東方嫉妬王 ~Jealousy of the OOO~   作:秋塚翔

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パルスィハーレムズに当て嵌めたライダーの原典変身者を思い出してみたら4人に思わぬ共通点が……

パルスィ/オーズ→旅してて無職。コアメダル取り込みグリード化。

こころ/ウィザード→同上で無職。絶望したらファントム化。

フラン/鎧武→フリーターで定職に就いてない。極アームズを使い続けるとオーバーロード化。

天子/ブレイド→クビにされ無職。キングフォームを多用するとジョーカーに。

まさか全員実質無職で怪人になる可能性があるとは……(笑)あ、因みにそのライダーの力を持つパルスィ達は怪人化しませんよ?特にフランと天子はご安心を。



それじゃあ本編どうぞ。
本編は後半キスシーンあります。


第036話「覚悟と決意とフレッシュダンサー」

てゐ「お師匠様ー、薬の整備終わりましたー」トテテテッ

 

永琳「そう、ご苦労様てゐ……鈴仙はまだ居残ってる?」

 

てゐ「はいっ!何とか理由を付けて引き留めてます」

 

永琳「良かった。後は上手く説得すれば今晩位は屋根の下で寝てくれるかしらね?」

 

てゐ「そう出来たら皆で一緒に寝ましょうね?私は鈴仙ちゃんの隣!」

 

永琳「ええ、勿論よ♪」クスッ

 

診療室を訪ねてきたてゐに永琳はそう会話を交わす。皆と一線を引いて警備を称し野宿する鈴仙を然り気無くも自分達と親しませようと考えた彼女達は手を組んでこうして動いている。放っておこうと言いつつも永琳達もまた鈴仙を気に掛けている様だ……と、その画策が上手く行ってる事に喜ぶてゐはふとベッドで眠るパルスィ達を見た。

 

てゐ「ところで彼女達は大丈夫なんですか?凄く苦しそう……」

 

永琳「こう見えて大丈夫よ。今はリンクした別世界の自分と手合わせして苦戦してるんでしょうね。相手が自分の弱い部分を知ってるだけに乗り越えるのは難解だと思うわ」スクッ

 

そう言いながら永琳は席を立ち苦しみつつも眠るパルスィ達へと寄る。邂逅版胡蝶夢丸を飲み夢の中で精神鍛練中の彼女達はその戦況を表情が物語っていた。しかし永琳は心配するてゐに心配要らないと説明するも何処か不安そうに歩み寄った1人の少女を見下ろした。

 

永琳「ただ彼女……パルスィだけは少し苦しみ方が違うわ。それだけは私も心配してならない事ね」

 

てゐ「? どう言う事ですか?」

 

永琳「単なる取り越し苦労なら良いんだけど……彼女だけまるで『過去と向き合ってる』様な苦しみ方なのよ。もう少し様子を見ないと判らないけどね」

 

パルスィ「うぅッ……!」グググッ

 

見下ろしている少女、パルスィの様子に一抹の不安を覚える永琳。そんな彼女の眼下で眠るパルスィは顔を歪めて苦しんでいるのであった───

 

 

 

 

 

レミリア「さぁ、立てフラン。こんな程度でへばる様ではお前の帰りを私は安心して待てないぞ?」

 

フラン「う、うんっ……!」

 

済んでの所で現れたレミリアに促され立ち上がるフラン。一方のBQレミリア達は夢の中で創られたと言え助太刀に来たレミリアに笑んだ。

 

BQレミリア「フフフッ、流石私。妹の危機に幻でも駆け付けてきたのね」

 

レミリア「まぁな。大手を振って見送っても未熟な愚妹が気になった次第よ。本物で無くとも血の通う姉として助太刀に来たのさ」

 

TCフラン「へぇ~っ、この世界のお姉様って本当にカリスマが溢れてるね!それだけならウチのお姉様が圧倒的に負けてるや」

 

BQレミリア「おいィ?圧倒的とは無いでしょ圧倒的とは」ピキピキ

 

威風堂々とフランの前に構えるレミリアの態度にそう言ったTCフランの言葉にBQレミリアは額に青筋を浮かばす。それはそうとして向かい合う異世界のスカーレット姉妹……その内のレミリアは促され立ち上がったフランに言葉を掛けた。

 

レミリア「さぁフランよ。私の戦いぶりを見て学ぶが良い。未熟な自身が熟れる切っ掛けを私を踏み台として掴め」

 

フラン「えっ?」

 

BQレミリア「と言う事は次は貴女が私達の相手をするつもり?異世界と言え我ながら無鉄砲な奴ね」

 

レミリア「ギャンブルも冒険してこそ一攫千金を得る。無鉄砲は承知の上さ。それで我が愚妹が何かを掴めれば儲け物と言うものだ」

 

TCフラン「コッチのお姉様も大概私じゃ良く解らない考え方してるわね。ならその考えに乗って私達2人で貴女を相手してあげる!」バサァッ!

 

レミリア「望む所……フラン、コレを少しばかり借りるぞ?」チャキッ

 

フラン「! そ、それは!」

 

そう言葉を交わし互いに臨戦態勢となった幻憶変スカーレット姉妹とレミリア。前へと歩んだレミリアはふとフランにいつの間にか拾っていた彼女のスイカロックシードを見せると解錠した。

 

《スイカ》!

 

解錠し頭上に開いたクラックからスイカのアームズが降りてくると続けてレミリアはそのロックシードを指で回しドライバーに装着されるバナナと交換。ハンガーを下ろす。

 

《ロックオン》!

《カモンッ》!

《スイカアームズ!大玉・ビッグバン》!

 

更にカッティングブレードを下ろしロックシードの前面を展開させてレミリアはスイカアームズにアームズチェンジ。フランとは違いアームズウェポンはスイカバーを模したランスを持ったレミリアは巨体のアームズを駆動させBQレミリア達へ向かう。

 

《鎧モード》!

 

レミリア「月どころか陽も出ていないが……本気でやらせてもらうぞ!」

 

BQレミリア「来なさい。勝利の運命がどちらへ向くか力試しよ!」

 

TCフラン「うふふふっ♪沢山遊ばせてよっ!」

 

ガキャイィィィンッ!

 

ぶつかり合うレミリアとスカーレット姉妹。スイカのランスとグングニル、レーヴァテインが刃を交わらせて火花を散らす。それからまた一旦離れたレミリアは今度はBQレミリアだけに向けて近付きスイカのランスを放った。

 

レミリア「はあッ!」ズドォッ!

 

BQレミリア「くはっ!?」ズザァーッ!

 

TCフラン「! お姉様!」

 

勢い付け放たれたランスの突きにBQレミリアは吹っ飛ぶ。それにTCフランは驚くも姉に代わりレミリアへ反撃する。

 

TCフラン「このぉ……キュッとして、ドカーン!」グッ!

 

バキャアァンッ!

 

レミリア「!」

 

能力を使いスイカアームズの破壊の目を握ったTCフランはレミリアのアームズを破壊。先のフランの様に破壊された残骸の中に何もアームズを着けていないレミリアが現れる。が……

 

レミリア「フッ、そうしてくるのを信じていたぞ異世界のフランよ」ガシャッ!

 

《マンゴー》!

《ロックオン》!

《カモンッ》!

《マンゴーアームズ!Fight of Hammer》!

 

レミリア「はあああァッ!」ズドガァンッ!

 

TCフラン「きゃあっ!?」バキャアッ!

 

どうやら先の戦いを見ていたのかTCフランがアームズを壊してくると読んでいたレミリアは破壊された時にマンゴーロックシードを出しており直ぐ様アームズチェンジ。マンゴーアームズになったレミリアはマンゴーパニッシャーを振り上げ落下を利用し翼でTCフランに近付くとパニッシャーを叩き込んだ。その奇襲を受けたTCフランは粉々に砕け散るもクレイドールメモリを挿しているので再生する。

 

レミリア「フンッ、こんな程度では大したダメージにならないか」

 

TCフラン「むう~っ……」パキパキ

 

BQレミリア「クククッ、少し油断したわ……同じ私だって事を失念するなんて私もまだまだね」ザッ

 

しかし再生したTCフランとBQレミリアはさして苦しい顔を見せず、してやられた事にむくれたり悠然と戻ってきて笑みを浮かばせる。レミリアもまた笑むが一方でそんな姉の後方に居るフランは歯噛む。

 

フラン(お姉様があんな渡り合えてるのに僕はただ見てるだけ。どうすればあんな風にできるの?僕も能力を制御できれば戦えるのに……!)グッ…!

 

改めて破壊の能力に怯えレミリアから『見ていろ』と言われて従うしかできないフラン。それでも自分が苦戦してた異世界の自分達に渡り合えてる姉を見て未熟な自身を恨む。そうしてる内にレミリア達はまたぶつかり合い戦闘音が発せられた。

 

《カモンッ》!

《マンゴースカッシュ》!

 

レミリア「檬果『パニッシュマッシュ』!」ブォンッ!

 

《クイーン》!

《マキシマムドライブ》!

 

BQレミリア「女皇『ロイヤルシールド』!」ブゥンッ

 

ズドガアアアアアァンッ!

 

レミリア「チッ……!」

 

BQレミリア「フフフッ♪」ニィ

 

まずカッティングブレード1回下ろしたレミリアと右腰を軽く叩いたBQレミリアの技が衝突。だがクイーンメモリの力で生成されたシールドでマンゴーパニッシャーから放たれたエネルギー弾が弾かれレミリアは舌打ちする。対してニヤけたBQレミリア……その正面、舌打つレミリアの背後にTCフランが援護攻撃を仕掛けてきた。

 

TC「禁忌『過去を刻む時計』!」グワァッ!

 

レミリア「……!」シュバサァッ!

 

それに気付いたレミリアは迫る逆時計回りのビーム(?)をマンゴーパニッシャーを捨てて飛翔し回避する。と同時に武器確保の為にもまたバナナロックシードを出して解錠した。

 

《バナナ》!

《ロックオン》!

《ソイヤッ》!

《バナナアームズ!Knight of Spear》!

 

続いてドライバーのマンゴーと変えカッティングブレードを下ろすと空中でバナナアームズに。対して地上のBQレミリアとTCフランはそんなレミリアに攻撃態勢を取る。

 

BQレミリア「一緒に行くわよフラン」パシッ

 

TC「うんっ、解った!」パシッ

 

《バット》!《タブー》!

《《マキシマムドライブ》》!!

 

レミリア「また2人で掛かるか……可愛い妹が見てる手前だ、力比べと洒落込ませてもらうぞ?」カシュッ!

 

《カモンッ》!

《バナナスカッシュ》!

 

右腰をタイミング合わせて叩きマキシマムを発動した姉妹にレミリアも合わせカッティングブレードを一回下ろす。そして空中と地上とでエネルギーを充填する2人のレミリアと別世界のフラン。数秒を置いて両者はそれぞれの攻撃を繰り出した。

 

BQレミリア「夜牙『バットレクイエム』!」

 

TCフラン「禁断『タブークライシス』!」

 

レミリア「甘蕉『スピアビクトリー』!」

 

ドバアアアアアァンッ!!

 

フラン「っ……!」

 

技名が宣言され放たれた攻撃がぶつかり合った事で生じた煙が空中のレミリアを包む。響き渡る衝突音が屋敷や傍観するフランを震わせ暫くすると空中でモクモクと蠢く煙からレミリアがフランの前に降りてきた。

 

スタッ

 

フラン「! お姉様っ!」

 

レミリア「案ずるな。私はこの夢から創り出された幻だぞ?仮に致命傷と言えど本物に何の影響は無い」ダラダラ

 

そう降り立った姉の姿を見たフランは驚きの声を出す。着地したレミリアは血だらけで床にポタポタ流血が垂れてる重傷だからだ。見るからに満身創痍なレミリアだが狼狽えるフランを冷静に制し、そしてフランにこう言った。

 

レミリア「それよりもフラン。私はこうしてしくじって怪我を負ってしまった。だがこの失態を失態のまま終わらせる私では無いぞ?見ろ」クイッ

 

フラン「えっ……?」

 

そう言われフランはレミリアが首で見る方向を促されて正面、BQレミリア達の方を見る。そこには殆ど無傷な筈の異世界の自分達姉妹が居るのだが……

 

BQレミリア「う、うぐぁっ……!」ボタボタ

 

TCフラン「お姉様ッ!?」

 

予想を反してそこに居たのは腹部を赤く染めるBQレミリアと驚愕しているTCフランの姿が。BQレミリアの血で赤くなっている腹部には現在レミリアが持っていないバナスピアー……どうやら衝突の最中、煙の中でレミリアはさながらスピア・ザ・グングニルの如くバナスピアーを投擲して反撃した様だ。それを理解し仰天するフランにレミリアはふと言い放つ。

 

レミリア「私は攻撃を食らうと言う失敗をした。だが失敗しても良いんだ。問題はいかにそれを生かすかが重要なんだよ……いつ迄も失敗するのを恐れず失敗しても良いからそれをどうするか解るのが大人さ」

 

フラン「! 失敗を……生かす?」

 

レミリア「フランよ。パルスィからはその能力を守る為に使えと諭されたなら私からの諭しだ。その能力を恐れず使い自分のしたい様に動け」

 

フラン「…………」

 

そんな姉の言葉にフランは黙る。失敗してもそれを生かせ、能力を恐れず自分のしたい様に動けと言われフランはパルスィの『守る』とレミリアの『自分のしたい様に』が彼女の心に響き反芻。その間にBQレミリアは腹からバナスピアーを引き抜いた。

 

BQレミリア「くっ、やられた……でも次は無いわよ?やってくれたからには倍返しだから覚悟なさい!」

 

TCフラン「お姉様それ悪役っぽい台詞だね」

 

フラン「……ねぇお姉様。僕は本当に破壊の能力を使って良いの?」

 

レミリア「それを決めるはお前だ。お前はどうしたい?自身の全てにて誰かを守りたいか、誰かを壊したくないから怯えて閉じ込めるか……どちらかを決めろ」

 

バナスピアーを抜き取り、また臨戦態勢を取るBQレミリアらの一方でフランは考える。レミリアの言っている守りたい誰かと壊したくない誰かは一緒……家族であるレミリアや咲夜、美鈴やパチュリーや小悪魔に始まりパルスィにこころに天子らはフランにとって壊したくない存在だ。そして同様にそんな者達は守りたい存在でありフランはパルスィから始まって先のレミリアの言葉でとうとう覚悟を決した。

 

フラン「───それなら僕は失敗しても良いけど失敗しない様に、誰かを守る為に能力を使う。まだ怖いのは僕が未熟だから……怖くならない様に僕は自分を受け入れる。お姉様やパルシーお姉ちゃん達を守る為に!」キッ!

 

レミリア「フッ、失敗しても良いが失敗しない様にか。中々に矛盾してるが悪くない覚悟だ♪」ニィ

 

そう決意したフランの輝く目を見やりレミリアの顔には笑みが浮かぶ。『フレッシュ』な気持ちになったフラン……そんな彼女はカチドキから極アームズになろうと懐から極ロックシードを出そうとする。しかしその瞬間、フランの目の前に光が生じた。

 

カッッッ!

 

フラン「っ!?こ、これは……!」

 

レミリア「ほう?」ピクッ

 

その光に驚く双方のスカーレット姉妹。輝く光が治まるとフランの手に見覚えあるロックシード、オレンジとパインにバナナが収まった。しかしそれらは見覚えある物よりも筐体に色が付き"新鮮さ"を感じさせる。それを見たフランとレミリアは有する鎧武とバロンの力から全てを察す。

 

レミリア「フフフッ、どうやらお前の覚悟に呼応して鎧武の力も協力してくれる様だな」

 

フラン「そうみたい……お姉様、コレ使って一緒に戦おう?」チャッ

 

レミリア「幻とは言え満身創痍の姉に鞭打つか?……まぁ良い。折角の妹の誘いだ、応じてやろう」パシッ

 

そう言ってレミリアはフランに差し出された全体的に黄色の割合が増えたバナナロックシードを受け取る。そうして何をしてくるかと様子見するBQレミリア達が見る先で並び立つ姉妹はそれぞれロックシードを構えると同時に指でスイッチを押しロックシードを解錠した。

 

ガシャンッ!

 

 

 

《フレッシュ・オレンジ》!

 

《フレッシュ・バナナ》!

 

 

ジイィ~~~~~っ!

 

そして解錠と同時に頭上に開いたクラックからそれぞれ輝くオレンジアームズとバナナアームズが降りてくる。一方で2人は全体的にオレンジ色のオレンジロックシードと黄色いバナナロックシードをフランとレミリアは各々のドライバーへと装着。法螺貝とファンファーレの待機音が鳴り響き姉妹はまた同時にカッティングブレードを下ろした。

 

《ソイヤッ》!《カモンッ》!

 

それぞれのカッティングブレードがドライバーに装着されたロックシードの前面を展開させる。それと共に頭上のアームズが元々あるアームズが消えたフランとレミリアの頭へと被さり変形。上半身に纏われるとそれらのアームズは服として変わりフランとレミリアはアームズチェンジした。

 

《フレッシュオレンジアームズ!花道・オンステージ》!

 

《フレッシュバナナアームズ!Knight of Spear》!

 

それと一拍遅れて変身音声が鳴る。輝くオレンジのアームズを纏ったフランはまるで『チーム鎧武』のダンス衣装を橙色にした服を、輝くバナナのアームズを纏ったレミリアは『チームバロン』の衣装を赤と黒から黄と黒にした服を着た。正しくをフレッシュオレンジアームズとフレッシュバナナアームズになったフランとレミリアは意気揚々と構えを取る。

 

フラン「ココからは僕達のステージだよ!」

 

レミリア「とくと見ろ。私達のダンスを」

 

BQレミリア「フフフッ、新しい力を得たみたいね?一体どれ程のものか、覚悟の程も含めて見せてもらいましょうか♪」

 

TCフラン「これで決着になるのかな?もうコンテニューはできないから楽しませてよね♪」

 

装甲と言う堅苦しいものからダンスの衣装と言うなだらかなものになって姿も覚悟も新鮮(フレッシュ)に変化したフラン。そしてBQレミリア達との決着が今、決まる……!

 

 

 

 

 

天子「く、うっ……!」

 

W天子「少しやり過ぎたかしらね?久々だから加減間違えたわ」

 

一方で天子はW天子1人を相手にして地に伏していた。先のマキシマムスペルによる天候の弾幕を喰らって倒れた天子にW天子は見下ろしながら嘲笑う。

 

W天子「けどこれで解ったでしょ?アンタみたいな良い子ちゃんは私に敵わないの。強くなりたいなら私みたくなるのが得策よ」

 

天子「っ……」

 

反論したいが戦況から見て何も言えない天子は僅かに呻く。寧ろW天子の言葉に半ば惑わされ掛けていて心中で葛藤している。

 

天子(やっぱり私は弱い?強くなるには変わるしか無いの?でも確かに今の私は"私"の前に倒れている……なら変わるしか無い、のかな?)

 

その葛藤する心はW天子の言う通りへ傾く。変わり方は簡単、ただ立ち上がって好き勝手暴れれば良い……自分らしく無く思うがままに動けば強くなれる。そう感じた天子は体に力を入れ立ち上がろうとした。が……

 

W天子「私みたく好き勝手になればあの橋姫も守れるわ。能力やスペカを遠慮無く使って頼もしくね♪」

 

天子「!」ピクッ

 

追い討ちの様に説いたW天子の『橋姫』と言う言葉に天子は反応する。葛藤していた心に1つの記憶が溢れる様に思い出された。それは天子が橋姫ことパルスィにふと天人足り得ない自身の悩みを漏らした時の事……

 

~~~~~~~~~~

 

パルスィ『知らないわよそんな事。アンタはアンタ、比那名居"地子"でしょう?天人の不自由な自由が嫌ならアンタの自由を求めたら良いじゃない』

 

~~~~~~~~~~

 

素っ気無くも答えたパルスィの言葉が天子の誘惑され掛けた心を打つ。因みに比那名居"地子"、それは天子の人間だった頃の名前……それも相成り天子の心は考えが変化する。

 

天子(私の自由……それは別世界の私に従って自身を変える事?違う。それは自由じゃない。本当の自由は私がどうするかと言う事!)グググッ

 

W天子「! どうしたの?まだ解らないのか、それと覚悟を決めた?」

 

改めて立ち上がる天子にW天子はそう問い掛ける。しかし地に伏せていて今見えた上げられる顔に輝く別の覚悟を決した目を見てW天子はお調子者な態度に真剣味が混ざった。

 

天子「…………私は変わりません。確かに貴女からしたら良い子ちゃんで弱いですがこれが私です。貴女は貴女で私は私、比那名居天子……変わりたい時は自分の意思で決めるので貴女の様にはなりませんよ!」

 

W天子「……そう、つまりアンタは変わらず強くなるっての?それならそんな甘い考えで何処迄前に進めるか私に見せてみなさい!」

 

フラつきながら立ち、そう言い放った天子にW天子は両手を広げて迎える様に構える。対して天子は2枚のラウズカードを取り出す。それは彼女は力が強過ぎるからと使わずに居た強化態への変身用……しかし今はそう仏心を出さない。自分の自由で、それを使う!

 

《アブソーブクイーン》

 

まず左腕のラウズアブゾーバーへ装填したのは『アブゾーブ・カプリコーン』。それはジャックフォームへの強化変身にも使われたが次にラウズするカードは違う。意思を曲げず自らの自由を以て国を創ると言う意味合いを込めた『王』の称号を持つ力をもたらすカード、

 

《エボリューションキング》

 

ラウズアブゾーバーにラウズさせたそのカード『エボリューション・コーカサス』を経て天子の周りにカテゴリーキングのアンデッドが封印されるラウズカード13枚が浮かぶ。それがそれぞれ天子の両手足、両肩、胸部等に合わさると金色の天子が姿を現す。

服はバランス良く黄金に染まり両手足や胸部等の装甲には各カテゴリーキングの紋章が刻まれ帽子が取り払われた青髪にはサファイアがあしらわれるティアラが被さる。そうして『ブレイド天子 キングフォーム』になった天子はキングラウザーを手に同じく身構えた。

 

天子「貴女は言いましたよね?『今の私を捨てるのが運命』だって……それなら私はその運命と戦う!そして、貴女に勝って見せる!」ジャキッ!

 

W天子「良い覚悟ね!感動的だわ!その覚悟を持って私を気持ち良くさせなさい比那名居天子ぃッ!」

 

 

 

 

 

《シャ・シャ・シャ・シャドウ》!

 

ドライブ「はあッ!」シュバババッ!

 

こころ「くっ!?」ゴロゴロゴロッ!

 

タイヤ交換しミッドナイトシャドウになったドライブのエネルギー手裏剣が襲い、こころは地面を転がりながらそれを回避。そんなこころはもうドライブを含めてアクセル、カブトを筆頭にこころ(夢)の連携攻撃で満身創痍だ。

 

こころ(夢)「まだ避ける力がありますか。クロックアップやエンジンメモリのエレクトリック等を受けてまだ動けるとはやりますね」

 

こころ「っ……」ハァハァ

 

他の夢で戦うフランや天子とは違い全くダメージを喰らっていないこころ(夢)は息も絶え絶えなこころを見下ろし嫌味を述べる。ライダーのお面が飾られるこの『仮面の間』にてこころ(夢)が召喚したライダーは総計6体。周りにはまだまだ控えるライダーの面があり主のこころ(夢)は多少なりとも召喚に魔力を使ってるが未だ健常だ。それに対してこころはこれ迄に色んなスタイルや魔法を駆使してこうなので明らかな劣勢である。

 

こころ(夢)「非情な事を言いますが立ってください。これでは矯正も鍛練もどちらにしても行えませんよ?気絶したら終了なんですから」

 

こころ「そ、そう言われても……」

 

こころ(夢)「まぁ別に気絶されても良いんですけどね。元々私達は別世界のこころ……ちょっと残念ですが貴女をどうこうしなくてもキッパリと諦めれば鍛えられなくても少しばかりは戦える実力ですし」フゥ

 

こころ「くっ……」キリッ

 

溜め息を吐きそう言うこころ(夢)の言葉にこころは歯噛みする。強くなるつもりで挑んだ鍛練で今もこうして地に伏され別世界の自分に敵わない自身に。それなりに強いつもりだったのに実際はまるで弱い自分も守れない自身にだ。

 

こころ(これでパル姉様の伴侶とは何て烏滸がましいっ……これじゃ昔の私と変わらないじゃないですか。他人の笑顔を守ると言いつつ自分すら守れない昔の私と)グッ

 

そのまま思い出すはかつての自分。能楽と言う読んで字の如く観る者を楽しませる演劇に用いられるお面の付喪神、秦こころ……しかし妖怪化してからは自分の身すらまともに守れず幻想郷に来てからは希望の面を落とし、果てには強行手段で他人の希望を奪おうとした。そんな昔の自分と今這いつくばる自分を重ね合わせてこころは地面に近い顔を更に伏せる。情けない、これが私か、こんなではパル姉様の隣に立つ資格は無いと───

 

 

 

『こころ』

 

 

 

こころ(! パル、姉様……?)

 

が、そこでまたふと思い出す。それはパルスィの顔だ。

 

~~~~~~~~~~

 

???『……あ、助けてくださって有り難う御座います』ペコリ

 

パルスィ『もう少し驚きなさいよ!?何そのポーカーフェイス!』ゼェゼェ

 

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こころ(そう言えば最初に会った頃も姉様に助けられたな……ファントムに追われていた見ず知らずの私を助けてくれてから一緒に行動した)

 

~~~~~~~~~~

 

こころ『……今、何と?』

 

パルスィ『聞こえなかったかしら?アンタと私はここでお別れよ』

 

~~~~~~~~~~

 

こころ(その後でパル姉様がいきなり別れを告げて……また怪人に襲われた所を助けてもらった。振り返ると助けられてばかりだな私って)

 

そこを基点に次々と沸き上がってくるパルスィとの思い出。ほんの数日の付き合いであるがこころの中でパルスィはこの危機的状況で思い出す特別な存在であるのが窺える。そして最終的に思い出されたのは……

 

~~~~~~~~~~

 

パルスィ『私もアンタとなら居たいから一緒に来なさいよ!』

 

~~~~~~~~~~

 

こころ(!)

 

それはショッカーグリードらに襲われてパルスィに助けられた後のパルスィの一言。後ろ姿で判らなかったが恐らく顔を紅くし言っただろうその言葉は今のこころに響く。

 

こころ(そうだ。こんな私でも姉様は居てほしいって言ってくれた……そんな私を必要としてくれた姉様を今度は私は強くなり守ると決めた。こんな弱い私でも隣に居させてくれたパル姉様の為に……)

 

こころ(夢)「さて、このまま長引くのもつまらないですから終わりにしましょうか?非情なのはご勘弁を」

 

「「「」」」ザザザッ!

 

そうこころが心中で思っている一方でこころ(夢)は露知らずそう言いドライブ・アクセル・カブトを身構えさせる。それぞれ蹴りの動作を取る3体のライダーは倒れるこころに容赦無くトドメを刺そうとした。

 

こころ(夢)「さぁ別世界の私。このままあえなく倒されるか回避して私を打ち倒しに来るか……決めるのは貴女です。どちらにしますか?」

 

《ONE》《TWO》《THREE》

 

カブト「ライダー……キック」ガシャッ

 

《アクセル》!

《マキシマムドライブ》!

 

《ヒッサーツ》!

《フルスロットル シャドウ》!

 

こころ「!」

 

《RIDER KICK》

 

各々動作を行い準備を整えると同時に跳び上がるライダー3体。細かくは無視して上空からキックが迫るのにこころは上体を起こすも立ち上がれない。もし立ち上がれたとしても例え満身創痍で無かろうと防げないだろう同時攻撃がこころを襲う……

 

 

 

????「ガオアアアアアッ!」

 

 

 

グワッ!

ズガアアアンッ!

 

「「「ッッッ!?」」」

 

「「!」」

 

が、そんな攻撃を防ぐ様に割り込んできた巨体が。こころを飛び越えて現れたソレは咆哮を上げライダー達に突進。巨体の体当たりに巻き込まれたドライブら3体は吹き飛ばされて消滅する。目を見開き驚いている2人のこころの間に降り立ち鎌首を揺らすその巨体の正体は竜の姿をしたこころの味方だ。

 

ドラゴン「やれやれ、呼ばれる迄は出てこないつもりだったが……どうやら私も原典の主に影響されたか」

 

こころ「ド、ドラゴンさん……?」

 

そう言って振り向き主の安否を見やるウィザードラゴン。ドラゴライズのリングを使用していない筈なのに現れたそのウィザードラゴンに対してこころは問い掛ける。

 

こころ「どうしてドラゴンさんが?私はリングを使ってないのに……」

 

ドラゴン「お前はココに来てからの自分の言葉を忘れたか?この空間は今でこそ別世界のお前が連れてきた仮面の部屋だが本来はお前の精神世界の様なものだ。ならば私が居ても可笑しくはないだろう」

 

こころ「あっ……」

 

そう言われこころは思い出す。本来の人里だった夢の中で自身が言った『アンダーワールドみたいな所』、その見解は間違ってなかった様で自身のアンダーワールドに居着くウィザードラゴンが居て確かに可笑しくはないのだ。そしてそのウィザードラゴンはこころに言葉を掛ける。

 

ドラゴン「しかし這いつくばり何をしているのだこころ?言っただろうお前に負けられると私が困ると」

 

こころ「ッ、ですが……」

 

ドラゴン「敵わないから諦めるなどと言ってくれるなよ?お前はもう心に決めている筈だ。どうすれば自身を乗り越えていけるかをな」

 

こころ「えっ?」

 

ドラゴン「お前は秦こころだろう。それ以外に何がある?それさえあれば自ずと答えは見付かる筈だ」

 

こころ「…………」

 

端から聞けば良く解らない事を言うウィザードラゴン。しかし不思議とこころはその言葉に揺さぶられる。そしてまるで待ち構えていたかの様に答えが湧き出してきた。

 

こころ(そうだ……私は秦こころ、人を楽しませる能楽の面の付喪神。そしてパル姉様の、妹分!)グググッ

 

こころ(夢)「!」

 

その答えを解すると共にこころは体に力を込めて立ち上がる。落ちているウィザーソードガンを拾い上げて杖代わりに両足で立つとこころは身構えて言う。

 

こころ「私は私。それ以外に何者でもありません……秦こころとして、私は弱くともそれを乗り越えます!そして私の希望である姉様を守れる自分になる!」

 

こころ(夢)「……それが上手く行きますかね?世界が広い様に強い者も山程に居ます。それこそ規格外の存在も居るのにそんな世界でも強くなるとまだ言えますか?」

 

こころ「確かに私なんかの力は他のと比べたらまだまだでしょうね……しかし本当に強いのは『心』です。いかに力があっても心が弱かったらそれは弱い。私は秦こころとして心を強く姉様と共に居ます!」

 

秦こころとして心を強く……駄洒落やギャグでも無くそう決したこころはウィザーソードガンを大仰に構えてこころ(夢)と対峙する。その一方でウィザードラゴンはそんなこころにフッと微笑んだ(のか?)。

 

ドラゴン「まぁ良い覚悟と言っておくか。なら受け取れ。何やら作られた新しいリングだ」キィンッ

 

こころ「! 有り難う御座いますドラゴンさんっ♪では行きますよ別世界の私……ココからが私のショータイムです!」チャリッ

 

こころ(夢)「来なさい。そして貴女の覚悟がどれだけか見せてもらいましょうか!」

 

ウィザードラゴンから3つの変身リングを受け取ったこころはそうこころ(夢)に言い放ちながら左手に1つリングを填める。そうしてウィザードライバーを変身モードに変換。

 

《シャバドゥビタッチヘンシーン!シャバドゥビタッチヘンシーン!シャバドゥビタッチヘンシーン》!

 

こころ「新たなるドラゴンの力……私の心に呼応し力を貸しなさい!」

 

待機音が鳴る中で格好を付けた構えでこころはリングをドライバーへと翳す。するとドライバーがリングを読み込み音声が発せられる。

 

 

 

《ルミナス ドラゴン》!

 

 

 

《ラァ~ラァ~・ラララララァ~》!

 

そしてウィザードラゴンが薄黄色に輝き周囲を飛んで合体するとこころの様相は変貌。色合いこそルミナススタイルだがコートも薄黄色と化し横被りする三角形の面もドラゴン系統の形状に。月光の輝きを全身から漏れる様に発するかの様なルミナスドラゴンにスタイルチェンジしたこころは先程迄の満身創痍ぶりは無かった様に力強く改めて構えると新たなライダーリングを右手に填めたこころ(夢)に対してもう一度言った。

 

こころ「さぁ、ショータイムです!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

幻月「んっ♪ちゅうっ、ちゅぷ……ふ、んんんっ……ちゅ、れろっ、ちゅっ♪」ギュッ

 

夢月「んんんっ……ふっ、ちゅぷ、れる、れろっ……ふうっ、ちゅう、んうううっ♪」キュッ

 

所変わり現実。迷いの竹林某所では2人の姉妹が岩を背に口付けを交わしていた。互いを抱き締め合い舌を絡ませる彼女達は正真正銘血の繋がった姉妹……しかしだからどうしたとこの光景を端から見て異論を唱える者が居れば彼女達は言うだろう。姉妹で愛し合うのを禁じるのは人間の掟。悪魔の姉妹には通用しない。

やがて長い唾液の交換をした悪魔の姉妹こと幻月と夢月は柔らかな唇同士を離す。唾液の橋が唇を名残惜しく繋ぐもすぐ切れ、姉妹は微笑み合った。

 

夢月「もう、姉さんったら……こんな所でしないでくださいよ?誰かに見られたらどうするんですか?」

 

幻月「良いじゃない。こんな所だからより楽しめるし誰かに見られても見せ付ければ良いの。邪魔しようものなら叩き潰すだけだしね♪」

 

夢月「……それもそうですね♪」ギュッ

 

幻月「そうよ♪そんなのは置いといて本当に貴女は可愛いわよね夢月。今すぐ食べちゃいたい♪」サワサワ

 

夢月「ダメですよ姉さん。それは夜になったら……ねっ?」

 

幻月「我慢できる訳無いじゃない!誰も居ないんだから、ちょっとだけ姉妹水入らずで楽しみましょ!」ガバッ!

 

夢月「ああっ!ね、姉さん……!」

 

見張り役を託つけてじゃれ合う幻月と夢月。欲情した幻月は夢月のメイド服に手を掛けて夢月も弱々しい抵抗で満更で無くは姉の服を脱がせに掛かる……しかしそれを遮る邪魔者があった。

 

───ガサガサガサッ!

 

ビャッコインベス「グルルルルルッ!」

 

ヘキジャインベス「ガロロロォッ……!」

 

「「「「「キシャアアアアアッ」」」」」

 

「「!」」

 

竹藪を掻き分け現れた2体の上級を筆頭としたインベス十数体。唸り声を上げてやって来た怪人に姉妹は顔を上げ……怒りに満ちた恐ろしい顔を浮かべた。

 

幻月「……夢月ゥ。ちょっと暴れたい気分なんだけど手ぇ貸してくれない?」チャキッ

 

夢月「言わずとも一緒に行きます。私も丁度良く体を動かしたい気分になったので殺りますよ」チャキッ

 

オオオオオォッ……!

 

「「「「「!」」」」」ビクッ

 

何やら呻き声とも聞こえるオーラを発しつつ目の笑ってない笑みを浮かべた幻月と夢月はそれぞれメモリを構える。その邪悪な迫力にインベス達は戦慄し後退りするも怒れる悪魔の姉妹を怒らせて『ハイすみませんでした』で帰れる筈も無く……

 

《サイクロン》!《ジョーカー》!

 

「「変身」」バッ!

 

《サイクロンジョーカー》!

 

笑う姉妹はWに変身。意識を幻月の体に移し倒れた夢月の体を端へ追いやると夢幻Wは依然恐ろしい笑顔でインベスらに言い放った。

 

「『さぁ、私達の楽しみを邪魔した罪を数えろォッ!』」

 

「「「「「ッ……!」」」」」

 

直後、インベスらに待っていたのは一方的過ぎる虐殺。いとも容易く行われる悪魔姉妹の発狂レベルな殺戮であった───




まさかのフレッシュ。しかも戒斗が手に入れられなかったフレッシュバナナも含めてチーム鎧武とチームバロンのダンス衣装にしてみました。格好想像するとフラン可愛い。

一方の天子はキングフォーム披露。更にこころもパチュリー製のスタイルがドラゴンに昇華しました。それぞれの決意がちょっと個人的に不完全燃焼なんですがどうですかね?

最後の夢幻姉妹は百合百合してる所を邪魔したインベス達出落ちです。インベスは犠牲になったのだ(笑)
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