東方嫉妬王 ~Jealousy of the OOO~ 作:秋塚翔
勢いとは時に見る者の目を曇らせる
つまり今回は勢い任せの駄文です。生暖かい目で見てください。
……毎度の事か(苦笑)
「「「「「胡蝶夢丸?」」」」」
一夜明けた永遠亭。妖怪兎達が忙しく家事をしている一方で永琳の部屋に部屋主が呼んだパルスィ達7人が集まって永琳が差し出した薬入り小瓶の名を異口同音に発する。対し永琳は続いて口を開いた。
永琳「そう、『胡蝶夢丸』。飲んで寝ればとても良い夢を見る事ができる私の最近の最高傑作品よ」
パルスィ「それが一体どうしたの?私達さっき起きたばっかなんだけど」
つまらない事で呼び出すなと言わんばかり不機嫌そうな顔でパルスィは問う。そんな反応するのを解っていたのか永琳は申し訳無さそうに微笑を浮かべて返答した。
永琳「勿論これから貴女達に寝てもらって良い夢を見てもらう為に呼んだ訳じゃないわ。これは話に聞く霊夢達に勝る為の手段よ」
フラン「? 霊夢達に、勝る?」
天子「どう言う意味です?」
永琳「本来ライダーって言うのはつまる所、能力値は千差万別でも意志の違いでその能力差は変動するわ。言わばライダーの強さはスペックでは無く心の気概で決まると見ても過言じゃないわね」
天子「心の気概……?」
永琳「それがしっかりとしていれば幾ら脅威的な霊夢達にも勝れる……だからこそこの『邂逅版』胡蝶夢丸を試してみる価値があるわ」
良く見るとラベルに追加記入で『邂逅版』と記される胡蝶夢丸の小瓶を開けつつそう説く永琳。机上に敷いた紙に丸薬を人数分出すと説明を続けた。
永琳「実はコレ、本来なら過去の自分と夢の中で向き合う為に作ったんだけど……どう言う訳か平行世界上の自分と夢の中で邂逅できる効果を持ってるのよ。しかも相手はコッチを知ってるって言うご都合付きでね」
パルスィ「何をどうしたらそうなるのよ……ある意味ソッチの方がとんでもない代物じゃない」
永琳「良くあるのよねぇ。この間なんて風邪薬を作るつもりがガンに効果的なワクチンが出来ちゃうし」
翡翠「ソレ別物よね?卵料理が暗黒物質になるレベルじゃないの」
『薬を作る程度の能力』にうっかりが混ざったであろう永琳の技術にある意味感心しつつもやはり呆れる。一方で幻月は考える様に斜を向いていて不意に視線を永琳に戻し彼女へ問い掛けた。
幻月「……つまりアンタはこう言いたいの?コレで私達は異世界の自分と会って心を鍛えろって?」
永琳「かいつまんで言えばそうね。副産物とは言え効能は実証済みだから安心できるわよ。どうかしら?」
パルスィ「どうってそんな事を言われても……」
乗り気では無いパルスィ。何せ鍛える等と言った行為は霊夢や魔理沙なら兎も角パルスィは余りやらない。そもそも彼女は未だ内心では人探しの為に地上に来ていて異変解決するつもりは無いので永琳の提案にやる気になれなかった。しかし……
天子「や、やらせてください!」
フラン「お願いします!」
パルスィ「! アンタ達っ……!?」
そこへ対照的に了承したのは天子とフラン。眉をしかめ驚くパルスィに気付かず2人は言葉を続ける。
天子「私達が頑張って霊夢さん達を助けられるなら……助けたいです」
フラン「異世界の僕に学んで霊夢達がそうしたみたく僕も幻想郷を救いたい!だからお願い!」
パルスィ「…………」
2人の瞳から意思が伝わる。嫉妬妖怪故に感情を感じ取る事が特に得手でパルスィは天子とフランの覚悟に若干気圧された。そんな彼女の傍らでパルスィの心境を幸い察していないこころは彼女へふと問う。
こころ「どうしますか姉様?お2人は見るからにやる気ですが」コソッ
パルスィ「! …………反対する理由も無いし私達も付き添うわ。アイツらだけじゃ心配だしね」
こころ「判りました♪」
翡翠(…………)
動揺を誤魔化す様にそう返答したパルスィにこころは誤魔化した事に気付かず福の神の面を頭に着けて喜びを表す。対して翡翠はそんなパルスィに何を思うのか視線を向けたまま黙っていた。
永琳「それじゃ貴女達はやるのね?ソッチの姉妹さんはどうする?」
幻月「あ~、私達はパスよ。4人も寝るなら今の現状を考えて私達は敵が攻めてきた時に備えて控えてる」
夢月「私達は自分の心に少なからず自信がありますし遠慮します」
翡翠「それなら私も。そもそも戦闘要員じゃないし監視を受け持つわ」
永琳「そう。じゃあ4人は隣の病室に来て頂戴?そこで試すから」
そう言って出した丸薬の内4粒をそれぞれパルスィ、こころ、天子、フランに手渡し永琳は診療室を出る。その後に続きパルスィ達も病室に向かい心を養う試練が始まった───
鈴仙「…………」フイッ
その様子を廊下の角から見る鈴仙。たまたまてゐら妖怪兎との手伝いで薬箱を抱えてる彼女は何を思うのか仏頂面をしかめつつも視線を背けてまた歩き出したのであった───
シュルルルルルルルルルルッ───
一方その頃、竹林近辺では敵の手が永遠亭へ及ぼうとしていた。竹林に這い寄る様に迫り来るは幾多の蔓。まるでそれ自体が意思を持つかの如く竹林へと侵食してきている。その蔓に囲まれる中で同様に歩み行く複数体の怪人もまた竹林を目指す。
????「ココガ迷イノ竹林カ……全クコンナ所ノ制圧ニ私達ヲ使ウトハアノ人間ハ何ヲ考エテルンダカ」
?????「何デモ良イ!我ガ求メルノハ楽シマセテクレル猛キ者ダ!コノ世界ハ異界ノ猿共ヨリモ強イ力ヲ持ツ者共ガ居ルト聞ク。ソノ者共ヲ刃ヲ交エ我ガ乾キヲ潤ワセル!」
その怪人達の先頭に立つ緑と赤の怪人は唸り声のみを発す続く怪人達とは違いそう言葉を交わす。緑色のハルバートと赤い大剣を携え侵攻する2体は麟音の命令で怪人、インベス達を先導していた。
レディエ「マァ折角蘇ッテモ退屈シテタ所ダカラ遊バセテモラオウカ。良イ玩具ガアルト嬉シイナ♪」
デェムシュ「我ラガフェムシンムノ潰エタ栄華ヲ再ビ手ニスルノダ!」
「「「「「ガアアアアアァーーーーーッ!」」」」」
雄叫びを上げるインベス達。それらを引き連れるオーバーロードたるレディエとデェムシュは笑みを浮かべる様にしてヘルヘイムの植物を操りながら竹林へ入った。それは新たなる脅威との対決と鈴仙が仇と邂逅する事を意味する───
──────────…………?
天子「んっ……?」パチッ
目が覚める天子。と言っても彼女は『邂逅版胡蝶夢丸』をパルスィ達と先刻共に飲み病室で寝ていた筈なので自分は目覚めたのでは無く夢の中に来たのだと天子は自覚した。因みにメタい話になるがこの前の描写が無いのはまたすぐ場面転換するので読み易さを優先しましたのでご理解とご了承とお願い致します。
天子「ココが夢の中ですか……それにしても見覚えありますね」キョロキョロ
兎も角として夢の中に意識があるまま来た天子は辺りを見回す。夢の中は本人の物だからか広がる光景は彼女が住む天界。しかし人気は無い所が現実のもので無いのを窺わせる。そこで1人佇む天子は変化が無いか良く注意を巡らせた。と、そこへ!
??「要石『天地開闢プレス』!」
天子「ッ……!?」バッ!
ズドオオオオオーーーンッ!
突如として自分のスペカ宣言で落ちてきた要石。それを視界の端に捉えた天子は素早く横に飛び回避する。雲混じりの地面に落ちた要石は大きな墜落音を立ててもうもうと土煙を巻き上げる。
天子「ッ!な、何が……っ!?」ギョッ
視界に捉えた見慣れる要石が落ちてきたのに天子は驚く。だがその驚きも墜落地点へ向いて落ちてきたのが確かに要石だと確認した瞬間に驚愕へ塗り替えられた。その理由は……
天子(?)「───ハッ!良い子な面の割に反応は悪くないわね『私』?少しは期待できるかしら♪」ニィ
天子「わ、私……!?」
地面にめり込む要石に乗り共に落ちてきたと見られる少女が毎朝鏡の前で見る自分の顔と寸分違わずだったから。要石から下りたその天子は好戦的に笑み驚愕する天子と対峙す。
天子(夢)「初めまして、って言うのは同じ私だし少し可笑しいかしら?兎に角礼儀として言わせてもらうけど私も比那名居天子よ。宜しく♪」
天子「あっ!ど、どうも……こちらも比那名居天子です。宜しくお願いしますっ」ペコリ
向かい合い片や緋想の剣を肩に掛け勝ち気な態度を取る天子───仮に天子(夢)と称しようか───と片や深々とお辞儀する天子は挨拶を交わす。見るからに性格が違う異世界の同じ比那名居天子。しかし片方の天子、天子(夢)は向かう天子に緋想の剣で肩を叩きつつ不服そうな顔を見せた。
天子(夢)「全く、会う前から知ってたけど礼儀正しい敬語な私って違和感とかが個人的に半端無いわね……アンタ痛いの好き?」
天子「へっ?いえ痛いのは……」
天子(夢)「でしょうね。本当良い子な私とか違和感がエクステンドするわ……最初こそ手加減しつつ鍛えようかと思ってた、けどッ!」ヒュッ!
天子「!」シュバッ!
ズザシュッ!
天子「うくっ……!?」ズザァーッ!
天子(夢)「ちょっと気が変わった。アンタみたいな良い子面した私は私がドSばりにボコったげる♪」スッ
天子「ッ!」ジャキッ
質問に対する答えに落胆した様子でそう言うや天子(夢)は豹変し緋想の剣を振るう。それに天子は即座に反応して後退するも多少傷を負った。剣を軽く一振りした天子(夢)は好戦的な笑顔を浮かべて天子に剣先を向ける。同様に天子も緋想の剣を構えて迎え撃つ様にするとその後は語らず瞬間にぶつかり合った。
「「ハアアアアアッ!」」シュダッ!
ガキャイィンッ!
元々精神を鍛えてもらう為に来たので天子は突如攻撃してきた天子(夢)に問わず衝突する。緋想の剣同士が刃を交え夢の中の天界にて2人の天子は勝負の狼煙を上げた。鍔迫り合い火花を散らして力が拮抗するも天子(夢)が先手を打ち蹴りを打ち込む。
天子(夢)「おらァッ!」ドゴォッ!
天子「かふっ!?」ザザザッ!
体を捻って敢えて力負けした所で近付いた天子の腹を天子(夢)が蹴る。自重も相成り蹴られ空気を吐き出した天子は威力で後ろに飛ぶも自分の足で着地。苦悶の表情で息を整えていると天子(夢)は間髪入れずスペカを宣言してきた。
天子(夢)「『全妖怪の緋想天』!」
天子「ッッッ!?乾坤『荒々しくも母なる大地よ』!」バッ!
ガガガガガガァッ!
放たれるは近い以前に指名手配の天邪鬼を討伐する際に使われた回避不可能の反則弾幕。それに天子は整わぬ息のままスペカを宣言し緋想の剣を地面に刺して隆起させた地面にて防ぐ。すると天子(夢)はその大地の盾を飛び越えて緋想の剣を振り下ろした。
バッ!
天子(夢)「だりゃあぁッ!」ヒュオッ!
天子「くっ!」ガキィッ!
天子(夢)「へぇ、コレも私並にはやるみたいね?でも勢いが足りない。私ならもう少し思い切ったパワーある攻撃をしなさいよ」ギリッ
天子「そ、それはっ……」グググッ!
天子(夢)「まぁアンタがそうなら私は私なりにやるけどね。取り敢えずアンタは変身しなさいよ!」ギンッ!
天子「!」
剣を弾き天子(夢)はそう言い放つ。それに対して天子は心中でそうしなければ手数で劣ると考え何も言わずに承諾するとブレイバックルを出して一連の変身動作を行う。
天子「変身!」ガシャッ!
《ターンアップ》
そうして天子はブレイドへと変身。ソレに天子(夢)は面白そうに笑むと握られる緋想の剣をただ地面に刺して手離した。
天子「はてさて、甘いアンタでもライダーの力を加えたらどれだけ私を楽しませてくれるかしら?コッチも本気を出したげるから精々期待させて頂戴よね♪」チャキッ
天子(! アレは……幻月さん達のと同じ?)
そう言って天子(夢)が剣を離した手で懐から取り出すは幻月・夢月の夢幻姉妹がWへと変身する為に使うのと形状がソックリなガイアメモリ。白い筐体にWと抽象的に記されているソレを右手に握ると天子(夢)はその指で起動スイッチを押した。
《ウェザー》!
叫びとも聞こえる度量の地球の囁きが『天気の記憶』を呼び覚まさす。続いて天子(夢)が起動したそのメモリを首筋に現れた刺青に当てるとメモリは天子(夢)の体内に取り込まれていき完全に入ると彼女の姿が変わっていく。
鮮やかな服装や青い髪は白が基調となり手足には同じく白い装甲が装着されて首には風神を彷彿とさせる袋の飾り。手には鉄アレイの様な武器が握られ帽子が取り払われた髪はポニーテールに纏められた。その姿はブレイド天子と同じライダー少女の様に思われるが、その実は『怪人少女』。解り易く言えば超銀河王咲夜と同様に怪人、ドーパントの力を得た天子(夢)は地面に刺した緋想の剣を再び握り笑う。
W天子「『天候の天人』ウェザー天子。さぁ、天の力を思い知りなさい♪」チャキッ
天子「ッ……!」ジリッ!
右手に緋想の剣、左手にウェザーマインを握られてる天子(夢)ことウェザー天子にブレイド天子は警戒しつつ緋想の剣とブレイラウザーを握り相対する。『東方幻憶変』と『東方嫉妬王』……異世界の天子同士はそうして再び激しくぶつかり合った───
─────ドガアァァァンッ!
フラン「つッ……!」バサァッ!
所(?)変わりココはフランの夢内。天子と同じくフランが住む紅魔館がイメージされている夢の中で現在フランは弾幕勝負をしていた。通路で迫り来る弾幕を飛びながら避ける彼女はその宝石が下がる翼を一羽ばたきし立ち止まる。すると後方でフランに向けて弾幕を放っていた2人の少女が飛んできて止まっているフランに合わせ止まった。その少女達は……
フラン(夢)「凄いね私!私とお姉様のダブル弾幕を避けるだなんて♪」
レミリア(夢)「流石は異世界と言え私の妹だわ。これはもう少し本気で掛かっても大丈夫そうね♪」フッ
フラン「ッ!僕と、お姉様……!」
何とフランは兎も角としてもう1人はレミリア。同じく邂逅版の胡蝶夢丸を飲んだ筈が異世界の自分と更に姉が現れた事にフランは疑問視しながらも異世界のスカーレット姉妹の弾幕を防戦一方で受けていた。
レミリア(夢)「だけど避けてばかりじゃ逃げるのが上手くなるだけよ?私の妹なら臆さずに打ち倒すつもりで挑みなさい!」バッ!
フラン(夢)「そうそう。同じ私なら思うがままに遊びましょう♪」バッ!
ドバババババアァァァァァンッ!
フラン「ッッッ……!?」
そしてレミリア(夢)とフラン(夢)は姉妹さながらに同じ動作を取り高密度の弾幕をバラ撒く。通常弾幕ながら自身と姉のが合わさった弾幕がどれだけのものか目視も含めて理解するフランは迫る鬼畜級の高密度弾幕に対しココでとうとうスペカを宣言した。
フラン「き、禁忌『レーヴァテイン』!」ボワアアアアアッ!
ズバアアアアアンッ!
「「!」」
ボムのつもりで振るったレーヴァテインが偶然か無意識的か反撃を担い炎を纏う大きな刀身にて通路ごとレミリア(夢)達へ斬りに掛かる。天井から床に掛けて破壊的な斬撃が喰らわされて夢の中とはその力を示すフラン。しかし放った当の彼女はハッとするとレーヴァテインを元の杖に戻した。そのまま通路改め瓦礫の山となった眼前にレミリア(夢)達を心配するフランだがその心配は取り越し苦労となる。
───バサバサバサァーッ!
ガラガラガラッ!
レミリア(夢)「ふぅ、危なかった。蝙蝠になって分散しなかったら流石の私でもピチュってたわ」バサッ!
フラン(夢)「うふふふっ♪受けてみると恐ろしいわね私のスペカって。自画自賛みたく聞こえるだろうけど自分との対決って楽しい♪」クスクス
フラン「! よ、良かった……」ホッ
心配して見やる瓦礫から突如蝙蝠が何匹も飛び立ち空中で1つになるとソレらがレミリアに、同じく瓦礫を押し退けてフラン(夢)……の分身を抱えたフラン(夢)が現れる。どうやらレーヴァテインを避けた所で2人はそれぞれ蝙蝠に変化・分裂したり禁忌『フォーオブアカインド』で作った自身の分身を盾(ガードベント)にし落ちてきた瓦礫を回避した様だ。それを解したフランは驚く反面で安心した様に胸を撫で下ろす……と、その様子を見下ろしていたレミリア(夢)は目を細め呆れた様に言った。
レミリア(夢)「全く、何をホッとしてるの。私達は敵なのよ?そんな様子じゃ自分の力を扱いこなせてないみたいね」
フラン「! ……えっ?」
フラン(夢)「まぁ知ってたけどね。貴女は自分の能力を抑え込んで私達の相手をしてるでしょ?まだ誰かを不意に壊しちゃうのが怖くてさ」
フラン「ッ!」ドキッ!
続いてフラン(夢)もレミリア(夢)の言葉に続きそう言うとフランは図星の様に顔を強張らせる。そう、どうして間借りなりでも敵の筈なレミリア(夢)達が瓦礫の下敷きになった時に心配したか?それは彼女の優しさもあるが大方は壊してしまったのかと不安になったからだ。
幾らパルスィに諭され立ち直ったにせよ物を、人を、そして親を壊してしまったフランは壊す事が未だにトラウマである。故に自身が持つ『あらゆるものを破壊する程度の能力』は使わずに居た。だからこそ図星を突かれて動揺するフラン……それをご都合的に知ったるレミリア(夢)達はフランを揺さぶりに掛かった。
レミリア(夢)「貴女は幼いわ。橋姫に手を差し伸べられて大人になったつもりだろうけど自分を未だ抑えてるのならまだまた子供よ。本当の大人って言うのは自分を御せてこその事を言うの」
フラン(夢)「私の能力が誰かを守れるなんて言われてもやっぱり怖くて使えないのが貴女の現状。自分自身を殺してちゃダメよ?受け入れないと息苦しいと思わない?」
フラン「それ、は……」ジリッ
ご都合的にフランを知っているレミリア(夢)達の言葉は最も。しかし過去に囚われず外へ足を踏み出したフランだが実は完全に過去から脱した訳では無い。人に害を為す怪人は倒せても何でも無い者には無意識に自分を抑えてしまい恐らくまた望まずして誰かを壊してしまえば再び閉じ籠ってしまう程にデリケートだった。故にレミリア(夢)達の物言いにフランは迷いが生じ、相対するレミリア(夢)達は何やらアイコンタクトを交わすと懐を探り出した。
レミリア(夢)「……まぁ、そうだからこそ私達がこうして来た訳なんだけどね。安心なさい?この私が直々に貴女を鍛えてあげるわ」チャキッ
フラン(夢)「でも覚悟してね?私とお姉様の特訓はコンテニューできないEX以上の難易度よ♪」チャキッ
フラン(! アレって、幻月ちゃん達と同じ……?)
そう言って2人が取り出して見せるは各2本、計4本のガイアメモリ。BとQ、TとCが抽象的に記されるソレらを構えるレミリア(夢)達は起動ボタンをそれぞれ両手で押した。
《バット》!《クイーン》!
《タブー》!《クレイドール》!
地球の記憶から呼び覚まされた『蝙蝠』と『女王』、『禁忌』と『泥人形』が囁かれ半壊した通路に響く。狼狽するフランを余所にしてレミリア(夢)とフラン(夢)は各々が持つメモリを頭上へ放り投げると4本のメモリはまるで意思を持ったかの様に飛びレミリア(夢)の両首筋、フラン(夢)の両手首に現れた生体コネクタに刺さって体内に取り込まれた。それと同時に姉妹は姿を変える。
『蝙蝠』と『女王』を取り込んだレミリア(夢)は無数の蝙蝠に包まれてピンクがかったドレスは真紅に染まった優雅なものとなり外見を大きく見せていた翼はより大きく広がって四枚に。眼光は満月の光の様に輝き頭にはルビーをあしらったティアラが飾られて耳には紅い蝙蝠の翼を模したピアスが着けられてた姿、
『禁忌』と『泥人形』を挿入したフラン(夢)は赤を基調とした服を赤黒い返り血の様な染みがある深紅へと変えて、その裾には至る所がズタズタ。そして目は生気が宿しておらず人形特有の不気味さを感じさせる偽りの輝きを放つ姿に変貌し共に笑みを浮かべた。
BQレミリア「『闇夜の女王』バットクイーンレミリア。さぁ、楽しませて頂戴?」
TCフラン「『禁忌なる吸血鬼』タブークレイドールフラン……サァ、一緒に遊びマしょウ♪」
フラン「ッ……!?」
ウェザー天子と同じ『東方幻憶変』の世界より来たレミリア(夢)とフラン(夢)、ことバットクイーンレミリアとタブークレイドールフラン。その姿と威圧感にフランは気圧されるも本能的に戦極ドライバーを巻きロックシードを構えると頭上に浮かぶ2人に迎え撃った───
──────────
また所(夢?)は変わりこちらはこころの夢の中。かつての異変を模したのか不気味な仮面を着ける里の人間が人形の様に佇む人里にてこころは1人道中を歩いていた。見た目こそ人里だが固まっているのを見るに現実で無いと改めて理解したこころは一人ごちる。
こころ「多少誤差はあれど言わばアンダーワールドの様な所ですね……ところで何処に異世界の私が居るんでしょうか?」キョロキョロ
別の夢では天子やフランが異世界の自分と交戦している一方でこころは先程から探していても異世界の自分は見当たらずに居る。それだけ人里は意外と広いのもあるがこころは右往左往していた。
こころ「いっそドラゴンさん出して空から探しましょうか?ハリケーンドラゴンだと案外魔力を使いますし上からなら多分見付かりますよね」
そう呟き変身しようとするこころ。だがその手は直前に止まる……リングに手を伸ばそうとした瞬間、視界の端に人影を捉えたからだ。こころが視線を正面に向けると彼女以外に動くものが無かったこの場所で1人の少女が歩み寄ってきた。
ザッザッザッ───
こころ(夢)「…………」ズザッ
こころ「! 貴女が、異世界の私ですか……」
漸く姿を現したこころ(夢)にこころは自分と瓜二つで驚き半分見付けられて安心半分の声色で言う。一方で近付いてきた確かに瓜二つ、だがただ1つ『仮面ライダー1号のお面を着ける』相違点があるこころ(夢)は一拍遅れて口を開いた。
こころ(夢)「……ええ、そうです。遅れてすみませんね?少しばかり貴女に会いたくなかったもので」
こころ「? どうしてですか?」
こころ(夢)「…………」
こころ「???」
言い淀む様にこころ(夢)は続かぬ。それにこころは首を傾げていると不意に決した様にこう口に出した。
こころ(夢)「───……だって貴女は変態なんですもの」
こころ「ぐふぅッ!?」ズバァッ!
まさかの言葉のスラッシュストライクが炸裂。唐突な一言にこころは胸を押さえて腰を折る。続いてこころ(夢)は追撃とばかりに先程の言葉に理由を込めて言い放つ。
こころ(夢)「知っての通り私は貴女の事を把握してる訳ですが、会ってまだ間も無い方にキスするとかどうなんです?更にある程度馴れ合ったとは言えスリープウィザードリングでその方を眠らせようとしたり……眠らせて何をしようとしてたんですか?」
こころ「いや、そのぉ、それは~……」シドロモドロ
こころ(夢)「だから貴女と会うのを少し躊躇っていました。私とて世界に害を為す働きをしてると自覚してますが貴女の行動は少々見るに堪えません……まぁ来た以上は帰るのも何なんでこうして現れた訳ですが」
こころ「うううっ……」
辛辣な言葉にこころは面で哀しみを表し目尻に涙を浮かべる。そんなこころに冷ややかな視線を向けるこころ(夢)は感情のある顔で仕方無いと言った表情を見せると先刻こころがやったのと同じ様に右手にドライバーオンウィザードリングを填めた。
≪ドライバーオン プリーズ≫!
こころ(夢)「では始めましょうか。出来る事なら同じ秦こころとしては貴女を矯正したい限りなので全力で挑ませていただきますよ?」
こころ「……解りました。そんな理由で相手されるのは非常に好ましくないですがお願いします」チャリッ
《ドライバーオン プリーズ》!
リングを腰のハンドオーサーに翳しドライバーを現させるこころ(夢)。それに続きこころもリングを自らのハンドオーサーに翳してドライバーを出し2人のこころは同時に操作した。
《≪シャバドゥビタッチヘンシーン!シャバドゥビタッチヘンシーン!シャバドゥビタッチヘンシーン≫》!
「「変身」」チャリッ
《≪フレイム プリーズ≫》!
《≪ヒィ・ヒィ・ヒィヒィヒィ≫》!
そうしてドライバーを変身モードにし2人は続いて左手にリングを填めドライバーに翳す。それにより2人はそれぞれ赤い魔法陣を潜り抜け姿は微妙に違えど同じウィザードに変身した。その一方でこころ(夢)は漸く名を名乗る。
こころ(夢)「───『狂気の医者の後継者』秦・M・こころ。ある組織でアルバイトをしてる身ですが余興の一環です。貴女を鍛えてあげましょう」
こころ「宜しくお願いします。私は貴女に打ち勝って私は姉様の伴侶としてまた一歩精進しましょう!」
そう名乗ったこころ(夢)の正体は呪咲貞子の居る仮面幻想郷にて歴史へと残る大異変をもたらした狂気の医者、Dr.マリオの義娘たる秦・M・こころ。そんな彼女に立ち向かうこころは意気込み2人はコネクトでウィザーソードガンを出すと瞬間に駆け出してぶつかり合った───
──────────
パルスィ「───んっ?コ、ココは……?」
そしてこちらは残るパルスィの夢の中。皆とは何故か遅れて夢に入った彼女は数秒辺りを見渡すと状況を思い出し理解する。真っ暗な空間の中1人でただ佇むパルスィ……するとそんな彼女の眼前に、
ユラァ~ッ……
パルスィ「!」ズザッ!
淡い光が仄かに輝き出して人型に変化。パルスィはソレに何が起きても対応できる様にオーズドライバーに手を掛け身構える……が、途端に彼女は硬直した。
春「…………」ボウッ
パルスィ「───ッ!ア、アンタは!?」
人型の光が正に人の姿を取りその姿にパルスィは驚愕を隠せない。それは黒く長い髪を垂らし優雅な着物を羽織る美しき少女……パルスィと瓜二つの少女だった。
その少女の名は瀬織春(せおり はる)。パルスィと瓜二つなのは無理も無い、水橋パルスィの人間であった『過去』の姿だった───
秋塚翔「この幻想郷で常識に囚われてはいけないんですよ!」
今回から永琳をにとりクラスに万能なキャラとして扱いそうになる……何だよ異世界の自分に会えるって?薬じゃ無いだろソレ(汗)
まぁ細かい事は置いといて完全に自己満足なコラボとなりました今回。言わずもがな幻憶変です。その内の気に入ってる天子とスカーレット姉妹が登場な訳ですが……コレってある意味改変キャラvs二次創作キャラと言う素敵な対決ですよね。よね?
敬語天子vsドM天子と僕っ娘フランvsカリブレレミリア&フランちゃんウフフ(?)。幻憶変vs嫉妬王と言うより面白いカードだと思いますね改変vs二次創作とは。
ただこころの相手をするは何とドクマリの娘こと秦・Mこころ!素直と言うキャラかつあちらの感想にてウチのこころはおかしいとこころに言われたので活用しました。一応変態なのは自覚してますし(苦笑)
最後にパルスィは前2人に続いて気になりはしませんでしたでしょうけど実はシリアス展開のフラグです。ただ1人過去の自分と会った訳でありそこから少し面倒な事が起きる展開なのですが詳しくは今後にて。
うむ、後書きも勢い任せの駄文だ!
マジで次は異界変を更新したい(汗)