エンデヴァー視点
今俺は冷のいる病院にいる。だが冷に会うつもりはない。先生に手紙と花を預けに来ただけだ。
今はまだ会わない方がいいだろう。
冷はまだ俺に…過去に囚われているからだ。
過ちは取り返しがつかないのかもしれない。だがこれから俺は家族に…焦凍に…冷に…償わなければならない。
そのためにはこれから真正面から父として…ヒーローとして…
轟炎司として…家族と向き合わなくては…
今からでも遅くはない。俺はアイツらと本当の家族になりたい…
そしてヒーローとして人々の…焦凍たち子供の未来を保証させなければ…だから焦凍、冷。どうか俺を見ていてくれ。
ー轟冷視点
夏が近いというのにまだ肌寒い。小鳥のさえずりが私を落ち着かせてくれるのも束の間、車の音がうるさく、とても落ち着かない。
でもなぜか今の私は落ち着いている。今日、また焦凍が見舞いに来てくれると言ってくれた。
焦凍が見舞いにきてくれた時には驚いた。今でも私はあの時のことを後悔してる。あの人が怖くて焦凍に取り返しのつかない傷を残してしまったからだ。
それでも焦凍は私と向き合ってくれた。それを理解した瞬間に私は涙を浮かべ焦凍は抱きついてくれた。
あの人に囚われず前に進むと言ってくれた時には笑顔が溢れた。
学校で友達ができたって言われたときに失礼だが本気で驚いてしまった。
「…アイツのお陰で俺は過去から…父さんから…向き合うことができた」
「すごいやつなんだ…戦闘訓練で俺に勝っちまうし」
「アイツに勝ちたいって思ったときに…俺は左を使っていたが…嫌な気分にはならなかった」
その子のことを聞いてるうちに私も会いたくなってきたなあって言うと焦凍は驚いていた。
でも焦凍が世話になってるですもの。一度ぐらいは挨拶しておきたい。
時間が遅くなったので焦凍は帰ろうとしたときに
「体育祭頑張ってね!私もテレビで見てるから!」
焦凍は「うん」と言ってくれて帰っていった。
その後雄英体育祭を見たが、焦凍が言うようにその子は確かに凄かった。素人目の私でもその強さがわかってしまった。
騎馬戦でもその子は焦凍に勝ち、トーナメントでも優勝してしまった。
焦凍が迷わず左を使った時には過去から立ち直れたんだと嬉しかった。
焦凍も負けはしたがその顔はとても晴れ晴れしているようだった。
雄英体育祭が終わって1日が経つとあの人が来てくれた。
その手紙の内容を見て私は驚いた。
あの人のことは今でも怖い。でもあの人も過去と向き合おうとしてくれている。今からでも遅くない。なれるはずだ。
ー本当の家族に
そう思っていたら病室のドアが開き、焦凍が来てくれた。その隣にはあの子が一緒にいた。
・・・・
ー少し前
俺は今一人で隣町のゲームセンターにいる。
昨日は予定がなかったねじれ先輩だったが、今日はインターンで無理らしくレイ子たちも家族の用事があるみたいなので、どうせなら一人でゲームを攻略しにいこうと思いこっそりオーロラカーテンを使ってゲームセンターの近くに来ていた。
そしてゲームセンターに入ろうとした時、
「あれ、空野じゃねえか?」
轟と隣に美人なお姉さんがいた。
「よう。轟その人誰だよ?知り合いか?」
「ああ俺の姉さんだ。」
姉さん?轟のお姉さんだったのか。
「初めまして。轟のクラスメイトの」
「空野くんよね!初めまして。焦凍の姉の轟冬美です。いつも焦凍がお世話になってます!」
なんで俺のこと知ってるんだ?ってさっき轟が言ってたか。
「焦凍が家でも貴方のことを話しててすごいんだっていつも言ってたの!」
「ちょっ…姉さん…」
轟は恥ずかしそうに姉さんに反論していた。
轟、お前俺のこと家で言ってんのか?
「ちょうどいい。空野このへんでお土産にいい店を知らねえか?」
「お土産?」
「ああ。母さんの見舞いに行くんだ。でも今日は急だったから…いつもの所じゃなくて…」
ふ〜ん。
「それならこの近くに和菓子屋があるけど。案内しよっか?」
「ああ頼む。」
轟をその店まで案内する途中で、俺は冬美さんから質問の嵐を受けていた。
「ねえねえ?焦凍、学校で皆とうまくやれてる?」
「まあ、少なくともそれなりには」
と色々な質問をされた。
「ありがとうね。焦凍と仲良くしてくれて。」
「礼を言われるほどのことじゃないですよ」
「私が言いたいだけだから気にしないで」
「貴方のお陰でお父さんも良くなってくれたし…」
「俺、エンデヴァーに対して何もしてませんよ?」
「ううん。貴方のお陰で前を見ることが出来たって言ってた」
俺何もしてないんだけどなあ…
しかし友達かあ…
「なあ轟」
「なんだ?」
「いい加減俺たち下の名前で呼びあわねえか?」
「…どうしてだ?」
「なんか他人行儀というか…他人なんだけどさ。俺、轟と友達になりたいからさ」
「……いいんじゃねえか」
よしやった!
「これからもよろしくな。焦凍」
「…こちらこそ。真司」
その様子を冬美さんが微笑ましく見ていた。
お土産も買って、焦凍たちが病院へ行こうとすると、
「そうだ!真司くんも来ない?」
冬美さんが突如そんなことを言い出した。
「えっ?いや、家族水入らずの場に俺が行くのはちょっと…」
「来てくれないか?母さんも会いたがってから」
え?何?お前母さんにも俺のこと話したの?
まあ折角の誘いは断るわけにはいかないか。
「お邪魔じゃなけりゃご一緒させてもらっていいかな?」
「勿論!」
こうして俺たちは病院へ向かった。
・・・・
ー現在
「初めまして。空野くん。焦凍の母の轟冷です」
「こちらこそ初めまして。空野真司です」
しかしこの人が轟の母さんか…
すごく美人なんだけど!焦凍も冬美さんもそうなんだけどさ…!
轟家は美形の勢揃いなのか!?
俺がそんなことを考えてるうちに焦凍はお土産をお母さんに渡して、
それを皿に盛って皆で頂いた。
勿論、轟のお母さんにも俺に焦凍の学校について聞いてきた。
焦凍は止めようとするが、
「コイツ蕎麦ばっかり食って…もう少し栄養分考えろって言っても全然聞かなくて…」
「まあ、初めて会った時は、俺を睨んでいまして…怖いと思っちゃいました」
焦凍の黒歴史を惜しげもなくバラした。
「ふふっ。焦凍貴方から聞いたこともないこともばっかり」
焦凍の顔が赤くなっていた。
「しかし真司くんもすごいわね。柳さん…だっけ。プロボーズしたんでしょ?」
見られてたのかよ!うわあああ……!恥ずかしい…!全国中継中にやるべきじゃなかった!
その言葉で赤くなっていく俺を見て、冷さんも冬美さんも焦凍でさえもニヤニヤしていた。
その後エンデヴァーからの手紙の内容を聞くと焦凍も冬美さんも驚いていた。
「今からでも遅くない。私たちは本当の家族になれるはずだよ」
と冷さんは静かに言った。
その後お菓子を皆で食って、雑談をして
夕日が沈む頃に俺たちは帰っていった。
焦凍と別れた後俺は思った。
なれるといいな…本当の家族に…
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