テイルズオブチェイン   作:シュウ名刀醜血桜

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ディスティニー編始まりです。

今回からちょっと描き方を変えてみました。


テイルズオブディスティニー/2編
『ソーディアン』


(此処は……村?)

 

扉を通りたどり着いた先は辺り一体草原に囲まれた小さい村だった。

 

 

(ん?今…パンドラが光った気が…?それにしてものどかな場所だなぁ〜)

 

パンドラが赤と黒に光を放った様な気がし確認するがそんな事はなくいつも通り虹色のままだった。気の所為だと思い周りを眺めながら喉かな雰囲気に流されてつい風に当たっていると−

 

「くっ!!我々セイントガルド兵があんな小僧共に負けるはずが……!!」

 

(……ん?あれは……?)

 

声が聞こえてきた方を見るとそこには黒髪の小柄な少年が金髪の青年と剣を交えておりその後ろには刀身の短い曲刀を持った黒髪のショートカットの女の子と斧を構えた茶髪の女の人が見えた。

 

(事情は知らないけど…あの黒髪の子を助けないと……!!)「大丈夫!?」

 

そう思い私は無勢の黒髪の少年に加勢する為にガンブレードを出して駆け寄るが−

 

「僕の邪魔をするな!!」

 

「ッ!?」

 

黒髪の少年は私に対して怒りの表情を浮かべながら剣を振るが間一髪の所で避け距離を置く。

 

「またセイントガルドの兵士かよ……」

 

〔いや…彼女はセイントガルドの兵士ではないようだ……〕

 

(……ん?今、剣から声が……?)

 

「…だったらあの人は誰なんだ…?」

 

〔それは…ッッ!!スタン!!後ろだ!!〕

 

「隙を見せたな……!!」

 

「………うっ!!」

 

スタンと呼ばれた金髪の少年が飽き飽きとした表情で剣を構えるも、剣から低い声の男性の声が発せられ、剣との会話に夢中になり隙を見せた所を背後に回っていた黒髪の少年の首元への肘打ちによって気絶してしまい兵士達に連れ攫われてしまう。

 

「スタンッッ!!」

 

「ちょっとアンタ…こんな卑怯な真似して……騎士としての誇りとかはないの!!」

 

「……コイツらも連行しろ。」

 

「「はっ!!」」

 

黒髪の少年は黒髪のショートカットの女の子の言葉に耳も貸さずに命令し兵と戦っていた三人が何処かへと連れて行かれた。

 

 

「…改めて聞く……お前は誰だ……?」

 

この場に黒髪の少年と二人だけとなると少年が此方に向き私の素性を聞こうとすると−

 

〔駄目ですよ!!坊ちゃん!!女性には礼儀を持って接しろとあれ程言われてるではありませんか!!〕

 

少年の剣から爽やかな男性の声がし、少年を叱りつける。

 

「お前は黙ってろ!!『シャル』!!」

 

「剣から声が聴こえる……私疲れてるのかな……」

 

「………!?お前……!!今、何と言った……!?」

 

やり取りを聴きながら呟くと少年は私に詰め寄り険しい剣幕で今呟いた言葉について聞いてくる。

 

「ええっと…疲れてる?」

 

「そうじゃない……!!その前だ……!!」

 

「ええっと……剣から声が聴こえる……?」

 

「ッ!!コイツも『ソーディアン』か!?」

 

そう言いつつ剣を構えたが−

 

〔待ってください!!坊ちゃん!!彼女がもし『ソーディアン』ならば先の戦いの時に他の『ソーディアン』の声が聴こえてくる筈です!!〕

 

「……それもそうか……」

 

剣による説得で剣を下げる。

 

(……良かった…。)

 

「だが!!お前は僕に付いて来てもらう!!」

 

「あの…拒否権は……?」

 

「そんなモノあるわけ無いだろ…!!」

 

そう言い強引にガンブレードを消した私の手を引っ張り連れて何処かに向かい脚を進めた。

 

 

 

「……着いたぞ。」

 

(……凄いお屋敷だなぁ……)

 

引っ張られながら村を出て街を超えて歩き歩みを止めるとそこには豪勢な屋敷が立っていた。

 

「あっ……!!もう帰って来たの?『エミリオ』!!……其方の女の人は……?まさか彼女…?」

 

屋敷を開き中に入るとそこには黒髪のお淑やかなメイドが少年を出迎えるが

、後ろにいた私を見て首を傾げながら言う。

 

「違うんだ『マリアン』!!彼女はその…恋人とかではなく…その…任務に出た時に会ってね。理由は言えないけど父に会わせる為に連れて来たんだ。」

 

「ふふ……分かってるわ…エミリオ…少し揶揄っただけよ。」

 

「全く!!僕を揶揄わないでくれ!!」

 

(……姉弟みたいだなぁ)

 

そんな微笑ましいやり取りを見ていると−

 

「そろそろ行った方が良いと思うわよ。ほら彼女待ってるわよ。頑張ってね。」

 

「分かってる……じゃあまた後で……行くぞ……!」

 

「あ!ちょっと!!」

 

マリアンと呼ばれた女性が優しい笑顔で送り出すとエミリオと呼ばれた彼は

私の手を再び手を引っ張り一つの部屋の扉を開ける。

 

「……ヒューゴ様が来るまで此処で待ってろ……良いな!!逃げ出そうとするんじゃ無いぞ……!!」

 

「あっ!!ちょっと!!……行っちゃった……」

 

言うだけ言って扉を勢い良く閉めて何処かに行ってしまった。

 

 

それから数分して扉が開き黒髪を長く伸ばした男性が部屋に入って来た。

 

「待たせてしまい申し訳ない。」

 

男性は部屋に入り私の姿を見ると紳士的な言動で私に謝罪する。

 

(…この人がヒューゴ)「そんな事は無いですよ。」

 

「そう言ってもらえるとありがたいな……マリアン!!」

 

「お呼びでしょうか?ヒューゴ様?」

 

私が気にする必要は無い事を伝えると礼を言いつつ、マリアンさんを呼びつける。

 

「私とこの女性に茶でも淹れてくれ。」

 

「かしこまりました。」

 

呼ばれてから直ぐに部屋に入って来たマリアンさんはヒューゴさんの言いつけを聞くと頭を下げ部屋を出ていった。

 

「さて…お嬢さん。まず名前から聞いても宜しいかな?」

 

「私はラナです。」

 

「ふむ…ラナ…聞いた話によると君は『ソーディアン』の声が聴こえたと聞いたのだが…それは本当か?」

 

「ええ…そうです。」

 

「……剣の腕に自信はあるか?」

 

「使えなくはないですけど…」

 

そう返答するとヒューゴさんは顎を押さえて少し考え口を開いた。

 

「ふむ…ラナ!頼みがあるのだが聞いてもらえるか?」

 

「私に出来ることがあれば何でも聞きますよ。」

 

「頼みというのはもうそろそろ君が会った三人組がリオンに連れられて来る頃合いなのだが…『神の眼』という大事な遺物が保管してあるストレイライズ神殿が何者かに襲われたらしくてな…その三人組とリオンと共に向かってもらえないだろうか?」

 

(何者か…もしかしてナイトメアかも知れない…!)「分かりました。その頼み…承りました。」

 

「ありがとう。」

 

ヒューゴさんは真剣な表情で私に頼み私が頷き承ると頭を下げて礼をした。

 

それから数分して部屋のドアをノックしてマリアンさんが茶器の乗った盆を持って入って来た。

 

 

「ヒューゴ様…お待たせいたしました。」

 

「……さて茶でも飲みながら到着を待とうではないか。」

 

⭐︎

 

のんびりと茶を二人で飲みながら、待っていると外に三人組を連れたエミリオが門の扉を開いて敷地に入ってくるのが見えた。

 

「客が来た様だ。私は出迎えに行く。ラナ…君は此処で待っていてくれ。それとマリアン、例の物の準備を…」

 

「……分かりました。」

 

彼らを出迎える為にヒューゴさんはマリアンさんに何かを申し付けると部屋を出ていき頭を下げて見送ったマリアンさんも立て掛けていた剣を2本共抱えた。

 

 

それから1分か2分経ち、再び部屋の扉が開きヒューゴさんに連れられて四人が続けて入る。

 

「あー!!アンタ!!さっきの!!」

 

「……場所を弁えろ。」

 

入って来た黒髪のショートカットの少女は私を見て指を刺すがエミリオに止められる。

 

「立ち話でもなんだ…椅子を用意した。遠慮なく掛けてくれ。」

 

新たに用意された4つの椅子に三人は腰を掛けるがエミリオだけは腰掛けず、壁を背にして腕を組み、よりかかりながら立っていた。

 

 

「マリアン、例の物を。」

 

その言葉を聴きマリアンさんは新たに茶器入れからコップを4つ取り出して茶を注ぎ、剣を二つ持ちテーブルに置きその場を離れた。

 

〔来るのが遅い!何をぐずぐずしていた!〕

 

「何だよ、その言い草は。」

 

〔ディムロス、少し落ち着いて。みんなは事情を知らないのだから。〕

 

〔……む〕

 

ディムロスと呼ばれた剣が金髪の少年を叱りつけるがもう一つの剣から発せられた女性の声に宥められ黙り込む。

 

 

「文献によれば、ソーディアンは、全部で6本あったと言う。その内の半分が此処に揃った。考えてみれば凄いことだな。」

 

「へぇ、ソーディアンって、他にもまだ三本もあるのか。」

 

「さて。諸君に改めて任務を伝えよう。王都ダリルジェイドの北にある、ストレライズ神殿へ向かってほしい。」

 

「神の眼が無事かどうかを確認し、もしなかったら、取り戻すんですよね。」

 

〔そうだ。これは重大な任務だぞ。〕

 

「分かってるよ。俺が兵士になる為の、チャンスだもんな。」

 

〔そんな事はどうでも良い。〕

 

「どうでも良くない!!人の目標にケチをつけるな!」

 

「……」

 

「私はやるなんて言ってないわ。勝手に話を進めないでくれる?誰かに飼われるのなんて真っ平だわ。ルーティ様を舐めないで欲しいわね。」

 

金髪の少年はやると決めているらしいがルーティと名乗る黒髪の少女はプライドの問題かそれを断ろうとするが−

 

「20万ガルドでどうかね?」

 

「へ?」

 

「任務達成の暁に、払う報酬だよ。仕事と考えれば、納得できんかね?」

 

「……もう一声。」

 

「25万。」

 

「まあ、それだけ出してくれるなら。やっても……良いかな。」

 

(現金だなぁ)

 

ヒューゴさんの交渉術によってルーティは声が震えながらも何度も頷き承諾する。

 

「スタン君の仕官の話も、私から陛下にとりなしてあげよう。だから結果を出してくれたまえ。」

 

「分かりました!任せてください!」

 

「それと彼女…ラナも彼らの監視という意味合いを含めて、旅に同行させる事となった。彼女もソーディアンの資質を秘めているやも知れん人物だ。旅に同行させても足手まといにはならんだろう。」

 

「……!!ヒューゴ様!!僕を信頼してはいないのですか!?」

 

「……『リオン』別にお前を信頼していない訳ではない。だがこれは失敗の許されない任務なのだ。もしもの事が起こってしまうよりも保険を掛けた方が良い…お前なら分かってくれるな。」

 

「……ヒューゴ様がそう言うならば……」

 

(リオン?エミリオじゃないの?)

 

それまで黙っていたエミリオもとい『リオン』が私を連れて行く事に異論を唱えるがヒューゴさんに保険という理由で丸め込まれ『リオン』の方が折れ頷きつつも渋々と納得する。

 

「私は諸君に期待している。頼むぞ。」

 

⭐︎

 

「よぉし!張り切って、なんとか神殿へ行くとするか!」

 

〔ストレライズ神殿だ。名前ぐらい覚えんか。〕

 

「まあなんでも良いよ!行こうぜ!!」

 

そう言ってスタンと呼ばれた少年が張り切り向かおうとするが−

 

「用事を思い出した。少し此処で待っていろ。」

 

そう言ってリオンは用事の為に屋敷の中へと戻っていった。

 

 

「ちぇ!なんだよ…アイツ!ツレない奴…」

 

「そんな事よりもスタン!挨拶よ!挨拶!」

 

スタンがリオンの態度に対して不満な顔でいるとルーティが腕を引っ張り此方に目線を合わせる。

 

 

「ああ!!そうだったな!!俺はスタン!スタン・エルロン!!気軽にスタンって呼んでくれ!!」

 

「私はルーティ・カトレット!!レンズの為なら何処までも。危険を顧みず突っ走る!をモットーにしてるレンズハンターよ!!よろしくね!!」

 

〔そのせいで罠にかかったのは何処の誰だ?〕

 

「うっさいわね!!カッコよく自己紹介してんだから黙ってなさいよ!!」

 

「私はマリー・エージェント…ルーティと一緒にレンズハンター稼業を営んでる。短い間だがよろしく頼む。」

 

「うん!!私はラナ!!宜しくね!!スタン!ルーティ!マリー!それとディムロス!!」

 

「「!?」」

 

〔やはり聴こえていたか。ならば我も返すのが礼儀というもの…我はディムロスよろしく頼む。〕

 

ディムロスの名前を出した途端驚くスタン達とは違い、察しがある程度はついていたのか、冷静にディムロスは挨拶を返してくれた。

 

〔彼の言った事は半信半疑でしたがディムロスの声が聴こえているのが何よりの証拠ですね。私の名前はアトワイトと申します。何卒よろしくお願いしますね…ラナ。〕

 

「うん!よろしくね!!アトワイト!!」

 

アトワイトにも挨拶をすると、いつの間にかリオンが私の側で腕を組み会話を聞いていた。

 

〔いつの間に!!〕

 

「自己紹介は終わったようだな……よし、出発するぞ。」

 

「アンタを待ってたんでしょうが!!」

 

いつの間にか側にいたリオンに対してルーティが突っかかるがリオンはルーティから顔を背けて無視する。

 

 

「まぁまぁ落ち着いて!!」

 

「感じの悪い奴…!」

 

ルーティを私がなんとか宥めるとリオンからマテリアルや宝石、リアライズの事をスタン達に説明しだしてそれを黙って聴き話が終わりストレイライズ神殿に向かうべく屋敷から出ようとすると−

 

 

「待て、ラナ、リオン。渡すものがあったのを忘れていた。これを持って行くがいい。」

 

ヒューゴさんはそう言って私とリオンを引き止めると、二つの袋を私達に渡す。

 

(何だろう?)

 

気になって袋の中身を軽く見るとかなりの量のガルドが入っていた。

 

「「ありがとうございます。」」

 

「ではな。」

 

私とリオンが礼を言うとヒューゴさんは屋敷へと戻っていった。

 

 

「親に敬語を使うのか……俺の家とは全然違うんだな。」

 

「……」

 

その様子を興味深く見ていたスタンが自身の家と比べ言いそれを見たリオンは冷ややかな目で見ていた。

 

⭐︎

 

目的であるストレイライズ神殿に向かうべくまずは街に出て東のダリルシェイドという場所に向かう道中−

 

「リオン、これからよろしくな。剣の事とか、色々おしえてくれよ。」

 

「……何だ、この手は。」

 

「握手。」

 

「勘違いするなよ。お前と僕が、対等の立場だと思うな。それとそこの女!ヒューゴ様のお言葉で付き添うことになったのは認める。だが僕の言う事は必ず聞けよ。」

 

「うん。」

 

「さすが王国期待の客員剣士様ね。下々の者達とは、握手も出来ないってわけ。」

 

私とリオンのやり取りを見ていたルーティが、嫌味ったらしく言うがリオンはそんな言葉を無視して、

 

「さっさと行くぞ。まずは神殿の手前にある、アルメイダの村を目指すぞ。」

 

それだけ言い一人先に向かっていった。

 

〔このメンバーで大丈夫なのか……?〕

 

(…本当に大丈夫かなぁ)

 

ディムロスのこの先の事を心配する声を聴きディムロスと同じ事を思いつつ先に進むことにした。

 

 

それから様々な話をしながら道なりに進むと、栄えている村が見えてきた。

 

 

「やっと見えたか…このまま東に進めば、ストレイライズ神殿がある。早く神の眼の安否を確かめに行くぞ。」

 

それだけ言うとリオンは一人で先に村の中に入っていった。

 

「あ!ちょっと…!待ってよ!!リオン!!……ん?あれは!?」

 

リオンを追いかけようとすると、この世界に不似合いな狐の面を被った人物が私の視界をよぎった。

 

「……ふ。やはり追いかけて来たか……」

 

「ッ!?待て……!!」

 

「ちょっと…!!ラナ!?」

 

どうしてもよぎった人物が気になってしまいルーティの静止も聞かずに人物の後を追いかけていった。

 

「…追いかけて来たか…ご苦労な事だな…」

 

(やっぱり…!気の所為じゃなかった…!)

 

走りながらも此方を振り返った人物は私の思い過ごしなどではなくナイトメアであった。

 

「待て!!ナイトメア!!お前の目的は一体なんだ!!」

 

「…私の目的か…『自分の事』も覚えていないお前に語る事はないな……」

 

「ッ!?お前は私の何を知ってるの!?」

 

私がナイトメアに聞くとナイトメアは走り逃げるのを辞め止まり−

 

「……それは私の事を倒せたら教えてやる。こい……ガンブレード『焔』…!」

 

「ッ!?それは!?」

 

左腕に付いているパンドラとよく似た腕輪からベルベットと共に襲撃された時に使っていたガンブレードと瓜二つだが武器から焔を絶えず出しているガンブレード『焔』と呼ぶ武器を出し、私と同じように構えた。

 

「……本当に倒せば教えてくれると断言出来る…?」

 

「…それはお前次第だ…」

 

「……分かった。必ず約束は守ってよねッ!!」

 

その言葉を区切りにガンブレードを出し斬りかかるが全く同じ軌道で振られたガンブレード『焔』に防がれる。

 

 

「…そんなものか?お前の力は?」

 

「ッ!!ならこれで!!魔王炎撃波!!」

 

防がれたガンブレードを囮にして即座にベルベットの『業魔手』を模した籠手−エリーニュスを出し左手のエリーニュスの薙ぎ払いを囮に、左の足払いを繰り出すも飛び上がられ避けられる。

 

(掛かった!!)「喰らえ!!」

 

避けられるのを予め読み、左足払いを繰り出しその反動で摩擦が生まれ出るのを確認すると喰魔を模した籠手のエリーニュスが溶けて液体となり液体が左脚に絡みつくと具足になり具足で強化した右脚で続け様の回し蹴りを壁に擦り付けるように繰り出し摩擦と逆回転で起きた火花が触れ合い右回し蹴りに炎が纏われ炎が纏われた具足がナイトメアの腹を掠める。

 

「『最古の災禍の顕主』ベルベットの力か…」

 

ナイトメアはエリーニュスを見て埃を払いながら呟いた。

 

「『最古の災禍の顕主』…?貴方…ベルベットの事を知ってるの?」

 

「お前よりは知ってるさ…そんな事より、もっと心配する事があるんじゃないか…?今頃私が創り出した業魔がストレイライズ神殿でリオン達を襲ってる頃だろうしな。」

 

「……!?貴方は一体…!?」

 

「…リオン・マグナス…奴はいずれ『ソーディアン』を裏切りそして自らの命を…教えすぎたかな…ククク…」

 

「ッ!?待て!!」

 

リオンについてあれこれ言うだけ言いガンブレード『焔』を無作為に振ると闇が溢れその中にナイトメアは脚を踏み出し入り込む。追いかけるように入り込もうとするが、その途端に闇が消えナイトメアの姿は何処にもなかった。

 

(それより今はスタンやリオン達の元に向かわないと…!!無事でいて…!!)

 

消えたナイトメアよりも今はスタンやリオン達の身を案じて急いでストレイライズ神殿に向かうべく東に向かいアルメイダの村から飛び出し走りだした。

 

⭐︎

 

「なんなんだよ!!?コイツ!?」

 

「いい加減倒れなさいよ!!この化け物!!」

 

「神よ……」

 

神殿内部に入ると直ぐ下半身が透けて幽霊の様な見た目をした業魔とリオン達が戦ってるのが見えた。

 

(スタン…!リオン…!良かった無事だった…!)「皆!!此処は私に任せて…!!」

 

「「ラナ!!」」

 

「何処で道草を食っていた!!」

 

「貴方は……?一体…?」

 

「取り敢えず説明は後!!」

 

業魔を倒すべくエリーニュスを出し業魔の鉤爪を躱しつつ蹴り上げつつ飛び上がる。

 

「飛燕蓮脚!!」

 

そこから前に回転しつつ急降下する形で威力を乗せた飛び蹴りが業魔の上半身に当たり消滅する。

 

 

「スゲェ…!あの化け物を一撃で!!」

 

「中々やる様だな…!」

 

「ちょっと…!リオン…!!アンタ…ラナに礼ぐらいちゃんと言いなさいよ…!!」

 

「いや良いんだよ…ルーティ」

 

 

ちゃんと礼を言わないリオンに対してルーティが礼を言う様に強く言うがリオンはそっぽを向き無視する。そんな態度を見てルーティがさらに強く言おうとするのを私は今は変わらないと思い止める。

 

「まぁラナがそう言うなら良いんだけど…」

 

「あのぅ…この方は…?」

 

そこまで話してると今まで黙って聴いてた丸眼鏡をかけた緑髪の女性が此方を覗いて私の事をルーティに首を傾げながら聴いてきた。

 

「ああそっか…まだ紹介してなかったわね。彼女の名前はラナ私達『ソーディアン』と一緒に旅をしてる。」

 

「そうなんですね!私はフィリア・フィリスです!!よろしくお願いしますね!!ラナさん!!」

 

「よろしくね!!フィリア!!」

 

「はい!!」

 

フィリアと互いに握手を交わす。

 

 

「挨拶は終わったか…早くダリルシェイドに戻るぞ!」

 

「アンタね…本当に空気読めないわね…もう呆れるわ……」

 

「何で戻るの?」

 

〔ラナに状況を教えながら戻るぞ!!〕

 

「ラナごめん…!!今は時間がないんだ!!ディムロスやリオンの言う通り状況は戻りながら説明する!!」

 

「分かったよ!!」

 

そうして私達は神殿を後にした。

 

⭐︎

 

「……って訳なんだ。だからグレバムを追ってるんだ。」

 

「成る程…それは止めないとね!!」

 

スタンから大体の説明を受けて何故こんなに急いでいるのか納得した。

 

〔スタンと違ってラナは理解が速くて話している此方としても助かるな。〕

 

「それはどう言う事だよ!!ディムロス!!」

 

「お前が馬鹿だと言う事だ…」

 

〔ちょっと!!坊ちゃんいくらなんでもそんな言い方は……〕

 

「俺は馬鹿じゃない!!」

 

「そうやって突っかかる所が馬鹿だと言うんだ。」

 

「だから俺は馬鹿じゃない!!」

 

ディムロスの発言は間を挟んで馬鹿と言ったリオンと馬鹿じゃないと言うスタンの言い争いに発展してしまった。

 

「ちょっと…!!やめなさいよ!!二人とも!!」

 

「なんか微笑ましいですね。」

 

「そうかなぁ?」

 

言い争いを続ける二人に対してルーティが拳骨を打ち込みに行ったのを見たフィリアさんが何処か羨ましいそうに見ていたのを見て私には気持ちが分からず首を傾げその様子を見ていた。

 

⭐︎

 

「…行くぞ…もうこんな事している暇はない…!!」

 

「痛いな〜ルーティ〜次からはもうちょっと優しくやってくれ〜」

 

「ルーティ!!やり過ぎなんじゃ…!」

 

そう言う二人の頭が腫れているのを見て私はやり過ぎだと思いルーティに言うが−

 

「良いの!!良いの!!こんぐらいやっとかないと!!それと男共!!うっさいわね!!拳骨だけで済ませたんだから文句言わない!!」

 

「ふん!!」

 

「はい……わかりました……」

 

 

「ガルバレイスへ行きたい?ちょうど前の船が出たばかりだよ。」

 

〔間に合わなかったか…!〕

 

そうこうして港にたどり着くと運悪くちょうど少し前に船が出た事を知らされた。

 

「その船に大きな荷物を載せなかったか?」

 

「よく知ってるな。やけにでかい奴を、港の人間総出で運び込んだぜ。」

 

「……陛下とヒューゴ様に、事情をご説明してくる。待ってろ。」

 

「あ、ちょっと待ってよ!!リオン!!」

 

自慢げに話をする船員の言葉を聞き少し考え走りヒューゴさん達の元へ向かうリオンを追いかける。

 

「ハァ!!ハァ!!やっと追いついた!!」

 

追いついた先でリオンはヒューゴさんと言い争いをしていた。

 

 

「私の助けは…」

 

「だから何度言わせるんだ!!貴方の助けなど結構!!僕は貴方を頼らずともこの程度の事、一人でやれる!!」

 

〔ぼ、坊ちゃん、なんて言い方を……〕

 

「くっ……」

 

「ちょっと待って!リオン!!」

 

ヒューゴさんに対して隠せぬ苛立ちを抱えた様子で踵を返し王の元へと向かっていってしまった。

 

(追いかけなきゃ…!!)

 

そう思い追いかけようとするが−

 

「待てラナよ!!」

 

「!?ヒューゴさん?」

 

ヒューゴさんに引き止められる。

 

「其方には礼を言わねばと思っていてな。ストレライズ神殿に現れた愚息達がどうにも出来なかった怪物達を倒してくれたそうだな…愚息に代わり感謝する。」

 

そう礼を言い頭を下げる。

 

「そんな頭を下げないで下さい!!」

 

「いやリオン達が君のような女性にした非礼を考えればこれが筋というものだ。」

 

身分など知ったことではないと言わんばかりにそう言いまた深々と頭を下げ直したヒューゴさんを見て−

 

「……分かりました。受け取っておきます。」

 

これ以上は何を言っても筋を通そうとすると思い素直に受け取ることにした。

 

「さて私もそろそろ愚息のフォローに向かわねばならぬのでな…これで失礼するよ…」

 

そう言ってリオンの後を追いヒューゴさんも行ってしまった。

 

(私も後を追おう!!)

 

そう思い駆け足で向かおうとするが−

 

「…また会ったな…ラナ」

 

「!?ナイトメア!?」

 

ナイトメアが後ろから邪魔をする様に話しかけてきた。

 

「…何の用?」

 

「…まあそう警戒するな…別にここではやるつもりは無い。」

 

ナイトメアに対してガンブレードを取り出して斬りかかろうとするがそれを見通されたのか手で制される。

 

「…少し話でもどうだ?聞きたいことがあれば可能な限り答えてやる…」

 

そう言いナイトメアは近くのベンチに腰を掛け此方を見上げるような体制になった。

 

「じゃあ…貴方は誰?何故私を知ってるの?」

 

「…それについては答えられない。」

 

「じゃあリオンが死ぬって言うことは!!」

 

「言葉通りの意味だ。リオンはいずれスタン達『ソーディアン』を裏切る事になる。」

 

「それは何故?」

 

「…さぁな教えられないな。」

 

「じゃあ最後に聞く…貴方の目的は何…?」

 

「それは教えたらつまらないだろ…だから言わないな。」

 

次々と聞いてはみたが自分が望む回答は得られなかった。

 

「じゃあa「そろそろ行くぞ!!」リ、リオン!?何時の間に?」

 

何時の間にかリオンが腕を組み後ろに立っていた。

 

「では私はこれで…」

 

ナイトメアはリオンの事を一瞬見てしリオンが視線を合わせようとすると視線を逸らし去っていった。

 

《何だったんでしょうね?あのお面の人?》

 

「…僕に聞くな。それよりもラナ!!速く港に戻るぞ!!」

 

「あ!ちょっと…!!」

 

リオンに腕を引っ張られる形で私達は港へと戻っていった。

 




私事で申し訳ないのですがプライベートの関係で週1か2回投稿する形となります。

今章から本格的にナイトメアが暗躍する事となります。どう暗躍していくかはお楽しみにしていただけたらなぁと思ってます。


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