俺は翔優太、俗に言う転生者って奴だ。
俺はこのノイズって奴が居る世界に転生した。
前の世界の事を忘れていく代わりに、今の世界での記憶を思い出してきてる。
自分で言ってなんだが、おかしな言葉だ。
俺の今の状況を軽く説明するとしよう。
両親は数年前にノイズによって死亡、その後は祖父母に引き取られて育てられた。
祖父は小さいが山を持っており、そこには温泉が沸いてる。
それを使って温泉宿をやってる、俺は日々学校と宿の手伝いを頑張っている。
この世界、ノイズ何てのが居るせいか、特撮物が少ない…悲しい。
──
雨の中、傘を差して歩く俺。
家が山の中程にあるので、結構歩く。
普段なら自転車に乗るけど、雨の日は歩くしかない…免許取ろうかな…。
「ん…あれは?」
俺は前方に人が居るのを見つけた。
パッと見で中学生と思われる茶髪の女の子、傘も差さずずぶ濡れになっている。
この先には俺の家しか無いから、基本的に人が居ることが珍しい。
「あの、大丈夫ですか?」
うずくまる様にしてるから、顔は見えないが濡れ具合を見る限り体は冷えきっているはずだ。
「放っといて…。」
雨音に簡単に消されそうな小さな声が聞こえた。
「こんな雨の中、傘も差さずに居る娘を放っておけないよ。」
「そうだよね……私なんか……邪魔だよね……。」
「え…?」
その娘はゆっくり立ち上がるとフラフラと歩き出す。
「ひ、響ー!」
「………み……く………。」
黒髪の女の子が走ってくる。その娘は茶髪の娘の腕を掴む。
「はぁ…はぁ…。探したよ…こんな遠くまで……。」
「……。」
黒髪の娘は息も絶えながら、言葉を紡ぐ。
茶髪の娘はそれに何か返そうとするが、そのままぐったりと、黒髪の娘にもたれ掛かる。
「響!?す、すごい熱!?」
「あの…。」
なかなか声を掛けづらい状況だが、流石に無視できない。
「え!?あっ!そのっ!」
「事情はよくわからないけど、取り敢えず濡れたままは危ないし、家に来な。」
「え、でも…。」
「この辺りは家くらいしかないし、この雨の中戻ったら君も危ないし。」
「お、お願いします。」
黒髪の娘は茶髪の娘と俺を見て、少し悩むような顔をしてから、答えてくれた。
──
濡れて冷たくなった茶髪の娘を俺が背負い、家に着く。
その後は祖母に託して俺は濡れた服を着替えた。
「じっちゃん。手伝う事ある?」
「丁度、出来たから持ってけ。」
「うん。」
祖父から御盆を受け取り、祖母の部屋へ。
「ばっちゃん、入るよ?」
「あぁ、入りな。」
部屋に入ると、茶髪の娘は布団で寝ているが、どうもうなされてるようだ。
「様子はどう?」
「さっきからこんな感じさ、ずっとうなされてる。」
御盆を置き、祖母の隣に座る。
「もう一人の娘は?」
「あの娘も体が冷えてたからね。風呂に入ってるよ。」
「それもそうか。」
「この子達の服を乾かさんと。あとは頼むよ。」
「はい。」
祖母が部屋を出て行く。
「ん~と…この娘どこかで…。」
見た気がすんだけどなぁ…。
「あの…お風呂ありがとうございます…。」
黒髪の娘が部屋に入ってきた。
服は祖母が乾かしてるため、浴衣だ。
「あの、色々とありがとうございます。」
「いや、困ってる人は放って置けないよ。ほら、座って。」
俺は飲み物を差し出し、黒髪の娘は受け取り座る。
「あ、俺は翔優太。」
「私は小日向未来です。」
少し考えたがやはり聞かないとな…。
「この娘はなんで1人であんなところに?」
「そ、それは……。」
未来ちゃんは茶髪の娘を見てから、こちらを見る。
「……人には色々と事情があるんだ。簡単に聞くんじゃない。」
「じっちゃん…。」
祖父が部屋に来る。
「まずは君達の親御さんに電話しなさい。この雨の中、帰りが遅ければ心配するだろ?」
「は、はい。」
祖父は未来ちゃんに電話の子機を渡すと出ていった。
「俺は隣の部屋に居るから、何かあれば呼んでね。」
「は、はい。」
俺も祖父の後を追うように部屋を出る。
──
自分の部屋に戻って思い出した。
「たしか…。」
部屋のノートパソコンを起動し、検索をする。
「やっぱりだ…。」
画面に写るのは隣の部屋で寝ている茶髪の娘の写真。
写真どころか、住所やら家族構成等、有名な芸能人でも余りネットに載らない情報まで。
「あの時の…。」
原因は俺が初めてグリッドマンに変身した日。
あの時はライブ中に現れたノイズのせいで、沢山の人が亡くなったが、その時生き延びたわずかな人々は社会的に追い詰められていた。
沢山の死者が出たがその約半分が、逃走経路の狭さから来る将棋倒しによる圧死や、我先に行こうとして発生した暴力行為によるものだと週刊誌等で発表されたのだ。
これによってなんとか生き延びた人達は『生きるために他人を殺した』と後ろ指をさされ、遺族などから目の敵に去れたのだ。
ネットに誹謗中傷が書かれるのは軽い方で、ネットに住所が晒されてる為、自宅や本人、家族に対するイタズラある。
どう見ても大半は面白半分でやってる。
俺の学校にも居たな…。
「これが同じ人間にやることかよ…。」
「どうした?優太。」
祖父が部屋に入ったことに気づかない位、この事に集中してたようだ。
祖父はこの事に心当たりがあるのか、パソコンの画面をみつめる。
「お前はどう見る?」
「このサイトの大半の奴は面白半分だ。あの娘達は被害者だし、只でさえ、目の前でノイズでの大量殺人を見て心理的に弱ってるところに集団でよってたかっていじめてる。」
目の前の祖父に純粋に感じた怒りのままにしゃべる。
こんな近くで起きてた事に気がつかず、のんびり暮らしてた自分にも怒りを感じる。何がグリッドマンだ…泣いてる娘1人助けられてないじゃないか…。
「そもそもこの『生き延びた事が罪だ。』とか書いてる奴等、ツヴァイウィングの2人の事には一言も触れてない。あの時生き延びた奴って言ったらあの2人が筆頭になるんじゃないの?なのにこの2人には何か事件があったとかニュースにもならない。つまり、誰もあの2人には言ってないって事になるよね。」
「そうだな。」
「それに、この事はもうニュースにもなってるけど、未だに迫害されてる人達を擁護するコメントを見ない、警察だって見て見ぬふりをしてる。だから周りが調子にのる。」
「どうするべきだと思う?」
「俺みたいな個人で出来るのって警察に届けるのと、ツヴァイウィングって奴にメールなり手紙なりでこの件に関する事を言わせる位じゃない?あとは今日みたいに手の届く範囲だけでも助ける。」
「そうか。あぁ少し出かける。留守をたのむぞ。」
「わかった…ってどこまで?」
「あの娘たちを少なくとも、今日は泊めた方がいいだろ。その準備だ。」
「そっか。ちょっと俺もあの娘の様子を見てくる。」
パソコンの電源を落としを部屋を出た。
──
「おーい。部屋にはいっても大丈夫かな?」
「あ、はい。大丈夫です。」
「じゃ失礼します。」
部屋に入る。状況はさっきと変わらず。
「その娘は落ち着いたみたいだね。」
「あ、はい。ありがとうございます。」
未来ちゃんは頭を下げてきた。
「電話、家族には繋がった?」
「あ、はい。私も響の家にも繋がりました。」
「よかった…えっと、響ってのはその娘の名前だよね?」
「あ、はい…。」
未来ちゃんは少し暗い表情になる。きっと名前を言ったせいで、あの件の人物だと気づかれるかも知れないからだろう。
さっき調べた件を聞くべきか悩む。
悩んでると、茶髪の娘…響ちゃんが目を開けた。
「ん……ここは……?」
「響!目が覚めたの!?よかった…。」
未来ちゃんが抱きつく。
「えっと…響ちゃんだよね?食欲はある?無いなら飲み物だけでも飲むと良いよ。」
響ちゃんは体を起こしてこちらを見る。
「ここはあなたの家?」
「うん、まぁ正しくはじっちゃんの家だけどね。」
「そう…ありがと、でもすぐに出てく。私なんかがここに居たらここが─「馬鹿どもの標的になるって?」─っ!」
2人の表情が緊張で固まる。
「ごめんね、君の顔をどこかで見たと思ってさ、軽く調べてみた。」
「じゃあ、あなたも私の事を…。」
「そうだね。助けたいと思うよ。」
「っ!!?」
「いきなり身知らずの俺に言われるのは変かも知れない。俺から見たら君はあんな仕打ちを受けるいわれは無いだろ?だって君は一生懸命生き延びただけだ。」
2人の表情が緊張から驚きに変わる。
「それなのに周りの人間はまるで大犯罪人の様に君やあのライブで生き延びた人をいじめている。俺から言わせればそう言う人達はまず、ツヴァイウィングの方に言うのが正しいんじゃないかな?」
「で、でも…。」
「そう、あのライブはただの事故だ。君はそこに巻き込まれただけ、君は悪くない。大丈夫だ。」
気がつくと2人は涙を流してた。
「み、未来……。」
「うん。大丈夫、大丈夫だよ…響。」
しっかりと、抱き合って泣いてる2人の姿を見ると、どんな目にあったのか想像もつかない。
2人が落ち着くまで、部屋の外に居ることにした。
予定ではGXのシナリオやってオリジナルに行くんですが、XVまでやった方が良いですか?(キャロル関係の話が色々変更されると思う)
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GXからオリジナル
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XVまでやってからオリジナル
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GXからオリジナルの後、AXZ、XV