フロンティア編ラストスパート!
俺はコンピューターワールドを通り、フロンティアの制御室を目指す。
『優太、たとえ行けたとしても、生身の人間をコンピューターワールドに入れるのは危険だ。』
「でも、宇宙に飛ばされたままよりはいいだろ?」
先程飛ばされた施設に、ナスターシャ教授がいるとアンチが言っていた。
セレナ達がマムと慕った人物なら、月の落下を防ごうとして、ウェルに排除された可能性がある。
「恐らくその人を助けられれば、月の落下をどうにか出来るかも知れない。」
『確かにその可能性は高いな。』
システムが違うせいか、少し変わったコンピューターワールドを突き進み、目的の制御室へ向かった。
──
なんとか、制御室に繋がる端末を見つけ、コンピューターワールドから出る。
『「ここが制御室か。』」
「あなたは…グリッドマン。」
車椅子に座った女性がこちらを見ていた。
『「ナスターシャ教授、助けに来た。』」
「いえ、私はもう長くありません。あなたの力でもこの病に侵された体は無理でしょう。」
咳き込むナスターシャ教授。
『「無理をしては行けない。ナスターシャ教授。』」
「いえ、マリアの歌に世界中が共鳴し、非常に多くのフォニックゲインを産み出しています。これだけあれば、月の遺跡を動かし、軌道を元に戻せるはずです。」
教授は目の前の端末を操作しながら続ける。
「私はこの騒動の責任を取るためにも、命に変えて月の落下を止めなければ。」
『「責任を取ることと、命を投げ出す事に関係は無い!』」
俺はグリッドマンとしての力を使い、目の前の端末から月の遺跡を操作する。
「グリッドマン、いったい何を?」
『「私は本来実体の無いエネルギー体だ。君達の使う電子機器などの把握や操作はお手のものだ。』」
「まさか…。」
『「今、各システムを使い、月の軌道を修正するプログラムを作った。これで後は大丈夫だ。』」
ふと、モニターにネフィリムと戦う皆が見える。
『「あれは…ネフィリム。』」
「恐らくフロンティアのエネルギーを使い、ドクターウェルが産み出したのでしょう。」
ナスターシャ教授が紅いペンダントを取り出す。
「グリッドマン、これをマリアに渡して貰えませんか?」
『「これは…シンフォギア?』」
「セレナの扱うアガートラームです、偶然にも予備があり、ドクターウェルの目を盗んで私が個人で管理していました。」
『「それは貴方の手から直接渡すべきだ。』」
俺は出来る限りの力でフィクサービームを使い、ナスターシャ教授を癒す。
「これが報告にあったグリッドマンの治癒光線…。」
『「少し危険だが、コンピューターワールドを通り、地上に戻る。苦しいかも知れないが、我慢してくれ。』」
俺はナスターシャ教授を連れて、コンピューターワールドに突入する。
──
「私には何も出来やしない…犠牲になった命を無駄なものにしてしまう……。」
「マリア姉さん。」
「セレナッ!?アンチッ!?」
「マリア姉さんのやりたい事は何?」
「マリア、お前自身の望みを聞かせろ。俺の力はそのためにある。」
響にガングニールを奪われ、戦うことが出来ず、無力感に襲われるマリアの元にセレナとアンチが来る。
「……歌で世界を救いたい、月の落下がもたらす厄災から、皆を守りたい……。」
「産まれたままの感情を隠さないで。」
「なら、俺がやることはネフィリムを壊すことか…。」
「セレナ…アンチ…。」
マリアが立ち上がる。そこにナスターシャを連れたグリッドマンが現れる。
「マムッ!?それにグリッドマン!?」
『「ナスターシャ教授、大丈夫か?』」
「えぇ、大丈夫です。」
車椅子が無いため、近くの壁に寄りかかるナスターシャ。
「マリア、私は大丈夫です。縛られる事無く、あなたのやりたいことをやりなさい。そして、あなたの歌を世界に!」
ナスターシャはマリアにペンダントを差し出す。
「マム、これは?」
「予備のアガートラームです、ガングニールが2つ合ったように、アガートラームも複数の欠片があったのですよ。」
マリアはペンダントを受けとる。
「OKマム、世界最高のステージを開幕するわ。セレナ、アンチ、手伝ってくれる?」
「行こう、マリア姉さん。」
「任せろ。」
マリアはグリッドマンを見る。
「グリッドマン、虫がいい話なのはわかってる。お願い力を貸して。」
『「協力しよう、今は共に世界を救う仲間だ。ナスターシャ教授、すぐに二課の者が来る。少しそこで待っていてくれ。』」
「わかりました。マリア達をお願いします。」
グリッドマン達は外で戦う者達の元へ走る。
──
『「グリッド…ビーム!』」
『喰らえぇ!』
アンチと共にネフィリムへビームを放つ。
「「「「グリッドマン(さん)!」」」」
「「アンチ!」」
俺たちが来たことにみんなの表情が明るくなる。
『「ダメージが少ないようだな。』」
『ちっ!エネルギー吸収か!』
「だけど!歌がある!」
マリアが一歩前に出る。
「私はもう迷わない!」
『出来損ない共が集まった所でこちらの優位は揺らがない!焼き尽くせ!ネフィリム!』
ウェルの叫びと共にネフィリムが大きく口を開けて火球を放つ。
マリアが唄う。
その歌に合わせ、光が広がり俺達全員を包み込む。
『うひひひ……うぇははは……ん?』
爆煙でこちらが見えなかったが、勝利を確信していたウェルの笑い声が止まる。
「セレナが居る、調も、切歌も、アンチも、マムも居る!」
マリアは目の前のネフィリムを睨み付ける。
「皆が居るなら…このくらいの奇跡なんて!安いもの!」
『装着時のエネルギーをバリアの替わりに!?そんな芸当いつまでも続く物じゃ無い!』
ウェルの言葉に合わせ、ネフィリムが再び火球を放とうとする。
「セット!ハーモニクス!フォニックゲインを力にいぃぃ!」
響ちゃんがエネルギーを集める。
「引かれ合う音色に、理由はいらない。」
「ん…。」
翼さんが隣の調と手を取り合う。
「あたしも、つける薬が無いな。」
「へへ、それはお互い様デスよ。」
クリスちゃんと切歌も手を取り合う。
「うちはこんな感じでお人好しが多いんだ。」
「えぇ、良いことですね。」
奏さんとセレナも手を繋ぐ。
『「アンチ、心があるお前ならわかるだろう?』」
『この暖かさが、お前達の強さか…。』
「優太さん!グリッドマンさん!アンチくん!」
響ちゃんが両サイドに居た俺達の手を取る。
「繋いだ手だけが紡ぐもの…。」
『たった10人でその気になったつもりかあぁぁ!?』
ネフィリムからの攻撃が激しくなる。
「違う!これは私達だけじゃない!」
響ちゃんが叫ぶ。
「わたしが束ねるこの歌は──
70億の絶唱オオォォッ!?」
10の光が天に昇る。
「響き合う、皆の歌声がくれた──このシンフォギアでぇっ!!」
皆のシンフォギアが
大きな虹の光がネフィリムを飲み込んだ。
「これで……。」
『「奴は再生する、気を付けろ!』」
ネフィリムを倒した直後に弦十郎さんから通信が来る。
『ウェル博士がネフィリムの心臓を暴走させた、このままだとフロンティアを飲み込む処か、世界を巻き添えにしてしまうらしい。』
「わかりました!私達で何とかします!」
『ナスターシャ教授も回収した、少し疲れがあるようだが問題は無さそうだ。』
ナスターシャ教授の事を聞き、安心するマリア達、視界の先で紅く燃える塊を見つける。
「おい!あれを見ろ!」
「あれがオッサンの言ってた。」
『ネフィリムの心臓!』
周りの物を吸収し、マグマの怪獣とでも表現するべき見た目になる。
「「はあああぁっ!」」
「「でやあぁぁっ!」」
装者の皆が攻撃をするが、放った攻撃はダメージを与える事無く、吸収される。
「聖遺物どころか、エネルギーさえ吸収するのか!」
『あいつのエネルギーが多すぎて、下手な攻撃は餌になるぞ!』
「でも!このまま見てるだけも、限界を超えて被害が!」
マリアの言葉にアンチが補足するが、セレナの言う通り何もしないわけにはいかない。
「グリッドマン、このエネルギー量なら。」
『優太?なるほどやってみるか。』
『「アクセスコード!アシストウェポン!!』」
大量のフォニックゲインのお陰でアシストウェポンを全部召喚しても、全く負荷にならない。
「グリッドマン!?何を!?」
『「アシストウェポンの力をひとつに!』」
驚く皆を横目に、俺とグリッドマンはアシストウェポン達を装備していく。
バトルトラクトマックス、スカイヴィッター、バスターボラーがそれぞれ展開し、グリッドマンに装着され、グリッドマンキャリバーのアックスブレード部が展開し胸部に装備される。
バスターボラーのヘッドパーツが装着され、ブレードアンテナが展開、アックス部が無くなり少し小柄になったグリッドマンキャリバーを手に掴む。
『「超!合体超人!フルパワーグリッドマン!!』」
合体と同時にネフィリムにサイズを合わせる。
「すごい…。」
「これがグリッドマンの全力…。」
「全部乗せって奴か…。」
「何て圧倒的な…。」
響ちゃん、翼さん、奏さん、クリスちゃんが、それぞれ感想を口にする。
『「ネフィリムはこちらで抑える!うおおおっ!』」
ネフィリムに向かって突撃し、正面からぶつかる。
『「ツインドリルブレイク!』」
両肩のドリルを撃ちだし、ネフィリムの両肩を抉る。
『「まだまだぁっ!』」
蹴りを脇腹に叩き込み、怯ませる。
「バビロニア……フルオープンだぁっ!」
クリスちゃんが、ソロモンの杖を掲げて叫ぶ。
ネフィリムの後ろに大きな穴が開いていく。
「グリッドマン!そのまま押し込め!」
「バビロニアの宝物庫は異空間!その中に奴を放り込めば!」
奏さんと翼さんが、こちらに向かって叫ぶ。
『「わかった!いくぞ!』」
出力を上げ、ネフィリムを押す。
ネフィリムも身体のあちこちから、触手のような物を伸ばし、俺だけで無く、装者達にも襲いかかる。
「ぐあっ!」
「雪音!」
あまりの触手の多さに避けきれず、クリスちゃんの手からソロモンの杖が弾かれる。
「まだよ!」
「マリア姉さん!」
ソロモンの杖をマリアが掴み、バビロニアの門を大きくする。
「くっ!数が多い!」
多数の触手に捕まれ、マリアは身動きが取れなくなる。
ネフィリムはそのまま、ゲートに押し込まれていく。
「ネフィリムが格納されたら、すぐに離れなさい!わたしが中からゲートを閉じる!」
「マリア!?」
「何言ってるデスか!?」
「こんなことで罪を償える訳じゃない、でも!全ての命を守って見せる!」
自らを犠牲にしようとするマリアの言葉にアンチがすぐに反応する。
『そんなことさせるものか!』
「マリアさんを守って見せる!」
『「英雄ではない我々に、世界全てを救うことは出来ない、だが仲間を守ることは出来る!』」
ネフィリムの本体を押さえ込んでる俺だけでなく、全員がゲートを潜った。
──
宝物庫に入ると同時にゲートが閉じる。
『「流石にノイズの数が凄いな。』」
「さんざん呼び出して来たコイツらの住処だからな。」
大量のノイズが同時に襲いかかってくる。
皆はそれぞれノイズを倒していく。
『「ブレストスパーク!』」
アンチがマリアを助ける為にネフィリムの腕を切ると同時に、ブレストスパークで吹き飛ばす。
「くっ!これほどの数では、一振りの杖では制御が…!」
「マリアさんはもう一度開くことに集中してください!」
「外から開けられるなら、中からも可能なはずだ!」
「そいつは鍵だ!バビロニアの鍵なんだ!」
「その間、私達が周りを蹴散らす!」
マリアは杖を祈るように掲げる。
「私達は生きて帰る!その為にも!開きなさい!バビロニア!」
帰り道は皆に任せ、俺は巨大なノイズやネフィリムを相手にする。
『「ツインバスターグリッドビーム!』」
『喰らえっ!!』
多くのノイズが光に飲まれ、消えていくが、その余韻も無く次のノイズがやってくる。
大量のフォニックゲインでこちらのエネルギー切れの心配は少ないが、やはり敵が多い。
『グリッドマン!ゲートが開いたようだ!』
『「そのようだな、殿を勤める!アンチは皆の道を作ってくれ!』」
『任せろ!』
アンチは飛行形態になると、皆の方へ向かう。
こちらはフルパワーグリッドマンに付いている全ての火器を起動し、ノイズ達に向ける。
『「グリッドォ…フルバーストォ!』」
正面の敵を一掃し、ゲートに向かう。
だが、直前でネフィリムが回り込んで来る。
『すまない!止めきれなかった!』
「大丈夫よ!」
「迂回する余裕はない!」
「いく道は1つだな!」
「手を繋ごう!」
装者達が手をつなぎ、フォニックゲインが包み込む。
「「最速で最短でまっすぐに!」」
響ちゃんからは黄金の腕、マリアからは銀色の腕が現れ、両方の拳が組合わさり、突撃する。
「「一直線に!」」
妨害を狙うネフィリムを吹き飛ばし、全員がゲートを抜ける。
俺とアンチも人間サイズに戻り、ゲートを抜ける。
何処かの海岸に繋がったゲートは上空にあり、装者達は砂浜に落ちる。
「ぐっ!ゲートを…。」
体力が尽きて動けない装者たち、砂浜に刺さったソロモンの杖をアンチが人間態に戻り、ゲートへ投げた。
「閉まれ!」
ソロモンの杖がゲートに入り閉じるが、それと入れ替わるように何かが落ちて来た。
「なっ!」
「あれは…。」
「ネ、ネフィリム…。」
先程までの紅いネフィリムでは無く、フロンティアで見た暴走する前のネフィリムだ。
「くっ!こちらは動けないと言うのに…。」
\グギャアアアァァッ!/
ネフィリムが叫ぶと巨大化し、踏み潰そうとしてくる。
『「させん!』」
こちらも再度巨大化し、取っ組み合いになる。
『「うおおおぉぉぉっ!』」
全力でブースターを吹かしネフィリムごと、空へ飛ぶ。
ネフィリムは口から火球を吐くがフォニックゲインで強化されたフルパワーグリッドマンの防御力には敵わない。
「優太さん!グリッドマンさん!」
「お前の力を見せてやれ!」
「翔!」
「そのままやっちまえ!」
「グリッドマン!」
「それが最後デス!」
「終わらせて!この戦いを!」
「それを目覚めさせてしまった私達の替わりに!お願い!」
「決めろ!グリッドマン!」
ネフィリムの腹に蹴りを入れ、叩き落とす。
『「フルパワーチャージ!』」
怯んだ隙にこちらはキャリバーを天に掲げる。
全身にエネルギーが送り込まれ、黄金に輝く。
『「グリッドオォォ…!』」
キャリバーからエネルギーが溢れて天を突く刃となる。
『「フルパワアァァ…!』」
何とか立ち上がろうとするネフィリムに狙いを定め、振り下ろす。
『「フィニーーーッシュ!』」
そのまま縦に別れたネフィリムは爆発し、フロンティアをめぐる戦いは終わりを告げた。
──
夕日の沈む海岸で俺達は弦十郎さん達を待っていた。
「マリアさん…これ。」
マリアに差し出す響ちゃんの手には紅いペンダントが握られていた。
「ガングニールは君にこそ相応しい。」
そのまま優しく握らせるマリア。
「…ん。」
響ちゃんは頷き、ペンダントを大切にしまう。
「しかし、月の遺跡を起動させてしまった。」
「バラルの呪詛か…。」
「人類の相互理解を阻む装置…。」
「一歩近づくどころか、離れちまった…。」
月の遺跡、バラルの呪詛…俺達には越えないと行けないものが多いようだ。
「へいき、へっちゃらです!」
響ちゃんが大きく笑いながら宣言する。
「だって、世界には歌があるんですよ!」
響ちゃんの言葉に皆が笑い、その笑い声は弦十郎さん達が迎えに来るまで海岸に響いていた。
フロンティア編完!
ちょっと小話挟んでコラボ章に行きます!
感想などはお気軽にどうぞ!
予定ではGXのシナリオやってオリジナルに行くんですが、XVまでやった方が良いですか?(キャロル関係の話が色々変更されると思う)
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GXからオリジナル
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XVまでやってからオリジナル
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GXからオリジナルの後、AXZ、XV