転生破壊者のヒーローアカデミア   作:ハッタリピエロ

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これは異世界旅物語が終わった後のお話です。


閑話 雪菜(モネ)とのデート

ハイツアライアンスの中にある和室の部屋からコーチジャケットに黒スキニーの格好をし、オシャレ眼鏡をかけた轟焦凍が走っていった。

 

時同じくして街の中の一際目立つ場所にある日本家屋の家。

 

正面の扉から出た大男はサングラスをかけ黒のTシャツに長ズボンといったこれほどまでかと怪しいヤツ要素を詰め込んだ格好だった。

 

男がそのまま街に出ると周りの視線が集まった。視線の先は言わなくてもわかるだろう。怪しい大男である。

 

ただでさえ怪しい格好の上にそのガタイの良さがより怖さを引き出していた。ある意味でオシャレファッションなのかもしれない。周囲にいた子供は今にも泣きそうである。

 

そんな恐怖を抱かれているとも知らず男の目線は二人の男女を捉えていた。

 

・・・・

 

俺は指定された待ち合わせ場所まで来ていた。

 

俺は待ってくれている最愛の人物を探そうとしていると

 

「おーい!」

 

声が聞こえた方へ走り、ピンクのジャケットと他を黒でまとめた彼女を見た途端に俺は抱きついてしまった。

 

「きゃっ!?」

 

彼女は驚くが俺は更に強く抱きしめる。

 

「もう……焦凍……」

 

「ごめん……」

 

「ふふっ……でも嬉しい♪」

 

雪菜がギューっと抱きついてくれる。

 

ああ……最高だ……

 

俺がそのまま雪菜に抱きついていると雪菜が

 

「はーむっ……」

 

俺の耳をパクっと咥えた。

 

なっ!?

 

慌てて雪菜の方を振り向くと

 

「ふふっ……お返し♪」

 

雪菜が天使の微笑みでそう答える。

 

俺の顔がドンドン赤くなっていく。咥えられた耳の感触がすごく心地よかったのに俺は今でもドキドキしている。

 

そして離れると今度はお互いに腕を絡めてデートを開始しようとした時

 

バッ!

 

「どうしたの?焦凍」

 

「いや……なにか視線を感じたような……」

 

気のせいか?

 

「もー……焦凍はカッコいいから見られててもおかしくないの♪」

 

雪菜の不意打ちに俺は心臓が跳ね上がる。

 

「雪菜……」

 

「なに?」

 

「行こうか!」

 

「うん!」

 

そうして俺たちは歩き出した。

 

・・・・

 

一方その頃大男は

 

(危なかった!)

 

見られたかもしれないと内心ではヒヤヒヤしていた。

 

全く……アイツには油断も隙もない。まあそれでこそなんだがな……

 

さて尾行を再開しますか!といこうとしたときに

 

「ちょっといいですか?」

 

は!?

 

後ろから肩を叩かれた。

 

「警察です。職業はなにをされてらっしゃるのですか?」

 

職務質問ー!

 

こうして大男は自身のヒーロー免許を見せるのに時間がかかり、二人を見失った。

 

・・・・

 

雪菜と二人で商店街を歩いている。

 

さっき感じた視線は消えていた。どうやら俺の思い過ごしだったようだ。

 

今俺は雪菜と小物店にきていた。

 

雪菜が目を輝かせていた。まあ奴隷だった時にはできなかったことだもんな……

 

俺がふと目にしたものを手に取った。

 

それを買って雪菜のところまでいくと

 

「雪菜」

 

「ひゃあっ!!?焦凍か〜驚かさないでよ」

 

「ごめんごめん。それよりさ」

 

俺が買ったお揃いのブレスレットをそれぞれにつけると

 

「焦凍……これは?」

 

「俺からのお守り。これで俺たちはいつでも繋がってるって思えるだろ?」

 

「焦凍…………うん!私と焦凍はどこでだって一緒だよ!」

 

雪菜が赤くなって俺の手を握る。

 

握った雪菜の手はひんやりしてたが心はあったまった。

 

俺たちはそれから遊園地に向かった。

 

「すごーい!なにここ!」

 

雪菜が先ほど以上に目を輝かせていた。

 

「ねえねえ!焦凍!あれ乗ろ!」

 

雪菜が後ろ向きのジェットコースターを指差す。

 

そして順番を待っていると

 

「三段アイスだー!」

 

べちゃ!

 

焦凍はなにやらズボンのほうに冷たい感覚を感じた。

 

「あっ!すみません!うちの子が……!」

 

どうやらアイスがズボンに当たったらしい。

 

子供は泣きそうになっていた。

 

雪菜は焦凍を心配するが

 

焦凍は

 

「悪かったな。俺の服がアイス食っちまった。次は五段買いな」

 

焦凍がポケットから小銭を何円か渡すと

 

「あっ……ありがとうございます……!あっ……お金……!」

 

「いいですよ……そっちのアイスダメにしてしまったし……」

 

「そんな…………っ〜!すみません!」

 

子供は喜んで母親は申し訳なさそうにその場から立ち去る。

 

雪菜は鞄からウェットティッシュを取り出して応急処置をする

 

「焦凍流石♪」

 

「別に……あんなんで怒ってちゃダメだろ」

 

「ふふん♪やっぱり焦凍は優しいね」

 

そして順番が回ってきていよいよ乗る番となった。

 

・・・・

 

男は見失った二人をようやく見つけて

 

その現場を後ろから見ようとした時

 

べちゃ!

 

「あっ!」

 

下を見ると男の子が泣きそうな顔でこちらを見ていた。

 

母親は怯えるようにこちらを見ていた。

 

ふっ……昔の俺なら睨めつけていたかもしれんが今は違う

 

「大丈夫」

 

「うわあああああ〜!!!」

 

その凶悪な見た目もあって子供はついに泣き出してしまった

 

母親は泣き叫ぶ子供を抱えてその場から逃げるように立ち去った。

 

あまりの出来事に涙を流す男。

 

焦凍の知らぬ間に現場はカオスと化していた。

 

・・・・

 

俺は後ろ向きジェットコースターに乗った。隣は勿論雪菜である。

 

正直乗ったことのないジェットコースターに緊張してきた。

 

そう思ってたら

 

「大丈夫よ」

 

「雪菜……」

 

雪菜が俺の手の上に手を重ねてくれた。

 

全く……なにもかもお見通しってか……敵わないな。雪菜には

 

ちなみにこの光景を見ていた周りの男たちは

 

(((((爆発しろ!)))))

 

そしていよいよジェットコースターが動き出す。

 

後ろ向きにガッタンゴットンと上へ上へと昇っていく。

 

徐々に遠くなっていくジェットコースターのターミナルを見ると上へ昇るのを嫌でも感じさせられる。

 

雪菜の手の握る力が強くなっていく。

 

お互いの手を握りあった時に頂上に着いた。

 

そして後ろから一気に下へ落ちる

 

「キャアアアアア!!!!」

 

雪菜とが悲鳴をあげた時には下へと降りていて、ジェットコースターが傾いた。

 

その後も雪菜の悲鳴が響き渡り、2分が経ってようやく終了した。

 

ジェットコースターから降りた時雪菜がよろめいたのを俺がキャッチすると

 

『おおお〜』

 

周りから拍手が起こった。

 

そしてその場から立ち去ってレストランに入って注文を頼む。

 

・・・・

 

子供に怖がられるなんて……俺なにかしたか?

 

そんなことを思いながら男は二人の後を追う。

 

流石にレストランに入ると尾行に気づかれてしまう。

 

それに時間もそろそろいいからなので外でファーストフードを食うことにした。

 

相変わらず店員には怯えられていたが今度は無事に買い物を済ませることごできた。

 

コーラを飲みながらレストランの中を覗くと男は吹き出した。

 

もう一度見てみると

 

雪菜が焦凍にホットケーキを"あーん"しているのだ。

 

そして男はいつもならありえないような緩んだ焦凍の顔を見て言葉を失った。

 

とハンバーガーを口にしようとした時

 

後ろから爆発が起こった。

 

・・・・

 

俺と雪菜がレストランから出て現場に向かうとそこでは、魔化魍のバケガニが3体も暴れていた。

 

焦凍はすぐさま氷結を放つがバケガニは無理矢理拘束を解いた。

 

そして一体の攻撃は避けるももう一体の一撃で吹っ飛ばされた。

 

「ぐわっ!」

 

「焦凍!」

 

(強え……俺が勝てるのか?)

 

珍しく弱気になってしまった。

 

とその時

 

「どうしたあ!焦凍!」

 

「あ……?」

 

「お前はそんなものかあぁ!たった一撃喰らったがなんだ!ヒーローとは最後まで戦い抜くものだあぁ!」

 

「くっ……」

 

「おまえには聞こえんのかあぁ!この声援が!」

 

と耳を澄ましてみると

 

「お兄ちゃん頑張って!」

 

「そうだ!」

 

「頑張れー!」

 

「負けるなー!」

 

そうだ……俺は負けるわけにはいかない……!ヒーローに……なるために……!

 

「うおおおおおおおっ!!!」

 

立ち上がって俺は鳳凰になり天へと舞い上がり辺りの空気を最大限まで冷やしてバケガニに特攻を仕掛けバケガニの攻撃が当たる寸前に周りの空気を一気に暖っためて衝撃波を三体のバケガニに当てた。

 

攻撃を喰らったバケガニたちは二度と起き上がらなかった。

 

「ふぅ〜」

 

「あ、あの焦凍さんですよね!?」

 

「え?」

 

「あの英雄の轟焦凍ですよね!私大ファンなんです!サインください!」

 

「え!?本当なの!?」

 

「ショートくん!?」

 

「私も大ファンなの!」

 

「キャアアアアア!!!」

 

女の子たちが焦凍の周りに集まった。

 

「ちょっ、ちょっと待ってくれないか?」

 

焦凍は女性陣たちに待ってほしいと言ったあと怪しいい男に

 

「父さん。なんでここにいるのかな?」

 

・・・・

 

「父さん。なんでここにいるのかな?」

 

ギクッ!!!

 

焦凍が放った言葉に俺は内心では落ち着けなかった。

 

「父さんってエンデヴァー!?」

 

「嘘だろ!?」

 

「俺エンデヴァーのファンなんだ!」

 

「英雄親子がここにいるのか!?」

 

一同がざわめく中で俺は

 

「…………な!なんのことかな!轟焦凍くん!私はただの通りすがりの一般人だよ!」

 

エンデヴァーの下手すぎる芝居に一同は

 

(うわぁ…………)

 

「じゃあ、なんで俺の名前を知ってたんだ?」

 

エンデヴァーは

 

(これは……引っ掛けだな)

 

「き、君の体育祭での活躍を見てたからだよ」

 

焦凍は内心では

 

(ちっ!引っかからなかったか!)

 

そんな焦凍が次に発した言葉は

 

「母さんは元気か?」

 

「ああ!元気になっていってるぞ!もう少しで退院できるって先生が……」

 

エンデヴァーは墓穴を掘ったと今更になって気付く。

 

そして異常といえるほどの汗を流す

 

「や〜っぱり父さんだったんだ〜」

 

一同はエンデヴァーは意外にマヌケだと思った。

 

そして

 

「「父さん!/炎司さん!」」

 

そして大衆の前で正座させられ説教を受けた。

 

一同はエンデヴァーが「すみません。すみません……」と言ってる様に言葉を失っていた。

 

焦凍は未だに怒っていたが雪菜が「もういいんじゃない?」と言ってくれたおかげでようやくエンデヴァーは解放された。

 

雪菜のおかげでこの後もエンデヴァーは同行の許可ができた。

 

デートの最後にはスケートリンクとリンク上で待っていると

 

「お待たせ」

 

着替えてきたモネの姿に男性陣はおろか女性陣まで目を奪われていた。

 

白のスカートに青の服は顔を赤らめている雪菜に正にベストマッチしていた。

 

そして雪菜の手を取って焦凍は滑り出す。

 

スピンなどの派手な技はないが二人が滑る様はまさに幻想的だった。

 

そして焦凍は

 

雪菜の手……冷たいけど気持ちいい……この上ない幸せを実感していた。

 

余談だがエンデヴァーは冷や冬美にこっぴどく怒られることとなった。

 

 

 

 

 

 

 

 

活躍させてほしいメインヒロイン

  • 柳レイ子
  • ユミナ・エルネア・ベルファスト
  • ボア・ハンコック
  • 他のヒロイン

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