「う……ん……。あ……」
俺は目が覚めると同時に昨日の出来事が夢じゃないと理解した。
前には楯無さん、後ろには簪がスゥスゥ……と寝息を立てて気持ちよさそうに寝ている。
どうしよ……となにかを考えようとしていた時
「やっと起きましたか?」
ハッ!?
横から聞こえてきた声に反応するとそこには
「真司さん。随分気持ちよさそうに寝ていましたね?」
「そうだね……」
ユミナとアインがこっちをジーっと見ていた。笑っているが目に光がない!怖え!とその時
「ふぁぁ……あ、真司くんおは……よう……」
「真司おは……よう……」
二人も起きると同時にこの修羅場に気づいた。
「あー……えーっとこれはだな、その」
俺が言い逃れをしようとした時、ユミナが笑うのを止めてハァ……とため息を吐くと
「わかっております。昨日の出来事でこの方々が真司さんのことを好きになったのも。そして真司さんが二人を受け入れようとしていることも」
ユミナの言葉に楯無さんたちは赤くなり、当の本人は静かに楯無さんの方に向くと
「そのうえで聞きます。楯無さん、簪さん、あなたは本気で真司さんについていきたいと思っていますか?」
「私は……うん!本気だよ!真司くんと一緒に添い遂げたいと思っている!」
「私も!お姉ちゃんと一緒に!」
ユミナは静かに楯無さんたちを10秒ほど見てアインとアイコンタクトをとると
「そうですか!なら私たちは真司さんの婚約者の同志として迎えたたいと思っております!お互いに助け合って夫を支えていきましょう!」
「ええ……ありがとう……」
楯無さんは笑っていたが
「えっ!?ユミナさんって真司さんの妹じゃないの!?」
そうか……簪は知らなかったのか……
俺の事情を簪にも説明すると
「そうだったの……」
「まあそういうわけでこの世界に来たんだ。騙しててごめんな」
「ううん……教えてくれてありがとう……」
こうして簪に楯無(後で教えてくれたのだが楯無は実家の当主の名前で本名は刀奈というらしいので婚約者だけの前では刀奈と呼ぶことにした)さんも俺の婚約者となった。
・・・・
「これから各機体の特性と装備についての授業を始める……と言いたいところだがその前に来週のクラス代表戦に出場するクラス代表を決定する。クラス代表とは、対抗戦の代表だけでなく生徒会の会議、委員会への出席もある。まあ、いわばクラス長のようなものだ。そして対抗戦は現時点でのクラスの実力を測るものだ。こういった行事はクラスの向上心を高めるのにも繋がる。自薦他薦は問わん」
「はい!織斑くんを推薦します!」
「私も!」
「あっ!じゃあ私は空野くん!」
「私も!」
「えっ!?ちょっ俺っ!?」
一夏がマジっすか!?みたいな顔をしている。まあしょうがないだろ……
「他にはいないのか?この二人で競うということで「納得いきませんわ!」
突如セシリアが声を荒げて机をバンっと叩き立ち上がった。
「そのような選出が認められていいはずがありません!本来であればクラス代表になるはずの私がただ珍しいというだけで無知な男にその座を取られるなどいい恥さらしですわ!このセシリア・オルコットにそのような屈辱を味わえと!?大体文化も後進的な極東の猿に……etc」
言うねえ……だけどその発言は日本に喧嘩売っているようなものだぞ。織斑先生を始めクラスの大半がセシリアを睨んでいる。はっきり言わせてもらうと愚かだな。どちらにしろ止めるべきかと思った時
「イギリスだって大したことないだろ?不味い料理しかないくせに」
「なっ!?貴方私の祖国を侮辱しますの!?」
「先にバカにしてきたのはそっちだろ!」
あの野郎!話をややこしくしやがって!
さすがに織斑先生も止めようとした時に
『バンッ!』
突然教室内に響く音。俺が声を発生させたほうを見るとそこには表情こそいつものままだったが目には怒りが籠っていたユミナだった。
・・・・
ユミナside
私は今多分、自分でも抑えられないぐらい怒っている。
真司さんへ侮辱とセシリアさんの発言に怒りを覚えたのもそうだが一夏さんとの言い争いで私の堪忍袋の緒が切れた。
恐らくだが私が机を叩いてなければ真司さんが止めていただろうがここははっきり言った方がいいでしょう。
「な、なんですのいきなり!」
どうやら彼女は自分の発言の重みをわかっていないようだ。織斑さんも目を丸くしていた。
「いい加減にしてください。これ以上国の確執を広める行為をしないでくれませんか?」
「ど、どういうことですの!?」
「わ、わかるようにいってくれないかな?」
「セシリアさん。アナタの立場は代表候補生。いわばあなたの言葉は国の言葉と取られるんですよ!それなのに貴方のさっきからの発言は何なのですか!日本に戦争でも仕掛けたいのですか!?それで本当に戦争になって国の人たちが犠牲になってもいいのですか!?」
「あ、あああ……」
どうやらやっと自分の立場の重みをわかったみたいだった。
「織斑さん。アナタもです。売り言葉に買い言葉……確かに仕掛けたのはセシリアさんですがそれに反応しては同レベルもいいとこです。もうすこし考えて発言してください」
「ううう……」
「私が言いたいことは以上です。織斑先生、急に発言して申し訳ありません」
「いや……本来なら私が止めるべきであることをおまえにやってもらってすまなかったな。礼を言う」
ふぅ……すこし荒げてしまいましたね……
とここでセシリアさんが
「私の発言で皆さんに不快な思いをさせてしまい申し訳ありませんでした!」
「謝ってくれたからいいよ!」
「今度から気を付けてね!」
「気にしないで!」
「あー……俺も悪かった。すまない」
クラスの皆さんも許してくれるようだった。
「じゃあオルコットと空野、織斑の三人で来週の月曜日に代表決定を行うことにする」
織斑先生の一言で話が締めくくられた。
・・・・
あー……ユミナが声をあらげたのは珍しいな……まあそうでもしなきゃあれは止まらなかったからな……
「真司さん、先ほどは申し訳ありませんでした」
「いや、いいよ。ユミナの言うことも最もだったからな」
そして授業に入ると
「織斑、お前の機体だが専用機が送られることとなった」
「専用機!?ホントですか!?」
俺が勉強を教えた甲斐あって簡単な単語ならわかるようになった一夏。
「あれ?真司の専用機は?」
「空野は既に専用機を持っている」
『『『ええーっ!?』』』
まあディケイドの力だ。
そして授業も終わって昼休み
「真司いる?」
「お、簪」
簪が教室までやってきた。
「え?真司くんってかんちゃんと知り合いなの?」
「ルームメイトだよ。っていうか布仏さんも簪と知り合いなの?」
「私はかんちゃん専属の使用人だからねー」
そうだったのか。しっかしポワポワした子だなー……なんか和む。
「じゃあ皆で昼ご飯食べない?」
「いいのー!ありがとー!あと私たちの知り合いだけどお嬢様も誘わない?」
「お嬢様?」
「この学園の生徒会長だよー」
「もしかして楯無さん?」
「知ってるのー?」
「うん。部屋に忍び込まれたからね……」
「ははは……お嬢様ならやりそー」
「真司さん。レイ子さんの作ってくれた弁当がありますので皆で食べるには充分かと」
「なら生徒会室で一緒に食べない?」
「いいのか?」
「うん……お姉ちゃんも喜ぶと思う……」
「でも生徒会室ってどこだろ?」
「私が案内するよー」
布仏さんが先頭を歩いていき俺たちもついていく。
「ここだよー」
そして簪がノックすると
「は~い」
「お姉ちゃん。私。真司たち連れてきたよ」
「いらっしゃい。真司くん。ユミナちゃんたちも」
「貴方が真司君ですか。初めまして。本音の姉の虚です」
楯無さんと布仏さんの姉である布仏虚(うつほ)さんがいた。
「さ?立ち話もなんだから座って?虚がお茶淹れてくれるから」
虚さんの淹れてくれた茶を一口飲んだ俺は
「お……美味い……」
「ふふっ……それはよかったです」
「さ~て皆揃ったし昼ご飯にしますか」
『いただきます!』
レイ子の作ってくれた弁当は相変わらずの美味しさだ。
と楯無さんが
「ねえねえ真司君?これってユミナちゃんが作ったの?」
「いやこれはですね……」
レイ子たちのことも話すと
「へ~そうなの。しっかしそのレイ子ちゃんって子にも会ってみたいわね」
「私も!真司の嫁仲間として!」
「えっ!?なになにどういうこと!?」
「あっ、そうか……本音は知らなかったのね……」
虚さんは知ってたのか……
「えっ!?じゃあかんちゃんは真司君のお嫁さんなの!?」
「えへへ……うん……」
「それにしても驚きだなー……真司君が異世界の人だなんて~」
そう言っておにぎりを頬張る本音さん。口元にご飯がついてますよ……
「真司さん。代表戦は勝てそうですか?」
「勿論勝つつもりだが、負けを想定しない気はないな」
「真司くん。もしよかったら私が特訓してあげるわよ?」
「いいんですか?」
「もっちろん!旦那さんの頼みを聞くのも奥さんの役目だからね!」
大きな胸を張って扇子を広げる楯無さん。扇子には……『妻の務め!』と書かれていた。やっぱりすごいな……そのスーパー扇子
こうして一週間の間、楯無さんと訓練をすることになり、そして代表決定戦当日。
活躍させてほしいメインヒロイン
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柳レイ子
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ユミナ・エルネア・ベルファスト
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ボア・ハンコック
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他のヒロイン