聖寮本部内部はオリジナルの構造になります。
(此処はカプセル?)
業魔の群れを前にして倒れてしまい、意識を失った私が眼を覚ますとカプセルの様なモノに入れられていた。
(此処が何処だか分からないけど早く出てベルベット達と合流しなきゃ……)
私はどうにかして脱出する為にまず周りを見渡すと−
(あ、あれは私!?)
髪の色だけが違うもう1人の私がそこに居た。
「ッッッ!?ハァハァゆ、夢!?」
今度こそ眼を覚ますと知らない部屋で寝かされていた。
(此処は何処なんだろう?兎も角此処から出なくっちゃ!!)
痛む身体を抑えながらなんとか起き上がり部屋の扉を開けようとすると−
「あ、やっと起きたんだラナお姉ちゃん♪」
とラフィが皿の乗ったお盆を持って部屋に入ってきた。
「ラ、ラフィ!?何で此処に!?」
「何でって僕がこの場所まで連れてきたから居るんだよ。」
「そうなんだありがとう!ねぇラフィ業魔の群れはどうなったの?」
と礼を言いラフィに業魔の群れがどうなったか聞くとラフィは此方を見ながら笑顔で−
「僕が全部倒したよ。」
と衝撃的な事を言った。
(あの業魔の群れを!?やっぱり私の想像どうりならラフィて……)
私はこの機会にずっと聴きたい事をラフィに聴くことにした。
「ね、ねぇラフィてもしかしてベルベットの……?」
聴こうと口を開く私をラフィは私の唇に人差し指を当てて遮り小悪魔的な笑みで−
「今はな〜いしょ♪」
笑顔で言った。
「所で此処は何処なの?ラフィ?」
「此処はね王都ローグレスの聖寮本部の一室だよ。」
強引に聞いても答えてくれないだろうと思い自分が何処に居るのか聞くとラフィは衝撃的な場所の名前を言った。
「え?へ!?え?ほ、本部!?」
「困惑してるラナお姉ちゃんも可愛いな♪」
「じゃなくて何で此処に連れてきたの?」
ラフィに聴くとラフィは窓のドアに腰をかけて指を鳴らす。すると白い服が現れた。
「コレを着て見て。ラナお姉ちゃん。」
私にその服を渡した。
マジマジと服を見てみると紋章が広がっており4方向に赤色と青色と緑色と黄色の球の様なモノが埋め込められてるデザインの刺繍が入っているのが見えラフィに刺繍が気になった私は尋ねてみることにした。
「この紋章と刺繍は?分かる?ラフィ?」
「この紋章はねアーサー義兄さんが導師の象徴にする予定の紋章の候補なんだって。それとこの色は僕が言った色なんだ。因みにこの色は『カノヌシ』を覗く聖主の象徴する属性の色なんだ。」
「へぇそうなんッッッ!?」
とその言葉を聴いた瞬間私の前に紺色のシャツを着てその上に私の持っている服と似た白いマントを羽織った焦げ目の茶色の髪の青年が目の前に立っていた。
「き、君は一体!?」
聴こうとすると綺麗な緑色の眼で此方を静かに見ていた。
(綺麗な眼……)
見惚れていると彼はゆっくりと口を開いた。
「ラナ、俺は『彼女達が愛し、そして憎み繋げたこの時代』を『マオテラス』と一緒に『ヘルダルフ』を浄化して世界を未だ残ってる業魔や『憑魔』になってしまった人達救って『災厄の時代』を終わらせる。ラナ、最期まで一緒に戦ってくれる?」
(か、彼は一体誰なんだろう?もしかして『この時代よりも後の導師』なのかな?)
彼について考えてるとパンドラが光り私の口も私の意思とは関係なく動いた−
(く、口が勝手に!?)
「私も最期まで一緒にいるよだから『スレイ』一緒に世界を救おう。」
私の口から私の意志とは関係なく発せられた言葉を聴くと『スレイ』と呼ばれた青年は微笑み私に近づき−
「ありがとう!ラナ……」
感謝の言葉を伝えると消えていった。
(さ、さっきのは幻?)
「大丈夫?ラナお姉ちゃん?水持ってきたから飲んで落ち着いて。」
「大丈夫だよラフィ。ありがとう。」
ラフィが持ってたコップに入った水を飲み息を吸い込み落ち着いたのを確認したラフィは−
「取り敢えずアーサー義兄さんが上の階の部屋で待ってるからアーサー義兄さんの所に対魔士に場所を聞いて行って。僕は此処では存在を知られちゃいけないから隠れるけどラナお姉ちゃんと一緒にいるから安心してね。それと僕の呼び方はラフィじゃなくてラフィーだよ。」
言うと姿が薄れて消えてしまった。
(取り敢えずこの服を着て−)
服を着ようとすると消えたはずのラフィーが現れた。
「忘れてた!この部屋はラナお姉ちゃんが使って良いってさ。今度こそじゃあね〜また会おうね〜ラナお姉ちゃん♪」
言うと今度こそ姿が薄れて消えてしまった。
(取り敢えずアルトリウスの所に向かわないと……)
ラフィーが置いていった服を着てアルトリウスの所へ向かった。
「……やっと来たか。」
「済みません!遅れてしまって!!」
(大分遅れてしまった。)
此処の建物の構造が独特で対魔士達に場所を聴いて来ても大分遅れてしまった。
「まあ良い……担当直入に言うラナよ。お前には特等対魔士になってもらう。」
「え?何で私なんかが、特等対魔士何ですか?」
聞くとアルトリウスは少し顔を歪め理由を話し始めた。
「お前は『カノヌシの体』である『彼』と交流し、『彼』の欠落していた『心』を生み出してしまった。更にお前はその『腕輪』に『彼』の力を受け取った事によってどういうわけか、本来なら有り得ない私の他の『2人目のカノヌシの契約者』になってしまった。」
「ッ!?」
その事実は私にとって衝撃的なものだった。
「そ、それはなんとか出来ないんですか?」
「それは厳しいな。『心』がないままならまだしも今の『カノヌシ』は『心』が芽生えてる。最近は私の言うことも聞かなくなってる。仮に唯一言う事を聴く君に頼んで説得した上で方法も分からず無理矢理に、君から力を取ろうとすると最悪2人とも消滅しかねない事がメルキオルの極秘の調べで分かった。だから君には『カノヌシ』の制御の為の対魔士になって欲しいと言う私の考えで此処に来て貰い対魔士にさせるという『カノヌシ』の案に乗る事にしたんだ。まあ建前は永久欠番の特等対魔士のマギラニカの代わりという体でだがな。」
「そうなんですか……」
「勿論だが、『カノヌシ』を制御する装置を作ったら君はベルベット達の元に帰って良い……『アルトリウス』の名の下に約束しよう。どうだろうか?引き受けてもらえるか?」
「良いですよ私も貴方の言う;正義;というものを見たかったので。」
部屋から立ち去ろうとする私にアルトリウスが予想外の質問をしてきた−
「そういえばだがラナ、お前は苗字はないのか?」
「!?みょ、苗字ですか?」
(苗字は考えてなかった〜コレは苗字が無いと言ったら疑われるよね……多分だけど……ええと良い苗字はなんかあったっけ?)
その質問に焦って苗字を考えようとするとアルトリウスが懐かしい光景を見てるかの様に眼を細め優しい口調で助け舟を出してくれた。
「ラナ、お前は、手違いで監獄島に収監され、ベルベットに見つけられ一緒に行動しており私が調べ、亡き妻『セリカ』の遺言通りに極秘に対魔士にしていたという事にする。よってお前の名前は対魔士の時は特等対魔士ラナ・クラウとなるがこの案で良いか?」
「良いんですけど……聞かないんですか?私の名乗れない理由を。」
そう聴くとアルトリウスは−
「人は誰しも秘密を持って生きている。だからこそ、その秘密を話せない気持ちは分かるからこそ私は自分から話さない限り聞きはしない。明日はオスカーとテレサに頼んでこの場所の案内を頼んである。案内で大体の事はそれで分かる。明後日からは随時指示を出させる様にする。今日はもう遅いゆっくり休んで明日に備えてくれ。頼んだぞ!特等対魔士ラナ・クラウよ。」
「分かりました。」
部屋を出て自室に戻ろうとすると−
「最後に一つ聴きたい君は『何故鳥を空を飛ぶと思う?』」
とアルトリウスに聴かれたので私はアルトリウスの方を振り向いて−
「鳥はその人生で学んだ事を次の世代に伝える為に羽ばたいて大切なモノを伝えていく為に飛ぶと私は思います。」
自分なりの答えを言うとアルトリウスは笑い「やっぱり似ているな『セリカ』に」と一言呟くと後ろにある本を取り読み始めた。
(何で笑ったんだろう?ま、気にしない方が良いよね。)
本を読むアルトリウスに一礼し、部屋を出て与えられた部屋に戻り休む事にした。
次回はオスカーとテレサと聖寮案内の予定です。そして次回ラナがあの自由奔放の特等対魔士に襲撃される!?
次回をお楽しみに!!
11月27日追記ヘルダルフの名前を間違えていたので直しました