落ちこぼれ魔法使い少女が目指すのは魔女〜魔法はみんなを笑顔にさせる〜   作:光三

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第4話 アリスの為の授業

 グランセリア魔法学園の生徒たちが、魔女科の教室に入ってきた。マリアは、貴族、王族というものは嫌っていない。しかし、こいつらのことは嫌いである。何とかその態度を出さないように努めながら、授業の始まりを告げる号令をかける。

 

「起立、礼」

 

『よろしくお願いします』

 

「着席」

 

 生徒たち全員が席に座るのを見て、マリアは安堵の息をつく。そして、ここからが本題だ。

 

「みなさん、今日は特別授業を行いたいと思います」

 

「特別授業ですか?」

 

「遂に、始める気になったか?(・・・・・・・・・・)マリア先生」

 

 魔女科唯一の男子生徒、アクロス・パーリアートはチラリとアリスの方を見ながら言った。因みにアクロスは、アリスについて行くために魔女科に入った。簡単に言ってしまえば、アクロスはアリスのことが好きなのだ。

 

「ええ、その通りです。アクロス君」

 

「ねえ、アクロス君。どういうことなの?」

 

「なるほど、そういうことか………確かにこのことについては、疑問しかないものね」

 

「ああ、そうだ。そして、今から行うのが恐らく……」

 

「アリスさん、前まで出てきてください」

 

「……はい」

 

 アリスは、返事をして教壇の前に立つ。そして、マリアは特別授業の説明を始める。

 

「今日は、みなさんと一緒にアリスさんが魔法を使えない原因を探したいと思います」

 

「み、みんな。よろしくね?」

 

 少し遠慮がちにアリスは言った。

 

「気にするな、アリス。俺たちは、共に魔法を学ぶ仲間(クラスメイト)だ。迷惑だなんて思う必要ねえぞ。な、みんな?」

 

『ええ/うん/はい』

 

「ありがとう、みんな」

 

「じゃあ、早速始めましょうか。まず、アリスさんは「なんなんだこの下らん茶番は!」………(イラッ)」

 

『(イラッ)』

 

 やはりというか、王都の連中がちょっかいを出してきた。マリアは、あらん限りの理性を怒りを抑え込むために強め、平静を装いながら言った。

 

「下らない茶番とは何のことでしょうか?」

 

「ふん、こんな事すらわからんのか?辺境の捨て石学園の教師は……いくら教えても無駄だと思いますがね。だって、こいつは無才能なんだからな」

 

 少し疑問があったアクロスは、怒りを押さえ込みながら質問した。

 

「無才能とは?」

 

「先生に続いて生徒まで無才能だとは、やれやれ、どうしたものか……」

 

「質問に答えてくれないか?無才能とはなんなんだ?」

 

「はあ、わかった。この僕が直々に教えてあげよう。無才能とは、魔力があるにもかかわらず魔法が一切使えないことを指す言葉さ」

 

「ほう?で、その原因は?」

 

「君たちが一般人だからさ」

 

『…………………………は?』

 

 マリアと生徒たちは、訳が分からなさすぎて『は?』という言葉をハモらせてしまった。

 

「魔法はね、魔女が与えて下さったんだ。我々の様な高貴な血が流れている者たちにね」

 

 この言葉を聞いたとき、アクロスは質問の無意味さを感じた。そして、今度こそ嫌悪感を隠さずにこう言った。

 

「貴様らに質問することの無意味さを改めて感じたよ。なぜなら、貴様らは魔法のことを知ろうとしていないだろ?」

 

「はは、何を言ってるんだい君は?何を根拠にそんなことを?」

 

「根拠ならあるぜ。それは、俺らが魔法を中級魔法まで使えるということだ。因みにアーリアちゃんに至っては上級魔法の練習を始めているようだぜ?」

 

「な、なぜ。なぜ、貴様ら一般人が……」

 

「それはまあ、毎日学園に行って魔法の勉強して、時間あるときに練習してるから?そうとしか言えないんだが……」

 

「普通、上級魔法の習得には最低でも1年はかかる筈だ!?」

 

「ああ、たぶん辺境だからさ時間が有り余るほどあるんだわ。毎日日が沈むまで学園で魔法の練習しまくってるからなあ……俺ら」

 

『……………』

 

 遂に王都の連中は、黙り込んでしまった。

 

「そろそろこの無意味な、言い争いを終わりにして授業を始めたいんだが?」

 

「付き合いきれん、君たち帰るよ」

 

 こうして、王都の連中は教室からぞろぞろと出て行った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 私は、アクリル・イル・グランセリアと申します。王都グランセリア、その他の街や村をまとめる王族の血が流れています。因みに、私は第三王女です。私は、魔法を学びたくてグランセリア魔法学園に通っています。そして明日は、楽しみにしていたアクレ魔法使い養成学園との合同授業の日です。ワクワクしながら王城での仕事を終わらせ、アクレへと向かって出発しました。アクレに着いたのは、9時ちょうどでした。馬車を使い、途中で休憩を入れ1日かけ到着ということだ。すると、何故か王都の学園の制服を着ている貴族たちがイライラとした様子で帰っている姿が見えました。

 

「どうしたのかしら、あの人達。クラウス、まだ授業始まったばかりですよね?」

 

「はい、その筈ですが………」

 

「まあ、いいわ。それよりも私すっごく授業受けるの楽しみ!?」

 

 クラウスは、歳相応にワクワクする第三王女を見ながら同意の言葉を言う。

 

「そうでございますね、アクリル様。いい、ご友人が出来るといいですね」

 

「うん!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「さて、邪魔な連中が居なくなったところで授業の続きしようか、マリア先生」

 

「そ、そうですね。そうしましょう」

 

 マリアは、内心焦っていた。アクロス君があそこまで、嫌悪感をあらわにするとは思いもよらず、報復の心配をしなければならなくなった。こうなったら、後から来る特別ゲスト(・・・・・)の力を借りてことの収拾を図ることにしようかという押し付けの考えを何とかなかったことにし、アクロス君の言う通り授業を再開させた。

 

「それでは、特別授業を再開したいと思います。まず、アリスさんは、魔法を発動させることができますか?」

 

できます(・・・・)

 

「そうですか……では、アリスさんは『魔力操作・魔力循環』は出来るということですね?」

 

「はい、それも拙いレベルですが……一応出来ます」

 

「それでは、実際にやってみてもらえる?」

 

「はい、わかりました。マリア先生、順番は?」

 

「魔力循環、魔力操作の順番でお願いできる?」

 

「はい、それではいきます」

 

 アリスは、体内にある魔力を循環させ始めた。

 

「アクロス君、視てくれる?(・・・・・・)

 

「わかりました。異能[魔力探査]発動!」

 

 アクロスは、アリスの体内を循環している魔力を視た。すると、違和感を感じた。何故か、ずっと同じ量の魔力が流れなければならないのに一定の量の魔力がどこかに吸収されていっているのだ。今度は、吸収される魔力を視ると身体の中心付近に集まっている様だった。

 

「今度は、魔力操作を頼む」

 

「うん、わかった」

 

 アクロスは、右手に移動していく魔力を視た。やはり、一定の量の魔力が中心付近に吸収されている。

 

「もういいぞ、アリス。原因がわかった……しかし、新たな謎も増えた」

 

「謎、ですか?」

 

「ああ、何故か身体の中心付近に一定量の魔力が吸収されていってるようだ」

 

「理由は、わからないと……」

 

「ああ、わからない」

 

「とりあえず、アリスさんは席に戻ろうか?」

 

「うん」

 

 詠唱魔法が発動しない理由はわかったが、新たな謎が増えた。ここまでで1限目の授業の半分が終わった。




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