「ふーん、尚文にラフタリアね」
「あぁ」
「はい」
今私は二人の名前を聞いた。あの戦いで聞いたけど改めて聞いた。男の名前は岩谷尚文、名前から察するに同じ日本人かな。獣耳を生やした女性がラフタリア、しかもあれで10歳前後らしい。あと奴隷と聞いて最初は驚いたけど、特に酷いことはしてはいない。それどころか彼女にちゃんとした食事を与えたりとむしろ彼女に良くしてあげている。さっきの戦いと言い、尚文はいい人だな。
「んでここが異世界で、さっきのは災厄の波」
「あぁ」
場所からも察するようにここは異世界で、あの魔物は災厄の波というこの世界で起きる災いらしい。でさっきのでは終わらず、まだ波は起きる。そして終わらない限り元の世界には帰れないらしい。
って事はしばらく楽しみが奪われる事、特に一番楽しみな日曜日が
「めちょっく」
「めちょっく?」
「んだよそれ?」
「めっちゃショックの略」
「そんなのあるのか?じゃあ今度はこっちから聞く」
「うんいいよ」
「お前もしかして俺と同じ日本人か?」
あぁやっぱりそうね。
「うんそうだよ、私も尚文と同じ日本人よ」
「はぁーやっぱりそうか、服装や名前からしてそうだと思った。んでお前も召喚されたのか?」
「召喚?」
一体何の事?
「はぁ?お前、俺達と同じように召喚されたんじゃないのか?」
どういう事なんだろう?あと俺達って事は他にも私や尚文と同じ日本人がいるって事?とりあえず私がここに来た経緯を説明した。
「帰りの電車に乗って降りたら、謎のノイズが発生し、気がついたらここに来ていたと。その上顔とかまで変わっていたと漫画のような展開だな」
「まぁそうだよね。あっ、さっき俺達って言ってたけど、他にも日本人がいるの?」
「あぁ、三人な」
へぇ三人もどんななんだろう?
「三人はナオフミ様と同じ勇者なのです」
「勇者?」
勇者って何か物語に出てきそうな感じのもの?その勇者についてラフタリアから説明を受けた。
「槍、剣、弓、そして盾の勇者か、じゃ尚文はその内の一人に選ばれた勇者という事か」
「はい!ナオフミ様は盾の勇者なのです!」
「凄いじゃない!そんなのに選ばれるなんて」
ギロ!
「っ!?」
尚文に睨まれた。えっ!?どうして!?私何かまずいこと言っちゃった!?
「ちょっとナオフミ様!あきらさん、怖がるじゃないですか!」
「フン!あっ、あとあの亜人みたいな姿はなんだ?」
「キュアショコラの事?あと亜人って?」
「亜人ってのはコイツみたいな奴だ」
尚文がラフタリアを指す。なるほどつまりはラフタリアみたいなのを亜人なのか、まぁ確かに見た目はそっくりかな。
「なるほどね。あっ!あのキュアショコラはプリキュアだよ」
「プリ?」
「キュア?」
二人が首を傾げた。あれ?ラフタリアはともかく、何で尚文も?
「何で尚文も首を傾げるの?聞いた事はあるでしょ、プリキュア!」
「そんなの知らん、と言うか聞いた事もないぞ、そのプリキュアなんて」
「じゃあ、仮面ライダー!」
「知らん!」
「スーパー戦隊!」
「聞いた事ない!」
「ウルトラマン!」
「あぁもう!どれも知らん!聞いた事ない!」
あぁとうとう怒ってしまった。でも一体どう言う事なの?何で知らないの?
「ちょっとナオフミ様」
「あっ、悪りぃ、でお前が言ってたそれは何だ?」
とりあえず説明しなくては、私は説明をした。
「つまりお前が言ってたものは所謂子供向けヒーローで、あの時使ってたのもその内の一つって事か」
「そう!そう言う事」
「はぁ、お前も違う日本から来たって事か」
「もって?」
「他の三人も俺達と違う日本から来たって事だ」
なるほど所謂パラレルワールドってやつか、道理で知らない訳か。
「あのナオフミ様、一体どう言う事なんですか?」
「コイツが言っていたものはコイツがいた世界の架空の戦士だ。まぁ本とか物語に出てくるような戦士の事だ」
「そうなんですか!ではあきらさんにはその戦士の力が」
「そう、あとで話聞きたい?」
「はい!是非!」
キラキラした目でこっちを見るラフタリア、可愛い!
『しかしイケメンでヒーローオタクってとんだギャップだな。まぁ元康よりはマシかな』
「ヘックシュン!」
一方別のところでは槍を持った男がくしゃみをしていた。
「どうしたんですか元康さん?」
「風邪か?」
弓を持った男と剣を持った男が心配した。
「いや、誰かが俺の噂でもしてるのか?」
「きっと波で活躍したモトヤス様のことをみんなが噂してるのではないかと」
そこに赤髪のいかにも感じが悪そうな女が元康に近寄った。
「そうか?そうだよな!」
再び尚文、ラフタリア、あきらの場面
「んでお前どうするんだ?」
「どうする?」
「これからどうするのかって事だ」
うーん、どうするね
「なら私は君達と一緒にいる事にするよ」
「はぁ?」
「だって私この世界に知り合いもいないし、行くあてもないし、お金もない。だったら君達について行く。それしかないよ」
もうこれしかないよね。
「ナオフミ様、あきらさんを私達といさせましょう。流石にこのままは可哀想です。それにあきらさん頼もしかったですし」
「はぁー、分かった」
「ナオフミ様!」
「ラフタリアとさっき助けてくれた事に免じて仲間にしてやる。その代わり、きっちり働いてもらうからな」
「うん!よろしくね尚文、ラフタリア」
そう言い、私は手を差し出す。するとラフタリアは察したのか握手をした。
「あっ、待ってこうして」
そう言い再び握り、上下に手を叩いた。
「あのこれは?」
「ある戦士がやっていた友情の証だよ。これで私とラフタリアは仲間であるとともに友達だ!」
「はい!私とあきらさんは友達です!さぁナオフミ様も!」
「やらん」
えっ!?やらないの
「なんでですか!?」
「仲間にしてやるとは言ったが、友達になるなんて言ってない」
この人まるで歌星賢吾だな。
「それに最初男の奴隷が欲しかったから、丁度良い」
「何ですかそれ!?」
痴話喧嘩かな?あっでも言っておかないと
「あの勘違いしてるとこ悪いんだけど」
「何だ?あと勘違いって?」
「私、女」
この後二人の絶叫が響いたの言うまでもない。
槍、弓、剣の勇者と悪女がちょっと登場しました。
次は城での場面ですが、ちょっと難航しています。