東方嫉妬王 ~Jealousy of the OOO~   作:秋塚翔

42 / 44
祝・40話☆……微妙な数字だから目出度さ半分ですが。

東方の新作、深秘録。華仙や妹紅が参戦する事に驚きと興奮を隠せない私ですが何より衝撃を受けたのは異変のテーマと妹紅の扱うオカルトアタックと言うものです。

藤原妹紅 オカルトアタック:人体自然発火現象

…………ダグバ?

いや、"自然"と付くからにはあくまでオカルトとしてのものでしょうが東方と仮面ライダーの関連性の深さを考えたら黄昏フロンティアさんが狙った様に思えるんですよね。心綺楼はウィザードっぽく緋想天は可能性として劇場版カブト(宇宙手前の成層圏辺りに行くし)、非想天則は巨大ロボ出すから戦隊みたいな感じでモチーフにしてる様に思えるのは私だけでしょうか?

そして今回の深秘録、都市伝説が異変のテーマなんですが良く考えてみれば仮面ライダーも都市伝説扱いされてたよねフォーゼとかで。

……まぁ余りそう言うのを語るのは無粋かもなんでココで終わります。ただ一つ言いたいのは東方と仮面ライダーが関連性深くて良かったと言う事ですね。でなければこうして東方×仮面ライダー作品なんて作られなかったでしょうし。

と言う訳で気を取り直して本編。今回は私なりに良い話にしてみた次第なのですが何分拙いのでイイハナシダナー(棒)又は(笑)で読んでくださる事を推奨します。


第040話「覚悟と改心と参戦」

アハハハハハハハハハハ───ッ!

 

私は壊れた様に高笑いを上げる彼女をただ見ているしかできなかった。灯りの消えた暗い屋敷で愛していた男の亡骸を足元に笑う返り血で濡れる彼女……春はその目に悲哀の涙を溢れさせている。その悲しみを含んだ雫が頬を伝い彼女の罪を示す血溜まりの中に落ちて消えていく毎に私は春が人間を捨て妖怪へ変じていく様な気がした。

 

そう、私が無責任に無用心な助言をしたばかりに嫉妬で狂った末の彼女は心優しかった人間を捨て嫉妬狂いの妖怪となったのだ。

 

神として奉り上げられた妖怪である私はそれにズキリと心が痛む感覚を覚えた。あの優しかった彼女の心を嫉妬に染めてしまい今正に春は黒髪が月夜に映える金色へと染まり耳は化外であるのを示すかの様に尖り涙を流す瞳は緑眼と化している……全ては私の所為で。

 

『お陰様で今年もお店は繁盛しまして私達は生きていられました。願わくば来年もお店を続けていられる様にお頼み申し上げます』

 

力添えなんかしてない、全て彼女が努力した賜物である店の繁盛をご利益だと信じて疑わず毎年どころか毎朝祈りに神社へ通う春……そんな彼女を私は呆れた体を取りつつ好いていた。その心の清らかさに元来は妖怪である私は眩しく妬ましく、そして惹かれていたのである。しかしそれはもう無い。私の目の前には人間を捨てて変わり果て男とその一族を妬み殺した血で塗れる私が歪ませてしまった春が居る。優しい笑みを狂気と悲哀に満ちたものに成り変わらせた妖怪と化した彼女を見やり私は一つの決断を下した。

 

今から私は春の半身になろうと───

 

嫉妬に狂って尚も歪んだ願いながら()に祈った彼女に報いよう。()が指し示した道を歩んだ末に罪を背負い最早肉親ですら慰めてくれない妖となりし彼女を癒そう。人を捨て永い世を生きる事になる彼女の半身として共にあろう。そう決意した私は神としても妖怪としてもそぐわない恋い焦がれた春の中に住み着き今に至る。少しでも彼女の助けになればと私は春と生きる事を選んだ。

例えその『助け』が彼女を殺して苦しみから逃れさせる事であろうとも私は心中する覚悟でその道を歩む。もうこの子を苦しませたくない……もう人間たる私の欲した彼女で無くとも私は彼女の為なら生かす目的で救おうとする仲間も敵に回そう。

 

愛するパルスィ()の為に……

 

 

 

~~~~~~~~~~

 

《バックン!バイティングチャージ》!

 

相対するこころと鈴仙を前に翡翠はリヴァイアサイスの蛇の頭部を模した『リヴァイアスヘッド』を押し込む。それにより装填されていたセルメダルが噛み砕かれ欲望の中から"嫉妬"のみを抽出・増幅。そのエネルギーでリヴァイアサイスが再び死神の鎌サイズに巨大化しクリアグリーンの刃『ジェラスエッジ』には抽出され増幅した嫉妬のエネルギーが緑色のオーラとして纏われる。その凄まじい嫉妬と言う欲望の力を持ったリヴァイアサイスを翡翠はこころ達へと振るった。

 

翡翠「妬斬『エンヴィースライサー』!」ヒュオウッ!

 

「「!」」

 

《ディフェンド プリーズ》!

 

ドガアアアアアンッ!

 

その緑色の斬撃に対してこころは素早く反応しディフェンドを発動。鈴仙と共に作り出した炎の壁に身を守らせると燃え盛る炎の防壁に緑の斬撃が衝突する。フレイムドラゴンになっているこころのディフェンドに切れ味を誇るリヴァイアサイスの斬撃は流石に相殺、爆発を起こした。

 

鈴仙「フッ……!」ヒュッ!

 

翡翠「!? くうっ!」ガキィンッ!

 

その爆発に紛れ鈴仙はいつの間にか翡翠の背後を取り手刀の形を取る右手を首元へ突き出す。蛇を表す頭部『ネタミヘッド』の動体視力にてそれを捉えた翡翠は腕の装甲で殺気篭る襲撃を防御。しかし鈴仙の次の手が翡翠を狙った。

 

鈴仙「」ドガガガガガッ!

 

翡翠「っっっ!」

 

更に二の手三の手と打撃を繰り出す鈴仙に翡翠は気圧される。幾ら妖怪と言えど生身で『オーズ』の力を持つ翡翠の方が力量こそ上であるも鈴仙はその不利を補う戦闘技術で圧していた。素人の翡翠は判らないが中国拳法等の徒手格闘をかじる『CQC』を繰り出す鈴仙に翡翠は油断ならず警戒を向ける。

 

翡翠「はあァッ!」ズドムッ!

 

鈴仙「ッ!?かはッ……!」

 

その甲斐あってか数打の応酬の末に仮面ライダーの力を有す翡翠の反撃が鈴仙の腹へ炸裂。隙を突かれ打撃を受けた鈴仙が肺の空気を吐き出し呻いた様に翡翠は達成感を覚え不覚にも笑んだ。

 

鈴仙「」ニィ…

 

その達成感による"油断"を誘って反撃を許した事に気付かずに……

 

 

 

───ボワアアアアアァァァッ!

 

 

 

翡翠(……!しまっt)

 

ズドガアアアアアァンッ!

 

油断を引き起こした翡翠へ見舞われたのは他方向から来る火炎。警戒で意識を鈴仙へ向けていた翡翠がそれに気付くのは一歩遅く凄まじい火力の攻撃が襲い掛かった。着弾した火炎は爆発を起こし翡翠の姿が見えなくなる程に爆煙を巻き起こす……それを離れて見るのは素早く回避していた鈴仙と、ウィザードラゴンの頭部『ドラゴスカル』を胸部に現したこころだ。

 

鈴仙「良くやったわ。わざと攻撃を喰らった甲斐があった」

 

こころ「ひ、翡翠さん……」

 

一連の流れに関する概要はこうだ。まず鈴仙は自らの能力でこころの脳波に信号を送って念話による打ち合わせをし翡翠の注意を自身へ集中させる。そこへ翡翠の攻撃を防御し爆煙に紛れていたこころがどさくさに紛れスペシャルウィザードリングを使用してドラゴスカルを顕現。戦闘と鈴仙に攻撃を与えた事の油断でスペシャルの音声を捉えられずこころへの注意も逸れていた翡翠に『ドラゴンブレス』を放ったのだ。

鈴仙の理に敵う戦法にハマった翡翠が飲まれた爆煙にこころが心配の目を向ける。すると立ち昇る炎の中よりダメージを負った様子の翡翠が少しヨロめきながら出てきた。

 

翡翠「」フラリ

 

鈴仙「今ので漸くその程度か。案外硬いわね」フゥ

 

こころ「もうやめてください翡翠さん!私はこれ以上翡翠さんと戦いたくなんかありません!」

 

翡翠「…………」ズザッ

 

哀しみを表す面を被るこころがそう投げ掛けるも翡翠は不敵な微笑を顔に浮かべ身構える。彼女の胸中にあるのはパルスィを救うと言う覚悟……その今に至る道を選ぶ時に定めた覚悟を胸に翡翠はダメージを負いつつ尚もこころ達へと挑む。

 

翡翠「嫌よ。やめてほしければ私を打ち倒してみなさい?私の"覚悟"と貴女の"希望"……どちらが勝つかでしか私は止まるつもり無いわ」

 

こころ「そんな……そんなの嫌です!翡翠さんも私の大切な人、倒すなんて出来ませんよ!」

 

翡翠「なら私が私の覚悟を突き通して勝つだけ。見せてあげるわ……コアメダルの力の真髄ってものをね!」フオオオオオッ…!

 

そう反発し翡翠が言うや彼女に緑色のオーラが纏われる。メダルのエネルギーとおぼしきオーラが全身から放たれ只ならぬ雰囲気を醸す翡翠に鈴仙は眉根を寄せて問うた。

 

鈴仙「! 何をする気?」

 

翡翠「フフフッ、これは一時期サメ・クジラ・オオカミウオメダルを持ってた時に導き出して掴んだ能力。メダルの力を最大限に使う嫉妬の顕現体……見せてあげる───

 

 

『 能 力 解 放 』♪」

 

グワッッッ!

 

 

 

「「……!」」

 

宣言すると同時に翡翠の姿は変貌を来す。相対し翡翠が変貌する様を見るこころと鈴仙はそれに唖然。後ろ髪が伸びて変質した形で緑色の大蛇が鎌首をもたげ右肩からは同じく蛇……と言うより大海に住まう怪物・リヴァイアサンを模した生物が翡翠の腰にも尾を露出されて現れ脚部はドーベルマンらしき大きな黒い犬となり翡翠を搭乗させた形にて牙を剥く。正に翡翠の言う『メダルの力を最大限に使った』と思わしき身の丈は三倍にもなろう半怪物じみたオーズ翡翠・ジェラシーコンボはリヴァイアサイス片手に高らく笑った。

 

翡翠「アハハハハハッ!さぁ終わりよ!嫉妬と言う欲望の前に散りなさい希望ォォォッ!」

 

「「「グワオオオオオォォォォォッ!!!!!」」」

 

「「ッ……!」」ジリッ

 

雄叫びにも似た翡翠の言に呼応し彼女から顕現されたメダルを表す動物三匹は咆哮を上げる。その威圧感にこころは気圧され鈴仙は身構えながらも自身の敗北を覚悟し始めた。対して翡翠はそんな二人を打ち倒さんと犬となる脚を駆けさせ攻撃を仕掛ける……

 

が、その時!

 

 

 

 

?????「───やめなさい翡翠」

 

 

 

 

 

「「「!?」」」ピタッ!

 

予期せぬ声が覚悟を伴う翡翠の攻撃を中断させる。それ程迄に突如として上げられたその声は彼女を止めるに適しており同時に交戦する三人の意識を声の主に注目させた。聞き覚えあるその声にこころは何者か気付くが先に翡翠がその者の名を驚きを隠せない顔色で述べる。

 

翡翠「パ、パルスィ……!?」

 

パルスィ「…………」ザッ

 

その言葉の返事代わりの如く声の主たるパルスィは姿を現す。先程迄は過去をリピートしていたこの場もパルスィの登場と共に鳴りを潜めて静寂が舞い降りる。そんな中で現れたパルスィにいつの間にやら元の体型へ戻っている翡翠は心配する様子で問うた。

 

翡翠「パルスィ!どうして!」

 

パルスィ「アンタ達が私なんかの事でゴタゴタやってるから沈んでるのが馬鹿らしくなって出てきたのよ。全く元気があって妬ましいわ」

 

まるで現状に呆れた様な態度を取るパルスィ。しかし言葉とは裏腹にその顔付きは曇っている。普段から仏頂面の彼女であるが鈴仙の目からも精神的には罪に苛まれていたらしいパルスィは尚も問い掛けようとする翡翠を手で制し今度はこころの方を見た。見るからに健在そうに見えないパルスィは見やったこころに口を開く。

 

パルスィ「……さっき迄の事は見ていたわ、殺して私を楽にさせようとする翡翠と生かして救おうとするアンタの対立はね。正直私としては翡翠の提案に賛成したくあるわ」

 

こころ「…………」

 

パルスィ「でも不思議なものね。さっき迄はそう思ってたのに抗ってるアンタとそこの兎を見てたらアンタ達を追い返したくない私が居たのよ。移り気の自分が妬ましいわ」

 

こころ「! 姉様っ?」

 

一瞬落ち込み俯くこころであるがパルスィのその言葉に顔を上げた。自身へ呆れた様に頭を掻くパルスィはそんなこころに問い掛ける。

 

パルスィ「だけど本当に私を助けて良いと思うの?見て判る通り私は嘗て人を殺してきた嫉妬妖怪、怒りに任せて無関係の人間も襲った罪深い存在よ?そんな奴に希望を持たせて生かすなんて良いと思う?」

 

こころ「それは……」

 

パルスィ「大体生かした所で今こうして過去を引き摺ってる以上はまた苦しんで今度は自分の意思で自分を殺して楽になるかも知れない。そんな助け甲斐が無い奴を助けて利益は無いでしょ?」

 

こころ「っ……」

 

自身を悲観的に見た捲し立てを述べたパルスィにこころは返答できずに黙る。ココで『そんな事は無い!』と言えない自分がこころは恨めしかった。しかしそれはこころの優しさ故で無根拠にパルスィの行く道をまた過去に苦しむかも知れない生きると言う選択のみへ導くのを躊躇われたからだ。パルスィは更に続ける。

 

パルスィ「アンタにとっては私は助けたい程に大切な存在なんだろうけど私自体はのうのうと生きてたらいけない存在なの。愛していた人を殺して狂気のままに人を殺してきた……そんな奴を助けて何の価値がある?そんな奴を生かして何の意味がある?───そんな奴を、アンタは好きで居られるの?」

 

こころ「っ!好きに決まってるじゃないですかッ!」

 

パルスィ「……!」

 

だがそんな沈黙はパルスィの言葉で破られる。思わず声を荒げて返答しパルスィや傍観する翡翠と鈴仙が驚いている内でこころはそんな事を言ったパルスィに更に言葉を返す。

 

こころ「私は姉様がそんな奴でも好きです!例えどんな存在であろうとも私に手を差し伸べてくれた姉様は姉様!素っ気無く冷たい態度でも助けを求められたら放っておけず実は優しいと言うのが私の知る水橋パルスィです!それさえ知っていればそんな大好きな姉様を助けますよ!」

 

パルスィ「ッ!馬鹿よアンタは!何で私をそこ迄助けたいの!?私とアンタはそもそも他人じゃnんむっ!?」チュッ

 

こころ「んっ……」チュウッ

 

そんなこころの返答に怒りを表すパルスィであったが勢いに身を任せているこころの行動にその感情は遮られる。それはキス。まるで初めて会った時の様に無理矢理唇を奪われるが最初と異なるのは舌は絡めずただ唇を重ね合わせているだけと言う点……形は違えどまるで母親が子供をあやす様な優しさを持つ接吻にパルスィは突然の事に硬直したのもそうだが不思議と抗えなかった。その口付けはものの数秒で終わり離れたこころは『微笑を浮かべ』言う。

 

こころ「───他人じゃありません。私は姉様に助けられて姉様と旅を共にしてきました。私は姉様の事が好きだし姉様は私を受け入れてくれた……これを他人と呼ぶには可笑しくありませんか?」

 

パルスィ「……」

 

こころ「フランさんと天子さんもまたそうです。それに私を受け入れてくれた時に言ったでしょう?『私は姉様と共に居たいです。例え嫌われ者でも下賤でも何であれ私を助けてくれた姉様は私が信頼できる方ですから』と……それは訂正するつもりありません。私は私の信じる水橋パルスィ姉様を愛し続ける所存ですよ♪」

 

パルスィ「ここ、ろ……」

 

こころ「だからそんな寂しい事も悲しい事も苦しい事も言わないでください。どんな姉様であろうと私やフランさん達、それに翡翠さんは変わらず姉様の事が好きなんですから、ね?」ニコッ

 

内容としては変わらぬ言葉。しかしパルスィは思わずその言葉に緑眼を潤ませる。こころの心が閉じかけたパルスィの心に伝わり、その返答はとうとう潤むどころでは無くなり涙が零れた彼女の顔が示した。そうして涙に濡れるパルスィは無意識の内にこころを抱き締め涙ながらに笑みを浮かべる……『本当の』笑顔を。

 

パルスィ「…………全く、妬ましいわ。折角死ぬ機会が出来たって言うのに良くも邪魔してくれたわね?この代償は高く付くわよ」

 

こころ「これからの一生を懸けてお返しします。有り余る程返しますので覚悟しておいてくださいね」

 

パルスィ「良いわ。アンタも覚悟しなさいよ?私を愛してるからには浮気なんて絶対に許さないから……」スッ

 

言ってパルスィは自らの唇をこころに近付ける。それを受け入れたこころとパルスィは優しい約束のキスを交わし互いにその約束を心中へと刻み付けた。そしてどちらとも無く離れた内のパルスィに蚊帳の外だった鈴仙が言葉を掛ける。

 

鈴仙「蛇足だろうけど一応言っておくわ。私もアンタと同じ様に月から逃げて地上に降り立ってからは数え切れない程の人間を殺したものよ。月の追っ手や狩人、はたまた妖怪やたまたま出会した人間もね」

 

パルスィ「…………」

 

鈴仙「生き延びる為とは言え私は人を殺し過ぎた。血に染まった過去を思い出す度にそれこそ何度命を奪ってきた銃で自分の命を奪おうかなんて考えてきたか解らないわ。でも出来なかった……その時には既に私を想ってくれる他人じゃない人達が周りに居たから」

 

精神内であるが空を仰ぎ見る鈴仙が思い浮かべるは自分を拾ってくれた永琳や輝夜、そして罪深い自分を慕ってくれるてゐや妖怪兎達だ。視線を戻し笑みを含ませた顔付きを見せる鈴仙は言葉を続けた。

 

鈴仙「アンタもソイツや他の仲間に想われてるんでしょう?なら死ぬなんて考え付かない事ね。アンタの事が大切でアンタも大切に思ってるならアンタの幸せを願う奴や一緒に居れて幸せな奴を不幸にする真似は出来ない筈よ」

 

パルスィ「……そうね。今更気が付いたわ。楽になりたくて死んで誰かを悲しませたりなんかすればそれこそ罪作りな事よね」

 

まるで人が変わったかの様に自嘲し苦笑うパルスィ。いや、正しくは元来の彼女に戻った様なものでありそんなパルスィに続いては翡翠が言葉を掛ける。

 

翡翠「あの、パルスィ……」オズッ

 

パルスィ「アンタは別に悪くないわ。確かに勝手な覚悟で頼みもしてない私の介錯なんて買って出ててけどアンタはアンタなりに私に償おうとしてたのよね……だから私はアンタにどうこう言わない。一言だけ言いたい事を言わせてもらうなら、『今迄有り難う。これからも宜しくね神様』位かしら」

 

翡翠「……!」パァッ

 

その感謝の言葉に翡翠はパルスィに彼女が人間であった頃の姿を重ねた。恋い焦がれ死なせてしまった筈の瀬織春がパルスィの中にある事に不覚にも涙を浮かばす翡翠。それからパルスィは気を取り直した様に言った。

 

パルスィ「よし、じゃあ早いとこココから出ましょうか。アンタ達とは言えいつ迄も私の心の中に居させるなんて御免蒙るわ」

 

こころ「良いじゃないですか。折角ですから姉様が私をどう思っているか聞き出しましょう!めでたく両想いなら結婚します!」

 

パルスィ「断言するな!だから早いとこ出ようってのよ!」

 

翡翠「パルスィ、その言い方だと結婚せざるを得なくなる気持ちがこころちゃんへあるって事にならない?」

 

こころ「えっ!本当ですか姉様!結婚式は何処で挙げます?子供は何人?あ、その前にどちらが父親母親になるか決めなくては!」

 

パルスィ「アンタ達纏めてストレインドゥームしたげるから並びなさい」

 

鈴仙「……漫才は良いから早く出るわよ。てゐ達の手助けに行かないといけないんだから」ハァ

 

またいつもの調子に戻ったらしいパルスィ達。それを横目に見て鈴仙は溜め息を吐きそう促すとパルスィ達4人は揃って舞い戻るのであった───

 

 

 

 

 

~~~~~~~~~~

 

てゐ「あうっ……!」ズサァッ!

 

キバット「大丈夫かてゐ!」バサササッ!

 

永琳(もうセルの残量が心許無い。まさかこれ程なんて!)

 

場所は戻りインベスの群れと交戦するフラン達は数に圧されていた。倒す度に次々とオーバーロードにより呼び出されるインベスの進撃にさしものフラン達も劣勢を強いられている。

 

レデュエ「フフフッ、気ニ食ワナイケド"レミ"ニハ感謝カナ。知恵ノ実ヲ得ラレナカッタ私ヲコウモ強クシテクレタオ陰デ少々手コズッタモノノコノママナラジキニ片付クネ」

 

フラン「くっ!」ハァハァ

 

豊姫「少し前座で運動し過ぎたわね……」フゥフゥ

 

休ませない戦術を仕掛けたレデュエは見事それをハマらせ相対するのは全快の自身へ刃を向ける息を切らした敵だ。緑色のハルバートを片手に動き出したレデュエは最後のトドメは自分がと言わんばかりに疲労するフラン達へ歩む。

 

デェムシュ「フハハハハハッ!ドウシタ?弱イ、弱過ギルゾォッ!」

 

幻月「調子こいてくれるわねあの赤トウガラシ……!」ギリッ

 

夢月『予想以上の戦闘力です。攻めようにも決め手が見付けられません』

 

「「…………」」ザッザッザッ

 

「「つッ!」」ジリッ

 

再生怪人とは思えぬ強さに皆一様危機に陥る。上級や初級インベスらが迫るてゐ達やデェムシュの力に攻めあぐねる幻月達、全力を発揮する白夜・姫ら二人に圧倒される妹紅達もこのままではやられるのが時間の問題だろう。それ程迄にオーバーロード率いるインベス軍団は手強かった。

 

シカインベス「ガオアアアアアァッ!」グワッ!

 

てゐ(鈴仙ちゃん……!)

 

迫り来るシカインベスを余所にてゐは身を案じる少女を思い浮かぶ。この状況を打破してくれるかも知れないと希望を抱ける玉兎と思う素兎。そんな彼女にシカインベスの剛腕が振り上げられた───

 

 

 

……ズキュウーーーーーンッ!

 

 

 

ドバァッ!

シカインベス「ガアァッ!?」ドシャアーッ!

 

「「「!」」」

 

が、振り上げられた剛腕はてゐどころか取り巻くキバットや永琳にも見舞われずシカインベスは体躯に火花を散らせ倒れる。それに驚くてゐ達3人であるが、すぐに原因は直前の空気をつんざく音で判った。と同時に他の者達にも同じく……

 

「「「「「キュイィーッ!」」」」」バババババッ!

 

レデュエ「!? ナ、何ダコレハ!」

 

「「!」」

 

トドメを刺しにハルバートを掲げたレデュエや白夜・姫らにはタカやタコを始めとしたカンドロイドの軍勢が、

 

レッドガルーダ「ピュイイイッ!」

 

ブルーユニコーン「ヒヒヒーーーンッ!」

 

イエロークラーケン「キューッ!」

 

バイオレットゴーレム「ッ!ッ!ッ!」

 

デェムシュ「ヌウッ!?邪魔ヲスルナァァァッ!」ブンブンッ!

 

同様に幻月達を叩き伏せんとするデェムシュにはプラモンスターが翻弄し剣は空を切らせフラン達はそれが何者の手によるものなのかを即座に理解した。そしてそれを確信へ至らせるかの様に『彼女達』は竹藪より姿を現す。

 

 

 

パルスィ「待たせたわね。遅くなったわ」ザッ

 

鈴仙「怪我は無い?てゐ」ジャカッ!

 

こころ「ココからは私達も手伝います!」

 

 

 

てゐ「! 鈴仙ちゃん!」

 

フラン「パルシーお姉ちゃんっ!」

 

天子「こころさんも、無事で良かった……」

 

現れたパルスィ達にてゐやフラン達は喜びの声を上げる。それに無事な態度にて応えるパルスィ達はレデュエらを前にして自らの変身ドライバーを取り出し構えた。

 

キバット「鈴仙!待ち草臥れたぜ~?」バサッ!

 

鈴仙「キバット、行くわよ」

 

キバット「おうっ!キバッて行くぜ!《ガブッ》!」

 

銃を投げ捨てた鈴仙にキバットが飛び寄りその手へ噛み付く。それからメダルを三枚装填したパルスィと指輪を填めたこころの三人とで声を合わせる。

 

「「「変身!」」」

 

ギンギンギンッ!

《タカ》!《トラ》!《バッタ》!

《タ・ト・バ・タトバ・タ・ト・バ》!

 

《フレイム プリーズ》!

《ヒィ・ヒィ・ヒィヒィヒィ》!

 

オースキャナーでドライバーに装填したタカ・トラ・バッタメダルを読み込ませてパルスィはオーズに、ドライバーのハンドオーサーにフレイムウィザードリングを翳したこころはウィザードに、キバットを鎖で生成されたベルトに逆さ吊りさせた鈴仙はキバに変身し三人は身構えた。その姿を見やるフラン達の目にはあたかもパルスィ達が英雄の様に映る。

 

パルスィ「行くわよこころ、鈴仙」

 

鈴仙「ええ」

 

こころ「さぁ、ショータイムです!」

 

罪にまみれし過去を振り切ったパルスィを先頭に三人は駆ける。それを迎え撃つは彼女達の大切な者達に牙を剥く怪人の群れ。各々の得物を手に戦線へ突入するパルスィ達のココ、迷いの竹林での決戦が幕を開けた───




後半に失速気味なのはご愛嬌(?)。パルスィがこころのお陰で過去を乗り越えデレました。キスさせたかっただけじゃね?と無粋な事を言う方は霧子キックをお見舞いする所存です八割方そうですけどね(笑)

実力を発揮せず仕舞いだった翡翠の使った『能力開放』とはS.I.Cのポセイドンからパクりました。言わばメダルに込められた生物の力を装甲に現すと言った能力で私の中ではポセイドンを始めとするメダルチェンジ不可のコンボがこれを使える事にしてます。まぁ実力については後々と言う事で。

次回は竹林の戦い決着!最狂姉妹とチート妹の強さを発揮させますのでご期待を。そしてオリジナルロリ少女(by現さん)登場!
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。