テイルズオブチェイン   作:シュウ名刀醜血桜

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お待たせしました。やっぱり小説は書いてると楽しいから止められませんね。


カルビオラでの決闘

それから熱帯気候の中北に歩き続けると少し遠くに村が見えてきた。

 

「ここがカルビオラ?やっと着いたのね。あっつ〜〜。」

 

暑さでルーティが項垂れていると顔を隠した女性が話しかけて来た。

 

「あんた達、旅のもんかい。どっから気なすった?」

 

「チェリクですわ。」

 

「そうかいそうかい。暑い中ご苦労だったわねぇ。」

 

〔急に口調が優しくなったな。〕

 

「ストレイライズ神殿へ行きたいんです。何処にあるか分かりますか?」

 

「ふん、あんなくだらない物。いくらこさえた所で無駄だよ。あたしらにはあたしらの神がいる。余所者の神なんぞに用はない。」

 

「………」

 

「神殿とやらがあるのは街の北さ。でもあんまり関わるんじゃないよ?」

 

「ありがとう、おばさん。」

 

スタンが神殿の場所を聞くが女性はくだらない物と教えるつもりのないと言ったのだがフィリアの困った顔を見ると息を軽く吐き優しい口調に戻って神殿の場所と忠告をして去っていった。

 

「前にアイルツ司教様に、聞いたことがあります。ガルバレイスは独自の信仰が根強くて布教に苦労しているのだとか。」

 

「神様まで、余所者扱いなのか……」

 

「兎に角だ。ごちゃごちゃ言っても探さないとどうにもならないだろうが……」

 

「リオンさんの言う通りまずはグレバムの足取りを掴むためにカルビオラの街にある、ストレイライズ神殿を探しましょう。」

 

「そうだね!!」

 

⭐︎

 

「ストレイライズ神殿ってここかな?」

 

私達が軽く街を歩くと一番奥にある建物にたどり着いた。

 

「ええ間違いありません。」

 

「よし、早速乗り込むか!」

 

〔待て。いきなり飛び込むのは危険だ。〕

 

「そうですね。中の状況がどうなってるか、分かりませんし……」

 

それからフィリアは少し考えると−

 

「私が巡礼者を装って、先に中に入っていますわ。皆さんは夜になってからお越し下さい。裏口の鍵を開けておきます。」

 

「そんな事をして大丈夫なのか?」

 

「巡礼者が各地の神殿に滞在するのは、珍しいことではないですから。昼の間は、見つからない様、大人しくしてますわ。」

 

「無茶はしない様にな。」

 

「はい。ではまた後ほど。」

 

そう言うとフィリアは神殿の中へと入っていった。

 

「さて。あたし達も夜まで、ひと休みってとこ?」

 

「宿屋で待機するとしよう。」

 

(大丈夫かな…心配だな…)

 

フィリアを見送った私達は宿屋に向かい夜を待つ事にした。

 

⭐︎

 

「僕はこれから街の様子を探ってくる。お前達は、夜になるまで此処にいろ。」

 

(一人じゃ危険だ!)「リオン!!私も行くよ!!」

 

「……勝手にしろ。」

 

「うん!じゃあ行ってくるね。」

 

「気をつけて行くのよ。」

 

1人で外に出ようとするリオンを引き留め着いて行くと伝えると返事が返ってきたので返事通り勝手に着いて行く事にした。

 

⭐︎

 

(少し買いすぎちゃったかな…。)

 

「ごめん!!リオン!!待った?」

 

それから街の中を歩いている最中に準備をリオンに許可を得て道具屋で様々な物やスタン達の食べ物を買い合流地点に向かうとリオンは建物の手摺りに両腕をついて街を見ていた。

 

「…なんだその荷物の量は?」

 

「ええっとね…これがスタン達の食料でこれが……」

 

「もう良い…一から説明するな…頭が痛くなってくる。」

 

荷物について聞いてきたリオンに物を出して説明しようとするが…リオンは頭を押さえて物を出さないように言う。言われた私は大人しく荷物をパンドラにしまう事にした。

 

「なんだ…その腕輪は?」

 

「ああ?コレ?これはパンドラって言ってね。神様から貰ったものなんだ。」

 

「…嘘をつくならもっと現実的な嘘をつくんだな。」

 

「嘘じゃないって!!」

 

「…シャル行くぞ。そろそろ夜だ。」

 

〔あ、え、ええ!!行きましょう!!ラナも!!〕

 

「あ!ちょっと!?待ってよ!!リオン!!」

 

リオンにパンドラについて聞かれた私はありのままの出来事を言うがリオンには冗談だと思われ先に宿屋に戻っていった。

 

 

「ぞおーーーーつ!!」

 

「スタン!?」

 

リオンよりも遅れて戻ると何故だかスタンが電撃を見舞われ膝から崩れ倒れた。

 

〔目は覚めたか。〕

 

「うん、覚めた。」

 

(なんで電撃を喰らっても平気なの…?)

 

「神殿裏口へさっさと行くぞ。」

 

電撃を喰らっても平然としているスタンに少し驚きつつ準備をして神殿裏口に向かう事にした。

 

⭐︎

 

「お待たせしました。どうぞ中へ。」

 

私達が裏口へ向かいスタンがノックするとフィリアの声が聞こえ扉が開きすんなりと中に入ることができた。

 

「うわ、真っ暗だ。」

 

「今明かりをつけますね。」

 

フィリアさんが少し離れて壁のスイッチを押すと明かりがつき周りが見える様になった。

 

〔中の様子はどうだ。何か分かったことは?〕

 

「グレバムやその一味を、見かける事はありませんでした。ただ……セインガルドの神殿同様、此処にも大聖堂があります。そこから地下の秘密の間へ、通じてるかもしれません。」

 

「よし、調べてみよう。」

 

「見張りの神官が巡回しています。気をつけてくださいね。」

 

それから順調に進んで行くと大聖堂の真ん中に階段があり降りて行くとデカい宝石の様な物と男性がいた。

 

「グレバムですわ!」

 

(あれが…神の眼…そして彼が…グレバム!)

 

「なんだ貴様ら、何処から入った!?…むフィリアか!」

 

「グレバム!もうやめなさい!」

 

「誰に向かってそんな口を利く。偉くなったものだな、フィリア!」

 

「もはやお前に逃げ場はない。覚悟しろ。」

 

「そのソーディアン……!貴様、リオン・マグナスか。貴様が私を追ってくるとは……!そう言う事か。全て飲み込めたぞ。そしてその女がラナというわけか。」

 

「え!?なんで私の名前を!?」

 

「…お前、何を言ってる?」

 

「グレバム!!世界中をモンスターだらけになんか、させない!神の眼を返せ!」

 

「クックック……!アーッハッハッハ!世界中をモンスターだらけか。それも悪くはない。そうとも、何も恐れる必要はない。神の眼を持っているのは私なのだからな。」

 

〔いかん、モンスターを召喚する気だぞ!〕

 

「私こそが、無限の力を有しているのだ!出てよ、バジリスク!!」

 

ディムロスが叫んだと同時にグレバムが腕を振ると魚の様なモンスターが5体出てくる。

 

「こうなったら好きにやらしてもらう。まずは貴様達全員、血祭りだ。」

 

「来るぞッッッ!!」

 

「くっ!ガンブレード!!」

 

私の所にバジリスクが3体襲いかかってくるがガンブレードを出し応戦し斬りつけ銃撃で空へ飛ばす。

 

〔スタン!!〕

 

〔坊ちゃん!!〕

 

「分かってるよ!!」

 

「あぁシャル!!いくぞ!!」

 

「「魔神剣!!」」

 

ディムロスとシャルの声に応え、リオンとスタン、2人が共に同じタイミングでディムロスとシャルティエを振ると剣圧が落ちてきた3体のバジリスクを通り過ぎ3対のバジリスクは真っ二つになり消滅していった。

 

「おい!!スタン!!貴様!!真似をするな!!」

 

「それはこっちのセリフだよ!!」

 

「なんであんた達ってこんな時位合わせようとかないのよ!!マリー!!」

 

「あぁ!!私に任せな!!猛襲剣!!」

 

こんな状況で言い争いをし始めたスタンとリオンを止めに入ったルーティはマリーに任せるとマリーはバジリスクに体当たりを仕掛け吹っ飛ばすとすかさず斧で剣撃を二段叩き込むとバジリスクは消滅した。

 

「流石マリー!!私も負けてられないね!行くわよ!!アトワイト!!」

 

「私もいきます!!頼みます!!クレメンテ!!」

 

〔ええ!!いきましょう!!ルーティ!!〕

 

〔力を貸してやろう!共にゆくぞ!!フィリアや!!〕

 

「スナイプエア!!」

 

「ライトニング!!」

 

ルーティが構えるとバジリスクは飛び上がり空中から襲おうとするがルーティも飛びながら斬り上げフィリアがクレメンテを掲げると曇雲が現れ雷が落ち地面に叩き付け、ルーティは地面に急降下し勢いをつけバジリスクに突きを放ち、刺さったバジリスクは消滅した。

 

⭐︎

 

「やっと終わったか。奴を追いかけ……ッ!?」

 

バジリスクを倒し終わりグレバムの方を見るともうそこには神の眼と彼の姿はなかった。

 

「神の眼がなくなってる!?」

 

「私達が戦ってる間に、グレバムが持ち去ったみたいね。」

 

「逃げられた……せっかく此処まで来たのに……」

 

「おのれ、グレバム……!」

 

〔急いで追いかければ、まだ間に合うかもしれませんよ?〕

 

「行くぞ…!!」

 

「え!?ちょっと待ってよ!?リオン!?」

 

「リオン!!」

 

「待てよ。みんなで一緒に行こう。」

 

「お前達は足手まといだ。必要ない。」

 

「グレバム相手に2人じゃ無理だ。それにラナの意思を無視して勝手に連れてくのかよ!?」

 

「コイツには意思を言う権利などない…僕に黙って従っておけば良いんだ。」

 

〔2人とも、いい加減にしないか。今は言い争いをしてる場合ではない!〕

 

「「………」」

 

その言葉を聞いて私の手を掴み神殿から出ようとするリオンをスタンは引き留めるがお互いの考えの違いからまた言い争いになってしまいディムロスが止めに入り2人ともお互いを睨み黙り込むが、そこに新手のバジリスクが襲いかかっててくる。

 

「2人共!!危ない!!」

 

「「!?」」

 

私の声でリオンとスタンはなんとか初撃は躱したが柱の後ろからバジリスクが10体程湧き出てくる。

 

「くっ、まだモンスターがいたか!ルーティ!フィリア!手伝ってくれ!!」

 

1人でなんとかバジリスク抑え込んでいるマリーがルーティとフィリアを呼び、2人はバジリスクに向かっていく。

 

「スタン!この馬鹿には何を言っても聞く耳を持たないわ!!こっちにきて加勢して!!」

 

「リオン…別にお前が行きたいのならもう止めはしない…だけどひとつだけ約束してくれ…」

 

「…なんだ?」

 

「今の所ソーディアンとは関係のないラナを傷つける事は絶対にするな!!もし傷付けたら俺はお前を許さない!!」

 

「行くぞ!!ラナ!!」

 

スタンの怒りを込めた言葉をリオンは背中を向けて聞き、私の手を引っ張って神殿を出る為脚を進めた。

 

⭐︎

 

「くそっ!あれだけの巨大なレンズだ…運び出すには正面口しかないはず。」

 

〔坊ちゃん、いいんですか!?分かっているでしょ!?あのままじゃスタン達が!〕

 

「ねえ!!リオン!!このままじゃスタン達が殺されちゃうよ!!」

 

「ああ、分かってる。わかっているさ!!しかし、今は神の眼を取り返す事が重要なんだ!!今ならまだグレバムに追いつける。正面口に急ぐぞ。」

 

階段を登り周りを見渡すがグレバムの姿はなくリオンは苛立ちのまま叫ぶがすぐに冷静になり考え入り口に向かおうとするが私達の言葉で一瞬階段を降りようとするが首を何度も迷いを断ち切る為振り自分に言い聞かせる様に何度も呟き正面口に私の手を掴みながら出ると衛兵が倒れていた。

 

「これは!」

 

〔やっぱりグレバムはここから逃げたんですよ。〕

 

「くそ、間に合うか!」

 

急いで街の入り口まで行くがそこにはグレバムの姿はなかった。

 

「何処に行った!!」

 

(完全に見失った…)

 

〔坊ちゃん、戻りましょう。スタン達が心配です。〕

 

「……いや、駄目だ。足手まといを気にしているようでは、この任務に成功はない。」

 

〔え!?〕

 

「今後もきっとこの繰り返しになる。……あいつらは切り捨てだ、シャル。」

 

(そんな!?)

 

〔え、でも……!本当にいいんですか!?〕

 

「待って!!リオン!!」

 

「なんだ…お前の意見は聞くつもりはないぞ。」

 

「悪いけど行かせない!!」

 

それでも切り捨てて行こうとするリオンを私はガンブレードを取り出しリオンを止める為に剣先を向ける。

 

「どう言うつもりだ!?貴様!!」

 

「どうしても行きたいなら此処で私を倒してから行って!!」

 

「…良いだろう。ただし!!僕が勝ったら今後何があろうが黙って付いてきてもらう。」

 

「じゃあ私が勝ったらスタン達の所に戻ってもらうからね。それとそこまで任務に固執する理由を教えて。」

 

「……勝てたらな。」

 

〔ラナ!?坊ちゃん!?〕

 

「お前は静かにしてろ!シャル!!」

 

そうして私とリオンの戦いが始まった。

 

⭐︎

 

「いくよ!!」

 

勢い良くリオンに向かいガンブレードで斬りかかるがシャルで受け止めガンブレードを弾き鋭い突きで突いてくるが、弾かれた勢いで仰け反りなんとか回避する。

 

「…避けたか。」

 

〔坊ちゃん!!ラナ!!止めて下さい!!〕

 

「シャル!黙ってろと言ったはずだ!!」

 

(ガンブレードじゃ間合いを詰めることは出来ても一撃を与えることはできない…よし!)

 

〔武器を変えた!?〕

 

「…なんだと!?」

 

ガンブレードをパンドラに仕舞い代わりに影光と闇影を出し構える。

 

「いくよ!!鎌掛!!」

 

「ッ!!クッ!!」

 

「逃がさない!!懐刀!!」

 

リオンに走り闇影で右の斬撃を繰り出しつつ後退しつつ影光で左から2撃目を繰り出すが空に飛ばれ2撃を避けられるが即座に追いかけて蹴りおろしでリオンを地面に叩き付け交差切りで追撃しようとするが−

 

「調子に乗るな!!飛燕蓮脚!!」

 

「ガッ!!」

 

二段の浮かせ蹴りを空中で無防備のままくらい体制が崩れた所にシャルの斬り下ろし私も地面に叩きつけられてしまう。

 

「これで終わらせる!!魔神剣!!」

 

私が立ち上がるタイミングでトドメを刺すべく剣圧を連続で飛ばす。

 

(これじゃリオンに近づけない…いや)「避けなければ良いんだ!!」

 

無数に飛ばされてくる剣圧を見て息を吐きリオンに向けて走り出す。

 

「な!?」

 

〔ラナ!?〕

 

「これで終わりだよ!!ランゲツ流鎧通し!!」

 

「ッッッ!!!」

 

リオンの身体に両手を当てて短刀を重ね衝撃を与えるとリオンが崩れ落ちる。

 

「これで私の勝ちだね。」

 

「いや!!僕はまだ負けていない!!こんなお気楽に生きてる奴なんかに負けてたまるか!!」

 

リオンはなんとか立ち上がろうとするがよろめき倒れてしまう。

 

〔もう止めて下さい!!お二人共!!これ以上戦うことないじゃないですか!!〕

 

「くっ!!」

 

シャルの言葉を聞きリオンは納得してない様子で渋々シャルと短刀を鞘に戻す。

 

「さあ約束通りなんで任務に固執するか教えて?」

 

「………大切な人の命を握られているからだ。」

 

(大切な人?それって……)

 

〔坊ちゃん!!その事は!?〕

 

「約束だからな…それぐらいは守るさ。」

 

口を開いたリオンをシャルは止めようとするがリオンは約束だからと言って口を開く。

 

「僕はマリアンの命をヒューゴに握られてこの任務を失敗する。もしくはお前が死んでしまったらマリアンは殺されてしまう…だからこの任務だけは失敗出来ないんだ。恐らくヒューゴと争っていた時にお前が喋っていたナイトメアと名乗る者が僕の監視係と言うわけだ。」

 

「そんな…!?」

 

〔ちょっと待ってください!!ナイトメア?そんな奴は僕は知らないですよ!?〕

 

「お前は知らなくて当然だ奴が現れたのはごく最近だからな。それと、ラナ…お前の事はある程度聞いて知っている…流石にその腕輪の事は知らなかったがな。」

 

「そうなんだ…」

 

「ヒューゴに刃を向け逆らう事は容易いがマリアンの命を握られてる以上僕は悔しいが従わざるを得ない。」

 

「じゃあ私も助けるのを手伝うよ!!」

 

〔良かったですね!!坊ちゃん!!〕

 

「……悪いが信じる事は出来ない。ラナがスタン達に言ったら計画が台無しになってしまうからな。」

 

〔……坊ちゃん〕

 

私の言葉に喜ぶシャルとは対照的に私を睨みつけるリオンの言う事も一理あると思いこの件はこれ以上は何も言うつもりはなかった。

 

⭐︎

 

「リオン……最後に聞かせて。」

 

「…なんだ?」

 

「なんで私にそんな大事な事を教えるの?それとナイトメアはヒューゴさんと繋がってるの?」

 

「これ以上ヒューゴに誰かが利用されるのが気に食わないだけだ。それと忠告するとしたらお前もこの件を言うと恐らく真っ先に抹殺されることになる。」

 

「そっか。」

 

「それとナイトメアとヒューゴが何処まで繋がっているか僕には分からないが恐らくヒューゴとは明らかに違う目的で動いているのは間違いない。」

 

「それだけ聞ければ十分だよ。それと…」

 

「……?」

 

「人を信じるっていうのは案外悪いものじゃないよ。私は最期までリオンを信じてるからね。」

 

「………」

 

「さて約束通り助けに行こ!!リオン。」

 

「そこで何をしている!?」

 

「「!?」」

 

助けに行こうとすると声をかけられ振り向くとそこにはバルックさんが武装した兵士を連れて立っていた。

 

「バルック!?」

 

「リオンじゃないか!?やはりカルビオラに来ていたのか。うん?その怪我はどうした?」

 

「お前には関係ないだろ。」

 

「そうか。それで目的のものは見つかったのか?」

 

「……いや、神殿内部で発見したが、隙を突かれて犯人に再び持ち出されてしまった。」

 

「そうか…そういえば、そこのお嬢さん以外のお前といた連中はどうした?」

 

「まだ神殿の中だ。今頃、モンスターと戦ってる。」

 

「お前はこのまま犯人を追いかけるのか?」

 

「そうするつもりだったんだがこの女と約束してしまってな。奴らを助ける事にした。」

 

その言葉を聞くとバルックさんは私とリオンを交互に見て「成る程な。」と頷くと−

 

「よし、そういう事なら。俺も協力しよう。君は犯人を追え。それと、街の外に待機させている傭兵達に連絡して、神殿へ突入させろ。」

 

「分かりました。バルック様は?」

 

「私は傭兵達と共に、リオンの仲間を救出する。お前達は休んでろ。」

 

「お前が動く事はない。僕達だけでなんとかなる。」

 

「馬鹿を言うな!お前達は傷だらけではないか!そんな状態のお前らを放って置けるか。」

 

「なんでだ!!なんでそんな自ら命をなくすかもしれない所に向かえるんだ!!」

 

「確かにお前の言う事も分かる。…が俺の考えは違う。俺は人を助けるのには理由はいらないと考えている。」

 

「理由はいらない……?」

 

「ああ。」

 

そのバルックさんの言葉を聞きリオンは項垂れるが直ぐに顔を上げて−

 

「やはり休む事など出来ない。僕も一緒に行こう。」

 

「私も行きます!!」

 

「そうか…それなら急ぐぞ。言っておくが2人とも傭兵の援護なんて期待するなよ。」

 

「ふん、お前がやられそうになったら僕が助けてやる。」

 

「あ!待って!!リオン!!」

 

そう言って先に急いで神殿に行ってしまう。

 

「君は不思議な子だな。」

 

「へ?どうかしたんですか?バルックさん?」

 

バルックさんと向かっている最中に私を見てバルックさんはいや感心したような顔つきで私の事を見る

 

「いや、母親が死んでから心を閉ざしてしまっていたリオンが少しだが君に心を開いているのがだよ。」

 

「そうなんですか…?」

 

「だが心を開いてもらう為とはいえ斬り合うのはやり過ぎかもしれないな。」

 

「見ていたんですか!?」

 

「ああ…本当は止めるべきだったんだがあそこまで感情を出したリオンは久し振りに見たからな。止めに止められなかった。まあ会話の内容は聞こえなかったがな。」

 

「そうですか…」

 

「もし良かったらリオンの事を頼めるか?出会ったばかりの君頼むのは間違いかもしれないが……」

 

「任せてください!」

 

「ありがとう。そういえば君の名前は聞いてなかったね。なんと呼べば良い?」

 

「私はラナです!!」

 

「そうかこれからもリオンよろしく頼む。ラナ。」

 

「はい!!」

 

⭐︎

 

「遅いぞ!バルック!ラナ!!」

 

遅れて神殿内部へ入ると戦いが終わっておりスタンが倒れていた。

 

「スタン!!大丈夫!?」

 

スタンの身体を引き起こし身体を揺らすが返事がない。

 

(そんなスタン!!まさか!?)

 

最悪の状態が頭の中を過った私は胸に耳をつけて心臓の音を聞こうとすると−

 

「………疲れたぁ。」

 

「ちょっ!?スタン!?」

 

それだけを言って私の身体に寄りかかり寝息を立て始めた。

 

「取り敢えずこの状態では動けないな。こいつが起きるまで待つぞ。」

 

そうして外に運び出すともう日が出ていた。

 

「ちょっと起きなさいよ。スタン。」

 

「ぅ…いつの間にか朝になっていたんだ……そうだ、グレバムは!?」

 

〔逃げられた。〕

 

「間に合わなかったか……」

 

ルーティに揺さぶられ起きたスタンは目を擦り眠そうにして当たりを見渡すがグレバムの居場所を聞くが逃したと知り落ち込み始めた。

 

「スタン君、具合は大丈夫かね。」

 

「バルックさん、どうしてここへ?」

 

「君達がチェリクを出たと聞いてね。心配して後を追ってきたんだ。傭兵部隊を同行させて良かった。神殿内のモンスターは、全て片付けたぞ。」

 

「アンタが倒れた時大変だったんだからね。」

 

「バルックが来てくれなかったら私達も危なかった。」

 

「リオンさんがバルックさんに、神殿に向かう様に頼んでくれたんです。」

 

「リオンが…?」

 

「たまたま私達が街に到着した時リオンとラナと会えたのでね。」

 

「そうだったのか。」

 

「でもビックリしたよ…街に来たなり2人が斬り合っていたのだから本当に気が気じゃなかったよ。」

 

「「!?」」

 

バルックさんの言葉を聞くなり皆が驚き此方に視線を向ける。

 

「よく見たらアンタ達…私達よりもズタボロじゃない!!」

 

「なんて…無茶を…」

 

「でもそのお陰で助かった!ありがとう!ラナ!!リオン!!」

 

「別に僕は助ける気などなかったがこの女と約束したんでな…守っただけだ。それよりもバルック!グレバムの行き先は見つかったか?」

 

「巨大なレンズらしき物体を運ぶ、モンスターの姿が確認されている。そのモンスターはどうやら、ノイシュタット方面へ向かったようだ。」

 

「船で行くしかないか…バルック!船の手配を頼む。」

 

「ああ。了解した。私の権限内で、出来ることは協力しよう。」

 

リオンの言葉に頷き船を手配すべくバルックは去っていった。

 

「僕達はカルバレイス港から出て、ノイシュタットへ向かう。」

 

「よし!皆出発だ!!」

 

リオンとスタンは2人でカルバレイス港へと向かっていってしまった。

 

「ちょっと待ちなさいよ!!アンタ達!!」

 

慌ただしく向かうリオンとスタンを追いかけてまずはカルバレイス港へ向かう事にした。




仕事がひと段落し時間が取れたので急いで書いたのでガバガバな部分があると思いますがそこは多めに見てもらえると嬉しいです。それとリオンの事なのですが基本はリメイクの設定で書いていますがリオンの状況はオリジナルに近い形になっております。その事で今後リオンがどうなっていくのか…そこにも注目して見ていただけたら嬉しいです。

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