伝説の戦士の成り上がり   作:ギラサメ

31 / 111
出来ました。


第31話 メルの頼み!フィーロの羽は天国?

 魔物の討伐中に出会った少女メル、果たして彼女は何者であろうか?

 

 

 

「クエエエッ!」

 

「あっ」

 フィーロの咆哮とともに野生のフィロリアル達が去ってしまった。

 

「あれ野生のフィロリアルだよな?何してたんだ?」

 

「あの子達は私に親切してくれたんです」

 

「親切?」

 

「へぇ、いい子達だな」

 

「っ!?」

 ジャグラーを見たメルは驚く。

 

「どうした?」

 

「馬鹿!そんな姿でいたらびっくりするでしょう!」

 

「あっ、そうか」

 ショコラに言われ、魔人態を解く。

 

「貴方」

 

「驚かせて悪かったな」

 

「いえ、こちらこそご無礼を」

 ジャグラーとメルは互いに謝罪をした。

 

「あっ、そうだフィーロちゃん」

 するとメルは何かを出そうとする。

 

「干し肉食べる?」

 

「わあ!ありがとう!」

 

 

 

 

「一体何者なんだあの女」

 

「見た感じいいとこのお嬢さんって感じだね」

 

「多分そうだろう」

 

「あんなミューズぐらいの女の子がね」

 

「でも何で一人でこんな所に?」

 ジャグラー、ショコラ、尚文、ムーンライトは彼女がいいとこのお嬢さんだと察する。オーシャンは何故彼女一人がここにいるのか疑問に思った。

 

「フィーロ、お前少しの間その子と遊んでやれ!」

 

「えっ?いいの!」

 

「でもちゃんと陽が落ちるまでに帰ってくるんだよ」

 

「「やったぁ!!!」」

 尚文とムーンライトの許しをもらい、喜ぶ二人

 

「よし、行くぞ」

 

「えぇ…ってうわぁー!!」

 行こうとしたミューズがフィーロに持ち上げられる。

 

「ミューズ!」

 

「ちょっと何するのよフィーロ、降ろしなさい!」

 

「アコちゃんも一緒に遊ぼう」

 

「何で私もなの!私だって行かないと」

 

「えぇ〜」

 

「えぇ〜じゃない!」

 

「はぁ〜仕方ねぇ。おいアコお前も遊んでやれ」

 

「えっ?でも」

 

「フィーロの側にいてやれ、監視役だと思え」

 

「仕方ないわね。遊んでやるから降ろして」

 

「わーい!」

 

「キャ!!」

 フィーロの口が開き、ミューズはそのまま地面に落ちた。

 

「痛た、フィーロ!」

 

「行こう、アコちゃん!」

 

「あっ、ちょっと待ちなさい」

 変身を解除し、フィーロの後を追う。

 

「じゃあ、頼むぞ」

 そう言い、尚文達は奥へと行った。

 

 

 

 

 

 

 

「メルちゃん!」

 

「あっ!フィーロちゃん!その子は?」

 メルはアコに気づく。

 

「この子はアコちゃんだよ」

 

「アコちゃん?」

 

「調辺アコよ、よろしく」

 

「はい、よろしくお願いします。アコちゃん」

 

「ねぇ、遊ぼう!遊ぼう!」

 

「うん!」

 メルはアコの手を引っ張り、フィーロとともに駆け出す。

 

 

 

 

アコSIDE

 

「「キャ、キャ」」

 私は近くでメルとフィーロを見ている。さっきまで私も遊んでいたけど、少し休憩をとっている。

 

「あの二人元気だね」

 

「本当ドド」

 

「元気シシ」

 

「うん」

 元の世界にいた時はこんなのなかったな。

 

 

 

小さかった時からよく不良と間違えられて誰も私に関わったり近づこうとしなかった。おまけに髪もお母さんに似たのか生まれつき茶髪で目立っていた。そのせいで教師から染めてるだろうとか色々言われたりした。何度も地毛だと言っても信じてもらえなかった。

 

 その度にお母さんが学校に乗り込んでよく特大の雷を落としていた。実はお母さん昔はかなりのヤンキーだったらしい。今思えば不良っぽさもお母さん似だったのかな。

 よくお母さんに「何言っても分からないようならそいつに思いっきりガツンと言ってやれ!」とよく言われたな。

 

「元気かな」

 

「アコちゃん!」

 

「ん?」

 昔の事を思い出していたらフィーロとメルがこっちにやって来た。

 

「どうしたの?」

 

「メルちゃんからお話しがあるの」

 

「お話し?」

 何だろう?

 

 

「はい、実は…」

 

アコSIDE OUT

 

 

 

その夜 宿にて

 

 

「はい、よしよし」

 

「本当可愛いですね」

 

「キュアキュア」

 せつなとラフタリアはシフォンをあやしている。

 

「ふむふむ」

 ももかはライダーの事が書かれているものを読んでいる。少しでも知るためにゆりに頼んで魔法で出してもらったものである。

 

「二人はまだかしら?」

 ゆりはフィーロとアコを待っていた。

 

「戻ってくるだろう」

 ジャグラーが蛇心剣を手入れしながらそう言う。

 

「心配しなくても大丈夫だよ」

 

「ゆかり続きを」

 

「はいはい」

 ゆかりも言う。因みに今あきらの耳掃除をしている。

 

 

『美男美女にしか見えねぇ』

 あきらとゆかりを見て尚文はそう思ってしまった。あきらは女だが男に見えてしまっている。

 

 

「ただいま!」

 

「戻ったよ」

 フィーロとアコが戻ってきた。

 

「おう、おかえり」

 

「おかえりにゃー!」

 するとハミィがアコのところに行った。

 

「ただいまハミィ」

 そのハミィを抱き上げた。

 

「あっ、そうだ尚文、実は「あのね、フィーロねお友達が出来たの!」ちょっとフィーロ!」

 アコは尚文に何かを言おうとしたが、フィーロが割り込んでしまった。

 

「さっきのメルって子だろう」

 

「うん、フィーロと同じで色んなところを旅してるんだって」

 

「へぇ〜」

 

「でねフィーロの知らない事いっぱい教えてくれたの!」

 

「そうか」

 

「でねでねフィロリアルと遊んでたらみんなとはぐれちゃって困ってるんだって」

 

「よかったな…はぁ?」

 

 

 

 

「「「「「「「はぐれた(やと)?」」」」」」」

 尚文、あきら、ゆかり、ゆり、せつな、タルト、ももかが反応する。

 

「そう言う事よ」

 アコが言おうとしたのはこの事のようだ。

 

「ナオフミ様」

 ラフタリアある方を見るとそこには

 

 

 

 

「夜分遅くに申し訳ありません」

 あのメルがいた。

 

 

「その、どうか少しの間だけご一緒させていただけないでしょうか?」

 

「ちょっと待て。どう言う事だ?」

 

「私は王都に向かう途中だったのですが…その…フィロリアルさん達とえっと…遊ぶ事に夢中になってしまい護衛の方とはぐれてしまったんです!」

 

「護衛?」

 

「聞けば聖人様は明日王都に向かわれとの事、どうかそこまでご一緒させていただけませんか?」

 

「まぁ確かに俺らはちょっと用事で行くけどな」

 ジャグラーの言う通り王都へ向かうのはもうすぐ来る波に備えるためである。

 

「身勝手なお願いだと言う事は分かっています。でもどうしても戻らないといけないんです!お願いします!」

 メルは頭を下げた。

 

「尚文お願い彼女を送ってあげて」

 

「ご主人様、フィーロからもお願い」

 アコとフィーロもお願いした。

 

「ナオフミ様、困っている人見過ごす訳にはいきません!私からもお願いします。

 

「私もお願いするわ」

 ラフタリアとゆりもお願いした。

 

 

「…礼金はきっちりもらうからな」

 考えた末、送る事になった。

 

「はい!父上に頼んでみます!」

 

 

「良かったね、メルちゃん!」

 

「はい…っ!?」

 メルはあきらを見た途端驚き、ちょっと赤くなった。

 

「ん?どうしたの?」

 

「いっ、いえ!何も!」

 後ろを向いてしまった。

 

『あらこれはもしかして?』

 ゆかりはこれは何なのか分かったらしい。

 

『面白そう』

 

 

 

 

翌日 馬車にて

 

「あの」

 

「ん?どうしたの?」

 

「あきら様のそれは一体?」

 

「それ?…あぁ」

 メルはあきらのクリスタルアニマルの事が気になっていたようだ。

 

「私のパートナーだよ。ほらご挨拶」

 

「わん!」

 

「あなたもしなさい」

 

「にゃー」

 ゆかりも自分のクリスタルアニマルに挨拶するよう言った。

 

「不思議なものです。他の皆さんのもそうですが」

 

「まぁね。あっ、この子はシプレとコフレよ」

 

「よろしくですぅ(ですっ)」

 

「んでわいはタルトや!」

 

「イタチさんでしょうか?」

 

「わいはイタチやなくてフェレットや!」

 

「こっこれは失礼いたしました」

 

「それでシフォンや」

 

「キュアキュア」

 

「まぁ!可愛いです!」

 

「抱いてみる?」

 せつなはシフォンをメルに

 

「わぁ!可愛いです!」

 

「ハミィにゃ」

 

「ドドリードド」

 

「シリーだシシ」

 

「はい、皆さんよろしくお願いします」

 

 

 

「楽しそうですね」

 

「あぁ」

 ラフタリア、尚文、ジャグラーはこの光景を楽しそうに見ている。

 

 

 

 尚文とジャグラーは見張りをしていた。

 

「交代しましょうか?」

 

「あぁ頼む」

 

「おい、起きろ」

 

「スゥースゥー」

 ジャグラーは隣で寝ているあきらを起こそうとする。しかも彼の肩に頭を置いて。

 

「気持ち良さそうだな」

 

「本当ですね」

 

「お前ら見てないで何とかしろ」

 

 

 

「あら?」

 

「どうしたラフタリア?」

 

「メルさんは?」

 

「ん?」

 三人はメルがいない事に気づき、探すとフィーロの近くにメルが着ていた服があった。

 

 

 

「「「まさか!?」」」

 

 

「うわぁ!」

 三人が声を上げると同時にあきらも起き、後ろに倒れる。

 

「痛た、どうしたの?」

 

「あれ」

 ジャグラーがメルの服を指差す。

 

「えっ?」

 あきらは服を見て青くなる。

 

「ちょっとどうしたの?」

 そこにゆかり、ゆり、アコ、せつな、ももかが来た。どうやら起きてしまったようだ。

 

 

「悪りぃ起こしちまったか」

 

「うーん?ご主人様?」

 

「フィーロ!」

 フィーロも起きてしまったようだ。

 

「ねぇフィーロちゃん、メルちゃんは?」

 

「メルちゃん?メルちゃんはフィーロの羽の中で寝てるよ。メルちゃん起きて」

 するとフィーロの羽がもぞもぞと動き出す。

 

 

「プハァ!」

 

「「「「「「「「「「えっ?」」」」」」」」」

 

 何とそこからメルが現れた。

 

「どうしたの?」

 

「何してるんだ?」

 

「フィーロちゃんの羽毛、フワフワで気持ちいいんです」

 

「だから服を脱いだと」

 

「うん」

 

「でもどうやって?」

 ラフタリアは恐る恐るフィーロの羽に手を入れる。

 

「うわぁ、暖かくって気持ちいい」

 

「どれどれ」

 あきらも手を入れた

 

「本当だ暖かい」

 

「私も」

 ゆりも行き、続くようにみんな手を入れた。

 

「わぁぁ暖かい」

 

「気持ちいい」

 

「とろける」

 

「もう離れたくない」

 

「はぁ〜」

 好評のようだ。

 

「気持ちええ」

 

「「ですぅ(っ)」」

 

「暖かいにゃ〜」

 

「わうん」

 

「にゃ〜」

 

「キュアキュア」

 妖精達にも好評のようだ。そしてみんな眠ってしまった。

 

 尚文はその羽を拾う。

 

 

 

 

「この羽、催眠効果でもあるのか?」

 

「さぁな?」

 

 

 




おや?メルティの様子が?

次回 槍が再び

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。