(うう〜んもう朝か……早いな……っ!?)
窓から差し込んだ太陽の光で目覚めた私が眼を開けるとそこには−
(ラ、ラフィー!?い、いつの間に部屋に!?)
いつの間にか同じ布団でラフィーが猫の様に丸まって寝ていた。
(と、取り敢えず起こさない方が良いかな?)
と思い起こさない様に布団から出ようとするが−
「まだオスカーとテレサは来ないからギリギリまで寝てようよラナお姉ちゃん♪」
「!?」
起きていたラフィーに、手を掴まれて引き寄せられて布団の中に引き込まれた。
「は、離して!ラフィー!もう準備しないと…」
と言うもラフィーは、「だ〜め」と言いながら私の腰を掴み抱き寄せた。
「だってさ、もうちょっとしたらさ、オスカー達が呼びに来てラナとは少しの間とはいえ会えなくなるからさ。今の内に成分補給しないと♪」
と言うと笑顔で更に力を込めて抱き締めて寝ようとするラフィーを見て私は
−
(こうしてると、何処にでも居る普通の男の子なんだな〜)「仕方ないなぁ少しだけだよ。」
「うん♪」
と少しの時間だけラフィーと共に布団の中で過ごす事にした。
そしてそれから数分後に私は対魔士の服を着て、オスカーとテレサを待っているとラフィーが布団からいき良いよく起き上がり私に「じゃあ何かあったら呼んでねラナお姉ちゃん。」と一言言うと、消えていった。その少し後に部屋が開きオスカーとテレサが部屋に入ってきた。
「おはようございます。ラナ、体調は万全ですか?」
「万全ですよ。」
「そうですか……それでは昨日にアルトリウス様から聞いていらしてると思いますが今日は貴方に聖寮の中を案内致しますのでしっかりと場所を覚えて聖寮の為に尽くして下さいね。」
「ハイ!分かりました。」
「貴方も行くわよ。オスカー。」
「分かりました!姉上!」
早速私の部屋を出て、オスカーとテレサによる案内が始まった。
(姉上?もしかしてオスカーとテレサって……)
オスカーがテレサの事を姉上と呼んだ事が気になり聞いてみる事にした。
「ねぇオスカーもしかしてオスカーとテレサってさ……姉弟なの?」
「あ、ええ、そうですよ。」
「でもさオスカーとテレサって何となくなんだけど……あんまり血の繋がりを感じないんだよね……顔も良く見ると似てるけどなんかちょっと違うしさ。」
「それは……その「それはですね私は、オスカーの異母姉だからですよ。」姉上!!」
とテレサが言葉の詰まったオスカーの代わりに答えるとオスカーが声を荒げ、テレサに何かを訴える眼を向けた。その視線を見て私は話を切り上げようとしたのだがテレサが口を開きオスカーと自分の事を語り出した−
「良いのですよオスカー。ラナは聞いてもドラゴニア家の人の様に私達を無下に扱う事はないと私は思います。」
「で、ですが姉上!」
「仮にラナがそういう人間ならば貴方の傷を治したりなどしない……オスカー貴方自身が一番分かってると思ってましたが違うのですか?」
テレサにそう言われてオスカーは「そうですね……」と言い一歩下がるのをテレサは確認すると此方を向き真剣な表情で話し始めた−
「まず私は、オスカーの父つまり名族貴族であるドラゴニア家の当主と身分の低い妾の間に産まれた子であり先程も言った通りオスカーにとっては義姉なのです。私が産まれると妾である母は、屋敷に呼び込まれ、それまでの人生では考えれない幸せな気持ちで過ごしていました。私もそんな母と父が好きでした。ですが私が成長するにつれて父やオスカーの母は、オスカーや私よりも、長男であり次期当主であるもう1人の兄の事しか見なくなり更に私の母もそんな時期に亡くなってしまい、私はただの使用人の1人として扱われる事になり誰も私の事を父の娘と見なくなり私が死の道を選ぼうとした時ただ1人だけそうオスカーだけは私の事を姉上と呼び慕ってくれ私の弱った心を支えてくれたおかげでドラゴニア家で過ごす事が何とかでき更にそれから少し時間が経ちオスカーがドラゴニア家の意向で聖寮の入団させる事にし、私もそれを追いかけて聖寮に入り今に至る訳です。」
「………」
その話を聞いた私は顔から止めどなく涙が溢れて溢れてしかたなくなってしまった。
そんな私を見てオスカーは自身のズボンのポケットから布を出すと私の涙を拭き取り−
「やっぱりラナ、貴方は僕が思った通り優しい人で良かった。それと伝えるのが遅くなりましたがあの時治療をしてもらってありがとう。この恩は一生忘れない。」
「やっぱりラナ貴方だったんですね。オスカーを監獄島で治療した女性というのは……私からもお礼します。ありがとう。ラナ……」
とオスカーとテレサから溢れるばかりの気持ちが篭っている感謝の言葉で礼を言われた。
「……落ち着きましたか?ラナ?」
「ええ……済みません。もう大丈夫です。」
「では改めて行きましょう。」
「はい!」
それから数分後に落ち着きを取り戻した。私は改めて聖寮内部を案内してもらう事にした。
部屋から少し歩き階段を降り一階に行きすぐ曲がると左右の部屋があり左の扉を開けるとそこには包丁で肉を捌いたり食器を運んでいる人や座っている人が見えた。
「此方が食堂で対魔士達が交代で各地で取ってきた食料で食事を作り食事をする場所です。」
「因みに姉上の作る食事は美味しいんですよ。今度ラナも機会があったら是非とも食べて欲しい。」
「うん!機会があったr「まぁ!オスカーたらお世辞が相変わらず上手いですね!」
「姉上の料理が美味いのは当たり前ですよ!」
と私をそっちのけに仲睦ましく会話をしている2人を見て私は−
(本当に仲の良い姉弟なんだな……というかテレサてこんな風に明るく笑う人だっけ?なんか意外だな……)
と2人に初対面で抱いていた印象が少し変わった。
落ち着きを取り戻したテレサが右の扉を開けるとそこには対魔士達が椅子に座り真剣な表情で本を読んでいたのが眼に映った。
「先程は取り乱してしまい申し訳ない……此方の部屋が図書室になっており対魔士である限り自由に入り調べられる場所になり主に業魔についてもしくはこのローグレスの歴史を調べる時に利用する事が多い場所です。」
「此方にはいつもは部屋に篭りっきりのメルキオル様が顔を出す事もある珍しい場所でもあるんですよ。」
(じゃあメルキオルと会うチャンスがあるとしたら部屋かこの図書室だけなのか……)
とメルキオルと話せる場所に目星をつけてながら考え歩いていると大分テレサ達と距離が開いてしまい急いで追いかける事にした。
それから通路を通り別の建物に扉を開けて入るとそこには対魔士達が寝ていたり剣を振るっていた。
「此方が二等対魔士達が生活している場所で、二等対魔士は食事の時以外は此処で生活しています。」
「そうなんだ。」
そしてそれから通路を通り戻り階段を上がり私の部屋を通り過ぎて一番端っこの扉を開あけるとそこは対魔士達が木刀や聖隷を出し模擬戦を行なっていた。
「此処は一等対魔士や特等対魔士が模擬戦を行う事が出来る部屋で主に訓練様に使われてますね。」
「へぇ〜そうなんだね。」
「今此処には「オスカー様!テレサ様!アルトリウス様から急用につき至急部屋に向かう様にとの命令が」……分かった。今向かう。申し訳ないのですがアルトリウス様に呼ばれてしまいましたので此処で稽古を観て僕達が来るのを待っていて下さい。案内の続きは戻ってきたからにしましょう。さあ行きましょう!姉上!」
と言い2人とも部屋を出て急いで向かってしまった。
(とはいえ此処で来るまでずっとただ観てるわけにもいかないしなぁ)
と私が観ながら次の行動について考えてると−
「……………」
(うん?あの人なんで私の事を見てるんだろ?)
視線を感じその視線の方見るとそこには上半身が肩以外は裸で白とオレンジの和服を着た黒髪の額の部分がオールバックで肩に猫を乗せた男の対魔士が睨む様に私を見ていた。
(なんかあの人何処となくロクロウに似てる様な……)
と私が思っているとその男の対魔士が姿を消した−
(ッッッ!?あれ何処に……ッッッ!?)
と周囲を確認すると後ろに殺気を感じ咄嗟にガンブレードを出し後ろに振り払うと何かに当たる感触がし振り向くとそこには−
「ヒュ〜中々やるじゃねぇの!嬢ちゃんよ!!」
「……何のつもりですか?」
さっきまで遠くにいたはずの男が後ろにおり手に持っていた木刀でガンブレードを防いでいた。
「いや〜久しぶりに帰ってきてよ。今訓練してる奴らがな中々根性がなくてよ。もう部屋から出ようとした時によオスカーとテレサそれと、お嬢ちゃんが見えてよ。お嬢ちゃんから何か不思議な感じがしてな。思わず試してみたくなったんだ。ま、許してくれや。」
と殺気を収めケラケラと笑いながら木刀を離して言った彼の言葉を聴いて私は−
(本当に殺されるかと思った。)
と密かに思っていると−
「よし決めた!お嬢ちゃん!!俺の弟子になれよ!お前さんならきっと良い線行くと思うぜ。」
とやけに気に入られてしまった。
「弟子って何をするm「貴方ね〜幾らなんでも本人の意思を無視して弟子しようとするのはないんじゃない?そう思わないかしらそこの名も知らぬお嬢さん?」ね、猫が喋った。」
「ああ分かってるって!確かに本人の気持ちは必要だわな。悪りぃなムルジム。俺はシグレ、特等対魔士のシグレ・ランゲツだ。そしてコイツが俺の相棒のムルジムだ。お嬢さんの名は?」
その名を聞いた私は−
(シグレ・ランゲツって確かロクロウのお兄さんの名前じゃ……この人が……ロクロウのお兄さん……確かに似てる。ロクロウに。)「私は今日から聖寮に所属する事になった特等対魔士のラナ・クラウです。宜しくお願いします。」
「ふ〜ん特等対魔士ねぇ〜ま、組む機会でもあったら宜しく頼むわ。」
と挨拶をして部屋を出ようとするとさっきまで訓練をつけていた対魔士達が引き止めにきた。
「今日はもう終わりですか?明日も訓練をt「いや俺もうお前らに教える気微塵もないから……」……え?」
「というか興味がなくなった。悪りぃな後勝手にやってくれや。それよりも興味があるのは……ラナ、お前さんだ。」
と、言いながら私に剣を向けながら再び殺気を込め私に剣を振ろうと間合いを詰めようとすると−
「何をしている?」
「チッ!!此処までか……」
アルトリウスがテレサとオスカーを連れて入ってきており片手でシグレさんの剣を止めていた。
「で何の様だよ。何も用もなく俺の前にくるの事はないだろ?」
「フ、まあな。テレサとオスカーには言ったが今回お前とラナには4人で行ってもらいたい場所がある。」
「場所ね……俺は興味が湧く所じゃなきゃアンタの命令でも行かねぇぞ。」
とあくまでも行く気が湧かないシグレさんが命令断ろうとするとアルトリウスはそれを見越していたのか−
「まあ聴けブリギット渓谷に異国の刀を使う刀狩りの業魔が出没してるという情報を得てな。幾人の対魔士を派遣したのだが皆が遺体で見つかり聖寮も放ってはおけぬ存在になった。オスカー、テレサ、ラナ、それとシグレお前達には何人かの一等対魔士達と二等対魔士達と共に現地に行きその刀狩りを倒してもらいたい。勿論行かないというならこの任務は他の者に任せる事になるが……」
と刀狩りの業魔の話を聞いた矢先シグレは笑みを浮かべながら飛び上がり−
「よっしゃ!最近強え奴と戦ってないから腕が鈍ってしょうがなかったんだ。行ってやるぜ。」
と言い恐らく準備をしに部屋を出て行ってしまった。
(私も街に出て買い物をしたりして準備をしないと……)
と部屋を出て準備をしようとすると−
「ラナ!お前に聖隷を与えよう。……来い!」
(私はいらないんだけどな。)
とアルトリウスに引き止められ気が進まないけれど仕方なく聖隷を連れて行こうとすると−
「宜しくねラナお姉ちゃん♪」
そこには髪型がライフィセットの様にアホ毛が立っており服も違うラフィーが立っていた。
「な、何で何ですか?」
とアルトリウスに聞くとアルトリウスは苦虫を噛み潰したような顔をし、私に近づき私だけに聴こえるように小声で−
「私が用意した聖隷はその…偶然用があり部屋にいた『彼』がこんな奴とラナお姉ちゃんを一緒に居させたくないとタダを捏ねてしまってその場で消してしまったんだ。それで僕が代わりにバレない様に聖隷のフリをすると言ってこうなってしまった。許してくれ……」
とアルトリウスから聞いた私は−
(……この人も苦労してるな……)
と同情しているとオスカー達が船に乗ろうとしているのが窓から見えた。
(ど、どうしよう!急いで行かなきゃ!)
とアルトリウスに一礼して部屋から出て行こうとすると−
「ラナお姉ちゃん!僕の方に!」
「ど、どうしたの!?ってうわぁ!!」
とラフィーに呼ばれたので近づくと窓を開け私の身体を抱き締めながら窓から勢いよく飛び降りた。
(死ぬ!この高さは死んじゃう!)
と死を覚悟していると地面ギリギリでラフィーの背中から4つの翼が生えてゆっくりと着地した。
(生きていて良かった〜)「ありがとう!ラフィー!でも次からはちゃんと言ってからやってじゃないと私の心臓が止まっちゃうから。」
「うん。分かった!出来る限りは言うようにするね。それよりも行こ!ラナお姉ちゃん♪」
と無事に着地した私はラフィーと一緒にオスカー達のいる船に乗りブリギット渓谷にいる刀狩りを討伐するという対魔士の初任務に心配もあるが船の舵をブリギット渓谷に向け出発した。
次の話では本編と絡めたオリジナルストーリーをやるつもりですのでお楽しみに〜