電光戦姫シンフォギアSSSS   作:東風乃扇

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東風乃扇です!

そろそろフロンティア編も終わりが見えてきた。


楽・園

 現れた未来ちゃんを見て、セレナが呟いた。

 

「あれは…神獣鏡…?」

 

『「くっ!まさか小日向未来が装者になるとは!』」

 

 未来ちゃんの目には光がなく、操られているのは明白だ。

 

『「小日向未来の救助に向かう。』」

 

「神獣鏡は浄化の力です!あれが放つ光はシンフォギアを無効化します。決して当たらないで下さい。グリッドマンでもどうなるか…。」

 

『「情報、感謝する。』」

 

 俺とセレナは未来ちゃんのところまで移動する。

 

──

 

『「小日向未来!』」

 

 俺がついたときには丁度、クリスちゃんが未来ちゃんを捕まえた所だった。

 セレナはなぜかギアを纏っていない調の元へ向かう。

 

「よし!これで─

 

 頭のギアに手を伸ばそうとするタイミングで、ウェル博士の声が聞こえる。

 

『女の子は優しく扱って下さいね。無理やりギアを剥がすと繋げた端末が脳を傷つけるかも知れませんよ。』

 

「くっ!」

 

 クリスちゃんの動きが一瞬止まり、そこを狙って未来ちゃんは拘束を抜ける。

 

『「下がれ!あとは私がやる!』」

 

 クリスちゃんを下げグリッドライトセイバーで、相手の武器を斬る。

 未来ちゃんは元々戦うような人じゃない、シンフォギアがあるといっても下手に攻撃は出来ない。

 

「おおおおおっ!」

 

 新たに武器を取り出し、殴りかかってくる。

 

「未来ちゃん!目を覚ませ!」

 

「優太さん…私はやらないと行けないんです…。」

 

「何をだ!」

 

「この神獣鏡の光で楽園を照らさなきゃ…。」

 

 まるで生気を感じない目で淡々と語る未来ちゃん。

 

『「それが君の使命か!?』」

 

「私は…ただ響に戦って欲しく無いだけです。」

 

 彼女は滑るように移動し、中距離から鞭のような攻撃をしてくる。

 腕を組み、防ぐことしか出来ない。

 

『「これがそれに繋がるのか!?』」

 

「楽園が目覚めれば、皆が笑って幸せに暮らせるんですよ。」

 

 ヘッドギアが閉じ、未来ちゃんの顔が見えなくなる。

 

「だから…優太さんもグリッドマンさんも邪魔しないで…。」

 

 思いっきり叩きつけられ距離が空く、次の瞬間には手に持ったギアからひときわ明るいビームが放たれる。

 

『「はぁっ!』」

 

 セレナの助言に従って回避したが、純粋なエネルギーとしても非常に危ない。

 

『優太、あの光は危険だが、救いにもなる。』

 

「グリッドマン?」

 

『上手く誘導してあの光を彼女自身に浴びせるんだ。』

 

「成る程、やってみる価値はあるな。」

 

 外部ユニットからも光が放たれている。あれを未来ちゃんに当てさせられらば、ギアが消えるはずだ。

 

『「そのためにも近づかなくては。』」

 

 足や背中からエネルギーを放出し、空中で待機する彼女に近づく。

 

「どうして?優太さんは平和が嫌いですか?」

 

「未来ちゃん!君は利用されてる!」

 

「大丈夫です、響だけじゃなくて、優太さんもグリッドマンさんも笑って幸せに過ごしましょう?」

 

 会話は出来るが、どこか話の焦点が合わない。

 近くの船に降りると、水面に潜水艦が現れた。

 

『「立花響!?』」

 

 潜水艦の上に立つ響ちゃんと向かい合う未来ちゃん。

 

「響…。」

 

「未来…。」

 

「私は響に戦って欲しくないの。」

 

「うん。知ってる。」

 

「だから、争いの無い平和な世界を作るために楽園が必要なんだって。」

 

「未来、その楽園はあったかいのかな?」

 

 響ちゃんの問いに未来ちゃんの答えは無い。

 

「わたしの好きな世界は未来や優太さんが居る、あったかい陽だまりなんだ。」

 

「でも、戦わなくていいんだよ?傷つく事なんて無いんだよ?」

 

「未来の言ってる楽園、それはきっと怖くて暗い世界だ。」

 

「どうして?私の事を信じてくれないの?」

 

「未来を助ける為に…わたしは戦う!」

 

 歌を唄い、シンフォギアを纏う響ちゃん。

 

「優太さん!グリッドマンさん!未来を助ける為に力を貸してください!」

 

『「わかった!』」

 

 俺と響ちゃんは同時に飛び出す。

 

『優太くん!グリッドマン!響くんの行動可能時間は2分40秒程だ!頼んだ!』

 

『「なら、2分以内に片付ける!』」

 

 弦十郎さんからの通信で響ちゃんの限界を聞く、2人の為にも速攻で片付けないと。

 

「戦うなんて間違ってる。戦わない事だけがあたたかい世界を約束してくれる。」

 

 彼女の回りに大量の外部ユニットが出現する。

 

「だから、皆を解放して上げないと…。」

 

 大量の光が放たれ、こちらは回避に専念する。

 

『優太、これから君の意識を小日向未来と繋げる。』

 

「グリッドマン?」

 

『恐らく彼女自身も戦っているはずだ。このままでは機械に心を壊されるかも知れない。』

 

「わかった。俺に出来るなら…。」

 

『行くぞ!グリッドキネシス!』

 

 俺の意識が一瞬途絶える。

 

──

 

「未来ちゃん…。」

 

「優太さん…。」

 

 真っ暗でなにも無い空間、そこに未来ちゃんが居た。

 

「ごめんなさい。私みんなに迷惑掛けて…。」

 

「それを言うなら、スカイタワーで助けられなかった俺達にも非がある。」

 

 未来ちゃんに手を差し出す。

 

「帰ろう。皆が待ってる。」

 

「はい、優太──

 

 急に未来ちゃんが何かに引っ張られる。

 

「きゃあっ!」

 

「未来ちゃん!」

 

 足が黒い何かに沈んでいく。俺はとっさに右手を掴み引っ張る。しかし、抵抗するが少しずつ沈んでいく。

 

「優太さん!離して下さい!このままじゃ2人とも!」

 

「だからって!離す理由になるか!大事な友達捨てて世界が救えるものかよ!」

 

 未来ちゃんに付けられた機械を表してるのなら、このまま取り込まれたら絶対に戻れなくなる。

 

「未来ちゃん!諦めるなよ!俺も!響も!グリッドマンも!皆が君の為に頑張ってるんだよ!」

 

「はっ!はいっ!」

 

 未来ちゃんも掴んでない方の手を伸ばして、こちらに捕まる。

 

「こ、ここからどうするんですか?」

 

「思い付くまで耐える。」

 

 少しずつ沈んでいく。地面はないはずだけど、あると思えばあるのか、何とか踏ん張りが効いてる。

 

「諦めたら…そこで終わりだ…。」

 

「はい…!」

 

 踏ん張ってると、急に体から光が溢れ、未来ちゃんの体がスルリと抜ける。

 

「な、なんだ?」

 

 油断せずに考えてると、辺りに声が響く。

 

『残りカスの俺たちに出来る事なんてこれくらいだ。』

 

『本来の僕らにあったらよろしくね。』

 

『あ、後はお前達次第だ。』

 

『行け!翔優太!』

 

 体が浮遊感に包まれる。

 視界が明るくなっていく中、スーツ姿の4人が見えた。

 

頑張れよ。グリッドマン(夢のヒーロー)

 

──

 

 潜水艦である仮設本部、その指令室で弦十郎は状況を整理していた。

 

「神獣鏡の無力化に成功したな、未来くんに問題は?」

 

「外傷や洗脳による後遺症も問題ありません。」

 

「では、こちらの戦力状況を。」

 

「神獣鏡の効果で未来ちゃんだけでなく、響ちゃんのガングニールが消滅、ですが彼女の爆弾も無くなりました。」

 

「これは喜ぶべきことだな。」

 

 正面のモニターに映る撮ったばかりの響のレントゲン、そこにはガングニールの破片などが無くなっていた。

 破片がなくなった為、シンフォギアを纏うことは出来なくなったが、命を蝕んでいた原因も無くなった。

 

「戦闘中に突如離反したクリスちゃんの攻撃で、翼さん、奏さんにダメージはありますが、致命傷は無く手当てもすぐ終わります。」

 

「しかし、流石ですね。あの状況下でダメージを最小限に抑えられたのですから。」

 

(クリスくん…これは君の迷いか?それとも…。)

 

 クリスと彼女達を考えれば、2対1だが不意打ちの分、クリスが有利のはずなのに、2人が軽傷ですんでいることに弦十郎は違和感を覚える。

 

「どうされました?司令?」

 

「いや、何でもない。優太くんとグリッドマンは?」

 

『呼んだか?風鳴弦十郎。』

 

 モニターにグリッドマンが映る。

 

「グリッドマン、優太くんは?」

 

『グリッドキネシスの消耗が激しく寝込んでいるが、直ぐに起きるはずだ。』

 

「グリッドキネシス?」

 

『私の力で彼女の精神と優太の精神を干渉させ、小日向未来の心が機械に取り込まれることを防いだのだ。』

 

「成る程、後はセレナくんと一緒に来たF.I.Sの装者は?」

 

「はい、目的を見失って暴走する仲間達を止めてほしいと。言っています。」

 

「ふむ。」

 

 突如、大きな振動が起きる。

 

「何が起きている!?」

 

「広範囲に渡って海底が蜂起!直下から迫っています!」

 

「全員!対ショック!掴まれ!」

 

 一際大きな音と振動が襲う。

 

「下から良いのを貰ったみたいだな。」

 

 一通り、落ち着いてから、スタッフ達がすぐに各チェックを始める。

 

「結果出ました!」

 

「先程の蜂起は奴等が月にアンカーを打ち込んでフロンティアを持ち上げたようです!」

 

「アンカーの影響で月の公転軌道も…。」

 

「奴等の目的がフロンティアである以上、阻止せねばなるまい。翼と奏くんを呼んでくれ。すぐに出撃させる。」

 

「了解!」

 

 スタッフ達が慌ただしく動き出す。

 

──

 

「ん…。」

 

『優太、目が覚めたか?』

 

「グリッドマン、ここは?」

 

『仮設本部の医務室だ。』

 

 グリッドマンから、寝ている間に起きた出来事を聞く。クリスちゃんの離反、月詠 調の投降、フロンティアが浮上し、投降した調を含め全装者が出撃している事。

 

「よし、遅れた分を取り戻さないと。」

 

『あぁ、行こう。』

 

『「アクセス!フラッシュ!』」

 

──

 

 まず俺は指令室に移動した。

 

「グリッドマン!優太くん!目が覚めたか!」

 

『「あぁ、心配をかけた。もう大丈夫だ。』」

 

「優太さん、グリッドマンさん…。」

 

『「小日向未来、君は皆の日常という道標だ。我々が帰る場所を見失わないように頼む。』」

 

「はい!皆を信じて待ってます!」

 

「頼むぞ、グリッドマン。」

 

『「あぁ、行ってくる。』」

 

 コンピューターワールドに飛び込む。

 

──

 

『セレナァ!』

 

「アンチ!」

 

 翼、奏と一緒に出撃したセレナは、クリスとアンチの襲撃を受け、戦っていた。

 気がつけば2人と離れ、アンチと一騎討ちになっていた。

 

『アンチLiNKERの散布下だ。そろそろ限界だろう?』

 

「たとえ…シンフォギアが使えなくても…きっとあの娘は立ち上がる…。なら私も負けてられない!」

 

『そうか…!』

 

 気力を振り絞り立ち上がるセレナ、アンチとは体格差もあり苦戦していた。

 怪獣形態のアンチは現在3メートル程の身長で、もはや熊と戦ってるに等しい体格差だ。

 

「なんで、さっきから格闘しかしないのかな…?」

 

『お前にはこれで十分だからだ。』

 

 肩で息をしながらも、今のところ戦えているのはアンチが格闘しかしてきていないからだ。

 アンチには強力な光弾があり、あれを使われたら一方的にやられていたはずだ。

 

「アンチだけじゃない、私だってアンチや姉さんと戦いたくない!」

 

『違う!俺はお前の後にグリッドマンと戦うために力を温存してるだけだ!』

 

 アンチが拳を振りかぶる、それをギリギリで避けると同時に片手に持った剣で切りつける。

 

『ちっ!』

 

「このままウェル博士の暴走を許したら、沢山の人が死んじゃう!」

 

『フロンティアが無ければ!そもそも生き残れない!!』

 

 セレナに向かい全力で殴りかかるアンチ、だが、その拳は何者かが受け止める。

 

『来たか…グリッドマン!』

 

『「決着を付けるぞ!アンチ!』」

 

 グリッドマンとアンチはにらみ合う。

 

──

 

 アンチと向かい合う。

 

「セレナ、ここは任せてくれ。」

 

「はい、お願いします。アンチを…。」

 

『「あぁ、解放する!』」

 

『グリッドマン!貴様が居なければぁ!』

 

 アンチは手の甲から剣のような物を伸ばして、突っ込んで来る。

 

『「グリッドライトセイバー!』」

 

 こちらもグリッドライトセイバーで対抗する。

 

『「アンチ!お前は仲間の為に戦っているのでは無いのか!』」

 

『そうだ!マリア達の悲願のために戦う!』

 

 何度か切り結び、アンチは即座に距離を空ける。

 

『くらぇっ!』

 

 光弾を収束し、ビームとして放ってきた。

 

『「はぁっ!』」

 

 グリッドビームで相殺する。

 

『「なぜ!間違った道に進む仲間を止めない!』」

 

『俺はただ壊すことしか出来ない怪獣だ!命令に従うだけだ!』

 

 体を開き、中から大量のミサイル擬きを乱射してくる。

 スパークビームを連射して迎撃する。

 

『「違う!お前は怪獣なんかじゃない!心を持った人だ!』」

 

『人間がこんな体をしているものか!』

 

 アンチは飛行形態になり、高く飛び上がる。

 

お前(グリッドマン)も!俺も!戦うためにある力だ!破壊をもたらすだけの存在(バケモノ)だ!』

 

 アンチは誘導式の光弾をばらまく、こちらはあまり動かず、しっかりと狙ってグリッドライトセイバーを撃ち出す。

 

『「お前が破壊をもたらすだけだと?違う!仲間を守る事だって出来る!』」

 

 グリッドライトセイバーが横を掠め、落下するアンチ。

 

『「グリッドビーム!』」

 

『ぐあぁぁっ!』

 

 グリッドビームが当たり、ダメージが増えたためか、アンチの変身が解除された。

 

「ぐっ…俺の…敗けだ…。」

 

 大の字で倒れるアンチに近づく。

 

「さぁ、トドメをさせ…。」

 

 俺は何も言わず、フィクサービームで癒した。

 

「なぜ情けをかける!俺はお前の敵だぞ!」

 

 こちらを睨むアンチに対し、冷静に答える。

 

『「我々に敵対していたとしても、彼女にとっては大事な仲間だろう?』」

 

「アンチ…。」

 

 隣にセレナが立つ。

 

『「たとえ世界を敵にしても、仲間を守ろうと戦うお前は心を持った人だ。』」

 

 アンチが何か答えようとするが、その瞬間、大きな音と共に1つの建物が空へ飛んで行く。

 

『「あれは?脱出装置?』」

 

「ち、違う!あそこはここの制御を司る建物だ!マムが居る所だ!」

 

「えっ!?」

 

 アンチの言葉にセレナが驚きを隠せない。

 

『「フロンティアが手に入って邪魔な人物を消し始めたか?』」

 

 恐らく、ウェルの仕業だろう。

 

「ど、どうすれば…。」

 

「ウェルを…潰す。」

 

 アンチは起き上がり、フロンティアの中央を見る。

 

「あいつはまだジェネレータールームに居るはず…。」

 

『「セレナ・カデンツァヴナ・イヴ、アンチと共に行け、私はやることが出来た。』」

 

「は、はい!」

 

 セレナと一緒にアンチは走っていく。

 

『「よし、我々も…。』」

 

 俺はあることの為にコンピューターワールドへ飛び込んだ。




今回はここまで、気がついたら結構ズルズルと書いてしまった。

ご意見、ご感想などはお気軽にどうぞ!

┌────┐
│お知らせ│
└────┘

フロンティア編が終わったら、コラボ章を開始します!

コラボ作品は前に当小説とコラボして頂いた桐野ユウさんの作品「戦姫絶唱シンフォギアと魔神皇帝」です。

よろしくお願いします!

少しあらすじを

───

 フロンティア事変が解決し、人々が平穏を取り戻す裏で蠢く影。

「グリッドマン…貴様が居なければ!」

 かつて異世界で戦い、倒したはずの敵〈ゼルフィール〉が優太達の前に立ちふさがる。
 グリッドマン達もあれから成長していたが、彼の技術と怨念はそれを凌駕する。

「ふははっ!貴様を倒したら次は魔神皇帝だ!」

 ピンチに現れるは神か悪魔か?

『前と立場が逆になったようだな。グリッドマン。』

『「お前は…!』」

 戦姫絶唱シンフォギアと魔神皇帝×電光戦姫シンフォギアSSSSコラボ章

ゼルフィール襲来!
  降臨!魔神皇帝!

お楽しみに!

予定ではGXのシナリオやってオリジナルに行くんですが、XVまでやった方が良いですか?(キャロル関係の話が色々変更されると思う)

  • GXからオリジナル
  • XVまでやってからオリジナル
  • GXからオリジナルの後、AXZ、XV
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