暑い、熱中症には気を付けましょう…。
目を覚まさない響ちゃんを本部の治療室に運び、医療班の人達が一生懸命対処と検査をしていた。
「優太くん、これを…。」
「な…。」
『これは…なんという…。』
弦十郎さんに見せられた1枚のレントゲンと謎の欠片、それはグリッドマンも驚きを隠せない物だった。
「響くんの体は胸に刺さったガングニールの破片によって少しずつ、変質している。」
レントゲンに写っていたのは、響ちゃんの体の一部が人では無くなっていると言う事実だった。
そしてその一部が謎の欠片だと言う。
「フィクサービームで治せないなんて…。」
『フィクサービームは基本的に人の治癒力を高める物、恐らく体が異物と認識出来ていないのだろう。』
「これ、他のみんなには?」
「これから伝える。月の軌道に関する事も調べていく。響くんは今後、戦闘に参加させる事は出来ない。厳しい戦いとなるかも知れないが頼む。」
「わかりました。」
『元々守るためにここに居るのだ。任せてくれ。』
ガングニールの力を使わなければ大丈夫なら、その分を俺とグリッドマン、他の装者の皆で補うだけだ。
──
「そんな、響が…。」
「あぁ、それがどんな影響を及ぼすかも解らない。」
弦十郎さんから響ちゃんの事を聞いたあと、許可を取り、未来ちゃんにそれを伝えた。
「響が戦わなければいいんですね?」
「うん、だから未来ちゃんは言い方は悪いかも知れないけど、響ちゃんを見張ってほしい。」
「見張る?」
「響ちゃんは優しい、人の為なら力を迷わず使うと思うんだ。」
「確かに、そうですね。」
「胸にあるガングニールが響ちゃんの闘争心とかに反応してるなら、未来ちゃんと居れば落ち着いた心で居られるだろうしね。頼むよ。」
『我々だけでは立花響を癒すことは出来ない。よろしく頼む。』
「はい、私に出来ることなら…任せて下さい。」
未来ちゃんは力強く返事をしてくれた。
──
カ・ディンギル跡地の戦いの後、安否がわからないアンチとウェルを探すため、セレナ達は街に来ていた。
「アンチ…どこなの?無事だよね…。」
セレナは切歌、調と別れて1人街中を歩く。
「博士がアンチと合流する…?それはない…かな?」
ウェルが周りに対して仲間意識があるわけないのでアンチと合流する事は無いと思うが、自分の生存確率を上げるために合流する可能性は思い付く。
「アンチもウェル博士も見つけなきゃ…。」
体に重い病を患っているマムの事を考えると、ウェルを回収しない訳にもいかない。
セレナ的には味方とは言え、ネフィリムに人を喰わせる様な奴とは縁を切りたいが…。
「グリッドマンの力なら…マムも救えるのかな…。」
ふと前に見た資料を思い出す。
グリッドマンが放つ癒しの光、前のフィーネが残した情報からすればかなりの重症でも効果が望めるらしい。
(私のこの跡も…消せるのかな…。)
ふと伸ばした前髪に隠した火傷跡に触れる。
この跡を見るたびに悔しそうな顔をする姉や仲間達を見るたびに胸が苦しくなる。
「はぁ…会えないかな、グリッドマンに。」
そんなことを考えながら歩いていた為、セレナの肩が人にぶつかってしまう。
「はっ!す、すみません!」
「あ~いてぇ~な~。どうしてくれんだねーちゃんよ~。」
(なんかすごく頭が悪そうな人達だ。)
セレナが当たった人物は絵にかいたようなチンピラのような風貌で、わざとらしく当たった部分に手を当てている。
「おうおう!ねーちゃんどうしてくれんだぁ?」
「兄貴にあたってすみませんですむと思ってんのかぁ!?」
後ろに居た男達も似たような物で、セレナを囲む。
「まぁ、ねーちゃん可愛いから、ちょっと俺達とタノシイことしてくれれば許しちゃうよ~。」
(あ、本当にこう言う人って居るんだ。)
結構な修羅場を潜った経験からか、目の前の男達が全く驚異に映らないセレナ。
「じゃあ、行こうかねーちゃん…。」
ぐへへ、と気持ち悪い笑みを浮かべながら、近寄る男達。
「はーい、そこまで。」
突然、声が掛けられる。
「誰だ!」
「はぁ、またあんたらか、いい加減にしといたら?」
「翔…優太…。」
グリッドマンこと、翔優太だった。
「げぇっ!兄貴!」
「やべぇっ!あいつはやべぇっ!」
「ちっ!こんど会ったらおぼえてろー!」
チンピラ達は一目散に逃げ出した。
「あれ、本当にいつまでやるんだろ。」
逃げてくチンピラ達を呆れながら、見る優太。
「君はこんなところで何してるのかな?」
──
俺は街でたまたま、チンピラに絡まれてるセレナを見つけた。
チンピラ自体は前に「力を込めたお話」をしたことがあったので、一目散に逃げた。
「君はこんなところで何をしてるのかな?」
「わざわざ敵に教えると思いますか?」
彼女は赤いペンダントに手を添える。
「少なくとも、人を守るために戦うなら、手助けをしてもいいと思ってる。」
「えっ?」
セレナはキョトンとした顔でこちらを見る。
「でも、今の君達はノイズを使ったテロリストだ。その想いが正しくても手を貸せない。」
「じゃあ、どうしろって言うんですか!」
「出来れば君達が立ち上がるに至った情報、つまり月の観測データとかあるといいね。あとはやっぱり脅したりするのは良くないから、ソロモンの杖は返して誰も使えなくすればいいかな。」
彼女はペンダントから手を離した。
「正義だけじゃ守れない物があるって思っても、ずっと胸の中でモヤモヤが残ってて、ウェル博士の事に違和感が合っても姉さんが大丈夫って言うからついて来たんです。」
「じゃあ、君自身はどう思ってるの?」
「どう、思ってるんでしょうね?最近、解らなくなって…取り敢えず、家族だけでも守らないとって頑張ってました。」
時計を見ると、丁度お昼前だ。
「そっか、立ち話もなんだから、食事でもどう?奢るよ?」
──
俺はふらわーでお好み焼きを焼いている。向かいにはセレナが居る。
「あの、なんでご飯なんですか?」
「食べるって漢字は人に良と書く。つまり、人を良くするには食べるのが重要だ。」
「はぁ…。」
日本人じゃないとこのネタは通じにくいか…。
「お腹が空いてたりするといい考えも浮かばない物さ、まずは美味しいもので、お腹一杯になってから考えよう。」
出来たお好み焼きを切り分け、セレナに差し出す。
「いただきます。」
「いただきます。」
先に一口食べる。一応、毒なんて無いよ~的なアピールだ。
それに続いて彼女も口に運ぶ。
「ん、美味しいです。」
「それは良かった。」
食べ終わる頃、彼女から話題を出した。
「アンチとウェル博士、2人を拘束してませんか?」
「今のところ、二課の方では見つけてない。どこかに隠れてると思うよ。」
「そうですか、なら早く見つけないと。」
「こっちとしても、街中に居ると次はどこにノイズを出されるか心配で眠れないよ。」
「そうですね、無用な犠牲を出すわけには行きませんね。」
2人で店を出る。
──
「昨日の撃墜状況から考えるなら、この辺りだと思うんだけど。」
カ・ディンギル跡地に近い森、ここなら二課の捜査に見つからずにしのげる可能性は高い。
結構高いところから落ちたけど、アンチは大丈夫なのだろうか。
「アンチは車が正面からぶつかっても平気な位かたいです。」
セレナは森の中に進んでいく。
「なるほど…。」
周りを見渡しながら進んで行く。
『優太、あそこだ。何かが倒れている。』
しばらく進むと、グリッドマンが何かの反応を見つける。
「こっちだ。」
「えっ!?」
木の下に倒れているのは気絶しているアンチだった。
「あ、アンチ!しっかりして!」
「ぐっ…セレ…ナ。」
何とか言葉を絞り出すアンチを見て、俺は気がつけば手を向けていた。
「フィクサービーム。」
多少回復力は落ちるが、アクセプターからの光で癒せる様になった。
本人の治癒力も高いお陰か、アンチの傷がどんどん治っていく。
「なぜ、敵の俺を助けた。」
アンチは起き上がり、こちらを睨む。
「アンチ!良かった……。」
鋭い目付きで睨んでくるアンチにセレナが抱きつく。
「人を助ける為に、グリッドマンの力を貰った。」
いきなり、通信機が鳴る。
『皆!街中にノイズが出現した!』
「アクセス!フラッシュ!」
俺はすぐにグリッドマンになり、通信機からコンピューターワールドに入って現場へ向かう。
──
現実空間に戻ると同時にノイズを殴り飛ばす。
「ちぃ!お前もかぁ!邪魔しやがってぇ!」
こちらを見るなり、ウェル博士が叫ぶ。
なんと言うか、思った通りにならなくて周りに当たり散らしてる子供に見えた。
「グリッドマンさん!」
『「立花響!?なぜ!君は戦ってはいけない!』」
戦闘参加を禁止されている響ちゃんだった。
「皆が来るまでは!私も戦います!」
きっと現場の近くに居たのだろう。
よく見ると、遠くからこちらを見守る未来ちゃんも居る。
『優太、この状況では仕方ない、負担にならないようこちらから仕掛けるぞ。』
「あぁ、行こうグリッドマン。」
『「立花響!こちらで相手をする!君は下がってサポートを!』」
「はい!」
少し後ろに下がる響ちゃん、それを見て内心ホッとしながら、ウェル博士が呼び出したノイズ達を見る。
『「行くぞ!ノイズ!』」
──
暫くノイズの軍団と戦うが、ウェル博士は何度もノイズを呼び出す。
「そこだぁ!」
後ろで戦ってた響ちゃんが、偶然見つけた隙を付き、一気にウェル博士の元へ飛び込む。
「ひいぃぃっ!」
しかし、響ちゃんの拳は別の物に防がれた。
「盾?」
「違う。」
響ちゃんとウェル博士の間に切歌と調が現れ、ギアを盾変りにして防いでいた。
「物騒な見た目と違って、結構汎用性は高い。」
『「立花響!一度離れるんだ!』」
響ちゃんはこちらの隣まで来る。
「すみません、行けると思ったんですけど…。」
『「無茶をするな。』」
下手に出力を上げて体に何かあってもいけない。
いざとなったら響ちゃんは撤退させないと…。
「今のうちに!」
こちらが相手の出方を伺っていると、ウェル博士が2人に何かを使った。
『「あれは…LiNKERか?』」
奏さんが使ってるシンフォギアとの適合率を上げる薬だったか。
「さぁ!あんな化物どもを倒すには絶唱しかない!さぁ!唄っちゃいなYO!投与した直後の今ならバックファイアも気にせず唄い放題!」
ウェル博士は2人に絶唱を使わせるようだ。やっぱり道具か何かにしか思ってないな。
「やろう、切ちゃん。ドクターを連れて帰るのが使命だから。」
「やらいでか…デエェェス!」
2人は同時に唄い始める。
『「いけない!!その力は……!』」
「君達の命までボロボロになっちゃうよ!」
こちらの訴えは届くことなく、2人はドンドン出力が上がり、ギアが変形していく。
「そうだ!ザババの二段構え!これならコイツを持って帰れる!」
ウェル博士が笑う。
「グリッドマンさん!下がってください!後をお願いします!」
響ちゃんはそれだけ言うと、前に出て絶唱を唄い、2人のエネルギーを奪う。
「セット!ハーモニクス!」
エネルギーが虹の竜巻となり、放出される。
「はぁ、はぁ、はぁ。」
『「立花響!』」
膝をつく響ちゃん、守るために前にたち、構える。
そこに皆が現れる
「立花!グリッドマン!」
「遅れた!」
「これ以上は好きにさせねぇぞ!」
お互いが睨み会う中、大きな影が落ちる。
『切歌!調!』
「このまま撤退よ!」
飛行形態のアンチだった、肩に乗ったセレナが撤退を促している。
「アンチ!無事だったんデスね!?」
「よかった。」
「全く…今までどこで油を売ってたんですか!お陰でこっちは余計な労力を強いられたんですよ!」
『好き勝手言いやがって…ふん!』
アンチはこちらの足元に光弾をばら蒔き、目隠し変りにしてウェル博士達を回収して行ってしまった。
「追う必要はない。」
『「それよりも今は立花響だ。』」
「あぁ、わかってる。」
気休めにしかならないだろうが、フィクサービームを響ちゃんにかける。
「あ、ありがと……。」
こんな状態でも、お礼を言おうとした響ちゃんが、ギアが解除されながら、倒れてしまう。
「響!響!響いぃぃ!」
心配する未来ちゃんの声が現場に響き渡った。
今回はここまで、そろそろ折り返し…かな?
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予定ではGXのシナリオやってオリジナルに行くんですが、XVまでやった方が良いですか?(キャロル関係の話が色々変更されると思う)
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GXからオリジナル
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XVまでやってからオリジナル
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GXからオリジナルの後、AXZ、XV