肌寒い空気の中、スゥスゥと寝息をたてている焦凍
ふふっ……可愛い……
焦凍の寝顔を見ていると
ああっ……もう我慢できない!
そして焦凍の上に馬乗りになると
「んっ……」
と可愛い声を漏らす。
カッコいい焦凍もいいけど可愛い焦凍も最っ高!
そして焦凍の目がパチっと開いた。
・・・・
俺は夢かと疑った。モネが俺の上に馬乗りになっていた。
もちろん嫌ではない。でも鍵がかかっていたはず……ああ、モネには無意味だったな……
「おはよう焦凍」
「……おはよう。いつから乗ってたんだ?」
「30分前ぐらいかな?」
「……いい加減どいてくれ」
「嫌なの……?」
涙目で見ないで欲しい
「俺だって男だぞ」
「……焦凍のエッチ」
顔を赤くしてポカポカと叩いてくるモネが可愛かった。
しかし朝からモネの笑顔が目の前にあると心臓に悪い。
「それはさておき……焦凍、今日は予定ない?」
「特にないな……修行に費やすぐらいかな」
「なら私は今日は焦凍に付き添うよ」
「いいのか?」
「うん、焦凍と一緒にいたいから♪」
モネは平然とこういうこと言ってくるからな……そういうところもまた彼女の魅力なのだが。
そして食堂まで行くとそこには
「あらぁ?焦凍くんにモネちゃん!おはようなのよ!」
望月花恋。冬夜の義理の姉としてこの世界に存在する神さまの恋愛神だ。
「相変わらず仲睦じいのよ〜見ているこっちもキラキラなのよ!」
「は、はぁ……」
そう言われてどんどん顔が赤くなるのがわかる。
この人は他人の恋愛にズブズブ入ってくる人だ。それがくっつくこともあれば別れることもある。どっちがいいとはいえないが間違いなくその人たちの利益になるような助言をする。だが同時に恋愛神による被害を受ける人も少なくない。主に受けているのは冬夜だが……
朝ごはんはフレンチトーストに生ハムとチーズだった。
正直和食がよかった……とも思いながら食ってみたが美味かった。
パリッとした食感から溢れる甘いハチミツ
モネもご満悦のようだ。全く真司の母さんには頭が上がらないな。
次に生ハムにフォークを突き刺して口に運ぶととろけるような美味さが口に広がる。
「美味しい……!」
モネのチーズを頬張っている顔がすごく可愛い……
「むー……!」
じーっと見てたら睨まれた。
恥ずかしいのかな?
ちなみにこの様子を見ていた花恋は
(ああっ!……!キラキラなのよ!二人のラブラブな雰囲気がこの空間に満たされてるのよ!)
そして食い終わると
「じゃあモネ、行こっか」
「あ、うん……」
俺たちはお互いぎこちない感じだがじーっと見つめ合っているうちに顔がリンゴのように赤くなり、恐る恐る手を差し出して握る。
(モネの手……冷たくて、柔らかい……)
(焦凍の手……硬くて逞しい……ああっ…抱きつかれたい……!)
モネの握る力が少し強くなり、身体をこちらに寄せてきた。
俺もモネの方に寄り添い、お互いの体温を確かめ合った。
そして城下町に出ると
「あっ!焦凍くんにモネちゃん!元気かい!」
「相変わらずお熱いねえ!」
「安くしとくよ!ミカンとかどう!?」
とかけられる声は様々だがこの国に悪い人は殆どいない。
ユミナの魔眼によって真司を利用しようとしてきた者たちは全て弾かれたからだ。
俺はモネと一緒にギルドに入ると
「あっ、焦凍じゃないか」
「エンデ、お前も依頼を受けにきたのか?」
「うん、僕はブラッディクラブの討伐。メルがカニを食いたいっていってたしね」
エンデ、フレイズの王と結ばれようと願い幾多の世界にフレイズを侵攻させるキッカケを作った人物である。
まあだからといってコイツを責めるのはない。コイツらも被害者だしな。
そしてメル。フレイズの王にしてエンデの彼女。そして八重をも超える大食らいだ。フレイズに食事は必要ないのだがあくまで味を楽しむもんだとしている。
「焦凍たちも依頼を受けにきたんだったらワイバーンなんかオススメかな」
「ワイバーン……?」
「すぐ近くのメリシア山脈に出たって書いてあるよ。よかったら受けてみたら?」
「エンデ……それってお前らが食べたいから俺たちからちょっと貰おうとか思ってないよな?」
「ギクッ!」
「はぁ……まあいいけどさ。俺たちも食いたいし」
「なら今日は僕の家に来てよ、メルも君たちと色々話したいって言ってたし」
「わかった。モネもいいか?」
「うん……いいよ。私もメルさんと色々話したいし」
「相変わらず君たちは仲がいいね……」
「お前だって人のこと言えないだろ」
「ハハハ……じゃ!そういうことだから!今日僕の家に来て!」
そう言って走っていくエンデ。
なんか……前に比べたら明るくなったな……
「焦凍、ワイバーンの依頼受けるの?」
「ああ、約束しちまったしな」
俺は依頼書を剥がして受付まで持っていく。
俺たちは腕を翼に変えて目的地まで一気に飛び立つ。
そして着いた場所で見聞色を発動させるとこちらに気づいた気配を察知した。
コイツが……
そこにいたのは赤いワイバーンだった。
ワイバーンは炎を吐いてきたが冷気を纏った風で相殺して一気に接近して下顎から蹴り上げた。
その隙にモネが尻尾をたびら雪で斬り落としてワイバーンを飛べなくする。
そして俺は一気に上空まで飛び上がってヨタヨタと歩くワイバーンめがけて一気に急降下してオーバーヘッドキックを背中に叩き込んだ。
背骨が折れたワイバーンは絶命した。
「焦凍、終わった?」
「ああ、これを持っていけばいいだけだ」
スマホに付けられたストレージアプリにワイバーンを収納する。
これは冬夜がエンチャントしてくれたアプリだ。
正直これがあればスマホ一つで自由に持ち運びができる。
ちょっと休んでから行こうということで俺たちは草原まで足を運んだ。
そこは山脈の頂上からベルファストを見渡せるぐらいの絶景だった。
「すごい……」
モネもその絶景に見惚れていた。
「ねえ、焦凍。焦凍の世界もこんな感じなの?」
「いや……俺の世界はもっと……」
色々話し合ってるうちに眠くなって欠伸をすると
「焦凍」
「モネ……?」
「はい、おいで」
そう言って正座しているモネは自分の膝をたたく。
俺はその誘いを断れるわけもなく頭をモネの膝に預けた。
モネの膝……とっても柔らかい……その感触に誘い込まれるように俺は眠りについた。
そして起きて目を開けると眠っているモネの姿が見えた。
モネ……眠かったのに俺の為に膝枕を……
そう思った俺はモネの頭を俺の膝に置いた。
今度は俺がモネの枕になる番だ。
それにしても……可愛いな……
スゥスゥ息をたてて眠るその姿はまさしく天使のようだった。
そして俺は我慢できずに唇にキスした時
「う……ん……フェェッ!?焦凍ォ!?」
モネが起きてしまった。
そしてモネに正座させられて
「全く……いくら彼女だからって寝ている時にキスするなんて!」
「ごめん……」
(キスしたかったら……言ってくれればしたのに……)
その後ギルドまでいって依頼の完了を告げると白金貨8枚が貰えた。
夜になるとエンデの家に行くとメルとエンデがいた。
「あら、いらっしゃい。焦凍さん」
「いらっしゃい。ちょっと待ってね。ご飯の用意するから」
中にはあまり家具といえるものがなかった。
ベッドは大きかったが……
そしてワイバーンの肉をエンデに渡して焼いてもらい
メルも捌いたブラッディクラブの調理を手伝っている。
味噌ベースがいいかな……
あと……
「蕎麦……」
ストレージに入れていた蕎麦粉と小麦粉などを出して蕎麦を作る。
「焦凍、それは?」
「蕎麦……美味しいぞ?」
「どんな料理なのですか!?」
「麺料理……」
そしてそば粉と小麦粉をふるいにかけて混ぜる。
そして水をこまめに入れながら麺の素を作っていく。
そして沸騰したお湯に麺を入れる。
エンデの方はワイバーンを塩胡椒で焼いていく。
そして茹でた麺を冷水で冷やして水を切る。
メルが作っていたカニのサラダも出来上がった。
ご飯が出来上がってテーブルにつくと
『いただきます!』
俺はすくった蕎麦をすする。
「美味い……」
誰が漏らした声かわからない。
だが皆が美味しいと感じたのは確かだ。
「メルさんはいつエンデと出会ったの?」
「そうでふね……あれは」
メルとモネはガールズトークに没頭していた。
「ねえ焦凍……僕たちはなに話す?」
「言うな……」
俺たちはいたたまれなくなってワイバーンの肉に手を伸ばす。
そしてエンデたちのご飯会が終わると
俺はモネと手を繋いで静かになった城下町を歩いていく。
「ねえ焦凍、今日は楽しかった?」
「ああ……」
「じゃあさ!今日のことは永遠に胸に刻んでおくよ!」
「モネ……」
「ふふっ……!」
こうして俺たちの日常は過ぎていく。
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