テイルズオブチェイン   作:シュウ名刀醜血桜

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ローグレス離宮への潜入後編

それから私達は業魔を倒しながら地下通路の中を歩いて進んでいたー

 

(この場所少し暗い…今は正面からしか来ていないけど敵に襲われたら奇襲を受けるかもしれない…それだけは避けないと…)

 

と思い歩いているとー

 

「あ!?」

 

(!?ライフィセット!?)

 

ライフィセットにぶつかってしまいライフィセットが体制を崩して転んでしまう所を間一髪でベルベットに支えられ転ばずに済んだ。

 

「……あ……」

 

だが起きた時の事もあってかベルベットはライフィセットに何も言わずに前に進んでしまった。そんなライフィセットにマギルゥがニヤニヤしながら近づいてー

 

「気をつけい、坊。水の中には巨大鰐がおるのでのー」

 

 

と近くの水辺を見て更に怖がることを言った。

 

「ワニ……?」

 

「ちょっとマギルゥ!!余りライフィセットを怖がらせないでよね!」

 

と私がマギルゥに言うとライフィセットは「大丈夫だよ!ラナ!」と私が心配しているのを気遣ってかそう言いそれを聴いた私は安心した。

 

「大丈夫だライフィセット鰐の好物は魔女だ。」

 

「!!」

 

「さぁ行くぞ。マギルゥ以外は足下注意でな。」

 

「暗殺に向かう雰囲気じゃないわね。」

 

(……確かにこれに関してはベルベットの言うとおりだな。)

 

と腕を組みながら呟いたベルベットの言葉を聞き心の中で同意した。

 

 

それから私達が王都の地下道を通っていると話は;血翅蝶;の話になっていた。

 

「こんな道を知っているなんて、やっぱり;血翅蝶;て凄いんだね。」

 

「その情報を活かすための仲間が城の中にまでいるんだから、大したもんだ。」

 

「王国全土に支部を置き、犬や猫さえも情報集めに使うノウハウを持っているという話だ。」

 

「儂も聞いたことがある。連中は仲間の死体すら無駄にはせんとな。」

 

(…まさかマギルゥライフィセットをまた怖がらせるんじゃ…)

 

「仲間の死体……!?」

 

「その昔、城に忍び込んだ;血翅蝶;の男が警備兵に追われ、この地下道に逃げ込んだそうじゃ。男は水に潜って追手をやり過ごそうとしたが……バ~クバクバク~ッ!」

 

「!!」

 

(やっぱりそうだった!!)

 

と私が思った通りマギルゥは、鰐の真似をしてライフィセットを脅かした。

 

「程なくして鰐に喰われた男の腕だけがお堀に流れ着いた。それを見て、;血翅蝶;の連中は二つの情報を得たという。」

 

「二つ……?」

 

「一つは人が通れる地下道の存在。もう一つは……鰐料理がこの街でも作れる事。鰐の肉は人の血で揉むと柔らかくジューシーになり、マーボーカレーには最高に合うそうじゃて。」

 

「……僕が食べたのは!!」

 

(もう我慢が出来ない!マギルゥを止めないと!)

 

とこれ以上あること無いことをマギルゥに言わせる前に止めようとするとー

 

「へぇ、そんなに美味しいんなら、試してみようかしら。嘘しか言わない魔女の血で。」

 

顔は笑っているが眼が笑ってないベルベットがマギルゥの後ろに立っていた。

 

「俺も食ってみたいな。」

 

「戦力ダウンにはならん。」

 

と黙って聴いていたロクロウとアイゼンが笑いながらマジなのか分からない冗談をマギルゥに言った。

 

「……坊の緊張を解く為の可愛いジョークじゃて。」

 

「ウソ……なんだよね?」

 

「鰐というのは真っ赤な嘘じゃがのう、坊が食うたマーボーカレーには人食いナマズのー」

 

とまた反省せずにジョークを言おうとしたマギルゥの脇腹にー

 

「………」

 

ベルベットの鋭い肘が深く入りマギルゥはドポンと言う音を地下道に響かせて水の中に落ちていった。

 

「行くわよ。」

 

「うん。」

 

「こら~ッ!この魔女殺し~ッッ!!」

 

 

と今マギルゥを仕方なく引き上げて私達は地下道の道を次々と進んでいった。

 

 

「業魔から市民を守る為の城塞都市じゃというに王家の足下に業魔がおるとは、聖寮の怠慢じゃ!」

 

と進んでいた私達だがマギルゥの言った事を聞き流せずに脚を止めた。

 

「確かに、聖寮にしては脇の甘い警備だよな。巨大な防壁で街を囲って、その内を守るって言うのが、王国と聖寮の対業魔政策だもんな。」

 

(そんな政策があるんだ。)

 

「壁の内側で発生した業魔にとって、外に逃げるのは容易じゃないとも言える。」

 

「王宮は広いし、建物も大きいから、隠れる場所も沢山ある。取水口を通り抜けるのは業魔にとって難しい事じゃないよね。」

 

「その位の事は、聖寮も分かっておろう。むしろ、誘い込んで一網打尽にすればよかろう。」

 

「業魔の存在に気づきながら放置してる?でも、そんな理由なんて……」

 

「さぱらんのぉー」

 

 

それから更に私達は道に迷ったりもしたが無事マギルゥ占いのお陰(?)で梯子を登り進んでいくと図書室に出た。

 

「図書室……?こんな所に出るなんて。」

 

「わぁ……!」

 

とベルベットが図書室に出たことを驚いている横でライフィセットが目を輝かせお宝の山を見るように図書室を見ていた。

 

「ほほう、流石は王城の書庫じゃ。珍本が揃っておるのう。」

 

とマギルゥが本を触ると本棚が横にずれて別の本棚が出てきた。

 

「古代語の本!」

 

「読めるのか?」

 

「ううん。でも僕……」

 

「暗殺には必要ないものね。」

 

とベルベットが言い皆がベルベットの方へ振り返るもベルベットは無言で本棚に近寄り一つだけ色が違うボロボロの本を持ちー

 

「え……?」

 

ライフィセットに渡した。

 

「欲しいなら持っていけばいい。いい子ぶっても仕方ないわよ。業魔に協力してるんだから。」

 

「お前なぁ……もうちょっと素直に優しく出来ないのか?」

 

(確かに素直になったら良いのに。)

 

「人を殺しに来てるのに?無茶言わないで。」

 

と言いベルベットは、図書室の出口を探しに行った。

 

「そんなボロでいいのか?もっと高そうな本もあるぞ?」

 

とライフィセットにマギルゥが言うとライフィセットは頭を振ってこれがいいことをマギルゥに伝えてベルベットの後を追った。

 

(良かったね…ライフィセット。)

 

とライフィセットの気持ちを何となくだけど感じた私はそう思い続いて付いていった。

 

そして図書室を出ると道が二つに分かれていた。

 

 

「さて、マギルゥ。礼拝堂はどっち?」

 

とベルベットが道をマギルゥに聞くとマギルゥは惚けた感じでどっちか分からないというジェスチャーをした。

 

「ちょっとマギルゥ!ちゃんと教えなさい!」

 

「儂は王城に入ったとは言ったが詳しいとは言っておらん。」

 

「あたしは言ったわよ。邪魔をしたら捨ててくって」

 

「まずはゴミ箱を探さんとの~」

 

「……当てにしたあたしが馬鹿だった。」

 

「そうそう肩の力を抜け。さすれば道はおのずと見えてくるモノじゃ♪」

 

 

というやり取りを繰り返し何とかマギルゥに道を聞かせてもらったりして私達はギデオンの元へたどり着いた。

 

 

「あんたがギデオン?」

 

とベルベットが祈りをしている人物に聞くと私達の方を向き祈りを邪魔されたのを怒っているのか怒りながら何者なのかと聞いてきた。

 

「先に聞いたのはこっちよ。」

 

「無礼な。だが、業魔ならば当然か。」

 

「!!」

 

とベルベットが驚いているとー

 

「そこまでです!!」

 

とさっきまでは居なかったはずのエレノアさんが対魔士を数人連れて此方を睨んでいた。

 

「待ち伏せか。」

 

「これも死神の力か?それともあの婆さんに売られたかな?」

 

「調べたのね?;赤聖水;の元締めが大司祭だって。」

 

「そう。貴方達が起こした事件の関連を洗って、ギデオン大司祭の元へいきつきました。」

 

「知った上で守るの?」

 

とベルベットが聞くとエレノアさんはー

 

「……処罰は聖寮が厳正に下します。」

 

と言った。のだがギデオン大司祭は納得が出来ずに自らがどれ程便宜を図ったか分かっているのかと言うとー

 

「ベルベットとラナや、そやつをどちらかが追い詰めてくれたら、良いことが起こるかもじゃぞー」

 

とマギルゥは私達に言い離れていった。

 

「外野は黙ってなさい。」

 

と言うと同時にどちらがギデオン大司祭を連れて行くかこの場で殺すか決める戦いが始まった。

 

 

始まったと同時にベルベットは対魔士に一気に近づきー

 

「双幻脚!!崩牙襲!!喰らい尽くす!!トドメ!!アンヴィバレンツ!!うぁぁぁぁ!!」

 

 

対魔士を初段で蹴り上げ左に蹴り落とし更に空中から地面への急襲で蹴り着地と同時に続け様に足払いで浮いた所を業魔の腕で捕食し勢いよく業魔の腕で三回切り裂き爪形の衝撃波を飛ばし数人の対魔士を吹き飛ばし倒した。

 

「くっ!そ、そんな不意打ちに近いとはいえこれだけの人数がたった一人に!!」

 

とエレノアさんが驚いているのを見てベルベットが後ろに引くとー

 

「風迅剣!!鎧通し!!これで最期だ!!緋閃!!」

 

近くに居たはずのロクロウが一気に間合いを詰め鋭い突きで対魔士を斬りつけ続けて対魔士の鎧に短剣を触れさせそこに短剣を重ね衝撃を飛ばし鎧を砕きふきとばした。衝撃で倒れ起き上がろうとしている対魔士に一気に踏み込みながら切り裂くと対魔士は消えていった。

 

「ま、こんなもんだろ。」

 

「業魔共め!!対魔士を舐めるなよ!!」

 

と怒り狂いロクロウとベルベットに対魔士達が襲いかかろうとするがー

 

 

「白黒混ざれ!!シェイドブライト!重圧砕け!ジルクラッカー!!これで終わり!!奮起(ふんき)!!」

 

と横からライフィセットが光と闇の弾を交わらせながら飛ばし対魔士が吹き飛び光になって消える。それを確認して別の対魔士に腕を向けると向けられた対魔士の地面から地割れが起こり対魔士達が地面に叩きつけられる。恐らく重力を弄られ動けなくなっている対魔士達にライフィセットが力を込めたであろう紙葉を対魔士達の上に放り投げゆっくり落ち、対魔士達の身体に紙葉が触れた瞬間大爆発が置き、それが収まると対魔士達は消えていた。

 

「ふっ!やるな!!ライフィセット!!此方も負けてられん!!」

 

ライフィセットを見て熱くなったのかアイゼンが残りの対魔士に突っ込んでいくー

 

 

「処断(クライム)!!拍子(ダンディスト)!!消えちまいな!!冬木立(クラスター)!!」

 

アイゼンが近づきながら拳を正面に手刀をスナップさせながら繰り出すと、真空破が生まれ対魔士に向かう。それに合わせてアイゼンが距離を更に詰め相手の近くで腰を落とし、空振りの正拳突きを放つとそこに圧縮された空気が生まれて相手に打ち出された。それをくらった対魔士は吹き飛びはしなかったが体制が崩れた。体制が崩れた対魔士をアイゼンは見逃さず大きくスウェイすると拳に冷気が出て、その拳を固め、そのままフックで殴り抜ける。そして最初に放った真空破が対魔士を飲み込み真空破が収まると対魔士は消えていた。

 

(……私の出番無かったな。)

 

と出番の無さに一人、不敵されてるとー

 

「エレノア様!!」

 

と増援が前と後ろに現れて挟み撃ちの形となってしまった。

 

「ちぃっ、増援か。」

 

とロクロウが言いながらアイゼンと突撃するが対魔士が火球を用意しており二人向かいに放たれ二人が煙に包まれて見えなくなってしまったー

 

(ッッ!!二人とも!!)

 

対魔士が放った火球が当たってやられたのではないかと思った私の横に対魔士が放った火球を間一髪で避けながら此方に戻った二人がいた。

 

「良かった!二人共!!」

 

「飛び道具は向こうの方が上か!」

 

「頭を潰せ!」

 

とアイゼンが此方を見て言うのを聞いたベルベットと私はー

 

「分かってる!!」

 

(私も一緒に!!)

 

エレノアさんに向かい私はガンブレードをベルベットは業魔の腕を出しエレノアさんを倒すために脇目も触れずに向かっていった。

 

「くっ!!」

 

「エレノア様を虐めるなでフ~!」

 

「「邪魔!!」」

 

「ビエ~~……!?」

 

途中に出てきたビエンフーを私はガンブレードでベルベットは業魔の爪で斬りつけ吹き飛ばした。

 

そして吹き飛んだビエンフーはー

 

「ワァ~!!」

 

「会いたかったぞ~ビエンフー♪よくも儂から逃げてくれたのう。」

 

とライフィセットに受け止められ無事を得たと思った束の間その後ろには彼(?)にとっての悪魔がいた。

 

「マ、マ、マギルゥ姐さん~!?」

 

「元鞘に戻って貰うぞ。七つ目の森に生まれし一族よ。今、再び契りを交わし我が悶々たる祈念、混沌を極めし一滴とならん。覚えよ、汝に与える;真名を!『フューシィ=カス』。」

 

「ビエ~ン!そ~バット!」

 

と驚いた彼(?)を掴み契約の魔法(?)を唱えるとビエンフーは魔方陣に触れた瞬間光となり消えてしまった。

 

「ふっふっふ……みなぎってきた~!」

 

「この力は対魔士!?」

 

「ちが~う儂こそは乾坤宇天を玩具にし、鬼をもおちょくる大魔法使いー」

 

と言いながらマギルゥは回転しながら腕から水を出し後ろにいた対魔士を複数倒してー

 

「あ、マギルゥ姐さんと覚えておけ~い!!」

 

歌舞伎の見栄のように名乗り上げた。

 

「人のみで業魔に味方するとは……恥を知りなさい!!」

 

「じゃそうじゃよ~ラナよ~お主も人じゃからの~」

 

と黙ってエレノアさんの言葉を聴いていたマギルゥは、私に向けて言った。

 

「私はそのもう弁解できないから手遅れかもしれないかな。」

 

「そうじゃな~ベルベットと共にもう色々と悪いこともしてるしの~」

 

「そんな私達がそういう関係みたいに言わないでよ!!」

 

「ん~そうじゃないのかぇ~♪お前達~。」

 

と今度は私をからかい始めたマギルゥを止めるとベルベットが此方に向けてー

 

「黙ってなさい!!次が来るわよ!!」

 

と叫ぶのを聞き振り返ると対魔士が槍や剣を向けて此方に向かってきていた。

 

(どうしよう!?)

 

と私が悩んでいるとマギルゥが此方に近づいてきて耳打ちしてきたー

 

(お主、火の魔法を出せ出来れば強い奴をな~)

 

(……分かった信じてるからねマギルゥ!)

 

とマギルゥの言葉に乗り私はエウメニデスを出してマギルゥの言うとおりー

 

「行くよ!龍狼!!」

 

とエウメデスを上に上げて地面を叩くとラフィを助けた時と同じように火で造られた龍と狼が出てきた。

 

「!?龍と狼!?対魔士でもないのになんて火力なの!?」

 

と驚いているエレノアさんを見てマギルゥはー

 

「もう一つオマケじゃよ♪」

 

と言い両腕を振るうと龍には雷が狼には風が纏わられた。

 

「「風を纏いし狼よ!!雷を纏いし龍よ!!我が敵を討てィ!!雷龍風狼!!」」

 

とマギルゥに合わせて対魔士達に手を振りかざすと雷を纏った龍が対魔士達に纏わり付き体で絞めると雷が流そこに狼が上から入ると巨大な雷を纏った炎の竜巻が吹き荒れ対魔士達を消し去った。

 

「そ、そんな!?ぐぅぅえ!!」

 

(ベルベット!?)

 

と全てが終わって近くを見るとそこには女性など関係ないと言わんばかりの容赦のない腹パンをベルベットがエレノアさんにかましてエレノアさんが女性の声とは思えない声を上げて倒れ込むところが眼に映った。

 

「ま、待ってくれ!全て聖寮の為にやったことなのだ。神殿建立の費用が要ると言われて、それで赤聖水を……勝手に製造量を増やしたのは悪かった!だが、それもワシなりの救済のつもりだった。話し合おう。誰に頼まれた?被害者か?医者共か?それともー」

 

 

とベルベットにギデオン大司祭は後ろに下がりながら自分は救済の為にやり話し合うことを言うがー

 

「まさかアルトリウスか!!」

 

「!!」

 

「やはりそうか!!アルトリウスめ!!私を消して闇に葬り去るつもりか!!おのれ……!私がどれ程援助してやったと……」

 

「……いかん!」

 

と予想外の名前を聞いたベルベットが驚きで止まったのをアルトリウスが命令したのだと勘違いした大司祭は闇を放ちながら業魔に変わった。

 

「ベルベット!!」

 

「救世主面の若造がぁぁ~~ッ!」

 

とベルベットを心配し近づいてきたライフィセットを斬りつけようとするもー

 

「ぐッッ!!」

 

(ベルベット!!)

 

「消されてたまるかっ!!」

 

と言うと扉から外に出て逃げ出した。

 

「くっ……ぼさっとしないで。死んだら本は読めないわよ。」 

 

「ベルベット……こそ…」

 

と言い回復してあげていた所をマギルゥが追わないと逃げられると言うと直ぐに追い掛けることにした。

 

 

「グギャアア!!」

 

「コイツは何?」

 

追い掛けてきた私達が見たの結界を張られて出れなくなっている色々な動物が合成された見た目の業魔とその業魔に喰われている大司祭だった。

 

(コイツは今の疲れている私達にはキツいかも……)

 

とどうするべきか悩んでいるとー

 

「業魔が……人に戻った……!?それにこの業魔は!」

 

といつの間にか私達の後ろにエレノアさんがいて信じられないモノを見るような目で業魔と亡くなっている大司祭を見ていた。

 

「聖寮がこの業魔を捕まえてるって事か!」

 

「この結界……前にも何処かで……」

 

「何はともあれ依頼は果たせたの。結果的にじゃが。」

 

「……そうね。報告に戻るわよ。」

 

と私達が戻ろうとするとー

 

「大司祭に何を……!?それにこの業魔は一体……!?」

 

この状況に混乱しながらも此方に槍を向けるとエレノアさんが居た。

 

「知らないし興味も無い。」

 

「巫山戯るな!!」

 

とベルベットが無関心に言うとエレノアは感情的な声で返したのだがベルベットは対魔士の力が無い状態では私には勝てないと言い私達は出てこうとしたのだがー

 

「何で貴方はこんな業魔なんかと付いていくんですか!?私には貴方の考えていることが分かりません!!貴方は前に会った時にどっちが正義か分からないから見極めるために業魔の傍に居るとこれを見てもそう言えるんですか!?」

 

と私の存在を否定するような怒りが込められた言葉を私に投げかけた。

 

「今日私は、聖寮の所にはこんな業魔を管理している所を見てアルトリウスも、もしかしたらエレノアさん達がの思う絶対的正義では無いと思ったんだ。だからエレノアさんも自分でアルトリウスの言うその正義が正しいか確認してみたらどうかな。」

 

と私がエレノアさんに言うと先に行ったはずのベルベットが私の言葉に続いて口を開いた。

 

「ラナの言うとおりだわ。アンタはアルトリウスのやった事を何も知らないだからこそアルトリウスの言う正義は正しいと思ってる……そんなのは正義とは呼ばないわ本当の正義って言うのは自分が覚悟して例え否定されようがそれを一生背負うモノの事を言うのよ……私みたいにね。それにどっちか正義か見極めるために私達と居るラナの方が疑問を抱き始めてるアンタよりは自分の正義を貫いてると思うわよ。」

 

「!?わ、私は!!……」

 

(……ベルベット)

 

 

「さぁ行くわよ!ラナ。」

 

 

「……うん。」

 

 

と言い私は何も言えないでいたエレノアさんを尻目にベルベットと一緒に行き出口に向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 




次回はまた近い内に投稿します

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