幻想郷の小さな異変たち   作:絶望先生と東方と涼宮が好きな人

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第2話(投稿順は第8話)

 

ここから確か私は、自分の家へと向かって、早速魔法の研究を始めたんだっけなあ?何故かあんまり覚えてない。どんなこともスタートした日のことは覚えてるもんなのだが、何故かあんまり覚えてない。魔法の森を歩く私が見えた。

 

「わあ〜、きれいだな」

 

幼い私は上を見上げそう呟いた。そう、夜の幻想郷の星空はそれはそれは美しいのだ。私に星の憧れを降らしたこの夜空は少なからず、私が堂々と宝物と呼べるものであろう。

 

そして……

 

幼い私は気づいていないが、確かに博麗の巫女が何人もの妖怪を倒している。ある程度戦いを積んだ者にしか見えない速度で、確実に一匹ずつ倒していってる。やはり無力な幼い人間の子供は、妖怪にとって格好の餌なのであろう。ミニ八卦路があるとはいえ、まだ使い慣れてない私ではおそらく死んでしまっていたであろう。

 

あれ……?

 

ということは、実際に死んでいないということは、私は本当に博麗の巫女に守られていたのか?じゃないととっくにこの時点で私は死んでいるはずだ。

 

これは夢なのか?

 

どこから夢で、どこから現実だ?そんなことを考えていると、幼い私がようやく家に着いたらしく、中へと入っていった。かなり昔のことなので記憶が曖昧だが、おそらく私は研究に没頭して、少なくとも今日のうちは外にはもう出ないはずだ。そして博麗の巫女もそれを見て安心したのか、戦いを終えて木の裏で私の家をそっと見ていた。そっと見ていた博麗の後ろで隠れもせず堂々と私は、幼い私と、遠い記憶にいた一人の女性を観察していた。すると、博麗の巫女の隣に空間の亀裂が急に出てきた。

 

紫か。

 

「博麗」

「何だ、紫」

「あなたどういうつもり?」

「どういうつもりとはどういうことだ?」

 

すると八雲紫は指で二方向をそれぞれ一回ずつ指した。

 

「貴方も気づいてるでしょ?あちらとあちらに大きい力の気配があること、そしてその方向の博麗大結界が緩んでしまっていることを」

「ああ、理解してる。おそらくルールを破り暴走してる大妖怪でも現れたのだろう」

「貴方……よくもまあそんな冷静でいられるわね。貴方は自分の使命をよく理解してるでしょ?私が西側の方に行くから、貴方は東側の方をどうにかしてきなさい」

「申し訳ないのだが、一人でやってもらえないだろうか。悪いとは思っている、しかし私にも譲れないことはある」

「は?」

 

一瞬空気が変わった。私の知らない紫だった。現れた瞬間から気づいてはいたが、そこにいた八雲紫は私の知ってる八雲紫とは別人だった。

明らかに恐ろしく、明らかに妖怪だった。

 

「貴方、死にたいの?」

「本当に申し訳ない。しかし約束があるんだ。それを断るわけにはいかない」

「把握してるわ。じゃあ聞くわね?一人の人間とこの幻想郷全ての生物、貴方はどちらを選ぶの?しかも片方はもしかしたら何もないかもしれないのに、もう片方は放っておいたら確実に破滅へつながる状況で」

「そ、それは……」

「霊夢。博麗霊夢、あの子はまだ小さいわね。ちょうど貴方が今見守っているあの霧雨の子と一緒ぐらいの歳。でもこの幻想郷が滅んでしまったら、あの子は小さいままで一生を終えてしまうのね」

「……っ⁉︎」

「行くわよね?博麗として今すぐに……」

「……分かった、行こう。そしてすぐに終わらせよう」

「よく言ったわ、博麗。それに安心しなさい、大丈夫よ。あの霧雨の子、ずっと家に籠っているし、私と貴方の実力ならすぐに用事を終わらせて戻ってくることができるわ」

「……そうだな、じゃあ行こう。紫」

 

そして博麗の巫女は姿を消した。

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