落ちこぼれ魔法使い少女が目指すのは魔女〜魔法はみんなを笑顔にさせる〜   作:光三

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第10話 無詠唱魔法教練

 これから、3時限目の特別授業が始まる。

 

「みなさん、突然ですが無詠唱魔法を習得するつもりはありませんか?」

 

「ああ?そういや、アクロスなんかわかったって言ってなかったか?」

 

「ああ、異世界ネットワークに接続したら異世界ネットワークサービスっていうのを受けられるようになった」

 

「それってもしかして………」

 

「ああ、あのときの機械音声が言っていたことだ」

 

「マリル、疑問に思うことがある。あのね、異世界ネットワークってそもそも何?」

 

「異世界ネットワークは、何者かが全異世界中に配布したネットワークです。これ以上のことは、禁書にも書かれていません」

 

「機械音声と異世界ネットワークサービスの音声の違いわかったかも!」

 

「ああ、感情が無いか、有るかということだな?」

 

「うん。でも、リルちゃんはさっきの神族の話の流れで関係ないって言ってたけど………」

 

「すみませんみなさん。異世界ネットワークについては、本当に何もわからない状態なんです。昔は、禁書専門家がいて、禁書の記述の正しさを確かめる実験などが行われていたのですが………」

 

「例の組織のせいで、いなくなってしまったのね……」

 

「あ〜!むしゃくしゃしてきた!無詠唱魔法を教えてくれないか?」

 

「はい、わかりました。異世界ネットワークサービス曰く、無詠唱魔法はイメージ即ち妄想を魔力を使い実現化する魔法です」

 

「イメージ……頭で思い浮かべた事柄を魔力を使って魔法という形で発動させる魔法?」

 

「具体性を持つほど、威力は高まるそうです」

 

「具体性?」

 

「恐らくですが、イメージというものは大きく分けて2つあると思います。1つ目は、言葉です」

 

「言葉、ですか?」

 

「はい、言葉というのは大切でポジティブな言葉、ネガティブな言葉というものが有ります。ポジティブな言葉をイメージするとポジティブな気分になり、ネガティブな言葉をイメージするとネガティブな気分になることが有りませんか?」

 

「そういや、そうかもしんね〜」

 

「うん、私もそう思う」

 

「はい。言葉というのは大切であり武器でもあります。2つ目は、頭で思い浮かべるということです」

 

「それって、妄想のこと〜?」

 

「そうですよ。スーちゃん」

 

「その、妄想を具体的に形に出来るかというのが無詠唱魔法を成功させる鍵ということなのね……」

 

「無詠唱魔法でファイアボールを発動できるようにしましょうか?」

 

『はい!!』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……………なぁ、この話は本当のことなのか?空の女神に煉獄の大悪魔神よ」

 

「はい。確かに私たちの子供アクロスは、不死者アリアンロードにアリスという名前を与えました」

 

「はぁ!それがどういうことかわかって言ってんのあなたたち!?」

 

「はい。つまりアリアンロードはアリスという名前の神族に新生したということです」

 

「そもそもの疑問なんだけど、不死者って何?」

 

「わしも気になっていたことだ、空の女神がゼムリアという概念世界を創造したことは知っている。だが、なぜかゼムリアだけが神界、魔女界から観測が出来ない」

 

「「……………」」

 

「故に、我々はゼムリアに関する情報を何一つ得ることが出来ない……教えてもらえないだろうか?」

 

「………はい、わかりました。お話致します。はっきり言います。ゼムリアという概念世界は、数年後100%の確率で消えます」

 

『………………は?』

 

「………………は?は私たちの台詞ですね。私たちも原因が、わからないのです」

 

七の至宝(セプトテリオン)の所為じゃないの?それか、煉獄の大悪魔神か……」

 

「違う!!適当なこと言わないで!!!」

 

「エイちゃん………」

 

「じゃあなんでこの神族から『β世界軸』の気配が漂ってんの!答えなさい!?」

 

「簡単な話ですよ。『β世界軸の神族』だからですよアーくんが」

 

「あり得ないわ、そんなこと」

 

「どうしてですか?アーくんがその証明だと思いますが?」

 

「あの〜みなさん、少し意見があるのですがいいでしょうか?」

 

「良かろう、意見を述べなさい。イルバール(・・・・・)

 

「まず、疑問なんですが……みなさんは何故そんなに『β世界軸』を敵視しているのでしょうか?」

 

「『価値観』が合わない!!自衛の為に人を殺す……ふざけんな!人殺しは、私たちが最も忌み嫌う『原罪』だ!!」

 

「はい。理解出来ますし納得出来ます。もう一つ質問です。『β世界軸』の全ての方々がそのような気質を持っているのですか?」

 

「当たり前だろ!だから、あんたを創造した『原初の神』は空間を分けて『α世界軸』『β世界軸』に分けたんだ!?」

 

「当たり前ですか………」

 

「あんたも、神界を2つの軸に分けただろ?」

 

「はい、分けましたが?」

 

「それは、なんでだ?」

 

「その方がわかりやすいからですが?」

 

『????』

 

 神族全員がその言い回しに疑問を覚えた。

 

「??そもそも、私もあの方も『α世界軸』と『β世界軸』の交流を望んでいます」

 

『!?!?!!』

 

「やっぱり…………」

「やはりか…………」

 

 空の女神と煉獄の大悪魔神以外の神族が驚いた。

 

「その反応だとわかってたんですね?あなたたちは」

 

「おまえ、めっちゃ几帳面なところがあるだろ?」

 

「まあ、そうですね。ぐちゃぐちゃになったものを整理整頓することが好きで………」

 

 イルバールは、少し照れながらそう言った。

 

「みなさん、何を勘違いしていたのかわかりませんがこれだけは言えます。『β世界軸』のみなさん全員がそういう気質を持っているわけではありません。勿論、その逆も然りです。みなさん、神界からそれぞれの異世界を観測することが出来るんですよね?それで、この体たらくですか………………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ふざけんじゃねーよ!!この思考停止集団が!!!!」


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