「あっ!そうだベルベット!ロクロウ!これさっきの子供から貰ったんだけど私は食べないからあげる。」
さっきの子供と別れて少し進んだ時、私はさっきの子供から話の後に林檎を2個貰っていたことを思い出し、林檎をベルベットとロクロウに投げ渡した。
二人は、それを受け取ると対魔士は余り信頼されていないのは意外だと話をしながら林檎を齧る。
ロクロウは旨そうにしていたが、ベルベットは、口に含んだまま顔を強張らせたまま何回も咀嚼していた。
「大丈夫!?ベルベット!もしかして林檎嫌いだった…」
2分位たってもずっと咀嚼し飲み込まないベルベットを心配して声をかけると何でもない、気にするなと言われたので気にしないことにして北の洞窟に引き続き向かうことにした。
更に時間が少し経ち、目の前の門を開けると村に着いた。
地図で見てみるとこの村はピアズレイという村だということが分かった。
私が地図で確認し終わり、地図を閉じてしまっていると、ベルベット達が聖寮の巡査官の話をしていた。
何でもロクロウが言うには、王国の各地を回り、業魔対策の状況確認と、対魔士の行動を改めたりする精鋭の事をそう呼ぶらしい。
(まあ民衆にあれこれ我慢させてる以上は、裏はないとアピールしたいのかもしれないかもね。)
そう私が思っていると、ベルベットはそんなのを置いてる時点で白ではないと言ってるものだと言うと、ロクロウは逆にそっちの方が誠実っていう考えもあることと、理想だけでは世界は変えられないから巡査官は泣いたんじゃないかと言っていた。
「ま、女の涙ってのは、簡単に信じるもんじゃないがな。」
(確かにそうかもしれないね私も女だけども。)
とロクロウが最期に言った言葉に対して私も心の中で共感してるとベルベットの方はキョトンとした感じでいた。
「ま、ただの一般論さ。」
そう言うとロクロウは準備があるからと言うと村のどこかへ行ってしまった。
「うん。分かったよ。」(でも私はいつかベルベットと………そんな事を考えるのは後にしよう。)
私は考えていた事をひとまず胸の奥にしまい、町で完全には出来なかった準備をする為に足を進めた。
(まずは私の考えているダイル討伐の為の作戦に必要な油と松明と火打ち石、ナイフを道具屋なりで買おうかな~「うん?」
そう作戦を考えて道具屋を見つけると道具屋の店長と客がさっき会ったエレノアさんの噂話をしていた。
耳を澄ませて聞いてみると対魔士の中でも変わり者らしく何でも聖寮に反感を持っている人に対しても大真面目に聞き込みをしていたらしい。
(やっぱり話をした感じ真面目そうだったもんな。)
エレノアさんの事を考えていたらその話は終わっていた。
そして油と松明と火打ち石、それからナイフを道具屋で買い、ベルベット達と合流して、門を開けて北の洞窟に向かおうとすると、老人に声をかけられた。
「……待て。孫が世話になったようだな。」
「脅してたんじゃないわよ。」
「分かってる。お前達は、旅を続けるんだろ?これを持ってけ。ささやかな礼だ。」
脅したように思ったから声をかれられたと思っていると違うようでお礼を言いに来たようで孫を助けた礼で携帯用の調理器具やら皿やら食材やらを貰った。
「本当に貰って良いんですか?」
一応確認の為に聞くと老人はどうせ使わなくなったものと多く買ってしまった皿や食材だから気にするなと言われたのでお言葉に甘えて貰うことにした。
そうして誰が作るかと話になり、本当に誰も作らないようなら私が作ろうと発言しようとするとベルベットが作ると言ってくれたので任せることにした。
「……料理出来たわよ。一応味は大丈夫だと思うわ…。」
少し経ち、ベルベットが料理が出来たことを知らせに来てくれた。
皿を覗いて見ると見たことない色の美味しそうなソーセージとブロッコリーとカリフラワーが盛り付けており食欲がそそられ自然と箸が進みあっという間になくなっていた。
「よし、腹ごしらえは出来たな!」
「そうだね。(少し足らなかったけど)」
食べ終わっていたロクロウが準備が万全なことを言い私も万全なことを言いベルベットの方を見るとベルベットは浮かない顔をしていた。
「………」
「どうしたのベルベット?料理普通に美味しかったよ。」
「違うわよそうじゃなくて……」
「?」
料理の味がおかしいから浮かない顔をしてるのかと思い美味しかったことを伝えるとどうやら違うらしい。
「一つ聞いて良いか?」
その会話を終わって少ししてロクロウがずっと気になっていた事をベルベットに聞いた。
「好きにしなさい。アイツについては答えないけど。」
「さっきの話だがな…もしかしてお前味を感じないのか?」
「ちゃんと分かるわよ…血の味だけはね。」
(!?やっぱりそうなんじゃないかと少し思っていたんだけどやっぱりなのか…)
私は林檎をベルベットが食べたときになんとなくだけど味を感じないのではないのかと思ってたんだけど今のロクロウの言葉に対するベルベットの返答で本当に味がしないのが分かった。
それからベルベットは業魔なってから普通の食べ物を食べたのは初めてだと言うと、気になったロクロウが何を食べていたんだと聞くとロクロウを睨みながら監獄にいたから分かるでしょと強く言うとロクロウはすまなかったと言うと気にしなくて良いそういう業魔なんだと良い料理はレシピがあればつくれるし味はどうだって良いただ今の力を維持できればそれで良いと言った。
ベルベットとロクロウの話が終わり、門を開きやっと村を出て、落ちている使えそうなものや金になりそうなものを拾い、洞窟へ向かう道中、襲ってきた業魔を狩り、食べれそうな所を剥ぎ取る。
そうしてやっと洞窟についた私達はダイルを討伐しに洞窟へと入った。
少し予定と遅れましたが早めに投稿できました。
次回は少し長めに買いて投稿する予定なので少し時間が空くかもしれません。