今僕は近くの森に来ている。
ここまでで人っ子一人見なかったし、戦闘するほどポケモンが気性荒く襲い掛かってきたこともなかった。
一番きつかったのは、初夏の日差しと坂道ぐらい。
一番近い森は椚の森。ここにはいろんなどんぐりの木が生えていて、一番多いどんぐりは椚。
椚は暗殺教室とか料理ものの資料を見ればわかる通り、ほかのどんぐりよりずんぐりむっくりとしている。
え、何か意味があるのかって?別にないかな?
あーでも、タネボーがそこらへんにいるのが、大きな特徴だったりする。
「タネタネ」
木にぶら下がって光合成をしているようだ。
僕は彼らをしり目に、ポケホにあるダウジングマシンの劣化版を使って、アイテムを探していく。
ただ生き様のおかげで、全然見つからない。
普通ならば見つかっているんだろうなぁ。
「タネッ!?タネタネッ!」
うん?
何やらタネボーの様子がおかしい。
そう思ったら、タネボーが地上に降りてきて道をふさいできた。
「いけっツチニン、連続切りでタネボーをすべて倒すんだ!」
「ニンッ!」
ありがとうタネボー、こっちから仕掛けたわけじゃないから宣戦布告事由を得られたよ。おかげで周囲のポケモンの敵にならなくて済んだ。
ゲームだと呼ばれたりするけど、ポケモンが加勢することなんてなかった。
だけど現実だとどうなるのだろうか?
もし普通の野生ポケモンに攻撃を加えると、ポケモンを守るために加勢しにくるのではないか?
なんて気遣ってしまう。
そんなわけで数の有利と質の有利を覆されないようにしていたんだ。
いや、ツチニンが強いわけじゃない。負けない戦いをするために仕組んだだけだよ。
「ニンッ!」
「タネエッ!」
戦闘によってタネボー以外が逃げ帰って、次々に落ちてくるタネボー。
逃げたタネボーだけがいいタネボーだ!
そんなわけで着地の隙を狙って連続切りで切り伏せていく。
そして連続切りと特性・スキルのおかげで、連続切りは外れることなくあたっていく。
おかげで威力が最大の160くらいになっているはず。
あとはもう質の暴力だ。
いや、ツチニンのレベルは上がっていない。
ポケホで見たけれど、戦闘が継続されているみたいだ。
でも連続切りの補正のおかげで、タネボーは単純にやられていった。
たまにコノハナもまざっていたりするが、くさとあくはむしタイプに4倍になる。
急所やタイプ一致、威力によって一撃で落ちているのは幸いというべきだろう。
「タネッ」
「コノハッ」
「ニンッ!ニンッ!!」
やられた奴は脱兎のごとく。
そうして30分ぐらい続いた戦闘は、やっとのこさ終わりを告げたんだ。
「よくやったな、ツチニン」
「ニンニン!」
前足を頭上に持ち上げて喜んでいる。
僕もツチニンの頭をなでてほめる。そして僕はツチニンをボールの中で休ませることにして、収納の後に再探索を開始した。
いろいろ探してみると、レーダーに多くの光点が出現する。
その光点は、最初は白だったが近づいていくと、レア度が高い虹色に変化していく。
レアリティ色は、白が未確認で赤・緑・青・虹と変化する。
マスターボールは虹色。ほかの道具も虹色だったりする。
そしてポケホアプリに映し出される多くの光点は、虹や青だったりする。
きっと生き様は青や虹色のアイテムに関係するんだと思う。
かなり貴重な虹や青なのに、こんなにたくさんあって大丈夫なのだろうか?
ま、いいや。もらえるものはもらっておこう。
ピーピーマックスや元気の塊・回復の薬は、青色。
元気の飴やせいなるはい、謎の実・スターの実は虹。
そういえば聖なる灰って、戦闘中使用不可で手持ちすべての瀕死を回復する程度だったような……。
ポケホで調べてみるとあら不思議、いつでも使える元気の塊・回復の薬・PPMAX・全体効果の合わせ技だ。何故こうなったんだろう?
ヘルプを確認してみると、現実世界に即していない効果を持つアイテムはいつでも使えるようにし、一部のアイテムは制限なしで使えるようになっている、とか。
非常に強力かもしれないが、その分手に入りづらくなっているらしい。
ただ、このヘルプの説明は、僕にまったく当てはまらない。
なんせ普通のアイテムのほうが、手に入らないからだ。
おかげで戦術的な戦闘がなかなかできないっていう、結構な苦悩もあるんだがね。
僕はこの後ツチニンと一緒に、タネボーを狩りながらアイテムを探していった。
そして夕日が差し掛かったころ、タネボーの特攻ポイントを255くらい得てしまったツチニンをボールに戻して帰宅したんだ。
初日はこんなにも濃いもので、まったく飽きなかった。
ただ問題があるとすれば、僕らポケモントレーナーは正式にちゃんとした形で表に出られるのだろうか?
最短の戦争は、48分だったと思う。
最長は有名な100年戦争。
ただ、なかには宣戦布告を属国としてさせられ、
相手側に周知されないまま継戦状態の国が最近まであったらしい。