新約 ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか? 作:虚無の魔術師
今キョウは用事があって、ベルとは別行動をしている。本来は、ベルと共に五層まで行くつもりだったが、ヘスティアに声をかけられたのだ。
『ボクの知り合いがお店をやってるからね、買い物でもしてきたらどうだい?』
「まぁ、ヘスティア様の知り合いならなぁ」
そう言った彼は大通りから遠ざかり、路地裏の奥へと進んでいった。
「ミアハ様!いつもいつも、ポーションをただで配ってたら儲けが出ない!少しは、自重して!」
「しかし、ナァーザよ!他の者の為にも必要なこともあるだろう!」
「あわわわ!?団長、ミアハ様、落ち着いてくださいぃぃ!!?」
「……………何だこれは」
キョウは目の前の状況にそう嘆息する。犬人の少女と群青色の長髪を束ねた美青年が言い合いをし、その横で額にバンダナを巻いた青年が激しく混乱している。
その状況を見たキョウの決断と行為は速かった。
ゆっくりと扉を閉めて、何事もなかったかのように────
「待って!?帰らないで!!」
うろちょろしてたはずのバンダナの青年に止められた。このまま帰っても良かったが、何か可哀想なので買い物をすることにした。
「えっーと、僕の名前はカイ・ソルヴァーナ。Lv.3の冒険者です。……………それで、此方の方が僕らの主神のミアハ様で、この人が団長のナァーザさんです」
隣にいるミアハとナァーザを紹介しながらカイは頭を下げてきた。だが、キョウはカイの名前を聞き、思い出したことを口にする。
「もしかして…………あの【
「うわぁぁぁぁ!!?その二つ名は止めてくださいぃぃぃぃ!!!」
悲鳴にも似た絶叫をあげ、カイはガックシと項垂れる。表してみると、
○| ̄|_
みたいになる。
まぁ、キョウ自身も理解している。強くなりすぎた冒険者を待つのが、『二つ名』だ。別にそれが悪いのではない、
二つ名を決めるが、暇を潰した神々だからだ。娯楽に飢えた神々は、凄い二つ名をつけることがある。目の前の青年もその被害者だとよく分かる。
「はい、回復薬二十個とその他の道具も含めて、これで全部」
「あぁ、んじゃあ……………これくらいだな」
ナァーザから渡された袋を受け取り、支払いであるヴァリスを渡した。
「うむ、是非とも、うちのファミリアをご贔屓してくれよ」
人の良い笑みを浮かべるミアハの横に疲れたようにするナァーザと苦笑いを浮かべるカイが立っているのをキョウは視認する。
ダンジョンの入口前にて、ベルを探していたキョウはとある人物が出会った。
「あぁ、キョウさんですか?お久しぶりです」
「エイナさんか、お久しぶりだな」
ベルのアドバイザーであるエルフの女性、エイナに彼は答える。
「そう言えば、ベルはどうしたんだ?」
「えぇと、まだ帰ってきてないですけど」
まだダンジョンにいるのか、とキョウは首を捻った。ベルはまだ五層には行ってないはずだ、と考えていたが、
「エイナさぁん!キョウさぁん!」
聞いたことのある声に二人はすぐに理解できた。大声を出した少年に声をかけようと、振り向こうとする。
文字通り、真っ赤な人影が迫ってきてた。
「うおわぁぁぁぁっ!!?」
「ひぃぃぃぃぃぃぃ!!?」
悲鳴を重ね、キョウとエイナは戦慄する。その真っ赤な人影の正体である少年、ベルは嬉しそうに声を張り上げた。
「アイズ・ヴァレンシュタインについて教えてください!!」
キャラ紹介。
カイ・ソルヴァーナ Lv.3
ミアハ・ファミリア所属の唯一の冒険者。とある出来事が原因で戦えなくなったナァーザと主神ミアハの為に、努力をしている。
二つ名の通り、四元素(火・水・土・風)の魔法と剣技を扱う。