

《カチドキオーレ》!

 

フラン「勝鬨『無双禁忌二連斬り』!」

 

ズダァァァンッ!

 

ブレードを下ろした事でカチドキロックシードのエネルギーが両手の二振りに注がれる。橙色のエネルギーを纏った無双セイバーと黒い杖をフランが同時に振り下ろすとエネルギーが斬撃波として放たれパルスィに襲い掛かってきた。橙色の斬撃が床を駆け、斬り裂きながら迫り来るのに対しパルスィは素早くタジャスピナーを開きタカ・クジャク・コンドルコアとクワガタ・カマキリ・バッタコアを交換。タジャスピナーを閉じてオースキャナーでメダルをギガスキャンする。

 

《クワガタ》!《カマキリ》!《バッタ》!《ギン》!《ギン》!《ギン》!

《ギガスキャン》!

 

パルスィ「欲雷『ワイルドジョープット』!」バリバリバリィッ!

 

緑のコア3枚とセル4枚の力がパルスィを包んで雷電の鍬形蟲と化す。激しく火花を散らして大顎を開き飛翔すると緑色の鍬形蟲はフランへ飛び掛かった。

 

パルスィ「セイヤアアアアアーッ!」グワッ!

 

《ソイヤッ》!

《カチドキスパーキング》!

 

フラン「禁弾『スターボウブレイクon火縄大橙DJ銃』!」

 

ズガガガガガアアアンッ!!

 

迎え撃つフランは腰に提げる火縄大橙DJ銃を再び取るとドライバーのカッティングブレードを3回叩く。更に禁弾『スターボウブレイク』と掛け合わせ銃口から七色の銃弾が無数に射出されてパルスィの攻撃とぶつかり合った。

 

ドガアアアアアンッ!

 

フラン「うくあっ……!?」ズザァーッ!

 

パルスィ「ッ!」バサァッ!

 

衝突し爆発が起きると巻き上がった爆煙から衝撃により吹き飛んだパルスィとフランが距離を取る形で現れる。足を踏ん張って衝撃を殺したフランはすぐさま次の手を出そうとパルスィに飛び掛かった。ソレにパルスィは羽根のエネルギー弾を撃ち出す。

 

ドバババババァンッ!

 

フラン「キヒッ♪」ガシィッ!

 

パルスィ「っ……!?」

 

フラン「禁弾『カタディオプトリック』!」

 

ガガガガガァァァンッ!

 

しかしそんな迎撃を不気味に笑うフランは当たりながら突撃するとパルスィの首を鷲掴む。そうしてスペカを宣言する事で周囲に散った弾幕が壁や床、天井に跳弾し上手く計算されて一斉にパルスィとフランに猛襲してきた。

 

パルスィ「! アンタ……!?」

 

フラン「言ったでしょ?僕は自分が壊れてもどうもしないって♪」

 

ドゴオオオオオンッ!

 

パルスィ「う、ぐうっ!?」グラッ

 

フラン「…………」フラッ

 

ドシャアーッ!

 

跳ね返ってきた弾幕が被弾しパルスィとフランは態勢を崩して床に墜落する。互いに顔をしかめ苦悶の表情を浮かべるも起き上がり膝を突くパルスィにフラ付きながら立つフランは力の弱い笑みを見せた。

 

フラン「アハハハッ……どう?これでもまだ変だって言うの?まぁ気が変なのは認めるけどね」

 

パルスィ「……いえ、思わないわ。妬ましくもない不自然さね」

 

フラン「ッ!ど、どうしてそんな否定するのよ!?僕が狂ってるって言ったら狂ってるの!何で貴女は私が不自然だって言うのさ!」

 

パルスィ「私が聞きたいわよ。何でかアンタが妙にそう思わせてる様に思えてならない……別にアンタがどうだろうと関係無いけど何かムズムズするからそう言ってるの。ハッキリさせないと気になって帰るに帰れないわ」

 

フラン「~~~~~ッ!うっ、五月蝿い五月蝿い五月蝿いッ!黙れえええええぇぇぇッ!」ガシャッ

 

《ロックオフ》!

 

頑なに自らが狂ってると言い張るフランにパルスィは更に食い下がりそう言うとフランは激昂しドライバーからカチドキロックシードを外す。そしてソレを手に握る火縄大橙DJ銃のソケットに填めるとハンガーを閉じた。

 

《ロックオン》!

 

オー!……オーッオオッオー!オー!……オーッオオッオー!

 

パルスィ「っ!」

 

火縄大橙DJ銃に施錠すると音楽が鳴り銃口からロックシードのエネルギーが漏れる。ソレが攻撃の動作だと気付いたパルスィは身構え一方のフランはパルスィに対し憎悪に近い感情を感じさせる表情を向け狙いを定めると引き金を引いた。

 

《カチドキチャージ》!

 

フラン「勝鬨『火縄大橙DJ砲』!」

 

ドキュオオオオオーーーンッ!

 

カチドキロックシードのエネルギーを充填し放たれた極大の砲弾がパルスィ目掛けて飛ぶ。向かってくる砲弾の威圧感に破壊的なものを感じたパルスィは避けようと体を動かすが一瞬遅く極大的な勢いの砲弾が着弾した。

 

パルスィ「───っ!」

 

ズドガアアアアアァァァァァンッ!!

 

激しい爆発音を立てパルスィが立っていた周辺が爆発に包まれる。避けようと試みたパルスィも声無く覆われ余りの衝撃に防御結界も限界を超えて壁や天井が崩壊。ガラガラと音を轟かせ瓦礫として床に積もった。恐らくはパルスィをも下敷きにされたと見たフランは火縄大橙DJ銃を下ろし口角を上げて笑む。そして高らかに狂った笑い声を上げた。

 

フラン「───ア、アハハハハハッ!壊れた?ねぇ壊れた!?僕の言う事を聞かないからそうなったんだからねお姉ちゃん!クヒヒヒヒヒッ♪」

 

滑稽で堪らないと言った様子で崩落した天井の瓦礫を見て笑うフラン。感情を抑え切れない狂った笑いを暫く続けたフランはやがて「アハハハッ!……ふぅ~っ」と一息吐くと微笑を顔に張り付け再び瓦礫の山を見やる。

 

フラン「……あ~あ、折角の玩具なのに壊しちゃった。もう掘り起こしてもボロボロで使い物にならないだろうし外に出れないのは残念だなぁ。でも良いか!壊してるのはいつもの事だもんね───そう、いつもの事、だもん……だから、僕は、何とも思わない、よ……」グッ

 

そして瓦礫の山を見ながらそう言うと不意に最後の方は歯切れが悪くなる。まるでそう言い切るのが辛いと言わんばかりに項垂れて自身の足元を覗き込むかの様に俯き黙り込む…………と、そんなフランに思いもよらない声が掛けられた。

 

 

 

????「───全く、勝手に殺す……もとい壊すんじゃないわよ。その思い込みが妬ましいわ」

 

 

 

フラン「!? え、えっ?」バッ!

 

ソレはついさっき壊した筈の者の声。驚いたフランが顔を上げ声が聞こえてきた正面の瓦礫に目をやる。と同時に瓦礫が揺らぎギンギンギンッ!と言うメダルをスキャンする音が発せられて3つの紋章が現れた───

 

 

 

 

 

《プテラ》!

 

太古の空を翔る翼竜───

 

《トリケラ》!

 

古の大地を邁進する角竜───

 

《ティラノ》!

 

遥か昔の世に君臨した肉食竜───

 

 

 

 

 

《プットッティラ~ノザウル~スッ》!

 

パルスィ「ウオオオオオォーーーッ!」ズガアアアンッ!

 

フラン「っ!?」

 

3つの紫色の紋章が1つとなり再び瓦礫の中に吸い込まれると歌と共に瓦礫を押し退けパルスィが雄叫びを上げて姿を現す。襟足が伸びる紫色の髪を靡かせ全身の各所、白く染まった服の上から紫の装甲を纏う最強形態プトティラコンボになったオーズパルスィは紫色の瞳を驚くフランに向ける。瞬間フランの全身を凍てつく氷の様な冷たい感覚を覚えた。

 

フラン「……ど、どうして?貴女は今壊れた筈でしょ?なのに何で!?」

 

パルスィ「だから勝手に壊さないでっての……確かに今のは危なかったわ。捨て身覚悟で最大出力の炎を纏わなかったら木っ端微塵よ。防いでもこの通り痛い思いしてるけどね」ポタポタ

 

そう言ったパルスィの額や手足から血が滴る。良く見ると多少フラ付いており健全と言う訳では無い様だ。そんなパルスィは言葉を続けた。

 

パルスィ「それにしても揺さぶりを掛けただけあったわ。漸くモヤモヤしてた違和感が晴れそうね」

 

フラン「揺さぶり……?違和感?」

 

パルスィ「アンタの狂ってる発言の事よ。最初こそアンタはアンタの姉が言う通り気が触れてると思ってたけどどうやら違うみたいね。アンタは……!?」

 

ガキィンッ!

 

フラン「違う……!僕は狂ってる!そんなんじゃないッ!」ギリッ

 

パルスィ「妬ましいわね。最後迄言わせなさいよ……!」ギギギッ

 

何かを指摘し掛けた所を突如フランは無双セイバーを振り下ろしてきてパルスィはソレを腕の装甲で受け止める。ギィンッ!と言う金属音を立て離れたフランは左手に火縄大橙DJ銃を持つと無双セイバー共々持ち上げてDJ銃の銃口に無双セイバーの刀身を差し入れた。するとDJ銃のグリップ部分から刃が飛び出し2つの武器は一振りな大剣に変化する。

 

ジャキィンッ!

 

フラン「うわあああああッ!」グオンッ!

 

パルスィ「!」バッ!

 

その大剣モードとなった火縄大橙DJ銃+無双セイバーの合体武器を両手で握るとフランは叫びに似た声を上げて振るう。ソレを回避したパルスィは右手を床に勢い良く突き刺すと中からプトティラの力で生成された斧型武器『メダガブリュー』を抜き出すと再び迫るフランの大剣と刃を合わせた。

 

ズガキャアンッ!

 

フラン「フゥーッ!フゥーッ!フゥーッ!」ギリギリッ!

 

パルスィ「つッ!……ア、アンタが何でそんな自分が狂っててほしいのかは大体判るわ。狂ってると思えば何を壊してもどうもしなくなるし誰に嫌われても何も思わない。自分は狂ってる、そう思う事がアンタの砦なのね」

 

フラン「違ウッ!僕ハ狂ッてるルんだヨ!何を壊シてモ誰ニ嫌ワレてもどウダってシない!そレガ僕なの!狂気の吸血鬼、フランドール・スカーレットなンダよ!」ガキィンッ!

 

パルスィ「それこそ違うわ!アンタは壊しても嫌われても傷付く吸血鬼よ!傷付きたくないから自分に狂ってると思い込ませてるね!」ギキィンッ!

 

フラン「五月蝿イッ!違ウ違ウ違ウ違ウ違ァァァァァウゥゥゥッ!」バババババァンッ!

 

パルスィ「っ!」グレイズ!

 

火花を散らしてぶつかり合う両者。気持ちを荒ぶらせるフランの猛攻にパルスィは対応しながら諭す。ソレにより一層荒ぶるフランだがその分攻撃が雑になる。

 

パルスィ「セイヤアッ!」ズザァンッ!

 

フラン「うあっ!?」ザザザッ!

 

パルスィ「もうやめなさい。これ以上思い込み続けたって無意味よ。アンタ本当に自分を壊して楽しい?私の顔を剥いで私に成り変わりたいのがアンタの本心?」

 

フラン「ッ……」ギリッ

 

パルスィ「違うでしょう?そんなのはアンタの本心じゃない。部外者が勝手な事を、って思うだろうけど言わせてもらうわ……アンタ本当にそのままで良いの?」

 

反撃し離れた所を更に言葉で畳み掛けるパルスィ。すると歯噛みするフランは言葉にならない声を漏らし感情が爆発した様に口を開いた。

 

フラン「───良くないよッ!僕だって皆と仲良く外で遊びたい!狂ってるだとか壊れてるだとか言われず自由に生きたい!だって僕は狂ってないもん!壊れてなんかないもん!」

 

それは漸く見せた彼女の本心。嫌われて傷付くのが嫌で自分は狂ってるから嫌われてもどうもしないと思い狂気を演じた幼き吸血鬼の本心だ。本当の自身を吐露したフランにパルスィは言葉を返す。

 

パルスィ「だったらソレを証明する為にアンタのままで外に出れば良いじゃない。アンタが狂ってない事を知らしめたらどう?」

 

フラン「出来ないよ!どんなに狂ってないって証明しても僕には『破壊の目』が見える!何かの拍子で誰かを壊したらまた嫌われちゃうよぉ……!」ギュッ

 

悲痛に叫ぶフランは肩を抱く。怯える様に声を震わせ誰かを壊してしまう事を恐れる彼女は最早狂気の吸血鬼などでは無く一人の臆病な吸血鬼である。そんなフランにパルスィはフゥと息を吐き後頭部を掻くと顔をしかめ言う。

 

パルスィ「そんなのやってみなきゃ判らないじゃない。そうやっていつ迄も閉じ籠るつもり?自分に怯えてそのままで居るの?」

 

フラン「う、五月蝿い!貴女には判らないわよ!僕の苦しみなんて!」

 

パルスィ「ええ生憎と判らないわ。でもアンタが間違ってるのは判る。ココで自分を閉じたって何も解決しないわよ」

 

フラン「五月蝿い!五月蝿い五月蝿い五月蝿い!僕は、僕は、僕はアアアアアーッ!」ガシャッ!

 

《ロックオフ》!

 

パルスィ「!」ジャキッ!

 

激昂したフランは再びカチドキロックシードをドライバーから外すと火縄大橙DJ銃・大剣モードのソケットに填める。その動きに反応してパルスィもメダガブリューを構えるとポケットからセルメダルを4枚出すと刃の部分に投入した。

 

《ロックオン》!

 

バキゴキボキゴキッ!

《ゴックン》!

 

「「はあああああァッ……!」」ギュオオオオオッ!

 

ハンガーを下ろしロックシードを火縄大橙DJ銃・大剣モードに装着するフラン。一方のパルスィはメダガブリューに4枚のセルメダルを投入するとレバーを握りティラノサウルスの頭部を模した部位を動かし刃に入れたセルを圧縮する形で口を閉じさせ、そのままメダガブリューをバズーカモードに変換し柄部分に当たった砲口をフランに向けた。刀身と砲口にエネルギーを充填するフランとパルスィは数秒の溜めを経て同じタイミングで攻撃を放つ。

 

《イチ・ジュウ・ヒャク・セン・マン・オク・チョウ!無量大数》!

 

フラン「勝鬨『火縄大橙無双斬』!」

 

《プットッティラ~ノヒッサ~ツ》!

 

パルスィ「欲滅『ストレインドゥーム』!」

 

ドッグワアアアアアァァァァァン!!

 

それぞれ橙と紫になる極大的な斬撃と破壊光線が放たれ衝突。部屋全体を揺らがせる激しい爆発音を轟かせるとフランとパルスィはその爆煙に包まれて見えなくなってしまった───




カチドキvsプトティラ。コレが書きたかった!破壊と破壊もとい無限と虚無(欲望を破壊するから)の対決を書けて満足ですぜ♪

フランは本当に狂ってた訳じゃ無く嫌悪されて傷付きたくないから自分が狂ってると思い込ませ閉じ籠ってたんです。他人を壊して自分は気が狂ってると思わせレミリア達を自分から遠ざけてたんですね。大切な存在だから壊したくなくて他人を壊し自分を閉じ込める……やり方はどうなのかと思うけどフランはフランなりに考えての行動なんです。顔を剥いで、と言うのも狂ってると思わせる口実と言う訳ですね。

我ながら滅茶苦茶な設定だわ(メメタァ

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