物間視点
僕は正直焦っていた。
ああ意気込んだのはいいものの、全く相手にされてないからだ。
A組随一挑発に弱い爆豪を誘い出したはいいものの、
早々にハチマキを取られてしまって、すぐに取り返そうとしたら奪った本人は一位さんのところへ飛んで行ってしまったからだ。
全く相手にされない。
イライラするね…これだからA組ッ〜!
A組への敵意に気を取られたせいで上鳴の射程範囲にまで
入ってしまっていたことに気付かなかった。
挙句凍らされていいとこなしだ。
散々好き勝手やってくれるね!これだからA組は!!
緑谷視点
…空野真司くん
雄英高校で試験を勝ち抜き同じA組に入ってきたクラスメイトだ。
正直僕は空野くんが羨ましい。
僕は幼い頃から無個性だと馬鹿にされて何もできなかった。
かっちゃんにも馬鹿にされ、ヒーローになるのを諦めきれなかった。
オールマイトから個性を貰っても尚、僕は空野くんの足元にも及ばない。
聞けばあの0ptを僕の他にも余裕で倒したものがいたらしい。
それが彼だ。その後も個性把握テストでは堂々の一位になり、戦闘訓練では推薦入学者の轟くんを圧倒し、USJでもオールマイトを追い詰めた脳無に勝利し、今の僕よりもずっとずっと強い。
でも彼はかっちゃんみたいに粗暴な振る舞いも見せず、
轟くんのことにも真正面から向き合って、轟くんを救ってみせた。
そして、オールマイトの傷すらも治してしまった。
オールマイトが「空野少年は君にとって大きな壁になるだろう」
と言っていたのにも納得してしまう。
そして、かっちゃんにも臆さない精神。大胆不敵に宣戦布告を返した度胸。その姿はまるでトップヒーローのようだった。
そして、もう一人気になっている人がいる
…柳レイ子さん
戦闘訓練でペアになった人だ。
かっちゃんが泣かせた人だったけど、今思えばとても強い人だなあと思ってしまう。
僕の境遇を聞いても尚、僕を馬鹿にすることもせず、一緒に頑張ろうとまで行ったくれた。
彼女も個性の関係で幼い頃虐められていたらしいが、それでも、虐めに屈しなかった彼女をとても強いと思ってしまった。
戦闘訓練の際に僕をかっちゃんから助けてくれたその時、
僕の目には彼女は美しくヒーローの様に映った。
それから柳さんを見ると胸がドキドキし、話しかけるのもままならない。
柳さんが真司くんに抱きついているのを見るととっても嫌な気分になり、胸が苦しい。この気持ちはなんなんだろう…?
騎馬戦が始まると同時に動いたが騎馬の常闇くんたちが動かなかった。足元を見ると峰田くんのモギモギがあり、動揺したその時に、
梅雨ちゃんにハチマキを奪われてしまった。
僕たちが動けない中、真司くんたちは全てのハチマキを奪い上空へと逃げた。
僕は一か八かの提案を皆に話した。
皆は頷いてくれたがこれは賭けだ。
上手くいくかも分からない。
それでも真司くんに…柳さんに…追いつきたい!
常闇くんに投げてもらった僕は一気に突っ込んでいったが
真司くんの炎に阻まれてしまった。
結局ハチマキを奪えなかった。
ああ、やっぱりすごいなあ……
爆豪視点
俺は小さい頃からなんでも自分が一番だと思っていた。
その証拠に周りのやつらで俺より優れた奴はいなかった。
個性もヒーロー向けの強力な個性が発現した。
俺がトップヒーローになる男だと雄英に入るまで疑わなかった。
だがここだ…ここに入ってから俺の何かが壊れたんだ。
…空野真司
癪だが今の俺よりも強いと認めざるを得ない人物だ。
入学初日でいつものように他人を見下す感じで、俺に突っかかってきた幽霊女に怒鳴った時、あいつは俺に掴みかかってきた。
俺は驚き、認めたくはないが気圧されてしまった。
こいつは俺より上だと。
続く個性把握テストでもあいつは全ての競技で俺より遥か上の記録を叩き出していた。気にくわなかったが、それよりもデクに個性があったことがもっと気に食わなかった。
俺はデクに問い詰めようとした時、アイツはデクに向かっていった。
こいつには勝てないと悟っていた俺は飛びかかろうとしたのを我慢した。今思えば、正しい選択だったと思う。
その後の戦闘訓練ではアイツは推薦入学者の轟を圧倒し、その様子を観察していた俺はアイツの実力は個性だけではないと痛感させられた。と同時に自分が個性に酔いしれ努力を怠っていた愚か者だとも知ってしまった。
こうなると過去の自分を殺したくなる。何故自分の個性を伸ばさなかったのか。何故周りに褒めそやされ胡座をかいていたのか。
そしてUSJで脳無とかいう化け物の一撃を喰らい、ボロボロになったオールマイトを見て俺は唖然とした。
自分の憧れだったNo. 1ヒーローが敵に圧倒された瞬間に。
俺はこの時心の中は絶望感で満たされていた。"勝てるわけがない"
だがアイツはそれでも立ち向かい、黄金に変身した変身野郎は
オールマイトを圧倒していた化け物をまるで子供扱いするほどの実力
だった。
そしてアイツはオールマイトの傷すらも治してしまった。
そして、オールマイトの傷を知った時、自分が情けないとも思ってしまった。
オールマイトは命懸けで悪と戦い平和の象徴とまで言われるようになった。
対して自分はどうだ?
薄っぺらい夢でヒーローとは何なのかをまるっきりわかっちゃいなかった。
だがそれでは今までの自分を否定することになってしまう。
だから俺は誓った。
"俺はオールマイトを超え、最高のヒーローになってやる"と、
それは爆豪が新たに掲げた目標だった。
だが、障害物競走では変身野郎にしてやられ、下だと思っていた幽霊女に見せつけられたのは実力の差。
アイツは0ptを殲滅し、俺より上の三位になったことだ。
騎馬戦では一位になってやると意気込んで、
襲ったきたB組のモブを返り討ちし、変身野郎へ飛んで行ったが、あっさりと躱され、挙句の果てにハチマキまで奪われてしまった。しょうゆ顔のお陰で助かったが、このままじゃ俺たちは予選敗退だ。と変身野郎の方を向くとアイツが上空へ逃げるのが見えた。
他のモブどもは諦めているが俺はこんなとこで止まるわけには行かなねえんだよ!
この一週間特訓した爆破で飛んで行ったが炎で近づけずタイムアップになってしまった。
クソがあああ!!
轟視点
俺はずっと一人だった。
クソ親父は敵だし、味方だった母もクソ親父のせいで、居なくなってしまったからだ。
中学でも友達というもんを俺は知らなかった。
父がエンデヴァーということに周りは俺を避けていったからだ。
だが別にどうでもよかった。そんなことは慣れっこだ。
雄英に推薦入学で入った俺はクソ親父を見返す為に右だけでここで一番になってやろうと思った。アイツと出会うまでは……
…空野真司
実技試験トップで雄英に入学したやつだったが、あまり興味はなかった。
今思えばこの時の俺は周りが見えてなかったかもしれない。
入試トップだろうがそいつよりも上に立ち、俺がトップになると考えていたが、その考えは甘かった。
個性把握テストさえも俺はやつに一つも勝てなかった。
戦闘訓練では手加減された挙句の惨敗。
だがその時の奴の様子は今でも覚えている。
俺の過去を的確に見抜いたアイツに俺は一種の恐怖を覚えたが
アイツは俺に母の言葉を思い出させてくれた。
アイツに負けた後、俺はお母さんに会いに行くことにした。
あの事件以来、母は精神病院にいる。
受付で俺が来た時には驚かれた。
そりゃ何年も見舞いに来てなかった息子がいきなり来たんだ。
病室の前まで来ると手が震えてしまう。
『時折、酷く醜く思えてしまうの』
俺の存在が母さんを追い詰めてしまうから会わなかった。
でもお母さんは、今でも俺に…クソ親父に…囚われつづけている。
だから俺がこの手で、望まれていなくたっていい、助け出す。
それが俺のスタートラインだと、そう思ったからだ。
意外にも先に謝ってきたのは母の方だった。
母は泣いて、驚く程あっさりと笑って赦してくれた。
俺が何にも捉われずにつき進むことが幸せであり救いになると言ってくれた。
たった一言…!それだけで俺はアイツに救われた。
お母さんの為にも俺はアイツを超えるヒーローなる!
クソ親父は今でも赦したわけじゃない。
だがアイツを超える為にもこれを自分の力だと受け止めた。
障害物競走ではアイツにやられた。
柳にもギリギリで追いつかれそうだった。
アイツが認めるだけあると思い知らされた。
そして今、騎馬戦ではアイツに自分の作戦は防がれハチマキも取られてしまった。
そしてアイツは誰も届かないような上空へ逃げ、
誰もが諦めていたが、
こんなところで諦めたら俺は母さんに合わせる顔がない!
左の炎で俺は上へと飛んで行ったが、
アイツはそれを超える炎を身に纏い、俺たちの接近を許さなかった。
ああまた負けたか……だが不思議と嫌な気分にはならなかった。
そうか…お前になら負けてもいいと思えるようになったのか。
だが、空野。いつか俺はお前に追いついてやる。
エンデヴァー視点
俺は今、雄英高校のスタジアムにいる。
何事もないようにふるまっているが内心では驚いていた。
あの焦凍が迷いなく、左を使っていたからだ。
アイツは高校に入るまでも左を使おうとはしなかった。
それは俺が冷にした仕打ちが、原因といえるだろう。
あの時に俺がしたことは今でも後悔している。
オールマイトを超える為にアイツや、家族にしてきたことが今では間違っているとわかったからだ。
今更赦してもらおうとなど、おこがましいことを考えているわけではない。
ただ、今でも俺を憎んでいるであろうアイツが左を使う理由を知りたかった。
冬美に聞いた話だと、アイツには左を使ってでも超えたいヤツがいるらしい。
…空野真司
雄英高校入試を一位で通過した生徒だそうだ。
だからこの体育祭で焦凍がそこまでして超えたいヤツをこの場で見極めることにした。
障害物競走では圧倒的だった。三位の柳という少女の方が目立った動きをしているように見えるが、アイツは実力は並大抵のプロを超えていたのがわかる。最後の関門でもアイツは想定外のことが起きても慌てず、すぐに分析し、共闘してではあるがあっさりと障害を乗り切ってしまった。今行なっている騎馬戦でもそれが見ればわかった。
判断力、技術力、個性、素の身体能力もどれも今の焦凍を超えていた。
俺は過去に取り返しのつかないことをしてしまった。
だが、焦凍はそれに向き合おうとしている。
俺も過去から逃げてはいけないのだろうな…
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