転生破壊者のヒーローアカデミア   作:ハッタリピエロ

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心無き者の思い

ハンコックの告白を受けた翌朝、ソニアとマリーから問い詰められた。

 

ニョン婆に至っては頭を抱えていた。

 

まあ九蛇の蛇姫が男に惚れるのは一大事だからな……

 

ようやく解放されて外でくつろいでいると

 

「真司」

 

「うん?」

 

レイジュが来た。

 

「ねえ……真司はなんでマリージョアを襲撃したの?」

 

「…………簡単だ。俺は人を人と思わないような所業が許せなかったからだ」

 

「……そう」

 

しばしの沈黙が場を支配する。

 

「ねえ……真司」

 

「……なんだ」

 

「もし……人殺しの一族に生まれたからって……生まれただけでも罪になるのかな……?」

 

おそらくヴィンスモーク家のことに今でも囚われているのだろう……

 

でも俺に言えることは一つだけだ。

 

「……関係ねえよ」

 

「!?」

 

「例え親がなにをしたって……生まれた子供に罪はねえ……血筋だけでは罪にならないと俺は思うぜ……」

 

「…………!」

 

なにも話さなかったのでレイジュの方を見ようとした時

 

「…………!?」

 

レイジュに抱きつかれた。

 

「…………ありがとう」

 

………………そうか

 

俺はレイジュをそのままにしておく

 

・・・・

 

レイジュside

 

私はこの血筋を今までずっと忌み嫌っていた。

 

なぜならこの血には感情というものを感じないからだ。

 

今までどんなに人を殺しても"可愛そう……"などと思えなかった。

 

それがどんなに辛く、苦しいものだったか……

 

そして弟が羨ましかった。

 

弟には父の遺伝子操作の影響を受けずに感情というものを充分過ぎるほどに持っていたからだ。

 

私は感情というものは他の弟と違って少しはある。

 

だからこそだ……感情を感じないというのが辛く、苦しいものだったのだろう……

 

だから……弟を助けられなかったのがより一層重いものだったのかもしれない……

 

それでも今まで生きられたのは改造されたこの力があったからだろう……

 

尚忌々しく感じてしまう。

 

でもそんな私にも光が見えた。

 

空野真司……

 

彼に助けられた時にはなにも感じなかった。

 

感謝はしていた。だがそれだけだった。

 

でも彼が奴隷解放の英雄だと知った時は驚き、この人なら私のことも受け止めてくれる……なぜだがそう思ってしまった。

 

そして彼は全てを打ち明けた。

 

彼はただ抱きしめてくれた。

 

それがどんなに暖かいものだったか……

 

そして私の心はドキドキが止まらなかった。

 

この心に感情はない筈なのに……

 

彼といるだけで満たされた……

 

私には感情がない。

 

でも彼となら失った感情を取り戻せるかもしれない……

 

そしてこんな私を受け止めてくれた……

 

そして彼の笑顔を見るだけで胸が切ない……

 

ああそうか……まだ私にもこんな感情があったんだ……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

私は……彼が……真司が好きなのね……

活躍させてほしいメインヒロイン

  • 柳レイ子
  • ユミナ・エルネア・ベルファスト
  • ボア・ハンコック
  • 他のヒロイン

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