東方嫉妬王 ~Jealousy of the OOO~   作:秋塚翔

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明けましておめでとう御座います!今年の初更新は看板作品である異界変と嫉妬王で幕開けですぜ!

今年の抱負はせめてこの嫉妬王位は完結を迎えさせる!です。




第037話「太陽竜と錬金王と橋姫の夢へ」

フラン「せいはぁーッ!」ズバァッ!

 

TCフラン「うあっ!?」ザァーッ!

 

覚悟を新たにしてフレッシュオレンジアームズになったフランは通常の大橙丸とクリアな刀身の大橙丸『フレッシュ大橙丸』の二振りを跳躍し頭上から振るう。縦に並んで繰り出された斬撃を喰らったTCフランは後退。そうして苦悶した彼女は反撃とばかりに自らの右腰を叩いた。

 

《タブー》!

《マキシマムドライブ》!

 

TCフラン「禁忌『忌まわしき遊戯』!」

 

バババババアァッ!

 

それによって『禁忌』のマキシマムが発動。禁忌『禁じられた遊び』を基にした十字架を模すレーザーが時計回りに廻り血を表す弾幕が放たれてフランを襲う。が、対して迎え撃つフランはおもむろに右手を正面に突き出すと、

 

フラン「───キュッとして……ドカーン!」グッ!

 

ドパァッ!

ガガガガガオァンッ!

 

TCフラン「!」

 

十字架に狙いを付けて右手を握る。するとその握る動作に連動し十字架は弾ける様に爆散。その炸裂に巻き込まれて迸る血の弾幕の大部分が連鎖爆発を起こす。先程迄は恐れて使わなかった『あらゆるものを破壊する程度の能力』でTCフランの弾幕をスペルブレイクした決意を新たにするフランは次はコッチの番だとカッティングブレードを一回下ろした。

 

《ソイヤッ》!

《フレッシュオレンジスカッシュ》!

 

フラン「新鮮『フレッシュ大橙一刀』!」

 

シュザアァンッ!

 

TCフラン「きゃあああっ!?」ドザァーッ!

 

ブレードを下ろす動作を経てドライバーに装着されるフレッシュオレンジロックシードのエネルギーがフレッシュ大橙丸に纏われる。その輝くエネルギーが斬撃として放たれTCフランは防御するも吹き飛ばされた。

 

《カモンッ》!

《フレッシュバナナスカッシュ》!

 

レミリア「新鮮『フレッシュビクトリー』!」ギュオッ!

 

バリイイイィンッ!

 

BQレミリア「!? きゃあああああッ!」ズザザザァーッ!

 

同じ時、一方でフレッシュバナナアームズになったレミリアは二振りのバナスピアー……通常のバナスピアーとクリアな槍身の『フレッシュバナスピアー』を同時に突き出した。それにクイーンメモリのバリアで防ごうとするBQレミリアだったがバナスピアー2本の威力にバリアは硝子の如く貫かれ勢いの多少落ちた刺突を喰らう。吹き飛ばされたBQレミリアは偶然TCフランと同じ位置に倒れ込みレミリアはそれと合わせてかフランの元に並び立ちスカーレット姉妹2組が向かい合った。

 

BQレミリア「くっ、やってくれるわね……」

 

TCフラン「いきなりそんな強くなって吃驚しちゃった。しかも能力もちゃんと使ったし……本当に自分を認めたみたいで良かったよ♪」

 

フラン「僕は僕自身を受け入れる。もう怖がったりなんかしないよ!」

 

レミリア「と言う訳だ。こう決心した我が愚妹の門出としてお前達との戯れはそろそろ仕舞いにさせてもらうぞ?」

 

BQレミリア「フフフフフッ、確かにもう私達は役目を果たせた様だけど……仕上げよ?私達を完膚無き迄に負かして夢から醒めなさい!」パシッ!

 

《バット》!

《マキシマムドライブ》!

 

そう言ってBQレミリアは腰を叩いて『蝙蝠』のマキシマム発動。右手に蝙蝠の群れを集めると遠投の構えでフラン達目掛け投げ放った。

 

BQレミリア「夜牙『タスク・ムルシエラゴ』!」

 

バサササササァァァッ!

 

フラン「! お姉様!」ガシャッ!

 

レミリア「フッ」ガシャッ!

 

《ソイヤッ》!

《フレッシュオレンジオーレ》!

 

《カモンッ》!

《フレッシュバナナオーレ》!

 

投げ放たれた蝙蝠の弾幕は牙を剥いて勢い良く飛び掛かる。対するフランはレミリアに声を掛けて共にカッティングブレードを2回下ろした。そうしてフランは二振りの大橙丸、レミリアは二本のバナスピアーを構え攻撃を繰り出す。

 

「「連符『フレッシュフルーツパラダイス』!」」

 

ドバアアアアアンッ!

 

大橙丸を乱舞させて斬撃を飛ばしバナスピアーを地面に突き刺しバナナを模したエネルギーを束にして飛び出させる。新鮮さのある果汁が迸り蝙蝠弾幕は相殺され消滅した……と、その迎撃の隙を突きBQレミリアらは次なる攻撃動作に出ていた───

 

《バット》!《クイーン》!

《《マキシマムドライブ》》!!

 

BQレミリア「幻槍『ドラキュリア・ザ・グングニル』」ジャキッ

 

《タブー》!《クレイドール》!

《《マキシマムドライブ》》!!

 

TCフラン「禁断『ディストラクションズレーヴァテイン』」チャキッ

 

「「……!」」

 

晴れた視界の先にフラン達が見たのは各々武器を握るBQレミリア達。蝙蝠とも竜とも取れる形状のグングニルと血色に染まる禍々しい刃を持つレーヴァテインを持つBQレミリアとTCフランは構える。だが続き攻撃は放たず2人は立ち尽くす……何故なら、

 

BQレミリア「さぁ、来なさいソッチのフラン。これで決めるわよ?」

 

TCフラン「最後は私達と力比べ。貴女の覚悟した力を見せて頂戴♪」

 

レミリア「……行けるかフラン?」

 

フラン「うんっ!任せて!最後位はお姉様の助けを借りずに私だけで乗り越えて見せる!」

 

レミリア「良い返事だ。それなら無用は私は下がってるとしよう」ザッ

 

そう、これはあくまでフランを鍛えるが為の戦い。故にフランが整うのを待つBQレミリアらを見てレミリアは一応問い掛けるもフランの答えは決まっている。先の自身の力に怯えていたのから一変し自信に満ちた瞳を携える妹を見たレミリアは安心した表情で下がると残るフランは準備動作に入った。

 

チャキッ!

 

《カチドキ》!《フルーツバスケット》!

 

まず行ったのは懐から取り出したカチドキロックシードと極ロックシードの同時起動。それぞれハンガーを開き鍵を出すと頭上にクラックが開いて幾つものアームズが降りてくる。続いてフランはドライバーにそれらをセットし素早くカッティングブレードを下ろした。

 

《ロックオン》!

 

《ソイヤッ》!

《ロックオープン》!

《極アームズ!大・大・大・大・大将軍》!

 

そうする事でフランはカチドキアームズ装着直後、周囲に浮かぶアームズ群が集まってカチドキアームズが吹き飛び極アームズにアームズチェンジ。身体が成長したフランは間髪入れず極ロックシードを2回捻ってアームズウェポンを召喚した。

 

《火縄大橙DJ銃》!《無双セイバー》!

 

フラン「ハッ!」ジャキィンッ!

 

召喚した2つ、無双セイバーと火縄大橙DJ銃を取るとフランはそれらを合体。大剣モードに変換して更に懐から先程外したフレッシュオレンジロックシードを解錠、ソケットにセットした。

 

《フレッシュオレンジ》!

 

《ロックオン》!

《イチ・ジュウ・ヒャク・セン・マン・オク・チョウ》!

 

フラン「はあああああぁぁぁッ……!」グググッ!

 

火縄大橙DJ銃・大剣モードにロックシードが装着されると刀身にエネルギーが充填。足を踏ん張り身構えたフランを見てBQレミリアらもまた武器を構え直して攻撃に備える。そしてその瞬間は訪れた。

 

《フルーツバスケット》!

 

フラン「行くよ!新鮮『火縄大橙フレッシュ斬』!」ズバアアアアアッ!

 

BQレミリア「さぁ来なさい!はあああああァッ!」グオッ!

 

TCフラン「てりゃあああああぁぁぁッ!」ギュオッ!

 

ドガアアアアアァァァァァーッ!!

 

互いの力がぶつかり合う。極大の技同士が衝突し屋敷全体を震わせる衝撃と眩い光が発せられ下がったレミリアは思わず更に後退。フランの斬撃とBQレミリア達の槍と剣が火花を散らし……その勝敗は長く感じられるも実質は数秒の鍔迫り合いで決した。

 

ガガガガガアアアンッ!

 

「「きゃあああああぁぁぁッ!?」」ピチューンッ!

 

2対1、そんな戦力差をもろともせずフランの攻撃がBQレミリア達の攻撃を押し切り向かう先に居るBQレミリア達を猛襲。派手な爆発音が起きBQレミリアとTCフランの悲鳴とピチュり音が発せられる。土埃が舞い上がり2人の姿は見えなくなるも勝敗が決されたのは確かだ。それを解ってかフランは火縄大橙DJ銃・大剣モードを下ろして一息吐く。

 

フラン「ふぅ……」

 

レミリア「一皮剥けたなフランよ。それでこそ私の妹だ♪」

 

フラン「うんっ、有り難うお姉様。お姉様のお陰で自分を乗り越えられたよ」

 

レミリア「そうなる切っ掛けを設けてくれたのはパルスィだ。礼を言うならアイツに言うと良いだろう」

 

フラン「解った♪」ニコッ

 

歩み寄り褒め称えるレミリアにフランは満面な笑みを向ける。今や自身に怯え閉じ込めていたフランは居ない……本当に自分を受け入れて守りたいものを守る為に自身の怖さを乗り越えたフランは決意を胸に改めて生まれ変わった。こうなれたのもパルスィとレミリアの助力があってこそ。彼女は言葉に出さずとも心中で2人に感謝を述べた───

 

 

 

????「ウフフフッ、流石だわ。やってくれたわね異世界のフラン」

 

 

 

「「!」」

 

と、そんな姉妹の元に突如声が掛けられる。それは舞い上がる土埃の向こうから発せられ声質にフラン達は声の主が何者か解り振り向いた。そうすると丁度土埃が晴れて2つの影が姿を現す。

 

レミリア(夢)「これで安心ね。私達の役目は終わったわ」

 

フラン(夢)「これだけなら頑張った甲斐があったね。良かった♪」

 

フラン「異世界の僕達……」

 

現れたのは無傷なレミリア(夢)とフラン(夢)。但しその姿は表記の通り元の服装に戻っていてメモリが抜かれているのが判る。これ以上は鍛練の必要が無い位にフランが成長したと判断したレミリア(夢)らは喜ばしく笑んでフラン達に向かい合う。

 

レミリア(夢)「それじゃあ私達は長居も無用だし元の世界へ帰らせてもらうわね?意識だけとは言え気分的に疲れたし眠りたいわ」

 

フラン(夢)「もう怖がったらダメだよ?これからも頑張ってね!」

 

レミリア「ついでだ。夢中の存在である私も消えるとさせてもらうか。ではなフラン、そのまま本当の私に自慢できる程になっていけ」

 

フラン「皆、僕の為に有り難うね。皆に教えられた事を守って頑張っていくよ!」

 

レミリア(夢)「期待しているわよ。世界は違っても私の妹としてどうなるか楽しみにしてるわ」

 

フラン(夢)「じゃあね私、またいつか遊びましょう♪」

 

言ってレミリア(夢)とフラン(夢)、そしてレミリアは虚空に溶けるかの様にフランの前から消える。恐らくは異世界の幻想郷にて眠る自身の体に戻ったレミリア(夢)達と夢の存在故に消えたレミリアが居なくなり半壊した紅魔館に残されたフランは変身を解いた。

 

フラン「……よしっ!」

 

と、意気込むとフランもまたその場を去る。決意を新たに夢から醒め仲間達の元へ戻る為に───

 

 

 

 

 

《マッハ》《サンダー》

 

天子「たあああああッ!」ズザァッ!

 

W天子「しびれびれびれッ!?」ビリビリビリィッ!

 

少し時間は遡りこちらは天子vsW天子。キングフォームになった天子はキングラウザーに『マッハ・ジャガー』と『サンダー・ディアー』をラウズし電気の纏う斬撃を加速して放つ。喰らったW天子は痺れに若干恍惚とした顔を浮かべた。

 

《タックル》《メタル》

 

天子「はあッ!」ズドカァッ!

 

W天子「げふっ!?」ズザザザァーッ!

 

そこへ天子が追撃と更に『タックル・ボア』と『メタル・トリロバイト』をラウズ。鋼鉄の体で突撃してW天子を吹き飛ばす。それではそうそうくたばらぬW天子は直ぐ様立ち上がった。

 

W天子「くっ!やるわね……けど覚悟に反して激しいじゃないのよ?」

 

天子「自分の意思で力のセーブをやめたんです。貴女の言葉を飲んだのではありません」

 

W天子「成程。他人の意思じゃ変わらないって意味?それなら今回ばかりはドSにでもなってそんな考えを変えさせてやりましょうか……ねっ!」パシッ!

 

《ウェザー》!

《マキシマムドライブ》!

 

他人(異世界の自分)の言葉に左右されず自身の意思にて激しさを加えたキングフォームとなる天子の猛攻に対するW天子はそれを覆してやろうとマキシマムを発動。激しく渦巻く竜巻を幾つも作り出して天子に向けて放った。

 

W天子「極天『トルネードワイルズ』!」

 

ビュオアアアアアッ!

 

地面を抉る程の力で渦巻かれる竜巻の群れが迫る。立っているのも困難な勢いの風圧が天子を押すも天子はそれに冷静な身構えで迎え撃つ。そして、

 

天子「っはあああああぁ!」ザッ!

 

ズバババババァッ!

 

W天子「なっ!?」

 

ダンッ!

 

天子「要石『天地開闢プレス』!」

 

ドゴオオオォォォッ!

 

W天子「くうっ!」ザザザーァッ!

 

勢い良く地面を蹴り舞いを思わす足運びでキングラウザーと緋想の剣を振るい竜巻群を両断。更に跳び上がると要石を作り出して乗りW天子目掛けて急降下プレスを繰り出す。流石に喰らうのはマズいと察したかW天子は素早く回避した。

 

W天子「ハッ、やればできるじゃない?良い子ちゃんは卒業ね」

 

天子「お陰様で改める事が出来ました。有り難う御座います」

 

W天子「礼も良いけど私はまだ負けてないのよ?次を最後にアンタの覚悟で私を昇天させてみなさい」

 

天子「言われずとも。貴女に勝って私はパルスィさん達の下に戻ります!」チャッ

 

W天子「決まりね!なら行くわよ!」パシッ!

 

《ウェザー》!

《マキシマムドライブ》!

 

そう言い笑んだW天子はまた自らの右腰を勢いを付け叩く。『天候』のマキシマムが発動しW天子の全身をあらゆる天気を象徴するオーラが纏われて多大なエネルギーが巻き起こる。手に握るウェザーマインが持たずして宙で回転し緋色の気質を練り上げていった。

 

ギュオオオオオォォォッ……!

 

天子「コッチもっ!」

 

エネルギーの渦が不気味な音を発する中、天子もまた攻撃動作を取る。重醒剣キングラウザーにギルドラウズカードになった『チェンジ・ビートル』『タイム・スカラベ』『フュージョン・イーグル』『アブゾーブ・カプリコーン』『エボリューション・コーカサス』が順に自動ラウズされていく。

 

《スペード10》

 

《スペードジャック》

 

《スペードクイーン》

 

《スペードキング》

 

《スペードエース》

 

《ロイヤルストレートフラッシュ》

 

5枚のカードがラウズ。オーラとして浮かんだそれぞれを表す紋章が天子の前に縦列して現れる。そして両者は動作を整えると言葉無くして同時に攻撃を繰り出した。

 

 

 

W天子「『全天候の緋天災』!」

 

天子「王剣『ロイヤルストレートフラッシュ』!」

 

 

 

ドバアアアアアァァァァァンッ!!

 

極大的な力がぶつかり合う。荒々しい天候の乱気流と気質のレーザー、カードのオーラを通り放たれた斬撃が衝突し轟音を立てる。その衝突は互いを圧し合い拮抗するが……やがて2人の内、片方が上回った。

 

グググググッ……!ドワアァッ!

 

W天子「っ!?きゃあああああぁぁぁっ!」ズバアアアアアッ!

 

軍配は天子に下る。乱気流と光線を押し切りギルドラウズカードの力を纏う斬撃がW天子を切り裂く。しかし技の鍔迫り合いで多少なり威力が落ちた事も相成りへこたれるドM天人ではない。膝を着くも倒れぬW天子はフラつきつつ立ち上がる。

 

W天子「大したパワーね……けど私を負かすにはまだまだ弱いわ。アンタの実力はこんなもんかしr」

 

天子「まだですよ!」

 

《スペード10・ジャック・クイーン・キング・エース》

 

W天子「んなっ!?」

 

だが立ち上がり不敵な笑みを浮かべたW天子の表情は覆される。再度ラウズカード5枚をラウズした天子は再び正面にオーラ状のカードを展開。驚くW天子の隙を突きキングラウザー片手に天子は駆け出した。

 

天子「もう一度……王剣『ロイヤルストレートフラッシュ』!」バババババッ!

 

ズザアアアアアンッ!

 

W天子「がふぁッ!?……や、やってくれたわね。だけどダメージ上乗せなんて、新しい気持ち良さを発見したわぁぁぁぁぁッ!」ピチューンッ!

 

オーラを潜り抜けた天子の斬撃をまともに喰らったW天子。その威力に余裕があるのか無いのか恍惚な表情を満面に浮かべW天子は爆発するのであった───

 

 

 

少女小休止中……

 

 

 

天子(夢)「ふぅ、これなら合格ね。流石は違う世界でも私だわ♪」

 

天子「有り難う御座います。私なんかを鍛えてくださって……」

 

爆発の後、悦に浸っていたW天子が元に戻った所で決着後の会話を交わす2人の比那名居天子。お互い変身が解かれ元の姿に戻った彼女達は向かい合って話し合う。

 

天子(夢)「コラコラ、『私なんか』なんて自分を過小しないの。アンタは根本こそ違っても私なんだから胸を張りなさい」

 

天子「す、すみません……」

 

天子(夢)「ああ、張った胸は小さいけど気にしたらダメよ?」

 

天子「その言葉に胸が張れなくなりそうですよっ!」

 

お世辞にも膨らみが目立たないコンプレックスを指されて天子は涙目に怒る。それに若干加虐気味に笑う天子(夢)……そんな彼女は満足な顔付きでふと踵を返した。

 

天子(夢)「それじゃ満足できた事だし私は帰るわね?霊夢達が何処かしらに行っちゃって退屈だったけれど中々に楽しめたわ」

 

天子「あ、はいっ!本当に鍛えてくださり有り難う御座いました。これから私は私として自由に頑張らせていただきます♪」

 

天子(夢)「うん、好ましい意志ね。じゃあまたいつか会う日迄♪」フリフリ

 

言って天子(夢)は背を向けたまま手を振りフッと消え去る。その様を見届けた天子は何も言わぬまま決心した様に強い笑顔で空を見上げると、そのまま彼女もまた夢中の天界から消えた。他者に左右されず『比那名居天子』として今後も強くなると言う意志を胸に───

 

 

 

 

 

こころ「たあああぁッ!」ビュオッ!

 

こころ(夢)「っ!」ギキィンッ!

 

時を同じくしてこちらはこころ達。ウィザードラゴンの助けを得てルミナスドラゴンになったこころはウィザーソードガンを振るう。それを受け止めるこころ(夢)だが予想外のパワーに顔が曇る。それでも弾き返すとこころは距離を取り右手にリングを填めた。

 

こころ「月なる竜の力、お見せしましょう」チャリッ

 

《ルパッチマジックタッチゴー!ルパッチマジックタッチゴー!ルパッチマジックタッチゴー》!

 

《チョーイイネ!ルーン サイコー》!

 

填めたリングを魔法モードに変換したドライバーへこころは翳す。そうする事で魔法が発動し、こころが手を前に翳すと魔法陣が現れてソコから光の帯が飛び出した。そして、

 

シュルルルルルッ!ビシィッ!

 

こころ(夢)「んなっ……!?」ギョッ

 

四方八方に飛び散る光の帯は辺りに掛けられる仮面へ。そうして仮面に光の帯が巻かれると拘束するかの様に縛られた。それを見たこころ(夢)は何を思ったか仮面を引き寄せようとする……が、叶わず壁に掛けられた仮面はビクともしなかった。

 

こころ「ルーンは『封印』……貴女の仮面は封じさせてもらいました」

 

こころ(夢)「成程、多少ながら私の戦力を減らされた訳ですね?流石です」

 

この『仮面の間』の特性であるライダー召喚を封じられ少なからず弱体化させられたこころ(夢)はそれでも冷静にこころの力を称賛する。しかしその一方で対戦相手である以上は対抗する手を思案しておりこころ(夢)はならばと右手にリングを填めウィザーソードガンのハンドオーサーを開いた。

 

≪コピー プリーズ≫!

 

こころ(夢)「だけど手は幾らでもありますよ?原典のウィザードとして戦えば戦闘経験がものを言います」ジャキンッ!

 

そのハンドオーサーをリングを填めた右手で握って展開した魔法陣からウィザーソードガンを量産。二刀流となったこころ(夢)はフレイムスタイルのままこころに相対しようとする。Dr.マリオの義娘として無茶な戦いでは無いだろう……だがこころも負けじとこころ(夢)とは対照的に左手へ変身リングを填めてドライバーに翳した。

 

こころ「それはどうでしょう。経験は浅くとも……パワーで押し切らせてもらいます」スッ

 

《シャバドゥビタッチヘンシーン》!

 

 

 

《サンシャイン ドラゴン》!

《ギラギラギラギラ・ギンギラァッ》!

 

 

 

こころ「月が落ちてたら、太陽の番です!」

 

こころ(夢)「!」

 

変身モードにしたドライバーに橙色の変身リングを翳しリングと同色のドラゴンがこころに合わさると姿が再び一変。全身オレンジ基調となるサンシャインドラゴンに変わった。こころは続けて右手にリングを填め魔法モードにしたドライバーに翳す。

 

《ルパッチマジックタッチゴー》!

《チョーイイネ!プロミネンス サイコー》!

 

こころ「はあぁッ!」バッ!

 

ボウオゥッ!

 

こころ(夢)「くっ……!」シュバッ!

 

バババババアァンッ!

 

そうする事でこころは魔法陣より尾を引く火球を発射。向かい来る火球の火力を肌で感じたこころ(夢)はバックステップで避ける……が、的を外し地面に落ちた火球はまるでボールの如くバウンド。更に不規則な動きで跳ねて回避しようと後退するこころ(夢)を追い詰めていく。そして遂に疲れた所を火球が追い付いてこころ(夢)に着弾する。その熱さに苦悶したこころ(夢)にこころは更に出し惜しみせず左手に変身リングを填め変えた。続けてドライバーを変身モードにしリングを翳す。

 

《シャバドゥビタッチヘンシーン》!

 

《アルケミスト ドラゴン》!

《オウ・オウ・オウオウオウ》!

 

こころ「錬金王、見参!」

 

魔法陣を潜り抜けたこころは三度変貌す。黒一色となったアルケミストドラゴンに変じたこころは後退るこころ(夢)に対し今度は右手にリングを填め魔法モードのドライバーにそれを翳した。

 

《チョーイイネ!ミダースタッチ サイコー》!

 

こころ「ハッ!」ダンッ!

 

パキパキパキパキパキィィィッ!

 

こころ(夢)「! これは……金!?」ピキピキピキッ

 

魔法を発動したこころは魔法陣を手首に備えて床へと掌を叩き付ける。そうすると床が方向性を持って金色に変わりこころ(夢)をも襲う。それは黄金……錬金術とお伽噺で伝えられる『ミダス王』を掛け合わせた様な魔法にこころ(夢)は動きを封じられ、一方のこころはそんな彼女に金色のオーラを纏わせたウィザーソードガンで斬り付けた。

 

こころ「たりゃあああッ!」ダッ!

 

ズザアァンッ!

 

こころ(夢)「うくあああああッ!?」ドザァーッ!

 

金色の光を帯状に引くウィザーソードガンの斬撃がこころ(夢)を強襲。斬られたこころ(夢)は派手に吹き飛び転がり倒れる。そこへ更にトドメとこころは必殺技の動作に移った。

 

こころ「さぁ、フィナーレです!」チャリッ

 

《チョーイイネ!スペシャル サイコー》!

 

スペシャルウィザードリングを翳し再びドラゴンが飛び回る。そのドラゴンが背後からこころと1つになるとウィザードラゴンのオーラがこころに纏われた。そして、

 

こころ「竜撃『ドラゴアタック』!」グワッ!

 

ドガアアアアアンッ!

 

こころ(夢)「ッ!?くっ……うあああああぁぁぁぁぁッ!」ドカァーーーンッ!

 

黄金のドラゴンのエネルギーに包まれこころはこころ(夢)に突撃する。その一撃は激しい威力で防御体勢を取るこころ(夢)を押し切り撃破。爆発に呑まれこころ(夢)はこころに打ち負けたのであった───

 

 

 

少女小休止中……

 

 

 

こころ(夢)「それだけの力があれば私の言う事はありませんね。それでは私はお暇させてもらいますよ?」

 

こころ「はい。あの、すみませんでした……私に勝たせようと最後わざと負けてくれたみたいで」

 

こころ(夢)「何の事でしょう?勝てたのは貴女の実力です。貴女の覚悟が私を打ち負かした……まぁそれで良いでしょう?」

 

勝敗を決し変身を解いたこころ達。だが程無くしてこころ(夢)はレミリア(夢)達や天子(夢)と同じく帰ろうとする。その別れ際の会話から察するにこころ(夢)は戦いに手心を加えていた様だ。

 

こころ(夢)「言う迄もありませんでしょうがこれから頑張ってくださいね?私は悪の側で貴女達が敵対するダークファンタジアの手伝いもしてるので敵となった時は容赦しませんよ」

 

こころ「解ってます。パル姉様の隣に居る為にも頑張りますよ♪」

 

こころ(夢)「……変態な所も頑張って改善してくれると有り難いです」

 

言ってこころ(夢)はフッと消える。残されたこころもまた一拍遅れ夢から醒めようと空を仰いだ。

 

こころ「さて、帰って姉様に頑張りを褒めてもらうとしましょうか♪───」

 

 

 

 

 

~~~~~~~~~~

 

こころ「────んんんっ……」モゾッ

 

翡翠「あっ!起きたこころちゃん!?」

 

こころ「! 翡翠さん……」ムクリ

 

ココは現実。長い鍛練を経て目覚めたこころに翡翠は何やら慌てた様子でいつもは冷静な声を荒げていた。起き上がって時計を見ると夢に落ちてから約1時間程……夢の中だけに時間の流れは遅い様だ。

 

こころ「一体どうしたんですか?そんなに慌てて」

 

翡翠「ええ、ちょっと問題が起きてね……貴女も起きてくれて良かったわ」

 

永琳「やはりパルスィだけが『成功作』を飲んだみたいね。だとしても困ったものだわ」

 

こころ「? ……パル姉様?」

 

パルスィ「──────」

 

そんな冷静では無い翡翠の後ろで席に座る永琳を見た後にこころは隣のベッドに未だ眠るパルスィを見付けた。しかし目を閉じるパルスィは一見眠っている様に見えて何か違和感を感じる……まるで眠りながらも意識が無い様であった。

 

こころ「ひ、翡翠さん。姉様はどうしたんです?」

 

翡翠「死んでいないみたいだけど、実質死ぬより苦しい状況よ。何せ自分の罪を見てるんだから」

 

永琳「私も様子が可笑しいと思って調べたの……そしたら、どうも彼女は───自分の過去を見て精神的に死にかけているみたいなのよ」

 

こころ「自分の過去……?」

 

キョトンとするこころ。意味を解してない彼女に永琳は説明を続けた。

 

永琳「貴女達を夢の世界へ送る前に言ったでしょう?この『邂逅版胡蝶夢丸』はあくまで失敗したが故の副産物で本来は自分の過去と向き合う為の薬だって。それが正しい調合だったのか成功したのが1つ、或いは幾つかあったみたいなの」

 

翡翠「その成功した薬を運悪くパルスィが飲んだ所為でこの結果よ……成功が問題を呼んだわ」

 

こころ「そう言えば姉様、自分の過去を余り好ましく思ってない様でした……もしかしてそれが原因で?」

 

翡翠「そうよ。パルスィにとって自分の過去は橋姫たらしめた要因であり思い出したくない罪なの。そんなのをリプレイされてる状況は精神が命と同等な妖怪にとってマズい事態よ」

 

普段なら余裕ある笑みを見せていたのを全く逆の真剣な顔付きで緊迫した表情を浮かべる翡翠。それが事の重大性を物語っている……と、そこへ永琳が付記した。

 

永琳「更に問題がもう1つ。この屋敷に怪人が侵攻してきてるわ」

 

こころ「えっ……!?」

 

 

 

~~~~~~~~~

 

「「「「「キシャアアアアアァァァァァッ!!」」」」」

 

デェムシュ「行ケッ!アノ屋敷ニ住ム猿共ヲ生ケ捕リニスルノダッ!」

 

レディエ「フフフッ、楽シイ狩リダヨ♪」

 

~~~~~~~~~~

 

 

 

翡翠「まぁソレは先に目覚めたフランちゃんとテンコちゃんを説得して向かわせたわ。だからこころちゃんはパルスィの事をお願い」

 

こころ「えっ、でもどうすれば……」

 

今現在、永遠亭に進軍しているオーバーロード率いるインベス達。それもまた大きな問題だが翡翠はこころを引き留める。どうやらココには居ないフランと天子はそちらを引き受けた様だ……が、こころは引き留める翡翠に疑問を問い掛けた。と同時にふとその意図を解す。

 

こころ「! そうか、アンダーワールド……」

 

翡翠「ご明察。前に教えてくれたエンゲージでパルスィの夢に入ってパルスィを救い出して?私も精神内にいつも居るから独自に夢へ入れるし手伝うわ」

 

こころ「解りました。パル姉様に出来る事なら何でもします」チャリッ

 

自らも夢の中がアンダーワールドに近い空間であるので助けられた事もあり翡翠の言った事に応じこころはエンゲージウィザードリングを取り出す。そしてパルスィの手を取るとその指にリングを填めた。

 

翡翠「じゃあ私は先に入るわ。こころちゃんも追い付いてきて」

 

こころ「はい、解りました」

 

永琳「気を付けて行きなさい?見たくない過去を見せられて精神的に不安定になれば誰しも何をしてくるか判らない……最悪戦う事になるかもしれないわ」

 

こころ「大丈夫ですよ。私と姉様は互いを認め合う姉妹です。私に任せてください♪」スッ

 

《エンゲージ プリーズ》!

 

注意を促す永琳に福の神の面を着け笑顔を表したこころは先に精神内へ入った翡翠に続きリングを填めたパルスィの掌をハンドオーサーに翳し魔法を発動。パルスィの体上に現れた魔法陣に飛び込んで精神世界へと入っていった。

 

水橋パルスィが水橋パルスィとしてなる前、『織津春(おりつ はる)』と言う人間であった過去が展開されるパルスィの夢へと───




サンシャインドラゴンとアルケミストドラゴンが登場……うわぁ、改めて見ると無理矢理過ぎる変身音声だと思わざるを得ない(汗)

サンシャインで『ギラギラ』にしたから上位の擬音が思い付かずに勢いを強くしただけ、アルケミストドラゴンは錬金術→黄金→ミダス王(触ったものを金に変える王様)で"王"を連呼しただけと言う。ドラゴン系統は作る予定無かったのが仇になりましたよ。

果たしてパルスィの夢(アンダーワールド)に入ったこころと翡翠はどうなるか?パルスィの過去を含めて意外な展開なのでご期待あれ!

では今年も宜しく!
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