次の日、早朝に、俺は初めて食堂を訪れてみた。
『ここが食堂か…思ったより広いし、おっ!メニューも豊富!』
「おっ?あんたが二人目っていう。」
『あっ!初めまして。二人目の矢口月です。以後お見知りおきを。』
「あっはっは!一人目の織斑君とは全然違うね!まぁ好きなもの頼んでいきなよ!腕によりをかけて作るからね!」
『ええ、楽しみにしてます。では、日替わり定食と、なにかデザートでお勧めはありませんか?』
「そうだね、今日の日替わりは中華だから杏仁豆腐なんてどうだい?」
『いいですね!そうします、じゃあそれを。』
「はいよ!すぐ作るからそこで待ってておくれよ?」
ジャージャージュージュー
大きな中華鍋をいとも容易に振り、振るたびに宙を舞う野菜達に追い討ちをかけるように炎が燃え上がる。
ちょびっとだけしかいれてないのにスパイスの匂いが辺りを包み込む。
「はいお待ち!日替わり定食と杏仁豆腐!」
『ありがとうございます!では向こうでいただきます。』
「はいよ!いっぱい食べなよ?」
俺は外が見える窓際に座り食事を開始した。
まずはニラと卵のスープを一口…
うまい…!
少しとろみがつくように小麦粉をいれてある…!
クックック…
そしてなによりこのスープ…
混ぜてある…! 味覇(ウェイパー)…!
中華ならではの味付け…
主菜は…
これもうまい…!
スープとの相性も丸…!
ご飯はおお…!
チャーハンじゃないか…!
どれ…
クックック…
分かりにくいがこれは…
炒めるときに油ではなくマヨネーズを使っているな…?
こういう細かい手間が案外クズには出来ぬもの…!
杏仁豆腐は‥
優しい甘さと引っ掛からないのどごし‥!
進む‥!
これにより矢口は作る…
チャーハンからの主菜からスープにいき杏仁豆腐の無限ループを‥!
矢口…食べる…!残さず…!食べる…!
旨かった…少し気合いが入って班長っぽくなったが気にしないことにしよう。
「おーい月!一緒に食おうぜ!」
(ちっ、折角いい気分だったのが台無しじゃないか。)
『いえ、先に食べ終わりましたのでごゆっくりどうぞ。』
「そうか、悪かったな。」
(諦めがいいじゃないか、いいぞ!その調子で俺に突っかかってくるな!それと篠ノ之がやはり俺を見てくるな。昨日の今日だ、しかたあるまい。だが俺はあえて無視をする!)
早めに朝食を終わらせて教室にむかっていたところを織斑先生に呼び止められた。
「おい矢口、ちょっといいか?」
『はい、何でしょう?』
呼び止められた理由は何だ?日本政府が何かしら対応をしてきたのか?
「話がある、ついてこい。」
『分かりました。』
織斑先生の後ろについていきたどり着いたのは生徒相談室だった。
「まぁ席にかけてくれ。」
俺は織斑先生の真正面にくるように座った。
「で、話なんだが。日本政府は織斑に専用機を渡すようになった。」
『へぇ、そうなんですか。まぁ一人目ですし、あなたの弟ですし、期待されてるのでしょう?織斑一夏君は。』
(まぁ実際あんな奴に渡して大丈夫なのか心配ではあるがな。恨みを買って後ろからバッサリ斬られるなんて御免だね。)
「あぁ、でお前なんだがな。」
織斑先生は言い出しにくい様に言い切った。
「実は、政府はお前に期待して無いらしくてな、分かっていると思うが織斑と違ってお前には後ろ楯が無いからな。」
(その後ろ楯である貴方がそれを告げるのか。なに?自慢?俺だって束さんと<一応>仲いいんだぞ!…恋人になったりしたら大変そうだから好意は出来るだけ寄せないようにしてるけど。)
「だが、私や山田君はお前に専用機を渡さないのは危険だと判断し、我々でお前を特訓することにした。」
(!?…いやいやそれじゃ午後のティータイム(笑)が無くなるじゃないか!冗談じゃない!…と言いたいが向こうは一応俺の事も考えての行動だからな。無下には出来ないし。)
「まぁ安心してくれ。私はISについては授業でも教えるから放課後に矢口が空いているときに山田君。勿論、私でもいい。どちらかに伝えてくれれば用意しよう。」
…深読みすれば、私たちは教えるとは言ったから、訓練しなければミスしたときは自己責任だ、なんてことじゃないだろうか。
もし、そうだとしたら。
教師というより教官みたいな物じゃないか。
軍隊じゃないんだぞ?IS学園って。
まぁISは軍事利用されてるから、それの後世を育ててる故に、ある意味、軍事学校とも呼べるが。
それよりもこの話は受けるべきだろうか?
受けたら勿論メリットはある。最低織斑を対処できるくらいの強さは手にいれるべきだろう。
素手での戦いとISでは感覚は違うだろうし。
受けなかった場合は安定した放課後が手にはいるということ。
でも俺宛にISが貰えないのは事実だし。
これは受けた方がいいか。
『分かりました。その話お受けします。』
「そうか!分かった。じゃあこの話はまた放課後にしよう。そろそろHRが始まる。」
『ではまた教室で。』
「あぁ。」
~教室~
急いで向かった為、なんとかHR前にたどり着くことが出来た。
「あっ!ツッキーおはよー!遅かったね?」
『あぁ、布仏さん。おはようございます。少し話が長引きまして。』
「そうなんだ!あっ!織斑先生が来たよ!」
「ほら席に座れ!いつまで立ち歩いている!」
その一言で騒がしかった女子達が静まり蜘蛛の子を散らすように各自の席に座った。
「はい皆さんおはようございます!今日も一日頑張りましょうね!」
山田先生と布仏さんは女神と天使だと最近よく思うのは不思議では無いのだろう。
「織斑!お前のISだが準備まで時間が掛かるぞ。予備の機体が無い。だから学園から専用機を用意するそうだ。」
皆が「いいなー」だとか「こんな時期にもう!?」なんて驚いたりしているのに本人は何事か分からないような顔をしている。
「専用機があることってそんなに凄いのか?」
またバカな事言ってるよ。
まぁ専用機を貸す代わりにデータ寄越せって考えだろう、ならば俺には無い方がいいな。
好き勝手データとられちゃかなわない、俺の体にはISの機能が追加されてるからそんなのデータを採られたら分かってしまう。
束さんにISの整備の仕方教わっといて良かった~。
「それを聞いて安心しましたわ!」
あぁセシリア・オルコットが何か言い出したよ…めんどくさいから頭の中で音楽流そう。
「なぁ?矢口は貰えないのか?」
ん?俺の名前が出てきたな。
「あぁ矢口の分まで回すには時間がかかるらしい。」
『そういうことだよ。データ収集頑張ってくれよ?織斑君。』
「そういえば、篠ノ之さんは篠ノ之束博士の関係者ですか?」
「そうだ、篠ノ之はアイツの妹だ。」
ええー!
内のクラスに有名人が3人も!
篠ノ之博士って行方不明で世界中の企業達が探してるんでしょ?
篠ノ之さんは居場所知ってるの?
ガタン!
「すまないが姉さんの居場所は知らないんだ。姉さんなりに考えがあったのだろう!確かに私は姉さんの妹だが姉さんみたいに頭が凄く良い訳でもない、期待に添えられなくてすまないな。」
成長してるじゃないか…篠ノ之。前までのお前なら姉さんは関係ない!なんて言ってただろうに。
そうか~
まぁしょうがないよね。
家族でも分からないことあるもんね!
気軽に聞いてごめんね?篠ノ之さん。
などの承諾や謝罪の声が篠ノ之に向かう。
「静かに!山田先生。授業を!」
「…あっはい!では今日は223ページから~」
授業は終わりお昼の時間になった。
ふむ。織斑は篠ノ之を誘っているな。
じゃあ俺は一人で…
「あっ!ツッキー!お昼一緒に食べようよ!」
としたのだが天使に頼まれちゃ断れないよな?
『わかった。じゃあ食堂に行こうか。』
「わーいわーい!あっ!おんぶしてってー?」
な…んだ…と?
『おんぶですか?』
「うん!してよ~。」
流石に見かねたのか布仏さんの友達が、
「こら本音ちゃん!矢口さんを困らせちゃダメでしょ!」
「そうだよ本音ちゃんうらやま…困っちゃうじゃない!」
おい隠せてないぞ?まぁ役得だから引き受けるが。
『分かりました。じゃあいきましょう。』
俺はよいしょっ!っと布仏さんを担ぐが…
(軽いな…それにアンバランスな物が二つ…隠れ巨乳、または着痩せするタイプ。でもここまで痩せて見えるか?)
俺は女性の神秘を感じながら食堂に向かった。
食堂に着くまでの時間は堪能させてもらいました。
日替わり定食の主菜は自分の好きな物を入れてください。
回鍋肉でも青椒肉絲でもなんなら麻婆豆腐でもいいですよ?
あとオリ主は他の主人公と違って大食いではありません。
基本、筋力を衰えさせぬトレーニングなので食べなきゃ痩せるような状況では無いからです。
(だが、食べないとは言ってない。)
そういえば主人公はクラス代表決定戦出ないのって?
ほら、ISの機能使って存在薄くしてたし(震え声)
それに二人とも熱くなってこっちまで考えがいかなかったんだよ…うん。