テイルズオブチェイン   作:シュウ名刀醜血桜

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闇ギルドでの依頼後編

ベルベット達がギルドを出る少し前にてー

 

ラナが助けた少年とアーサーと呼ばれた男性が玉座のある王室で喋っていた。

 

「ねえねえアーサー兄さん!ラナお姉ちゃんに会ったらねやっぱり僕の思った通りの人だったよ!」

 

「……そうか俺はもうその話しかお前から聴いていないと思うのだが気のせいか?」

 

「あ~そんな話をしてたらまた会いたくなってきたな~もう会いに行こうかな~」

 

「少し位我慢しろ。全くお前という奴は「失礼します!」……何ベルベット達がギルドに?」

 

と我慢できなくなり今にも会いに行こうとする彼の元に都合良くベルベット達が決して表向きではないギルドに立ち入ったと言う情報が彼らの元に届けられた。

 

「成る程な恐らくはそのギルドで私の動きを掴んで殺しに来るつもりなんだろうな。面白い!おい!」

 

「は!何でしょうか?アルトリウス様?」

 

「この件は特に何もするなと対魔士達全員に伝えとけ!良いな。」

 

「は!分かりました。ではこれで。」

 

そう言伝を頼まれた対魔士が姿を消すとそれと同時に姿を消していた少年が彼に聞いた。

 

「ねぇアーサー兄さん何で姉さん達に何もしないの?情報を掴んだら絶対に兄さんを殺しに来るのに。」

 

「それだからだよ。ベルベット達がここに私を殺しに来るのを分かっていれば幾らでも対策が練れるし仕掛けられるからな。」

 

「どうでも良いけどさラナお姉ちゃんだけは危害を加えないでよね。」

 

「ふ、分かってるさ。所でこれからお前はどうするんだ。」

 

と聞くと少年は振り返りながらー

 

「ラナお姉ちゃんとまた遊びたいからさアーサー兄さん適当に業魔を放って適当に人を選んでギルドに依頼を送ってよ。後の準備は僕がやるからさ。」

 

と年相応の笑いを見せながら恐ろしいことを言った。

 

「……分かった。良いだろう。だがそのラナって子が一人で来るとは限らないだろ。」

 

「大丈夫だよその点は僕の感じた通りのラナお姉ちゃんだったら必ず一人で来る…僕には何となく分かるんだ。」

 

「……そうか。分かった。手配しておこう。」

 

「ありがとう!アーサー兄さん!」

 

と言うと少年はドアを勢い良く開けて、準備をしに出掛けた。

 

「ふふふ、待っててね!ラナお姉ちゃん!」

 

狂気とも言える笑みを浮かべながらー

 

 

 

そして現在、私達は、なんとか追っ手を振り切り港を外に出て一息ついていた。

 

「ふう……なんとか逃げ切れたな。」

 

「よよよ……無念じゃよ~せっかくアイツを追い詰めたのに。」

 

「マギルゥ。暑苦しいから離れてくれる?」

 

「まあ、居場所が分かったからよしとするかの♪」

 

 

といつの間にかロクロウに降ろされ私に抱きつきながら悔しがっているマギルゥを離れるように言うと軽く無視されたがすぐに離れて笑顔で考えを切り替えていた。

 

と今まで黙っていたベルベットがあのビエンフーとかいう聖隷を捜していたのかと聞くとマギルゥは自分の乙女心を傷つけた憎さあまって可愛さ全開のノルミンと言う種族らしい。そして悪い笑みを浮かべながらー

 

「ふふふ、捕まえたらどうしてくれようか~」

 

と捕まえた後の事を考え笑いながら歩き始めた。

 

それを見たロクロウとライフィセットは分からないとは言っていたがベルベットが分からなくて良いからと言うと話題が終わった。

 

「さてとローグレスに戻って報告に行くわよ。」

 

とベルベットが言うとおり寄り道をせずに来た道を戻りローグレスに戻った。

 

 

ローグレスの門をくぐりローグレスに入るとアイゼンがエレノアについて何かあったのかと聞いてきた。

 

「エレノアという対魔士と何か因縁があるのか?」

 

「ノースガンドで初めて会った時にアイツが泣いていたのをベルベットが茶化したんだー涙目対魔士ってな。」

 

「対魔士が何故泣く?」

 

「;全;を守るためには;個;の犠牲も良しとするアルトリウスの;理;に後ろめたさを感じたんでしょ。甘ちゃんなのよ。」

 

「…それであれだけやれるのか。一等対魔士の肩書は伊達じゃないようだな。」

 

 

「……?」

 

「油断はするな、という話だ。」

 

そして少し歩くとロクロウがアイゼンにビエンフーは本当に聖隷なのかと聞くとどうやらアイゼンとは違う種類らしい。ならば対マギルゥは対魔士なのかと聞くとベルベットが監獄塔に捕まっていたことを考えると聖寮から弾き出されたかと推測するとどうやらアイゼンがマギルゥがただのペテン師かと言った後聖隷さえいれば奇術ごっこ位は出来ることを話していた。

 

(そうなんだ。)

 

「そして王都に来て分かった。聖寮ーそして導師アルトリウスは、思っていた以上に支配力を増しているな。」

 

「王国そのものって感じだな。何より民主の支持が圧倒的だ。」

 

(確かに王都に来てからアルトリウスの話を聞くたびに神様のように崇められてるのかと思う。)

 

「人類の救世主、導師様か。」

 

「更に気になるのが、アルトリウスが『聖主カノヌシの加護をもたらす』と言っていたことだ。」

 

「聖主……教会が祀ってる神様よね?演説でも言っていたけど、本当にそんな力どうにか出来るの?」

 

「分からん。俺達聖隷にとっても聖主は、話しか聞いたことのない伝説上の存在だ。しかも演説では;五番目の聖主カノヌシ;と言っていた。聖主は、地水火風を司る四柱のはずなんだが……」

 

「いいわ。アルトリウスの言葉にとらわれる過ぎると奴の術中にはまる危険がある。アイツは聖人なんかじゃない。目的の為ならどんなことだってする男よ。神様をどうこうできる訳はないわ。」

 

「奴らを甘く見るなよ。」

 

「甘くなんて見ていない。だから闇ギルドの力を借りて追い詰めるのよ……アイツを確実に殺す為にね。」

 

それから少し歩き私達は闇ギルドに戻り港での事を報告した。

 

「港では一騒動あったようね?けど、目的を果たせたなら問題ないわ。」

 

そして次の依頼のメンディという学者を捜しに行こうとすると闇ギルドのドアが勢い良く開けられ中に男性が入ってきた。

 

「どうしたのですか?」

 

「そ、それが町外れで子供達が業魔に襲われてるんだ!」

 

とお婆さんが聞くとその男は息を切らせながら伝えた。

 

「それはマズいわね…アンタ達はメンディを捜しなさい。こっちは何とかするわ。」

 

「いや私が行きます……ベルベット良いよね?」

 

そう聞くとベルベットは、「…勝手にすれば」と言いメンディを捜す為の準備に取りかかった。

 

「おい!待っているつもりはないが早く終わらせてこいよ……それと死ぬなよ。」

 

「アイゼン……ありがとう!行ってきます!」

 

とアイゼンに感謝して私は子供達を助けに闇ギルドを飛び出して町外れに急いで向かった。

 

 

(確か情報にあった通りならこの辺に……)「!居た!」

 

そして町外れに向かうと狼の業魔と龍の業魔に今にも襲われそうな子供達がいた。

 

「もう大丈夫!ここは私が何とかするから逃げて!」

 

と私が業魔にガンブレードで射撃しながら隙を作り子供達を逃がしていった。

 

「ありがとうお姉ちゃん!」

 

(ん?この声確か前にも……)「!?危ない!!」

 

「きゃあ!」

 

と助けた子供達の中に聴いたことのある声がして少し思考してると女の子とが狼の業魔に咬まれそうになっており咄嗟に飛び出して女の子を庇ったのだが腕を咬まれてしまった。

 

「大丈夫?」

 

「でもお姉ちゃん……腕が!?」

 

「心配しないで!早くこの場を離れて!」

 

と強く言うと女の子は一度振り向きこの場を離れていった。

 

(さあてと…どうするかな?)

 

「決めた!来い!アポカリプス!」

 

少し考えこの状況で一番適している四つの花びらがついたレイピア、アポカリプスを呼び出した。

 

「まずはこれ!喰らえ!流桜!」

 

アポカリプスを標準を付けないでやたらめったら振りまくるーすると振った先から桜の花びらが出て私の周りに留まった。

 

「まだまだ!!次はこれ!水龍!」

 

アポカリプスの四枚の花びらを軽く触れるーするとアポカリプスの切っ先がから水が溢れ地面に刺すーすると水の龍が狼の業魔に向かい下半身を喰らうもすぐ再生した。

 

「次はこれだ!グランドグラビディ!」

 

更に狼の業魔の攻撃を躱しながら違うアポカリプスの花びらに触れるすると岩や石が浮くアポカリプスの剣先を龍の業魔に向けると一斉に射出された。

 

「グァウウ!!」

 

(よし!効いてる!)

 

「これで最期だ!!豪炎業風!!!」

 

最期にアポカリプスの押していない最期の花びらの二つに触れアポカリプスを振り回すーと風が吹き荒れ竜巻となり地面が裂け炎が溢れ混ざり合うー混ざり合った竜巻を一気に、二体の業魔にぶつけると跡形もなく消滅した。

 

 

「フゥ~終わった。」

 

と一息突くと後ろから近づいてくる人影が見えた。

 

私が振り向くと光に包まれそこに居たのはあの時会ったベルベットに似た子だったー

 

「また会ったね!ラナお姉ちゃん!」

 

「君は……あの時の」

 

「そ、僕だよ!」

 

「もしかして…さっきの子供達の中にさ君もいたの?」

 

と聞くと少年は笑って私に言ったー

 

「うん!居たよ!」

 

「…怖くなかったの?」

 

「ラナお姉ちゃんが助けに来るのが何となく分かったから怖くなかったよ!」

 

「そうなんだ。でも私だって何時でも来れるって訳じゃないんだよ。」

 

「分かってるよ!」

 

「所でここは何処なの?見た所普通じゃないんだけど…」

 

と少年にに聞くと少年は笑顔でー

 

「ここ?ここはね時間の流れの違う空間だよ。僕が作ってラナお姉ちゃんを連れてきたんだ。」

 

と信じられない事を言った。

 

「ごめんねどうしてもラナお姉ちゃんと二人きりで喋りたくてさ!怒らないでね。」

 

「そんな事が出来るなんて君は一体何者なの?」

 

「ん?ん~神様?」

 

(え!?か、神様!?)「じ、冗談だよね!」

 

と焦って聞くと少年は少し肩で笑って「冗談だよ!」と言った。

 

「な、なんだ冗談か……ビックリしたよ。」

 

(でも普通の人間じゃないよね……もしかして聖隷?かな?)

 

と考えていると少年に顔を覗かれていた。

 

「ねぇ大丈夫?ラナお姉ちゃん?」

 

「大丈夫だよ。」

 

それから私達は下らない話で盛り上がり時間があっという間に過ぎていった。

 

「さぁてとそろそろ行かないと……ここ出してもらって良いかな?」

 

「もう行っちゃうの?」

 

帰ろうとするとしょぼくれてしまった。

 

「じゃあ約束しよう?」

 

「約束?」

 

「うん!また君と会って困っていたら絶対に私が助けてあげる!」

 

「……本当に?」

 

「うん!約束だよ!」

 

「うん!」

 

と約束の証に握手すると私の体が光に包まれ始めた。

 

(あ!そうだ名前聞いてなかった。)

 

「ねえ名前を教えて貰って良いかな?」

 

「良いよ!僕はライフィセット!ラフィーって呼んで!」

 

 

(!?ライフィセット!?)「もしかして君は!?」

 

 

と聴こうとすると同時に元の場所に戻ってきた。 

 

 

「もしかして彼はベルベットの……今は考えてるよりもギルドに戻らなきゃ!」

 

と急いでギルドに戻ることにした。

 

 

「ハァハァまだ皆居たんだ!」

 

ギルドに戻るとベルベット達が皆居たので間に合ったと思っていたがー

 

「ラナ!無事だったんだ!一日半位行方が分からなかったから心配だったんだよ!」

 

ライフィセットの一言で自分が一日半彼……ラフィと喋っていた事を知った。

 

 

 

 

それと同時期ー王都にてー

 

「ねぇアーサー兄さん!ラナお姉ちゃん来てくれたよ!」

 

「…そうか良かったな。」

 

「後ね僕が思った通りの;力;も持っていたよ!」

 

「成る程なシアリーズの……その話は後だな。とりあえずお前は休め。恐らくだが空間を弄って無理して彼女と喋ったんだろ?」

 

「うん!凄く疲れたから休むね!」

 

と言うとライフィセットは闇に消えていった。

 

 

 

 




次回も早く投稿できたら良いな~(願望)

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