東方嫉妬王 ~Jealousy of the OOO~ 作:秋塚翔
インベスによる侵攻を蹴散らして勝利を喫したその夜、治療の為にもう一泊していけと永琳に言われパルスィ達が留まった永遠亭の縁側では鈴仙は夜空に昇る月を見上げていた。丁度今宵は夜に映える満月で淡い月光が幻想郷に優しく降り注いでいる。そんな故郷であった月を独り眺めていると……
パルスィ「ココに居たのね。薬師がアンタもそろそろ入ったらどうかって言ってたわよ」
鈴仙「解った。もう少ししたら頂くって伝えといて」
廊下を渡り行くパルスィが鈴仙に声を掛ける。風呂上がりらしくタオルで髪を拭うパルスィにそう答えて月見を続ける鈴仙。そうする彼女の隣にパルスィはふと腰掛けた。
パルスィ「……アンタにも言わせてもらうわ。有り難う、こころとアンタのお陰で私は自分の過去を少しだけ受け入れられた」
鈴仙「私の過去が役に立てたなら一応良かったと言わせてもらうわ。私も貴女を助けたのが切っ掛けで自分の過去と向き合って仲間の仇を討てたから感謝する」
パルスィ「じゃあアンタの言葉をそのまま返させてもらうわ。役に立てたなら取り敢えず良かった」
縁側に並んで座り素っ気無い態度で掛け合いをするパルスィと鈴仙。互いに本当の笑顔を忘れるだけの過去を経た者同士の二人……それ故か普段なら多くを語らない鈴仙が更に言葉を紡いだ。
鈴仙「まぁ、これからは貴女を想ってくれてるあの子達を大切にする事ね。私みたいに仲間を失うのが怖くなって逃げ出すなんて事にならない様にしなさい?」
パルスィ「言われる迄も無くそうするわ。アンタこそ、そう言うからには罪を背負ってばかりいないで少しは想ってくれてるこの屋敷の連中と共に過ごしなさいよ?じゃないとアンタを拾ってくれた薬師達や前のご主人様達、死んだ仲間が浮かばれないわ」
鈴仙「勿論そうするつもり。たまには自分へ素直になってみるわ」
最愛の人を妬み殺した妖怪と故郷を捨て罪を背負う玉兎、二人はそう言い合って"笑顔"を見せ合う。過去は戻れないし時はやり直せない……故に彼女達は過去に囚われず向き合って今を生きる事を決めた。許され難い自分と言う存在を受け入れてくれる大切な仲間と共に───
フラン「パルシーお姉ちゃあーーーーーんっ!」ガバァッ!
パルスィ「うわっ!?」ドターーーッ!
と、そこへ突如フランがパルスィに突撃。回避も防御もする暇は無く二人は衝突し覆い被さられる形で倒れ込んだパルスィにフランは頬を膨らませる怒った表情で言う。
フラン「お姉ちゃんまたこころちゃんとキスしたの!?こころちゃんばっかりズルいよ!僕はまだしてもらってないのに!」
パルスィ「いや、してもらってないも何もそんな約束してないでしょうが……」
こころ「そうですよフランさん。大体私と姉様は相思相愛なんですからいつキスをしようと私達の自由なんです。さぁ、姉様から降りて私に明け渡してください」グイッ
フラン「嫌だッ!お姉ちゃんがしてくれる迄は離れないもん!」ギューッ!
天子「あ、あわわわっ……」オロオロ
翡翠「フフフッ♪パルスィったら大人気ねぇ」クスクス
鈴仙「…………」
一拍遅れてやって来た夢幻姉妹を除くこころ達により物静かだった縁側は打って変わって賑やか……と言うか騒々しくなる。こころとフランのパルスィを巡る争いに呆れ顔で態勢的に逃れられない事から為すがままとなるパルスィ。そんな彼女に鈴仙はふと立ち上がり言った。
鈴仙「いつ迄もそうして明るく過ごせる事を祈ってるわ。私も貴女達を見習って今を生きていく事にするから」
パルスィ「見習わない方が身の為よ?喧しくて妬ましいわ」
鈴仙「そうね、妬ましい……だからもっと妬ましくさせてあげようかしら」チラッ
天子「?」
何故か天子を見やる鈴仙。それに争うこころとフランをどう止めようか戸惑っていた天子は疑問符を浮かべつつ見返す……と、瞬間に天子の意識は鈴仙に捕らわれる。天子が見返すは鈴仙の"狂気の瞳"。赤い隻眼の眼光を見てしまった天子の意識は意のままに掌握されてしまう。鈴仙が言いなりと化した天子に命じるのはただ一つ、
『感情を解放しろ』───
天子「…………パルスィさん」フラリ
パルスィ「! 天子?」
引き剥がそうと引っ張るこころと離れまいとしがみつくフランの喧騒が起こる中で天子はパルスィに呼び掛ける。その瞳は狂気の瞳に捕らわれて虹彩が失われて潤み、頬も火照っている様子の彼女にパルスィが顔を向けると意を決した様に天子は言い放つ。
天子「私もパルスィの事が大好きです!だから私にもキスさせてくださいっ!」
パルスィ「はっ?何をいきなrんむっ……!?」チュウッ
「「ああーーーーーッ!?」」
争っていたこころとフランは見事声を揃える。告白に呆けたパルスィの隙を突き天子がパルスィの唇に自らのソレを押し当てたのだ。ただただ合わせるだけのキスを数秒……天子の顔が離れるとパルスィは顔を引き攣らせ赤面。同じく天子も顔を赤らめて互いに顔を見合わせるのに驚愕から気を取り直したフランは直ぐ様行動に移った。
フラン「テンコちゃんもズルい!なら僕だって……んっ!」チュッ!
パルスィ「むうッ!?」
今度はフランの小さな唇がパルスィのソレに重ねられる。同じく唇同士が合わされるだけのキス……それでも間近に見るフランの顔と押し当てられる柔らかな唇でパルスィはされるがまま。二人のパルスィへの口付けを目の当たりにしたこころは般若の面を横被りした。
こころ「くっ!やってくれますねお二人共……しかし正妻は依然変わり無くこの秦こころです!さぁ姉様、私と今一度!」
天子「パルスィさん、もう一回……」
パルスィ「ちょっとアンタら落ち着きなさい!?れ、鈴仙!アンタの仕業でしょ!?何とかしなさいよこの状況!」
鈴仙「私は後押ししただけよ。これで一層妬ましいわね?頑張りなさいパルスィ♪」クスッ
パルスィ「れぇぇぇせぇぇぇぇぇんッ!?」
翡翠「wwwwwwwwww」
良い笑顔を見せて鈴仙は立ち去る。叫ぶパルスィを見やる翡翠は楽しげに笑って傍観している事から助けは期待できないだろう。三人の少女に覆い被されるパルスィは暴走するハーレム(非公認)に為す術無く襲われるのであった───
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てゐ「あ、鈴仙ちゃーんっ♪」
鈴仙「! てゐ、それにキバットも」
修羅場と化す縁側から退散した鈴仙は風呂場に向かう道中でてゐとキバットに鉢合わせた。着替えとタオルを手に出会したてゐ達が何故風呂場近くに居るのかは考えなくても容易に解る。
てゐ「丁度良かった。私も鈴仙ちゃんと一緒に入ろうと思って来たの。良いかな?」
キバット「一緒に綺麗になるとしようぜ?その方がよりサッパリするしよ♪」
鈴仙「ええ、その方が早く片付くし別に構わないわ。私も着替えとか持ってくるから先に入ってて」
てゐ「うんっ!……あ、それとね?もう一つお願いがあるんだ」
鈴仙「? 何よ」
モジモジし出したてゐに鈴仙は眉をしかめて問う。てゐは恐る恐ると言った感じで言葉を投げ掛けた。
てゐ「…………今日だけで良いの。一緒に、永遠亭で寝よ?」
鈴仙「!」
その問い掛けに鈴仙は一瞬返答に悩む。大切なものを失いたくないと永遠亭に住まわず敵を真っ先に迎え撃てる警備として野宿する彼女は今迄てゐを始め、永琳や輝夜にそう誘われても(数回程度は諦めてもらえず仕方無く折れたものの)断っていた。しかし先のパルスィとの会話を思い出す鈴仙。いかに自分の居場所を守る為とは言え自分と一緒に居たいと望む少女の誘いを無下にして良いのか?それが私の望んでる事なのか?そう考えた時、鈴仙の返答は決まった。
鈴仙「……良いわよ。一緒に寝ましょうか」
てゐ「! ほ、本当にっ!?」
鈴仙「嘘を言っても仕方無いわ。だから先に入ってきなさい」
てゐ「うんっ!待ってるからね鈴仙ちゃん!」タッ!
一転して無邪気な笑顔を見せたてゐはキバット共々元気良く風呂場に向かう。それを見届けた鈴仙はふとまた月を見上げてフッと微笑み、テントから持ってきた着替えを取りに廊下を歩む。彼女に差される月光は心なしか彼女の背を押すかの様……過去の囚われから解かれ今を生きようと決した兎を故郷の月は快く送り出そうとしているのだろうか。何にしても二人の少女が心を新たにしたこの夜の月は美しく輝いていた───
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刻を同じくして所は変わりココはダークファンタジア第一支部の本拠地。幻想郷の何処にある天然の洞窟を改造した悪党達のアジトでは二人一組で四人による戦いを繰り広げていた。アジトの一角に設けられる簡素な戦闘場にて麟音や幹部勢が見届ける中で一対一の構図で模擬戦を行う四人はそれぞれの力を振るう。
一人は腰迄ある長いウェーブの金髪を靡かせて右腕に蜘蛛、左耳に蝙蝠、右足首に蛇を模したシルバーアクセサリーを着け豊満な胸元には『239』と数字が刻まれたナンバープレートを掲げるロイミュードの力を得て妖艶な美女の姿と化したメディスン・メランコリー───
対するは青黒い魔宝石がマスクや胸部等の装甲に使われ魔宝石と同色の杖を構える仮面ライダーウィザードと言った風貌のライダー───
一人は赤い模様の走る黒く染まった服でふくよかな胸の谷間には真っ赤に輝く『カラータイマー』、禍々しさを醸す長い爪を備えた手には両端に備えた棍棒と言った武器を握る大きな黒い翼と宇宙を映し出した様な裏地の白いマントを纏う"霊烏路空"───
対するは黒いライドウェアに黒いアームズ、和洋折衷の様相で両手に黒い刀と銃を持つ仮面ライダー鎧武系統らしきアーマードライダー───
以上の四人が激しく刃を、拳を、攻撃を交えていた。やがてメディスンと青黒いウィザード、空と黒いアーマードライダーは互いに技を繰り出す。
メディスン「脳毒『ブレン・ベノム』!」ダダダダダァンッ!
????「!」
《テンペスト プリーズ》!
ドバババババァァァッ!
スペルカードを宣言してメディスンは指先から毒の弾幕を撃ち放つ。それに青黒いウィザードは即座に右手へリングを装着、ハンドオーサーに翳し魔法陣から強烈な風雨を出現させる。ぶつかり合った毒の弾幕と風雨の魔法は規模的に風雨の魔法が圧倒するがメディスンの腕の一振りで風雨は掻き消された。
《カモンッ》!
《ブラックベリースカッシュ》!
????「キヒッ♪」ドキュウゥゥゥーンッ!
空「黒鎌『ベリアルデスサイズ』!」ズザアァッ!
一方で黒いアーマードライダーがカッティングブレードを一回下ろしトリガーを引いた黒い銃からエネルギー弾を撃ち出す。相対する空は手の武器……『ギガバトルナイザー』を振るって鎌状の光線を放ち攻撃同士が衝突。こちらは双方劣らず相殺され抉れた床が残った。
麟音「もう良いわ。アンタ達の力は良く解ったから止めなさい」
「「「「!」」」」
と、四人がまた接近戦に持ち込もうとした所で唐突に麟音は制して終了させる。その指示に従った四人は臨戦態勢を解いてメディスンはロイミュードが怪人態から人間態、又はその逆になるのと同じ様に美女の姿から元の幼い体格に戻り何らかの力を用いる空も同様に元の服装に戻った。
グラン「どうかしら?私お気に入りの子達は♪」
麟音「思ったより悪くないね。不良品を持ち込んでくるアンタの事だから期待してなかったけど、これなら仲間入りさせても良いわ」
グラン「耳に痛い事を言ってくれるわねぇ……確かにブラックシードもデメリットで誇れないしクラックを操れる様に改造したレデュエ達も普通の再生怪人と変わらないしで申し訳無いわ。でも有り難う♪これであの子達もまた動ける」
麟音「取り敢えずもう一回自己紹介してくれるかしら?期待してなかったから忘れたわ」
喜ばしい様子で笑むグランを尻目に麟音がそう言うと青黒いウィザードと黒いアーマードライダーはそれぞれ変身解除。緑色の三つ編みポニーテールを垂らし背中には蝙蝠の様な翼を生やすドレス姿の少女と、血色の髪色をしたフランドール・スカーレットと言った容姿で背中には骨組みだけの蝙蝠の翼を生やす幼女の二人はその姿を現し改めて名を名乗る。
コリン「コリン・シャーリット。災禍の魔法使い、仮面ライダーメイガスです。これからお世話になります麟音さん♪」ペコリ
アシュリー「グランベル・スカーレットの妹、アシュリー・スカーレットよ。仮面ライダーノワールになるの。宜しくね♪」ニィ
簡潔に自己紹介し礼儀正しくお辞儀するコリンと口角を吊り上げ笑うアシュリー。彼女達はグランの従姉妹と血の繋がった妹で諸事情この第一支部に売り込まれた吸血鬼だ。麟音の眼鏡に叶い参入を認められたコリンとアシュリーにこいしは屈託無い笑顔で歓迎する。
こいし「えへっ、同じ鎧武系ライダーとして仲良くしようねアシュリーちゃん!」
空「いけませんよこいし様。彼女達はこの世界を征服しようと企んでいるとんでもない悪党……こんな奴らと仲良くしていてはさとり様が悲しまれます」
だがそれを空は咎める。組織内に居ながらも周りの者達を敵視している様子の空……そんな彼女へ麟音は鬱陶しいと言った顔付きで口を出す。
麟音「アンタは一々その通りだけど私達が悪党だから何だかんだ五月蝿いわね。そんなに私達が気に食わない?」
空「寧ろ快く思えると思う?只でさえ侵略者な上にこいし様を誑かしてさとり様やお燐達へ危害を加えかねない貴女達悪党をどう快く思えって?馬鹿も休み休み言いなさい」
麟音「だったら抜けたら良いじゃないの。こいしの厚意で『ウルトラマンべリアル』の力を与えて仲間に入れてあげただけなんだから別に構わないわよ?それともペットらしく調教、もとい"調律"されるのがお望みかしら?」
空「上等よ。貴女に貰ったのだから気に食わないけど、このべリアルの力とウチの核融合の力で返り討ちしてあげるわこのロリコン幼女」
麟音「ほざくわね鳥風情が。でも、たかが悪のウルトラマンと核融合の力如きで"最も凶悪なダークドライダー"に変身する私に勝てる訳が無いでしょう?やっぱり馬鹿じゃなく見えて鳥頭ね無駄乳烏」
バチバチバチバチバチィッ……!
こいし「もうっ、いつもいつも喧嘩しないの麟音ちゃん!お空!」
どうやらいがみ合っているらしく火花を散らして互いに睨む麟音と空をこいしは制しようとする。そこで代わりにコリンが恐る恐る進言した。
コリン「あ、あの……仲間同士で喧嘩は良くないと思います。一緒に目的の達成を目指す者として仲良くしましょう?」
モノクマ「うぷぷぷっ、その通りですね。仲良くできない生徒はこの希望ヶ峰学園の学園長である僕が許しませんぞ!」ガオーッ!
「「ふんっ」」プイッ
良心で諌めるコリンとそれへ乗っかり巫戯けた口振りで言うモノクマの言葉にお互いそっぽを向く麟音と空。それにより気を取り直したのか麟音は「まぁ、兎も角……」と話を切り換える。
麟音「これで本部に負けない位の戦力になったわ。幾ら幻想郷の連中がライダーの力を持っていようと私達ダークファンタジア第一支部には敵わない……アンタ達、ダークファンタジアの目的の為に死ぬ気で働きなさいよ?」
どっかりと尊大に玉座へ腰掛け、頬杖を着いて聞くからに暴虐な指示をする麟音。だが対する彼女の手駒達は
ジェントラ「お任せを。我らダークファンタジア第一支部、麟音様の手駒として望まれた成果をご覧に入れましょう」
ケルベロス「フンッ!俺に掛かれば幻想郷のライダーなぞ絶望の淵に落としてくれるぜ」
モノクマ「クマの本気を見せてやるクマー!」
こいし「お空、皆で一緒に頑張ろうね♪」
空「……こいし様がそう命じるからにはウチは従うだけです」
メディスン「ライダーの力にはドライブ系は無いからロイミュードの力を持つ私だけでも充分だね♪」
アシュリー「私の大好きな危険があると良いなぁ♪」
コリン「グランさんの顔に泥を塗らない為にも誠心誠意お役に立てさせていただきますっ」
意気込む悪の一味達。それに麟音は幻想郷に向けて不敵な笑みを浮かべる。新たな戦力を得て更に増強された自身の率いるダークファンタジア第一支部に幼き悪の権化はいかに悪を幾多の挫いてきた仮面ライダーの力を持った者達が相手であろうと自分達悪の奏者の勝利を確信していた……
その様子を陰から窺っている赤いミニカーの存在には気付かずに───
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鈴仙「───それじゃあココでお別れね」
パルスィ「ええ、短い間だけど世話になったわ」
翌朝、永遠亭を後にしたパルスィ達7人は鈴仙の先導で迷いの竹林を抜けた。その出入口で向き合う鈴仙とパルスィ達は別れの言葉を交わす。
鈴仙「またいつでも来なさい。八意様は貴女達に迷惑を掛けたからって怪我した時は治療費無しで手当てしてくれるそうよ」
天子「こちらこそ止めてくださったのにそんな……永琳さんにお礼を伝えておいてください」ペコリ
フラン「依姫お姉さん達にも!エナジーロックシード有り難うって」
深くお辞儀する天子の横でフランはその手にあるメロン・ピーチエナジーロックシードを掲げて言う。青娥と同じく何故か2つ持っていたのを餞別として貰ったのだ。そうして別れを告げるとパルスィを筆頭に竹林へ背を向ける。
パルスィ「じゃあ行くわ。またね鈴仙」
鈴仙「ええ、達者でねパルスィ」
こうして迷いの竹林から再び人探しの旅へと出るパルスィ達一行。その背を見えなくなる迄見届けた鈴仙は心機一転、生まれ変わった鈴仙・優曇華院・イナバとして1日を送るのであった───
少女移動中……
幻月「そう言えば貴女達パルスィとキスしたんですって?良かったじゃない」
道中、バイクは世界を創る程の魔力を持つ夢幻姉妹の手で亜空間に仕舞い徒歩にて歩み行くパルスィ達の内で幻月はそう問い掛ける。それにフランは音符が飛び出そうな笑顔で答えた。
フラン「そうなの!やっとパルシーお姉ちゃんに僕の初めてのキスをあげれちゃった♪」ルンルン
こころ「残念ながら三度目は叶いませんでした……しかしパル姉様と私はもうお互いに惹かれ合う仲!姉様が再び素直になる迄は三度目のキスは取っておくとしましょう」
翡翠「いやー、昨日は実に良いものが見れたわ。嫉妬も渦巻いてたし橋姫としては満足ね♪」
天子「あうううっ///」
パルスィ「アンタ達ねぇ……」
続けてこころと翡翠が言い天子は思い出して赤面する。怒りを超して呆れ顔のパルスィだがそこへ夢幻姉妹が口を出す。
幻月「良いじゃないのよパルスィ。キス位、好きならトチ狂ってもしたくなるもんだわ」
夢月「寧ろ三人もの方に好かれてるんですから喜ばないとそれこそ妬ましいですよ。それとも嫌でしたか?」
パルスィ「! それは……」
言葉を詰まらせるパルスィ。嫌かと言われれば昨日はされるがままで本気で抵抗した訳では無いし悪い気はしてない。しかしそれがこころ達の気持ちを受け入れたが故かどうかは判断が着かずパルスィは口ごもる。そんな彼女へ天子が話し掛けた。
天子「あ、あのパルスィさん……昨日は正気じゃなかったとは言えすみませんでした。でも正気じゃなくともあの時に言った事は本当で私はパルスィさんがこころさんやフランさんと同じ様に好きです。嫌だったなら、せめてこの気持ちだけ受け取ってください」
パルスィ「っ……」
翡翠「パルスィ、今更って思うのは解るけどこうも貴女を慕ってくれてるこの子達に今一度素直になったらどう?さもないと私が代わりに言っちゃうわよ?」
パルスィ「~~~~~ッ!わ、解ったわよ!」
しおらしく言う天子の言葉と少し真剣味を帯びた翡翠の言葉にパルスィはとうとう折れる。そして気恥ずかしそうに視線を方々に向け数拍置くと漸くパルスィは向き合うこころ達に口を開いた。
パルスィ「…………正直アンタ達の気持ちは嬉しいわ。こんな私でもそんなに想ってくれる相手が居るんだって嬉しく思う……だけど私はそう言うのにどう応えれば良いか判らない。でもアンタ達の気持ちを受け入れられない訳じゃないのよ。その、だから、えっと……」
こころ「……それ以上は良いですよ姉様」
パルスィ「えっ?」
しどろもどろに言葉を紡ごうとするパルスィにこころは制止の言葉を掛ける。そうして柔らかな笑顔(こころは福の神の面)を浮かべるこころ達は口々に言った。
こころ「姉様の言いたい事は私達にちゃんと伝わってます。どう表せば良いか判らない程には私達を大切に思ってくださってる事を」
フラン「つまり僕達の事が好きって事だよね?それだけ判れば良いよ♪」
天子「我が儘を言えば私達と同じ想いの『好き』なら嬉しいですが……パルスィさんに嫌われてないと判れば、それで今は満足です。同じだけね"好き"になってくれるのはまたの機会にしますよ。えっと、だから今はこれからも私達と仲間として一緒に居てください♪」
言葉として纏まらないパルスィを補う様にこころ達はそう口にする。自分を慕う少女3人の言葉を受けて対するパルスィは再び数拍の間を置いて自嘲気味に返答した。
パルスィ「…………全く、何もかも妬ましいわね。そんなにこの嫉妬妖怪が好きならこれからも着いてきなさい。アンタ達の気持ちに答えられるかはまだ判らないけど、今は大切な仲間としてなら……ね」フッ
「「「! はい(うん)っ!」」」パァッ
幻月「……ひとまず大団円かしら」
翡翠「そうね。これで私の過保護も終わり……これからどうしていくかは私じゃなくパルスィに委ねるとしましょうか」
夢月「きっと良い方向に進むと思いますよ。悪魔の目からして彼女達に不幸な運命は見えませんもの」
翡翠「だと良いわね♪」
少しながら"本当の"笑顔を見せたパルスィとそれに伴い同じく笑んだこころ達に翡翠達もそう言って微笑む。心を新たにしたパルスィ達は幻想郷を行く……例えどんな障害がこの先に待ち受けていようとも彼女達を引き裂く事は出来ないだろう。そう思わせる歩みで先を行くパルスィ達であった───
??「さァて、『反逆』の時だァ……♪」ニイィ
今回は詰め込み過ぎたかな……?でも次回からまた別の場所での戦いを予定してて詰めたから内容を理解してくれると五体投地で御座います。取り敢えず後書きにおいては今回異色を放ったダークファンタジアの新たな面子の紹介をば。
●メディスン・メランコリー
前回登場しましたロイミュードの力を持ったメディスンですがナンバーやスペカ名が指す通りハート、ブレン、メディックの要素を持ち合わせています。ロイミュードそのものの性能に加えてハートのデッドゾーン、ブレンの毒や属性攻撃、メディックの治癒能力(しかもロイミュード以外も治せる)のみならずメディスン独自の能力とこれでもかとばかりに良い所取り。ライダーの力にドライブ系統は無いと言うが実は……
●霊烏路空
今回の異色筆頭。ウルトラマンべリアルの力を持ってこいし共々ダークファンタジアに加担してる……と思いきやこいしを守る為に不本意ながら仲間入りしてます。改変点は一人称が『ウチ』で八咫烏を宿した事により知性を得た知的キャラと言った感じ。
●アシュリー・スカーレット
拙作『東方悪天録 ~Darkness by means of Crisis~』より輸入したグランの妹。面白い事が好物の姉と同じく危険な事が大好きで気が昂ると発言も年齢制限的に危なくなる。余りに悪天録が人気無い為に削除されるので今回からダークファンタジア第一支部にて暴れまくります。
●コリン・シャーリット
アシュリーと同じく悪天録から輸入したグランやアシュリーの従妹。原作キャラは二次創作STG『東方邪星章』2面ボスであるが原作より性格や能力は改変されているので別人と考えてもらいたい。グランを慕うグラン信者。
流石に増やし過ぎた……これからダークファンタジアのパートになったら全員喋らせるのに悩みますね(汗)しかし悔いは無い!
次回は幻億変から輸入したハイパーバトルSSを予定してます。幻億変ではコラボ回みたいなものでしたが原作のハイパーバトルビデオを真似た出来(多分)なので乞うご期待!