その後話を聞くと、奴隷商人だと知らずに依頼を受けたレベッカさんは彼女らが無理矢理奴隷にされていると聞き、奴隷商人から解放しようと画策していた時に、奴隷商人が盗賊に襲われて逃げてきたらしい。
「それでここにいるわけですか?」
「まあそういうことだ」
しかし、奴隷ねえ……悪いことを考えるやつもいるもんだなあ……「隷属化の首輪」は逆らうと激痛が走り、最悪死ぬらしい。組合に登録された以上主人が外さない限り、解放されることはない。そしてその主人となる奴隷商人は死んでしまった。つまり、新しい主人を登録して、その主人が外さない限り、彼女たちは解放されることはない。
まあ俺ならなんとかできるんだが
「その首輪外せるかもしれない」
「何っ!」
「本当ですか!?」
一人の少年が近寄ってくる。
ウィルだったか?近い近い!
目を見開いて俺の方を見てくる。
「まっ、まあやってみないとわからないが……」
「おっ、お願いします!ウェンディを……ウェンディを救ってください!」
ウェンディ?
ウィルが手をとって一人の少女をこちらに連れてくる。
俺をみて怯えている。ショックだなあ……
まっ、まあさっさと終わらせよう!
<アタックライド、シーフ!>
シーフで首輪を手に転送させると
「取れてる……取れてるよ!ウェンディ!」
「え……え!?」
ボロボロと涙を流してウィルに抱きつくウェンディ。
あーあ、そういうことか。だからあんなに必死だったのね。青春してますなあ……
その後残りの六人の首輪も転送させて、ワンフォーオールで首輪を握りつぶすと
「君は……何者なんだ?」
ローガンさんだっけ?が聞いてくる。
「俺も冒険者ですよ。ほら」
「赤!?」
そう言ってギルドカードを見せる。
まじまじとギルドカードを見る中で
「首輪が外れても登録から消されたわけではない……やはり他国へ逃げるか……」
「ベルファストへ来ますか?いい国ですよ」
「ちょっと待ってくれ。ここからベルファストまでどれだけあるか……」
俺はディメンジョンオーラを開いて中からユミナを呼ぶ。
「だっ、誰だ!?」
「初めまして。ベルファスト王国第一王女、ユミナ・エルネア・ベルファストでございます」
「「「え!?」」」
ユミナの言葉に固まるレベッカさんたち。
無理もないか。ユミナはドレスなど纏っていなくても王女と思わされる気品やオーラがある。
いきなりの王女登場に土下座を始めるレベッカさんたち。
その後は原作通り冬夜の屋敷にレベッカさんたちを転移させた後
戻ってきてみると、
マンタのフレイズが身を翻していた。
「どうする?」
リーンが聞いてくる。
まあ、この後エンデも来るんだが……
「やろう。放っておくわけにはいかない」
それぞれが戦闘体勢に入ると
マンタフレイズは水晶の矢を飛ばしてきたが
「TITAN smash!」
ワンフォーオール100パーセントで衝撃波の壁を飛ばして水晶の矢を全て打ち返す。
そのまま飛び上がって空中でカメンライドして、
<ファイナルアタックライド、ディ、ディ、ディ、ディケイド!>
ワンフォーオールを纏ってディメンジョンキックをフレイズに放つと、フレイズは砕け散った。
その後フレイズを見下ろしていると
「やあ、真司」
「エンデ」
「僕が来るのがわかってたみたいだったけど……やっぱりこの後のことを知ってたの?」
「まあな」
「そうか……それよりこの前の返事だけど……」
「真司さーん!」
ユミナたちがやってくる。
ふとエンデの後ろからひょっこりと顔を出したフレイズ
フレイズの登場に警戒するユミナたち。
だが俺が敵じゃないと説明する。
そして庭園に戻ってユミナたちにこの世界のことやフレイズのことについて説明すると
「つまり、この世界のことを貴方が知っているのは原作を見たからというわけね?」
「まあ、そうなるな」
騙したみたいで罪悪感で心がいっぱいになる。
「ふ〜ん。まあ、だからどうしたの?」
「へ?」
「貴方が誰であろうと私にとっては貴方は大好きな人よ。勿論菜奈にとってもね」
「ちょっ!リーンさん!?」
「は?」
俺は頭がフリーズする。
ちょっ、ちょっと待て。リーンもそうだが菜奈さんも俺のこと好きだっていうのか?
レイ子たちに目を向けると
「気づいてなかったの?」
「鈍いんだから〜」
「なんと罪深きものでしょう………」
「見ればわかるじゃん」
「そうですよ」
「俺でも気づいてたぞ」
「焦凍も!?」
レイ子たちは気づいてたみたいだ。
ウッソ〜
「それで私たちは貴方のことを思ってるんだけどどうかしら?」
「///〜」
菜奈さんは顔を赤くしてリーンはからかうようにこっちを見る。
「……正直俺には二人が好きなのかはわからない……だからこれから仲を深めていきませんか?」
俺の言葉にリーンは
「ええ。勿論よ。絶対に貴方のことを振り向かせてみせるわ」
「わっ、私もだ!」
菜奈さんは気合を入れるように手に力を入れる。
そしてエンデの方は
「エンデミュオン……これ美味しい」
「そうだね。リセ」
俺が用意したクッキーを食っていた。
「それでそちらの方は……」
「ああ、紹介するよ。フレイズの支配種のリセだ」
「……よろしく」
フレイズの支配種リセは軽い挨拶をして、チビチビとクッキーを味わっている。
「支配種ってのは他とは違うの?」
「まあ、そうだね。支配種には下級種、中級種、上級種と違って意思がある。フレイズの隊長みたいなものさ」
「お前らは人間の敵なのか?」
焦凍が聞いてくるが、
「リセは敵じゃないな……どっちかというと傍観者って感じかな」
その後フレイズの戦いの経緯を話してもらい、
「それでエンデはどうするんだ?」
「君たちについていくことしたよ。君はこれからのことを知ってそうだしね。君についていったほうがこちらとしても助かるからさ」
エンデがそう言った。
「それで真司さん。王の核は誰の中にあるんですか?」
「……この先生まれるユミナの弟だよ」
『え!?』
俺とエンデ以外が驚く。
「私に弟!?」
「で取り出す方法は?」
「俺のシーフで取り出す。それでリセはこれからどうするんだ?」
「……私はエンデミュオンと共に行動する。エンデミュオンの言う通り貴様についていけば王に出会えそうだからな……」
リセは相変わらずチビチビとクッキーを食っていた。
ていうかそれ五箱目だぞ!
大食らいなのは知っていたが……
そうこうしてるうちに遺跡にたどり着いた。
冬夜が遺跡に入る。
俺たちはバビロンで待っていると
冬夜のゲートが開かれた。
中に入って話を聞くと、
「工房かあ〜」
「なんかイラッとするであります……」
リーンが残念そうな顔をしていた。
そこからロゼッタとシェスカで言い合いになったが、
冬夜が鎮めた。
その後庭園と工房をドッキングさせて、ベルファストまで帰った。
冬夜の屋敷まで帰るとレベッカさんたちに土下座された。
収集がつかないので辞めさせて、
ウェンディたちのこれからを話すと、冬夜が読書喫茶をやろうと言い出した。
ここまでは原作通り。
唯一違うのは俺の家にエンデとリセがいることだけか
父さんと母さんはエンデたちを受け入れてくれた。
エンデとリセはテーブルで肉じゃがを口にしている。
「エンデちゃん!リセちゃん!じゃんじゃん食ってくれていいわよ!」
「はふはふ……美味しい……」
「とっても美味しいです。おばさん」
エンデとリセにも受けたようだ。
まあこうやってみると人間と変わらないんだなあ……
その後一つ問題だったのはエンデとリセが食いすぎたせいで俺たちの分がなくなったということか……
活躍させてほしいメインヒロイン
-
柳レイ子
-
ユミナ・エルネア・ベルファスト
-
ボア・ハンコック
-
他のヒロイン