ということで続きです!
それから私達は更に奥に脚を進めると上まで複雑に絡みついているツタが道を塞いでおり、進行出来なくなっていた。
「凄いツタ……絡み合って千切れない。」
「ベルベットそのツタどうにかして燃やせないかな。」
「アンタの竜神楽に任せるわ。」
「いや…そんな事をしなくてもこれで何とかなる。」
そう言ったアイゼンが懐から着火剤を出して見せた。
「こんな所で火を使って平気?」
「普通は平気じゃない。だが俺達は業魔と聖隷だ。」
(私は人間なんだけどな……)
「……ああ、普通じゃなかったわね。」
「あ、あの私は普通の人間なんだけど…忘れてる……。」
「いいや、ラナお前は業魔と聖隷と一緒に旅をしている時点でもうそれはまともな人間じゃないぞ。」
「いやいやいや!私は普通?ですよ!」
「……自分で疑問に思ってるじゃない…ハァじゃあアンタ少し離れて見てなさい。」
「……人間ていうのは何かと不便だな。」
「もういくわよ!」
そういうとベルベットは着火剤で火を付けてツタを燃やして私達は先に進んだ。
それから私達は前を向いて歩いていると2号の姿が無く、私が後ろを向くと歩く足を止めて何かを見ていた。
(はぐれたりしないで良かった~てっきり敵に襲われたのかと思ったよ。)
「少年、随分と大人しいな。具合でも悪いんじゃないのか?」
「元々こうよ。2号は。」
「やめろよ!2号なんて呼び方可哀想だろ。」
「アンタの名前の意味は?」
「兄弟の六番目でロクロウだが。」
「それと同じよ。」
「同じじゃないだろう。」
「ちょっと…皆何でこの子を置いていくの?」
そう皆の方に振り向いた瞬間後ろに気配を感じ振り向くと蠍のような業魔が2号を襲おうとしていた。
「ッ!危ない!!」
「……………あ…………!!」
(間に合えッ!)
2号に蠍のような業魔の尻尾が刺さろうとしたその時私の横を掠めて尖った土の槍が蠍のような業魔に刺さり死滅した。
「ありがと!アイゼン!」
その感謝の言葉を首だけ私に向けて聴くとアイゼンは前を見て敵を警戒しに戻った。
(素直じゃないな。)「そうだ!大丈夫?怪我はない?」
「………大丈夫………ありがとう。」
「大丈夫か、少年!」
「何で声をあげないの!ラナとアイゼンが気付くのが遅れてたら、アンタ死んでたのよ!」
「……命令だから。『口をきくな』って……」
「あれは違うっ!あんたは……なんでそんな!」
「ベルベット!落ち着いて!」
その言葉を聴いたベルベットは2号の両肩を両手で掴みより声を荒げて言ったのを聞き私は強引にベルベットを引き剥がし落ち着くように諭した。
「ラナの言うとおりだ落ち着け、ベルベット!」
「……お前、対魔士に使役されてたのか?」
それまでずっと黙り此方を見ていたアイゼンが2号に聞いた。
「…………うん。」
「やはりそうか……こいつは;意志;を封じられているんだ。……本来、聖隷は人間と同じ心を持つ存在だ。だが、対魔士共は強制的に聖隷の意志を封じ込めている。道具として使うためにな。」
「ずっとこのままなの?」
「分からん。対魔士の配下から脱した聖隷は初めて見た。」
(前例がないから分からないのか…。よし!決めた!)
「じゃあ私が、君が心が解放されて道具じゃなくて一人で決断できる子になるまで一緒に居てあげる!」
「………何で抱き締めてるの?……」
「うーんとね抱き締めたくなったから!じゃ駄目かな?」
「……それが命令なら……。」
「だからそういうのはそういうのは無し!」
「……うん。」
「ならばよろしい!これから何かあったらラナお姉ちゃんに言いなさい!!」
(私だけでもこの子の味方になってあげなきゃ!この子がちゃんとした意志を持って生きれるようにしてあげなきゃ!)
「そうだぞ!少年!何もラナだけじゃなくて困ったことがあればここにいる誰にでも言ったって良いんだぞ!」
「……うん。」
(ロクロウ!……ありがとう。)
そう密かに自分だけでもちゃんとした意志のある子にしようと考えていた私の気持ちが分かったのか、ロクロウが相談してくれても構わないと言うそのロクロウのその優しさに私は助けられた。
「そういえばアイゼン、対魔士に意思を封じられてるって言ってたよな。」
「ああ。本来は人間同様、それぞれが自我を持つ存在として、ずっとこの地で生きてきた。
俺達の存在を知覚出来るのは、対魔士のように霊応力が強い、一部の人間だったが……」
「あの『降臨の日』に変わったんだな。」
(『降臨の日』…少しシアリーズさんとの会話で出て来たベルベットの全てが変わってしまった日……)
「聖隷は並の人間達にも見えるようになり、意思を奪われ、命令道理に動く道具とされた。業魔に対抗する術を得たと人間共は喜び、アルトリウスの奇跡だと謡えたが聖隷はモノじゃない。」
「聖隷はモノじゃない……」
「そうだよ君もモノなんかじゃないんだよ一人の命を持った人間と同じ生き物なんだから自由に生きて良いんだよ!」
「いやモノよ。」
「?」
(ベルベット?)
「アルトリウスにとっては、聖隷も業魔も人間も皆、御大層な;理;を実現するための道具でしかない………モノにしか見えないのよ……弟すら……」
(……ベルベット……)
それから更に先に進むと亀の甲羅を背負った少年がいた。
(何……?あれ?)
「トータス、トータス」
「……亀の業魔?」
「いいえ、業魔じゃないっすよ。オイラは;ホワイトかめにん;っす。驚かせてしまって恐縮っす。」
(白……っていうことは黒もいるのかな……)
「業魔じゃないなら聖隷か?」
「いえ、;かめにん;は;かめにん;っす!もろもらのご不審はごもっともっすが、これ以上の追求は、どうかご勘弁頂きたいっす!」
「お、応……これはご丁寧に。」
「恐縮っす~。」
それから横から話を聴いていたアイゼンからかめにんの説明を聞き遣り手の武器商人で自分達のような稼業には重宝するとの事らしい。
「行商人か。…役には立ちそうね。」
「……まことに申し訳ないっすが、辺境の商売は、何かと手間賃がかかりまして……」
「それはそっちの都合でしょ?」
「う……確かにそうっすが……」
「素直に認めたわね。じゃあ、通常価格で手を打ってあげるわ。」
「感謝の印に『お客様の笑顔』って奴をやっとくか。にっ♪」
「きょ、恐縮っす……」
(脅して値切った……それは怖いよね…かめにん強く生きてね……)
「ははは!凄い値切りだったな、ベルベット!」
「当たり前の交渉よ。喰い殺して品を奪うよりましでしょ?」
(確かに……でもベルベット断ったら喰ってたな…多分…)
「……お前、死神より恐ろしいな。」
「かめにん…」
「あんな変な奴がいるなんて世界は広いよなぁ、少年!」
「……うん。」
(良かった少しは返事をしてくれるようになってくれて。)
「ふっ……あっちも俺達を見て同じ事を思ってるだろうさ。」
「業魔と聖隷と死神と人間の一行……か。」
(なんか私だけ場違いな気がしてきた…)
「……でしょうね。」
「かめにんてなんなんだ?」
「名前の通り、かめにんだ。」
「だから、なんなんだ?」
「かめにんは、かめにんだ。行商が得意な種族だと考えれば良い。」
「ま、ウミガメみたいな甲羅を背負ってたし、名は体を表すって奴か。おれは六番目でロクロウだしな。」
「僕は二番目の使役聖隷だから、2号……」
「それは名前じゃない、ただの称号だ。」
「………?」
「いい加減、少年にも名前を付けてやらんとなぁ。」
「……僕の、名前……」
(確かに名前2号じゃ呼びずらいから……うーん……だぁ~もう良い名前が思い付かない~!)
「………」
「ベルベット?どうしたの?もしかして名前考えたの?」
「……別に、ただ見てただけよ。」
「そっか。」
それから更に歩き外が見えてくるとアイゼンがコインを出して見ていた。
「………」
「アイフリード海賊団の副長は妙な験を担ぐのね。」
「癖みたいなモノだ。どうせ裏しか出ない。」
「その金貨って、何処の国のモノなんだ?表は女神、裏は死神なんてのは、初めて見た。」
「裏側は厳密には死神じゃない。これは『魔王ダオス』だ。」
「なんかどっかで聞いたような名前だな。」
「……女神マーテルと……魔王ダオス……『ラグナロック』第765章『ユグドラシル』戦記より。」
「ほう、よく知ってるな。これは異国の古代遺跡から発掘されたカーラーン金貨と呼ばれる紙幣だ。」
「へぇ、随分と珍しいものなんだな。」
「アンタ、本が好きなの?」
「好き……?テレサ様の部屋にたくさん本があって僕はいつも本を読んでた……『ラグナロック』は神話時代の戦記で何回も読んだ……」
「そっかじゃあ今度色んな本の話を私に教えてよ。約束だよ。」
「……約束?……」
「うん約束!」
「それにしても、そんなに珍しいコインロッカー、何処で手に入れたの?」
「話せば長くなるが……」
「ならいい」
「因みにさっきはコインで何を決めたんだ?」
「……今話すような事でもない。」
「そうか、余計な詮索だったな、すまん!」
それから私達は外に出て道中敵を倒しながらアイゼンの後をついていくと警備がいない扉が見えアイゼンがそれを見て止まった。
「……?どうしたんだ?押して入らないのか?」
「待て、調べた状況と違う。」
そう言い終わると風が吹き葉っぱが飛び扉に当たると電撃のようなもので消し炭になった。
「結界が張られているのか。」
「警備を変えやがったな。」
「成る程ね。さっきの蠍や、この結界がアンタが言ってた死神の不幸ってわけか。」
「……この程度で済めば良いんだがな。」
「正面突破は厳しいと思うけど…どう攻めるの?」
「崖を降りた先に建設時に使われた搬入口があるはずだ。そっちを探る。」
「あれが搬入口か。こっちには警備がいるわね。」
それから私達は崖を下り搬入口に着いたのだがやはり警備がおり、私達は岩陰に隠れて様子を窺っていた。
「どうするんだ?」
「つまり結界はないってことね。行くわよ!」
「だめ……その人はー!」
「気を付けろ、そいつは!」
先にいき戦闘に入ろうとしたその時のアイゼンと2号が声をあげ私達は足を止める。すると此方に気づいた警備が頭を抱え声に出来ないような悲鳴を上げて体に闇が纏わり付き業魔に変わった。
(業魔に変わった!)
「ボサッとするな!来るぞ!構えろ!」
「!!うん!」
業魔になったのに驚いているといつの間にか二人がこっちには来ておりロクロウとベルベットが武器で斬りかかっており戦闘が始まっていた。
「いきなり業魔になりやがった!」
「どういう不運よ!?」
「というか不運という次元の問題じゃないじゃないですか!?アイゼンさん!?」
「……だから言っただろう。」
(それよりも早くコイツを倒さないと!)
「そこよ!飛燕連脚!」
「くらえ!弐の型・醍地!」
「蹂躙しろ!ウィンドランス!」
「白黒混ざれ!シェイドブライド!」
「これでもくらえ!竜神楽!」
業魔達は一人はベルベットが空に上げもう一体はロクロウが罠のようなモノを印(?)を切り相手の目の前に設置しそれに触れ二人とも空に浮く
浮いたところをアイゼンは魔法で作った風の槍を、
2号は途中で混ざる白の弾と黒と弾を、そして私はエウメニデスを出して竜神楽を打ち込む。それに当たった業魔達は消え去った。
「警備が業魔病に罹ってるとはな。これも死神の力か?」
「……まあな。」
「けど、突っ込んでたら危なかった。止めてくれて助かったわ。」
そうアイゼンにベルベットが礼を言うと2号の方を見ながら気が付いたのはコイツだと言った。
「…………。」
「これからも、しっかり警戒頼むわよ。死神が一緒なんだから。」
「………?」
「喋っても良いって事だよ。」
「警戒はしっかり。」
(素直じゃないね……ベルベットも。)
そして先に行ってしまったアイゼンとベルベットを追いかけて私達は要塞の中に入っていった。
内部の話は仕事が忙しく書けていないので取り敢えず進入まで上げました。
続きも書いている途中なのでもう少し待って頂けると嬉しいです!