新約 ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか?   作:虚無の魔術師

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他の小説も投稿してるんで、それも見ていただけると幸いです。


迷宮都市

【恩恵】を刻んだ数日後、キョウはベルを連れてダンジョンに向かった。途中ベルがお世話になったという受付嬢兼アドバイザーの女性に長話をされそうになり、二人で全力疾走したのは、ついさっきの話だった。

 

 

 

 

「あのー、キョウさん」

 

 

「何だ?下の階層にはまだ行かないぞ」

 

 

様子を伺うようなベルにハッキリと告げる。彼の言葉にベルは苦笑いを浮かべ、少しの間黙り込んで口を開いた。

 

 

 

 

「キョウさんって、何で右目を閉じてるんですか?」

 

 

 

そう、ベルも対面した時から気になっていたことだった。キョウはどんな時も右目を閉じているのだ。ベルの問いにキョウはあぁ、と納得し、右目に指を向ける。

 

 

 

 

「こっち側は、『魔眼』だからなぁ」

 

 

 

『魔眼』

 

その単語にベルは心を踊らせた。彼の祖父曰く、『魔眼』は世界にも僅かにしか存在していない魔道具(マジックアイテム)の一つらしい。

 

 

 

 

 

「俺の『魔眼』は【動見の魔眼(デルス・アイ)】。数秒後の相手の動きを見切ることができるのさ」

 

 

 

 

彼はそう説明しながら、相手であるゴブリンの細い腕と首を切り落とした。そして、腕と首を失った体は地面へと倒れ込む。

 

 

 

「ふぅ、そろそろいいよな」

 

 

「はいっ!」

 

 

ゴブリンの死体から魔石を抜き取り、同じ行為をしているベルへと声をかける。ベルも頷いて答えるとダンジョンの出口へと向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「そう言えば『迷宮都市オラリア歴史文書』って知ってますか?」

 

 

ダンジョンで集めた魔石をヴァリスへと変え、帰り道でベルはキョウにそう聞いた。

 

 

 

「あぁ、知ってるぞ。古今東西で語られる話だからな」

 

 

自分との身長の差があるベルを見下ろし、キョウは答えた。当然だろうと呟き、周りへと目を向ける。

 

 

 

「でも、あの魔王って実在すると思いますか?」

 

 

ビクッと話を聞いていた彼の肩が揺れた。ベルは嬉しそうに語るが、対照的にキョウの顔が目に見えて曇る。

 

 

 

「そう言えば、魔王ってどんな────」

 

 

「『時刻』『大海』『戦争』『死魂』『守護』『闇黒』『運命』『大地』を冠する魔王が封印されて、『凍結』の魔王は討たれたさ」

 

 

ベルの言葉を遮り、キョウは淡々と魔王についての情報を告げた。驚いたベルの前に歩み出したキョウは振り向いた。

 

 

 

 

 

 

「ベル、

 

 

 

 

 

 

 

忘れるな。魔王の脅威は終わってない(・・・・・・・・・・・)

 

 

 

「………………え?」

 

 

その言葉の意味をベルは理解できなかった。だが、キョウは表情を和らげるとそのまま歩み始める。何だったのだろう?とキョウを追いかける。

 

 

 

だが、ベルは気付いていなかった。キョウは既に気付いていた。

 

 

 

 

自分達を見つめる視線があることに。

 

 

 

 

 

 

協会へと戻ろうとしたベルをキョウはとある場所へと引っ張って連れていった。ベルは戸惑いながらもキョウの後を追うと一件の店の前に着いた。

 

 

───『トロイアの休息』

 

 

「ここは?」

 

 

その店に疑問を隠せなかったベルにキョウは何も答えずに扉を開けた。チリンッと鈴が鳴り、少し待っていると、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「はぁーいっ!いらしゃ──────へ?」

 

 

見たことのある声と姿にベルは目を開く。目の前に立っているのは服装が違えど、自分達の主神であるヘスティアだったのだ。

 

 

唖然とする白髪の少年の肩を叩いて、黒髪の青年は目の前の女神に指を指す。

 

 

 

 

 

 

「これがうちの主神さ。バイトをする女神………………他にこんな神がいると思うか!?」

 

 

「ななな、何で君達がここにいるんだい!?」

 

 

カッと目を開き、大声を張り上げるキョウと戸惑うベルを見たバイト中の女神ヘスティアは慌てながらそう問いかける。

 

 

 

 

 

 

 

 

「……………何だ、君達は?」

 

 

その状況を見ていた金髪の男が疲れたような声で問いかける。右手に持つコップを拭くのを忘れずに。慌てていたヘスティアは後ろの二人を紹介する。

 

 

 

 

「アキ店長!彼らは僕のファミリアの団員さ!」

 

 

「ほー、まさか本当にこの女神の眷属がいるとはなぁ」

 

 

 

えへんと自慢するヘスティアを無視し、アキ店長なる男は目を細め、ベルとキョウを見やった。何か探るような視線を向けていたが、すぐに目を閉じる。

 

 

 

「君達の名前は聞いている。まぁ、座ったらどうだ」

 

 

 

「え?でも、他にお客さんは」

 

 

「生憎、ほとんどの冒険者は『豊穣の女主人』に通ってな。この店に来るのは物好きか、静かなのが好きなやつだよ」

 

 

店の中に入ると、アキ店長の説明通り誰もいない。いや、一人いるが店の隅でグガーッと口を開き、眠っていた。一つ除けば物静かな机に三人が座った。

 

 

「さぁ!バイトは終わりさ、マスター!じゃが丸くんを十個頼むぜ!」

 

 

 

「んじゃ、ヘスティアのバイト代から引かせてもらおうか」

 

 

「それでお願いしまーす」

 

 

へ?と硬直するヘスティアにキョウがハッキリと肯定する。周りの空気についていけなかったベルだったが、にやけていたキョウが声をかける。

 

 

「まぁ、お前も楽しめよ。お祝いみたいなもんだからな」

 

 

「…………はい!」

 

 

 

その後、ショックに項垂れていたヘスティアもヤケになり、朝までドンチャン騒ぎをした。

 

 

 

 

 

 

朝になり、三人を見守ってくれたアキ店長にキョウとベルが全力で謝り倒した。

 

 

 

 

 

 

 




・キョウさん魔眼持ち、中二病とか言うなよ!?

・新たに現れるキャラ、アキ店長。(後の重要なキャラ)




キョウさんのヒロイン候補。

◆リュー・リオン

◆ティオナ・ヒリュテ

◆レフィーヤ・ウィリディス


今のところ、この三人ですね。
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