電光戦姫シンフォギアSSSS   作:東風乃扇

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みなさんお元気ですか?
東風乃扇です。

平成最後の投稿です!




覚・醒

 俺は転生者の翔優太。

 転生してから、2年程たち俺を取り巻く環境は大分変わった。

 グリッドマンとして戦うのは相変わらずだが、半年ほど前に祖父母共に天寿を全うした。

 それにより、現在我が家は温泉宿としては使われていない。

 俺自身、高校卒業して調理師の勉強中だし、後見人のおじさんも「まずは今やってることをしっかりな。」って言ってくれた。

 

「今日もいい天気だな。」

 

 春先ということもあり、すごし易い日だ。

 今日は休みなので、町を散策していた。

 

「よーしよし…いい子だからおとなしくしてね~。」

 

「響ちゃん?」

 

 頭上から聞きなれた声がして視線を上げる。

 そこには木の上で子猫を抱える響ちゃんが居た。

 

「おーい。なにやってんの?響ちゃん。」

 

「えっ!?あっ!あわわわっ!」

 

 急に声を掛けられてビックリしたのか、響ちゃんは体勢を崩してしまい、木から落ちる。

 丁度下に居た俺が受け止める。

 

「大丈夫?」

 

「あっ…あははは…。ありがとうございます、優太さん。」

 

 響ちゃんを降ろすと、響ちゃんも抱えていた子猫を降ろす。

 

「気を付けるんだよ~。」

 

「それは君にも言えるからね?」

 

「うぐっ!?」

 

 にゃあと鳴きながら、子猫は走っていった。

 

「何してたの?」

 

「いや、あの子が降りれなくて困ってたので…。」

 

 思っていた通りの答えが返ってきて、思わずため息を一つ。

 

「うん、それは良い心掛けだね。」

 

「はい!」

 

「でも、少しは自分の予定と照らし合わせようか?」

 

 彼女は制服を着ている。つまり、今日は学校があるはずだ。

 俺に言われて、時計を確認する。

 

「げっ!!ヤバイ!遅刻しちゃう~!」

 

「気を付けるんだよ~。」

 

「あっ!はい!優太さんもおきをつけて~!」

 

 元気に走り出した響ちゃんを見送り、俺も歩き出す。

 

──

 

「こんにちは。」

 

「やぁ、いらっしゃい。」

 

 俺は〈ふらわー〉というお店に来ていた、お好み焼き屋だ。

 元々このお店をやってるおばちゃんは祖父母と知り合いで、前々から利用させてもらって居る。

 

「いつもので良いかい?」

 

「はい。お願いします。」

 

 暫くすると、テーブルに豚玉が来る。

 

「お待たせ。」

 

「ありがとうございます。」

 

 ここはおばちゃんに焼いて貰うか、自分で焼くか選べる。

 俺は自分で焼くことが多い。

 

「こんにちは~。1人ね。」

 

「いらっしゃい。」

 

 お好み焼きが焼け、一口サイズに切り分けてると店の扉が開き1人入ってくる。

 

「お、優太じゃないか~。」

 

「こんにちは、奏さん。」

 

 彼女は天羽奏、アーティストなのだが色々あって知り合いです。

 奏さんは俺の向かいの席に座る。

 

「相席、いいよな?アタシとお前の仲だし。」

 

「既に座ってるじゃないですか。」

 

 別に断る理由は無いのでそのままですが。

 

「あ、おばちゃ~ん!肉増しで!」

 

「よく食べますね。」

 

「歌って踊るのって体力使うんだぞ?」

 

 そういいながら、俺のお好み焼きをつまみ始める奏さん。

 

「こら。」

 

「良いじゃないか。後でアタシの分上げるからさ。」

 

「そうじゃなくて、勝手に食べたらダメでしょうが。」

 

「わりぃわりぃ。」

 

「全く。」

 

 いつもの事なので軽く流してるが、これは周りから見たらどう写るんだ?

 アーティストと仲良く食事してるようにしか見えないか。

 

「調子はどう?」

 

「私生活も学校も順調ですよ。」

 

「そりゃ良かった。」

 

 奏さんが笑う。

 

「はい、肉増しね。」

 

「おっ来た来た。」

 

 このあとは2人でお好み焼きを堪能した。

 

──

 

「そう言えば今日はツヴァイウィングの新曲発売日だったか。」

 

 郵便受けの中にあった少し大きい封筒を見て呟く。

 そこには〈ツヴァイウィング〉の文字が書かれている。

 新曲が出るとご丁寧に俺に送ってくる。

 

「マメだなぁ、あの2人…。」

 

 今日会った奏さんとその相方が書いたメッセージを読みつつ、CDをパソコンに入れて流す。

 

「グリッドマンとはバレてないよな…。」

 

 今まで何度か俺と会ってるが、グリッドマンの話は一度も無いし平気だと思いたい。

 そもそもあの2人が使ってる装備も世間的には知られてない。

 なんなんだろあれ?

 

「ん…ノイズか…。」

 

 左腕にプライマルアクセプターが出現し、鳴り出す。

 

「アクセース…フラッシュ!」

 

 すぐにジャンクの元へ向かい、アクセプターのボタンを叩く。

 

──

 

 立花響は叫ぶ。

 

「生きる事を諦めない!」

 

 自分自身、そして後ろに居る子供に言い聞かせる様に。

 今日発売のCDを買いに行ったら、ノイズに遭遇し逃げ遅れた子供と一緒に走り回って居たが、囲まれてしまう。

 それでも、諦めず何か出来るはずだと、考える。

 不思議と心の中に浮かんだ歌を呟く様に歌う。

 

─Balwisyall Nescell gungnir tron─

 

 直後、彼女は光に包まれる。

 

「な、何これぇ!?」

 

 気がつけば先程まで着ていた服の代わりに、ピチピチスーツの上から手足にプロテクターの様な物が装備されている。

 

「おねぇちゃん!かっこいい!」

 

「そ、そうかな?」

 

 一緒に居た子供が目を輝かせる。

 だが、ノイズには関係ないことなので、襲いかかって来た。

 

「させない!」

 

 響はとっさに子供を抱き上げて、跳ぶ。

 

「うええぇぇぇっ!?」

 

 自分が思っていたよりも勢いよく跳んでしまい、ビルの屋上から飛び出した。

 ドンッ!と大きな音をたてながら着地するが、痛くなかった。

 

「よくわからないけど!これなら!」

 

 逃げきれる。そう思い、全力で走る。

 

「おねぇちゃん!」

 

「しまっ……──

 

 走ることに集中していた為か、横からまるでミサイルのごとく飛び込んでくるノイズに対して、反応が遅れてしまう。

 

(せめて、この子だけでも!)

 

 思うよりも先にノイズを払う様に腕を動かしていた、払った手がノイズに当たり、ノイズが弾けた。

 

「えっ!?」

 

 ノイズに触れたのに、自分は炭化せず、ノイズのみが炭化した。

 その事実に響は驚く。

 

「なんで……?でも!」

 

 少なくても自分はノイズを倒すことが出来る。この子を守れる可能性が大きくなった。

 そう思えるだけで、響は内心ほっとする。

 

─Imyuteus amenohabakiri tron─

─Croitzal ronzell gungnir zizzl─

 

 次の瞬間、バイクの音と共に先程響が歌った歌と同じような歌が聞こえる。

 

「はっ!」

 

「喰らいなっ!」

 

 2つの斬擊が周りのノイズを蹴散らす。

 

「ええっ!?」

 

 自分の前に立つ2人を見て、響は困惑する。

 彼女が好きなアーティストユニット…ツヴァイウィングの2人だったからだ。

 2人も響と同じような格好で、それぞれ刀と槍を持っていた。

 

「お前は其所を動くなよ!その子を守れ!」

 

「いいな!」

 

「は、はい!」

 

 奏と翼に言われ、腕の中の子をしっかりと抱き締める。

 

「速攻で片を付ける!」

 

「覚悟しろ!」

 

 2人は響を中心にして守るように戦い、ノイズを確実に減らして行く。

 

「うえぇっ!?大きい!?」

 

 巨大なノイズが現れる。

 余りの大きさに響は驚きの声を上げるが、翼と奏は至って冷静だった。

 

「そろそろかい?」

 

『えぇ。エネルギー反応あり、グリッドマンです!』

 

 奏がインカムに聞くとほぼ同時に、光と共に1人の巨人が現れる。

 

「こ、今度は何~っ!?巨人!?」

 

「そいつを頼むぜっ!」

 

「グリッドマン!」

 

『それが私の使命だっ!』

 

 驚き続ける響を置いて、2人はグリッドマンに一声掛けると、周りのノイズとの戦闘を再開する。

 

「こっちだ!着いてこい!」

 

「は、はい!」

 

 翼は包囲の一部を破り、響を誘導する。

 

「これで…はあぁぁぁ!」

 

 翼が誘導したのを確認した奏は、槍からエネルギーを放出し、一気に殲滅を計る。

 

『はぁ!』

 

 グリッドマンも左腕のプロテクターから光の剣を出し、巨大ノイズを切り刻む。

 

「す、すごい……。」

 

 ノイズに対して怯まずに立ち向かう様を見て、響はただ魅入るだけだった。

 

──

 

 最後のノイズを倒し、全員が警戒を解く。

 

「よし、これで終わりだな。」

 

「ああ。」

 

 翼と奏は手に持った武器を放し、響を見る。

 

「あ、あの…。」

 

 2人に睨まれてると思った響は少し顔がひきつらせながら、口を開く。

 

「た、助けて頂いてありがとうございます!」

 

「気にするな、それが私たちの使命だ。」

 

「ぷっ!何だそれ、グリッドマンかよ。」

 

 翼の答えに奏が思わず吹き出す。

 

「む、変なことは言ってないだろう?」

 

「いや、そうなんだけど、あははっ!」

 

 目の前のコントの様なやり取りに、響は苦笑するしかなかった。

 自分達に優しい光が降り注ぐ。

 

「ふぇ?」

 

「おっ。」

 

 思わず変な声が出てしまい、顔を紅くする響。

 

『歌の戦士よ、また会おう。』

 

 こちらに手を向けていたグリッドマンは、そのまま光となって消える。

 

「あ、あの今の…と言うか、この状況は…。」

 

「ん~そうだな~どっから説明すればいいんだ?」

 

「とりあえず、貴女はギアを解除しなさい。着てた服をイメージすればいい。」

 

 翼に言われた通り、着ていた服をイメージすると、すぐに解除され、元の服に戻った。

 気が付くと周りには沢山の大人が居て、色々な作業をしていた。

 

「暖かいもの、どうぞ。」

 

「あ、ありがとうございます…。」

 

 スタッフの1人がココアを持ってきて、響は受け取りながら礼を言う。

 しばらくして、周りの人達は作業が一段落ついたのか、退散の準備を始める。

 

「あ、あの~私もそろそろ…」

 

 響も帰ろうかなと、口にするがガチャリと重たい音と共に手錠をかけられる。

 

「すまないが、私達と来てもらうぞ。」

 

「悪りぃな、そういう決まりなんだ。」

 

「え、えぇぇぇ~!」

 

 現場には響の叫び声が響いた。




原作とほぼ変わらない所はバッサリカットしていくと思いますのでよろしくです。

次回もよろしくお願いします!

予定ではGXのシナリオやってオリジナルに行くんですが、XVまでやった方が良いですか?(キャロル関係の話が色々変更されると思う)

  • GXからオリジナル
  • XVまでやってからオリジナル
  • GXからオリジナルの後、AXZ、XV
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