今回はイグナイト回だ!
本部のシュミレーションルームでは、アンチが訓練をしていた。
「うおおぉっ!」
多くのノイズを一掃するが、それと同じ数のノイズが背後から現れる。
「まだだっ!」
すぐに振り向き、体からビームを放ち撃ち抜く。
終了を告げるブザーが鳴り、周りが無機質な部屋に戻る。
「はぁっ……はぁっ……。」
変身を解き、息を整えるアンチ。そこにマリアがドリンクを片手に現れる。
「はい、お疲れ様。」
「ありがとう。」
「そろそろ休んだら?」
「いや、そう言う訳には行かない。今は俺とセレナしか戦えないんだ……。」
「なら徒に体力を削るのは得策じゃないでしょ?」
「俺がしっかりしていれば、グリッドマンはダメージを負わずにすんだ。」
自身に対する怒りから、飲んだドリンクのボトルを握りつぶすアンチ。
「力が合っても戦えなかった、切歌や調の事も考えなさい。」
「……そうだな。」
「次は絶対に守るわよ。」
「あぁ。」
2人は決意を固め、部屋を出る。
──
前の戦いから一週間程たったある日、アルカ・ノイズが現れた。
「近隣の発電所に同時襲撃です!」
「このままでは街への給電率が低下して本部での作業にも影響が!」
「アンチくん、セレナくんはすぐに出てくれ!」
「「了解!」」
2人はすぐに甲板へ行き、アンチの飛行形態で移動して行く。
「近くの発電所に到着、防衛戦を開始します。」
「今の戦力では1ヶ所を守るのが限度ですね……。」
「ナスターシャ教授!作業の進行状況は!?」
弦十郎の言葉に答えるように、モニターにナスターシャ教授が映る。
『全体の8割程ですが、一時的に使う方法があるとグリッドマンの提案があります。』
「なにっ!?グリッドマンが!?」
『シンフォギア装者は、こちらへ来てください。』
「マム、すぐに行くわ。」
装者達はラボへ向かおうとすると、急に警報が鳴る。
「基地内にアルカ・ノイズ多数!オートスコアラーも確認!」
「こっちが本命かっ!」
潜水艦が停泊している基地が直接襲われる事態に、装者達は急いでナスターシャ達が作業するラボへ向かう。
そして、調が切歌を連れて別行動をしていることに気がつく者は居なかった。
──
装者達が指令室を後にしてすぐに状況に変化が起こる。
「シュルシャガナ、イガリマ交戦開始!」
「お前達!何をやってるかわかってるのか!?」
LiNKERが無く、出撃を止められていた調と切歌がそれぞれのギアを纏い戦っているのだ。
『もちろんデスともっ!』
『今のうちに強化型シンフォギアの完成を!』
戦う2人のデータを見て、友里が疑問を口にする。
「2人ともバイタル安定?バックファイアが抑えられてます!」
「まさか……あの2人……。」
「LiNKERに余裕のある奏さんのをっ!?」
「ああっ!医務室から勝手に持ち出しやがった!」
──
「アイツら、何て無茶を……。」
ラボに備え付けられたモニターで、状況を見ていた奏が呟く。
「私たちにはこの程度の無茶を通さないと、自分を許せないのよ……。」
マリアが奏に答える。
「っ!アイツら更にLiNKERをっ!」
「おい!ギアを早くくれ!」
モニターの先で無茶をする2人を見て、クリスが焦りながらグリッドマンが映るモニターに詰め寄る。
『あぁ、すぐに行かなければ。』
「して、不完全のギアをどうやって使うのだ?」
「まずは皆さんのギアをお返しします。」
エルフナインがそれぞれにペンダントを渡す。
「やはり唄は聴こえない……。」
『大丈夫だ。』
ペンダントを持って落胆する翼にグリッドマンが勇気づけるように答える。
「どうすればいいんだ?」
『今までの逆をする。』
「今までの……逆?」
グリッドマンの言葉にマリアが首を傾げる。
『これまで、使えない筈のアシストウェポンを君達の持つシンフォギアの力で補い扱って来た。』
「もしかして、今度はアシストウェポンにギアを手伝わせるって事か!?」
『その通りだ。私の力でアシストウェポンの力を解放する。行けるはずだ。』
「わかったわ。あなたを信じる。」
「そうだな。頼む!」
「いつでも良いぜ!グリッドマン!」
「あぁっ!やってやらぁっ!」
『では!行くぞ!』
モニターから強い光が溢れる。
──
追加でLiNKERを投与し、上がった出力を持ってしても、オートスコアラーのミカに調と切歌は苦戦していた。
「ぐっ!こんなに頑張ってるのに!どうしてデスかっ!?」
「そろそろ遊びは終わりだゾ!バイナラ~!」
ミカの一撃を受け、ギアが破壊される切歌。
「あっ!切ちゃん!」
反動で体が動かせない切歌を守ろうと、調がミカに挑む。
「仲良しこよしでお前のギアも壊してやるゾ!」
「やらせないっ!」
しばらく戦うと、ミカはアルカ・ノイズを大量に召喚し、調を襲わせる。
「このっ!──くっ!」
抵抗するも、数に押されていく調。
「ああっ!調!」
避け損ねた攻撃がギアを破壊し、調も地面にひれ伏す。
「し、調を……助けて……。」
切歌は必死に手を伸ばしながら懇願する。
「誰でもいいからっ!大切な友達を……っ!」
調に向かい群がるように集まっていたノイズが、突然何者かに一掃される。
「誰でもいいなんて、つれねぇこと言ってくれるなよ。」
「そうだな、我々を頼って貰いたい物だ。」
そこには新たなギアを纏った翼とクリスが立っていた。
──
セレナとアンチの元にもオートスコアラーのファラが現れ、セレナのギアが破壊されてしまう。
「アンチ、セレナを連れて離脱しなさい。」
「そうだな。後はアタシとマリアがやる。」
新たなギアを纏った奏とマリアが2人の前に立つ。
「頼む!」
「気をつけて、姉さん、奏さん!」
アンチはセレナを抱え、すぐに離脱する。
「さて、反撃開始だ。」
「そうね、たっぷりと仕返してやるわ。」
2人のギアは全体的にグリッドマンのようにエネルギーラインが光り、どこか機械的に見えるデザインになっている。
マリアの纏うアガートラームは、小さめのグリッドマンキャリバーを分解し、右手にシールド、左手にブレードを持つ形になっている。
奏の纏うガングニールは背中にスカイヴィッターを背負う形で装備している。
「この新たな力、〈アガートラーム・キャリバー〉でっ!」
「〈ガングニール・スカイ〉、慣らしには丁度いいぜっ!」
「なら、こちらをどうぞ。」
ファラは迷わずアルカ・ノイズを召喚する。
「へっ!その程度の数で止められると思うなよっ!」
奏は素早く空へ上がり、背中のユニットから多数のミサイルを放つ。ガングニールの槍を模したミサイルは数体のノイズを軽く貫いて行く。
「はっ!なめられた物ね!」
マリアが手に持ったブレードを振ると、そこから電撃が放たれる。
「なかなか、面白い音を奏でるのですね。」
ファラは余裕の表情を崩さず剣を独特の姿勢で構える。
──
調と切歌の周りを囲う様に居たアルカ・ノイズを翼とクリスが一掃していく。
「おお~、なかなかやるゾ?」
「この程度!我が新たな剣〈天羽々斬・蒼翼〉の障害にはならないと知れ!」
「〈イチイバル・ボラー〉の前じゃ、ただの的だぜ!」
翼の天羽々斬は脚の中心にスカイヴィッターを模したパーツが増え、背中にもスカイグリッドマンと同じようにブースターがついている。空を舞うように飛ぶ。
クリスのイチイバルは両肩に大型のドリル、脚部にキャタピラが着き、バスターグリッドマンの胸部装甲を模した盾を装備しており、重装甲車を体現している。
「このままオートスコアラーを!」
「あぁっ!コンビネーションで消し飛べ!」
翼の空中から放たれる斬撃と、クリスのドリルがミサイルの様に放たれ、ミカへと届く。
「ふんっ!ちょせぇっ!」
「いや、待てっ!」
煙が晴れると、そこにはキャロルがバリアを張り、ミカを守っていた。
「面目ないゾ……。」
「いや、自分で防いで良く解る。オレの出番だ。」
キャロルはバリアを解除し、翼とクリスを見る。
「はっ!ラスボスがのこのこと来やがった!」
「しかし、早期決着を望むのはこちらも同じこと。」
2人は構え直し、キャロルを睨む。
すると、ミカはすぐに撤退していく。
「トンズラかよ!」
「案ずるな、お前らごときはオレで大丈夫と言うことだ。」
「そのような風体で言ってくれる!」
翼に言われ、キャロルは自分の体を軽く見る。
「なるほど、見た目のせいで本気を出せなかったと言い訳されるわけにはいかないな……刮目せよっ!」
キャロルは琴の様な物を取り出すとおもむろに弾き始める。
「なっ!」
「なんだとっ!」
強いエネルギーが放たれ、それが収まるとそこには大人になったキャロルが居た。
「これで問題無かろう。」
「大きくなった所で!」
「張り合うなら望む所だ!」
翼とクリスはそれぞれの武器を構え、キャロルに挑む。
──
ファラと戦う奏とマリアだったが、途中でアンチに似た怪獣の乱入を受ける。
「ファラ、目的は達成だ。」
「そうですか、なら撤退します。」
「逃がすかよっ!」
「まだこちらの話が終わってない!」
ファラが撤退しようとする隙に2人が一気に近付く。
「暴れ足りないのか?なら、俺が相手をしてやろう。」
怪獣が、ビームを放ち牽制する。
「優太がやられた分、殴らせてもらうぞ!」
「立ちふさがると言うのなら、覚悟しなさい!」
「あの失敗作に苦戦していたお前らごときに俺は倒せん!」
「では、後を頼みますよ。イーター。」
ファラは光と共に消える。
そして、残ったもの達が戦いを始める。
──
キャロルの圧倒的火力に飛ばされる翼とクリス。
一部とは言え、グリッドマンの力を宿したギアを使い優勢に立たれるのは2人にとっても予想外だった。
「くっ!まさかこれ程とは……っ!」
「先輩……やっぱアレしかねぇな。」
2人が互いに頷く。
「なんだ?まだ札があるなら切って見るがいい。それも纏めて消し飛ばしてやろう!」
余裕があるのか、それともそれすらも潰せる自信があるのか、キャロルは高圧的な態度で2人を見る。
「なら!見せてやるよ!」
「我らの更なる力!」
「「イグナイトモジュール!抜剣!」」
胸元にあるマイクユニットを取り外して掲げ、2人の叫びに反応し、黒いオーラが包み込んでいく。
「がっあああっ!」
「おおおおおっ!」
2人はしばらく苦しみもがく。
「ぐっ……はぁ……はぁ……。」
「がっ……はぁ……はぁ……。」
「なんだ?もう終わりか?」
黒いオーラが弾け2人の膝を着く姿を見て、キャロルは残念そうに言う。
「なら、立ち上がる力位はオレがくれてやる。」
キャロルは大量にアルカ・ノイズを召喚すると、2人では無く街へ向かわせる。
「なっ!アルカ・ノイズをっ!?」
「ちくしょう!街が!」
「いつまでも片膝付いていると被害は増える一方だぞ?」
──
「師匠!私出ます!」
眠りから覚め、状況を理解した響はガングニールを握りしめ、弦十郎に叫ぶ。
「行けるのか?」
「はいっ!」
「よし!響くんの出撃準備だ!最速の足を──『そこは私に任せてくれ。』グリッドマン!?」
モニターの1つにグリッドマンが映される。
『先程はギアの状態も不安定だった為に言わなかったが、私の力を受けたギアにはコンピューターワールドに入る力がある。』
「なるほど!」
「いつも優太さんとグリッドマンさんがやってる移動法ですね!」
グリッドマンの説明に弦十郎と響が頷く。
『まだ優太は目覚めていない、なら私に出来る事をするだけだ。』
響の左腕にプライマルアクセプターが現れる。
「これは……。」
『さぁ!立花響!』
「未来!師匠!エルフナインちゃん!行ってきます!」
響は皆に挨拶すると、左腕を掲げる。
「アクセース……フラッシュ!」
響は光に包まれる。
──
戦う翼とクリスの前に、強い光と共に響が現れる。
「翼さん!クリスちゃん!」
『待たせてしまってすまない。』
「立花とグリッドマンかっ!?」
「おまえのギアに入ってるのか!?」
響が纏うガングニールは姿を変え、さながらグリッドマンを体現していた。
カラーも赤と白が基本となり、ヘッドギアの形もグリッドマンだ。
「はいっ!これが私とグリッドマンさんの力……〈ガングニール・グリッドマン〉!」
響は左腕のアクセプターをアルカ・ノイズに向ける。
『「グリッド……ビームっ!』」
グリッドビームはアルカ・ノイズの軍団を貫く。
「翼さん!クリスちゃん!イグナイトモジュール!もう一度やってみましょう!」
「だが、今の私達では……。」
先程失敗したイグナイトモジュールの起動を呼び掛けられ、翼は一瞬躊躇してしまう。
「未来は言ってくれたんです。シンフォギアの力に救われたって、だから、本当に誰かを救う力なら、わたし達だって救ってくれます!」
『私は知っている。人は自らの闇を払い、光る事が出来ると。君達も自分の勇気を思い出すんだ。』
「天羽々斬……。」
「イチイバル……。」
「信じよう、胸の歌を……。」
「シンフォギアを!」
「「「イグナイトモジュール!抜剣!」」」
3人の叫びが木霊する。
「うわああああっ!」
『これが呪いの力か……だがっ!』
グリッドマンの声が響くと、アクセプターから強い光が放たれ、3人が包まれる。
『掴め!君達の力を!』
「「「塗り潰されて……なるものかあぁっ!」」」
3人のギアが黒いオーラを纏い形を変えていく、イグナイトモジュールが起動し、全体が黒く染まったギアが完成する。
「ほほぅ……。」
その様子を見ていたキャロルは、微笑む。
「まずは小手調べだな。」
キャロルは大量のアルカ・ノイズを召喚する。
『アルカ・ノイズの反応、3,000!』
「たかが3,000!」
「雑魚ばっか並べやがって!」
「一気に蹴散らす!」
3人がアルカ・ノイズとの戦いに突入する。
今回はここまで、一気に戦力強化です!
細かい設定などは次回辺りに説明できるかと思います。
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予定ではGXのシナリオやってオリジナルに行くんですが、XVまでやった方が良いですか?(キャロル関係の話が色々変更されると思う)
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GXからオリジナル
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XVまでやってからオリジナル
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GXからオリジナルの後、AXZ、XV