そして私達はゼクソン港へ向かって足を進めているとライフィセットが下を向いて歩いておりそれに気づいたロクロウが心配し、声を掛けた。
「どうかしたのか、ライフィセット?元気がないみたいだが。」
「いつものことじゃろーが。」
「お前は引っ込んでろ。」
「ロクロウは業魔の剣士。アイゼンは聖隷の死神。マギルゥは変な魔女。ラナは多分普通の人間。でも僕は……なんなんだろう?」
「ふむう……哲学的な質問だな。」
「お主は、ベルベットの道具で非常食じゃろ?」
「こら!マギルゥ!ライフィセットにそんな言い方しない!!」
「そう言われた……テレサ様にも;道具;って。でも僕は……生きてる。」
「そうかライフィセットは自分が何なのか、気になり始めていたんだな。なら答えはひとつだ。『自分で決めろ』」
「……え?」
「自分で決めて良いんだ。どうしたいのか全部。」
「それが;生きる;ということだ。お前の舵は、お前の手の中にある。」
「僕の舵……自分で……」
「悩めば良い。それも生きてる証だ。」
「答えを出すまでは守ってやるよ。お前の術には、世話になってるからな。」
「ラナも僕の事と一緒に居てくれる?」
「うん!勿論だよもし舵を見失っても私がライフィセットを支えてあげる!だから自分の思ったままに、ライフィセットは進んで良いんだよ。」
「ラナ……うん!分かった!ありがとうねラナ。」
「本当にお主ラナの事が好きなんじゃな〜見てるこっちが胸焼けしそうじゃわい。それよりも気をつけい。ラナはともかく言っとるのは業魔と死神じゃからな。」
「邪悪な魔女もとり憑いてるしな。」
と話しているとかなり前の方にいたベルベットから置いていくと言われて急いで後を追った。
それから私達はベルベットに合流してゼクソン港へと着き偵察部隊と合流し情報を交換しようとしたのだがまだ検問から情報が来ないらしく暫く待つ事となり私達は一旦散らばり買い物や食事などの小休止をする事にした。
(もうすっかり夕暮れだなぁこんなに買い物もしてしまってパンドラに入って良かった〜……あそこに居るのはベルベットとライフィセット?声を掛けてみよっかな。)
と思い声を掛けようとしたのだが口を出せる空気ではなかったので気付かれないように近づいて話を聴くことにした。
「海が好きなのね。」
「海……波は……怖い。後サメや変な魚も……でも、凄く大きくて、不思議で……あの先に何があるのかなって考えると−ドキドキする。」
「……私の弟も海が好きだった。」
「ベルベットの弟……も?」
(そうなんだ。)
「岬で、良く海を見てた。潮風は体が冷えるからって叱っても全然言う事聞かなくて−」
と優しい声で振り向き言葉を続けるベルベットの眼を見た私は−
「アンタも、この子と同じように思っていたんだね。」
(べ、ベルベット!?)
一瞬、ほんの一瞬だが眼に底知れない絶望と哀しみが映っている気がした。
「羅針盤……買ってあげたかったな……旅だってさせてあげたかった……」
(ベルベット……)
ほんの少しだけどベルベットの本音を聴けた気がした。とその時に間が悪く偵察が戻ってきたとロクロウが叫びながら此方を向いて言ってきた。
「ライフィセット……アンタはそこに居るラナと残って良いのよ?」
(いっ?バレてる!?)
「!!僕は……」
と手に持ってる林檎と私、それにベルベットを見てハッキリとした声で−
「ベルベットと一緒に行く。」
と言うとベルベットは一言返しロクロウ達の居る門へと進んでいった。私はライフィセットに行こうと声を掛け門へ向かおうとしたのだが−
「うん!ラナお姉ちゃん!」
そのライフィセットの言葉を聴いた私はライフィセットとラフィがブレては重なりを繰り返してライフィセットの顔が見え、幻覚だと思い眼を瞑りもう一度見るとそれはおさまっていた。
「ど、どうしたの?ラナ?体調悪いの?」
「だ、大丈夫だよ!行こうライフィセット!」
「う、うん。でも無理はしないでね。」
「分かってるよ!」
と2人で向かうとどうやら検問がペンデュラムを使う聖隷に襲われてるらしくそのペンデュラム使いの聖隷はアイフリード海賊団の船長が行方不明になった時にあった武器らしくアイゼンはそれを聞き先に行ってしまったらしい。私達はアイゼンを追いかけてこの混乱に乗じて更に戦況をかき回しながらその聖隷を利用して突破して行く事にし、先に進んだ。
先に進むとアイゼンと銀髪の胸に爪の傷のある青年(?)が闘っていた。
「やるじゃないの。何者だい?」
「死神アイゼン。アイフリード海賊団の副長だ。」
「アイフリードの身内か!こりゃ、また楽しめそうだ!」
「……やはり、お前がアイフリードをやったのか。」
「いいねぇ……いい気合いだ!」
「落ち着きなさい、アイゼン!コイツは聖隷で、聖寮を襲った。協力すれば結界を通れるわ。」
とベルベットが青年とアイゼンに説得
しようとするが−
「つまらねぇ理屈言うなって。」
「俺は俺のやり方でケジメはつける!」
「「邪魔するな!!」」
と一蹴されて頭に来たらしいベルベットは歯を一度食い縛り−
「そう。じゃあ、アタシもアタシのやり方でやらせてもらうわ。」
(ま、まさかベルベット……2人ともやる気じゃ……)
と考えてるとベルベットに「ライフィセットは任せたわよ!」と私に言うとベルベットは−
(や、やっぱりそうだった。)
2人に向かい突撃して行ってしまった。
「わ、ワシらも後に続くんじゃ!!」
「言われるまでもない!ラナはライフィセットを頼む!」
「うん!分かったよ!」
とライフィセットを任されて数分後モノの見事に2人とも倒された。
「はは……おもしれぇな、あんた。この結界を開けてどうする気なんだ?」
「導士を殺す。」
「ひゅ〜♪そいつはスゲェ!」
「コイツは本気だぜ。」
「……わーった。喧嘩に勝ったのはあんただ。どうすりゃいいんだい?」
と青年が聞くとマギルゥの前にビエンフーが前に出てきた。
「では、聖隷のお歴々!結界の前に〜♪」
と言うマギルゥの合図(?)でライフィセットが手を結界に当てると結界が弾けて消えた。
「後は任せたぜ。その方が、対魔士どもの慌て顔が見れそうだ。」
と去ろうとするが−
「待て。まだ肝心なことを聞いてねぇ。」
「それ以上はやめておこうぜ、アイゼン。命のやりとりになっちまう。」
「!!何者だ、お前は?」
「風のザビータ。ただの喧嘩屋さ。」
とアイゼンに引き止められ自分の名を名乗って今度こそ去ろうとし歩き私とすれ違った瞬間−
「ふん!」
風を纏わせた拳で思いっきり殴りかかってきた。
「な、何をするんですか……!!」
「悪い悪いでも俺の感が当たったな。」
と反応が間に合いギリギリのところで拳を受け止めた私を見てそう言った。
「感?何のことですか?」
「簡単なことよ嬢ちゃんアンタここに居る誰よりもいずれ強くなるって思ってな、女性に手をあげるのは気がすまねえが試させてもらったがやっぱりそうだ。じゃあな嬢ちゃん!次は俺とも喧嘩しような!」
と今度こそ風と共に消えていった。
「結界は開いたわ。追うなら止めないけど。」
とベルベットがアイゼンに聞くとメルキオルの方が近いからという理由でついてくることになった。
そして私達は聖隷術という仕掛けを解きつつも前に進みかなり長い階段を少し遅れて登り切ると先に着いていたロクロウがアルトリウスの使う技についてベルベットに聞いていた。
「ベルベット。アルトリウスはどんな技を使うんだ?」
「左手一本で振るう長刀よ。それにシアリーズっていう火を操る聖隷。けど……ソイツはもう殺した。」
「ソイツの代わりに、カノヌシを名乗る聖隷を使役しているのか。」
「おそらく。けど、ソイツがシアリーズ以上の連携をとれるとは思えない。」
(ベルベット多分私の推測が正しいならカノヌシは……)
言い出せない私を置いて話が進んでいると−
「む!見ろ!大量の業魔だぞ!!」
(な、何あれ!?数十いや100体……いやもっと居る!?)
私達が来た階段の道を埋め尽くす程の業魔がそこに居た。
「どうする?ベルベット?こんな奴らを相手にしてる時間はないぞ!!」
「ッッッ!!分かってるわよ!!今考えてるわ!!」
と考えてる皆に向かって私は−
「皆は先に行って……此処は私が何とかするから。」
「ラナ……アンタ!!」
と言い振り向いて業魔の群れに行こうとすると−
「ラ、ライフィセット!?どうしたの?」
「嫌だ、駄目だよ。行っちゃ、行ったら幾らラナでも死んじゃうよ……」
とライフィセットが小さい体で私の腰に両手を回してその小さい手からは信じられない程の力を込めて私が行かないように止めていた。
「ねぇベルベット、もしも私が帰って来れなかったらさライフィセットをよろしくね……」
「……ッ!!行くわよ!!皆!!」
「応!!感謝する!!ラナ!!」
「済まねぇ!ラナ!!お互い悪運が強く生きれたらまた会おう!!」
(ありがとう……皆……)
そしてベルベットは強引に私の腰からライフィセットを離し抱えて此方を振り向かずに進んだ。
「嫌だ……嫌だよ……ラナ!!ラナァァァ!!」
ライフィセットの叫ぶ声が扉が閉ざされ聴こえなくなった瞬間−
「さぁて始めますかね!!」
私の引けない戦いが始まった。
「とりあえずまずはこれでも喰らえ!!ガンルーレット!!」
ガンブレードを出し逆手に持ちながら回転し四方八方に駒の様に回りながら業魔の群れに向かって乱射し、群れの中の鼠の業魔数体と蛇の業魔数体、それとダイルさんにとは色が違う蜥蜴の業魔が数体消しとんだ。
(こんなにあっさり……?案外柔らかい?)「今は気にしてる暇なんてない!!次はこれ!!炎龍風龍水龍土龍!!」
アポカプリプスの花びら4枚を覆い隠す様に触れて花びらを勢いよくちぎりアポカプリプスを地面に刺す−するとそれぞれの属性を纏った龍が水辺や地面や木が燃え上がり飛び出て業魔の群れに向かいその口や体で喰らい潰していった。
(まだいるの……もう私は……)
それでも減らない業魔の群れに絶望しかけてるがベルベット達が扉の中におり私が此処で諦めたらベルベットが窮地に落ちることを思い出しなんとか立ち直れた。
(それでもこの数……どうすれば良い……考えろ……)
それから少し考え私は−
「一か八かだけどやるしかない!!」
そう言いながらアポカプリプスを遠くに投げつけて業魔を数体倒しその隙にパンドラから買い込んでいた油、炎石に瓶に入った硫黄を全部空に投げるそして−
「……いくよ」
エウメニデスとガンブレードを出し、空に向かってエウメデスの火を込めた銃弾やエウメデスで有りったけの炎を出して次々と辺り一面が私の身体を巻き込みながら爆発した。
(た、倒した?でもベルベットからもらった羽織破れちゃったな……)
爆発が収まり、何とか生きていた私がベルベットに貰った茶色の羽織が破れて使い物にならなくなってしまったことで今後はどうしようかと考えようとした私の眼に−
「う、嘘……」
倒した業魔とは違う業魔の群れが私に向かってきた。
「あ、あれ……か、身体が動かな−」
と立ち上がろうとするが倒れてしまい、意識も消えようとしていた。
(私はまだやらなきゃ……ごめん……ベルベット……ごめんライフィセット……)
2人に止めれなかった事を謝罪したと同時に私の意識は完全に途切れてしまった。
ラナが倒れた10分ほど後−
1人の業魔が倒れているラナを連れ去らおうとするがそれを何体の業魔達が次々と誰がラナを連れ食糧又は苗床にしようと決める為に業魔同士の戦いが始まっていた。
「グフフフ馬鹿な知能足りん業魔共め!この女はオれサまが貰った。うン!?な、ナんダ?コノカンじは?」
そんな中1人のまだ自我が多少ある業魔がラナを拐おうとし担ごうとした瞬間後ろから殺気が感じられ振り向くと−
「お前みたいな業魔如きがラナお姉ちゃんを汚して良いとでも思ってるのか?」
「ッ!!」
後ろに立っていたラフィに手に持っていたアポカリプスで斬り飛ばされ呻き声もあげる間も無く殺された。
「全くラナお姉ちゃんを汚していいのは僕だけなんだから何を勘違いしたらそうなるのか分からないね。」
と言いながらラフィはラナを風の魔法で持ち上げてお姫様抱っこで抱き抱え跳ぼうとすると−
「ああまだ居たなそういえば。」
飛び立たせない様に業魔達がラフィの前に立ち上がった。
「とりあえずさ僕とラナお姉ちゃんの邪魔だからさ早く消えてくれないかな?早くラナお姉ちゃんの治療もしなきゃいけないし何より2人だけの時間が欲しいんだよ僕は。」
と業魔の群れに言うも業魔達はお構いなしにラフィに襲いかかるも−
「忠告はしたよ。」
と言うとラナを下ろし風の魔法で覆いドーム型の空間を造るとアプカリプスを思いっきり業魔の群れに向かってやたらめったら斬りまくるとアプカリプスの斬った空気が衝撃波となり業魔の群れは跡形もなく消え去った。
「邪魔なこの羽織は捨ててっとあ、忘れてた後この武器も戻してっと、よし!!さぁてと僕達の場所に行こっかラナお姉ちゃん♪」
と言いラナのボロボロの羽織を爆発した焦げ跡がある場所に放り投げてパンドラにアプカリプスを戻し、ラナを改めて風の魔法で持ち上げてお姫様抱っこをすると光となって消えてった。
次は恐らくですが少し原作から外れますのでご了承下さい