ユミナが仲間になってから一週間が経った。ふとあっちの世界のことを思い出してしまう。
皆大丈夫かなあ……まあ気にしてもしょうがないか。
そう思っていてもやっぱり気になる。
そんなことを考えてたらユミナが来て、
「大丈夫ですか?」
「……ああ、大丈夫だ」
「……嘘言わないでください。貴方は今とっても苦しんでいます。私には分かります」
心の中を言い当てられちょっとイラッとする。
「……別にいいだろ……放っておいてくれよ……」
するとユミナに頰を叩かれた。
おれが呆然としていると
「…………強がらないでください……一人で抱え込まないでください……貴方にとって私はレイ子さんたちと比べたらなんでもないような存在かもしれません……それでも……貴方の助けになりたいのです……貴方がどう思っていようと……私は貴方の力になりたいのです……だから……そんなこと言わないでください……!」
ユミナが泣いて抱きついてくる。
俺は最低だ……俺を思ってくれる人の気持ちを踏みにじった。こんなにも俺を思ってくれてるのに。こんなに暖かい気持ちなのに……
「ごめん……ユミナ……」
「…………はい……辛い時は私たちに話してください……」
そう言って笑うユミナの笑顔にドキッとする。
そうか……俺は……
「ユミナ……」
「何ですか?」
「俺はユミナが好きです」
「……ひぐっ!」
ユミナが突然泣き出した。
「ちょっ!大丈夫!なんかマズかった?」
「違います……嬉しくて……」
「一週間アナタを見てきてアナタの人柄や笑顔が好きになりました。こんな俺でよければどうかお願いします」
「……はい!よろしくお願いします!」
「これからよろしく。ユミナ」
「すみません……お願いを聞いてもらえませんか?」
「え?」
「キス……をしてもらえませんか?」
一瞬頭がフリーズする。
えええええええええええええ!!!!!!!!!!!?
きっ!キスって!いや、レイ子にはしたことあるけどさ!?
「嫌……ですか?」
そんな目で見ないで欲しい。
えーい男は度胸ー!
俺は唇を奪うようにユミナにキスをした。
ユミナも舌を絡ませて吸い付いてくる。
30秒ほどのだったがとてつもなく長く感じた。
「えへへ♪真司さんのキス頂いちゃいました♪」
そう言って口の前に指を置くユミナ。
やばい可愛すぎる……!
ていうか勢いに乗せられやっちゃったけど皆にバレたらマズイかもしれない…………
「それじゃあそろそろ行きましょうか」
「ああ」
今日も依頼を受ける日なのだ。
皆を起こしてギルドに向かう
・・・・
依頼された古城に向かう俺たち。
だが女性陣は憂鬱そうだった。
「おい……焦凍、レイ子たちどうしたんだ?」
「…………少しは察しろよ」
「そんなに嫌なのか?スライムが?」
「生理的に受け付けない……」
「服を溶かすなんて最悪!」
「穢れたものです……」
「私も嫌〜」
「できるなら断りたいです……」
「と言っても受けたんだからしょうがないだろ?」
「そう言われても……」
「まあなるようになるさ、あっ!着いたぞ!」
知らせを受けて嫌そうな顔をする女性陣。
なんでもこの城には変わり者のスライム研究家がいたそうだが、最近音信不通らしい。
それでこの城を調べてくれだそうだ。
早速中に入ってみるとボロボロで酷い有様だった。
「よし中は大丈夫っ!」
ふと上に気配を感じたので横に跳ぶと、直後金だらいのようなものが上から落ちてきた。
その金だらいのようなものは形を変えて逃げるように去っていった。
ビックリした〜あれもスライムなのか?
その後レイ子たちが入って中を調べていく。
書斎であったろう部屋の本、というかノートのようなものを手に取った。
「これは溶かされてませんね」
研究ノートと思われるものを見てみると古代魔法言語で書かれていたが俺には読めた。
何故かって?ディケイドはあらゆる言語を使うことができるからだ
ナニナニ……?『金だらいスライム。タライ状に硬化変形し、高所から人間に体当たりを食らわせる習性を持つ。失敗作』まんまかよ……
そしてその本を手にして部屋から出ると
向こうの廊下からグリーンスライムが出てきた。
たしかアイツが服を溶かすんだったよな?
「うわっ!グリーンスライム!最悪……」
一佳がぼやく。
焦凍が燃やそうとするが
「焦凍、この木造の城で炎はマズイ」
「……じゃあどうしろって言うんだ」
「二階だ。二階に避難しよう」
俺の指示で二階へと逃げ出すレイ子たち。
とグリーンスライムが階段の前で動きを止めた。
「どうやら縄張りみたいなものがあるのでしょうか?」
「なんにせよ助かった〜」
とねじれちゃんが上へ向かおうとしたら滑った。
上を見ると変なスライムがローションみたいなやつを流していた。
ノートを見てみると
『ローションスライム。危険を察知すると潤滑油のような体液を分泌さける。人体に害はない。失敗作』
なにがしたいんだ。ここの研究家は……
とねじれちゃんが転んだのをきっかけにレイ子たちも転んで階段を滑り落ちる。
とそのままスライムのプールに落ちてしまった。
俺はなんとか助かった。
焦凍もか。俺はディメンジョンオーラを出してレイ子たちを二階に転移させるとグリーンスライムは下へと降りていった。
ふと振り向くと
服のところどころが溶けていてあられもない姿になっているレイ子たちがいた。
次の瞬間一佳の巨大化した拳が俺の顔面に突き刺さった。
とそれからカーテンを引きちぎるような音が聞こえた。
目を覚ますとレイ子たちは引きちぎったカーテンをくるんでいた。
ディメンジョンオーラで家に戻れば着替えはあるがまた溶かされたらたまったものではないからな
「次グリーンスライムを見つけたら確実に潰すわよ」
一佳の言葉に頷くレイ子たち
その後二階を調べたが珍種スライムのオンパレードだった。
「どうもここの魔法使いって、なにか特殊なスライムを生み出そうとして失敗作を量産したような感じなんだよな」
「そうですね。どうも新種のスライムはその特性が生まれるまでわからないみたいですし……」
スライムは魔法生物だ。魔法によって生み出される人工的なクリーチャーといってもいい。
だからこそ危険なものが生まれないとも限らない。というかすでに魔法使いの手ではなく独自に進化してるスライムがいるかもしれない。この城は未知の生物を生み出す危険を孕んでいる。
「この城ごと燃やした方がいい気がする……」
「それには賛成ですが、勝手にそのようなことをしてよろしいのでしょうか?」
「既に放棄された砦ですからね。お父様も文句は言わないと思いますが……」
物騒な話をしてるなあ……
四階の広い廊下へ出ると左右に裸体の女性の石膏像が並べられていた。
どれも大きいが一つだけ爆乳とレベルのものがあった。
もしかして…………
ノートをペラペラとめくるとソイツはいた。
『バストスライム。女性の胸に取り付き擬態する。より小さい胸に取り付く習性を持つ。もう一歩だが……失敗作』
なんだこりゃ。俺がノートを読むとその内容に女性陣はおろか焦凍まで呆れた顔になった。
ここの魔法使いはなにがしたかったんだ。
とそのバストスライムが石膏像の胸からユミナへと飛び移ろうとした。
これって…………
「…………風よ切り裂け。千の風刃。サイクロンエッジ」
ユミナが呪文を唱えるとスライムはズタズタに切り裂かれた。
「成長期……」
「え?」
「成長期ですから……」
「ああ……そうだね……」
これ以上は何も言えまい。
それから四階の大きな扉を開くと薄暗い部屋だった。
中に入ると
長いソファの上に白骨化した遺体があった。
ここにいたスライム研究家だろう。
ていうかなんでズボンやパンツまで脱ぎ散らかしているんだろう?
気になるのはこれが自然死なのかスライムに襲わらたことによる死亡なのかだな。
ソファの横のテーブルの上に同じようなノートが置いてあった。
中身は古代魔法言語で書かれていたが最後の方だけ世界共通語で書かれていた。
「えっと……『完成だ。ついに私の、いや、男の夢が叶った。もう思い残すことはない。ああ、天国が見える……』……なんだこりゃ?」
「真司さん、あれ!」
ユミナが指し示す方向に肌色のスライムが五匹蠢いていた。かなり大きいな……人一人ぐらいはあるぞ!?
まさかあれが完成体のスライムなのか!?
「何かに形が変わります!」
さっきのバストスライムのように擬態化するスライムなのか?
まさか……人間に擬態化するスライム、か!?
しかし、人間に擬態なんてワームみたいなやつだ。
面倒だがここは討伐しとかないと……ん?んん!?
「ぶっ!?」
「は?」
「「「「「っきゃーーーーーーーーッ!!!」」」」」
女性陣の悲鳴がユニゾンで響き渡った。
このスライム……女性に擬態するんだろう……うん…もしかして魔法使いの夢って綺麗な裸の女性を侍らせてウハウハハーレムにしようってこと?しょーもな……。
とスライムをガン見していたらいつのまにか意識を失っていた。
よく見てみると一佳の拳が脳天を直撃していた。
活躍させてほしいメインヒロイン
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柳レイ子
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ユミナ・エルネア・ベルファスト
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ボア・ハンコック
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他のヒロイン