Muv-Luv Altanaitibe トータル( ´艸`)クリップス 作:caose
ユウヤとエボルトはその部隊名を聞いてマジかよと思いながらも
見知った人ではありませんように願掛けするが・・・どうも神様はそういうお願いは聞いてはくれないようだ。
何せ入ってきたのは・・・女性だった。
茶髪に近い金髪の妙齢の女性。
「(・・・あの人って嘘だろ~~。)」
「【ユウヤ、絶対見るなよ。怪しまれるからな。】」
エボルトが注意して取敢えずと言った感じで視線を彼女から避ける様に前を見た。
すると女性が自己紹介した。
「諸君、私が『ジャール大隊』《フィカーツィア・ラトロワ》階級は中佐だ。」
それを聞いて全員が敬礼すると中佐は興味なさげに答礼すると全員に向けて
着席するように促して全員が座った後背部にある大型スクリーンを
レーザーポインタで指し示して説明した。
「これが諸君らの実験場となる戦域だ。」
写っているのはカムチャツカ半島の概略地図と部隊配置、
大まかな戦域区分けが描かれており第二区と呼ばれる場所が
派遣組の場所のようだ。
東部海岸沿いの北部をクリスカ達を除いたイーダル試験小隊。
南部を統一中華戦線・暴風(バォフェン)試験小隊。
中央区にアルゴス試験小隊+クリスカ・イーニァ。
この面子となっている。
然しその地形が全員の言葉を容易く奪い去った。
場所は海岸であるがカムチャツカ半島の中央部を南北に貫く
標高三千メートル超の山々を抱くスレジンヌイ山脈。
戦域となるティギリ地区からそこに至るまでにさらに百キロメートルの険しい
山岳丘陵地帯が横たわり中央区画にはオホーツク海に
20キロメートル程半島状に突き出ており、部隊の布陣も同じ長さだった。
それは只見れば有利に見える反面戦線が瓦解した際には
南北からの挟撃により退路が完全に寸断され確実に包囲殲滅されるであろうことが明白だ。
するとそれを見たエボルトはこう感じた。
「【この場所を選ぶって事は上層部の連中、レールガンの回収と一緒にどっかでジャール大隊の連中がやらかしたことを聞いて粛清と同時に俺らの始末も
兼ねてるんじゃねえか?】」
「(ああ、ヤダヤダ。俺は後ろを気にしながらも戦わなきゃいけねえなんて
嫌な世の中になっちまっているなおい。それがソ連流ってかよ?)」
「【ま、一石三鳥っていう意味じゃあ中々かもしれねえがもしアホナことを
考えているなら・・・いい加減お前に飽きてきたし他の憑依する人間探すか。】」
「(手前!本気でそれやったら化けて出てやるぞごら!!)」
「【は!やってみろやションベン小僧!!】」
グぬぬぬとお互いに馬鹿な喧嘩をしているがそんな中でラトロワ中佐は
全員に向けて笑顔でこう言った。
「諸君は実に運がいい!幸いにも今カムチャッカ半島は今周期的な
大規模侵攻繁忙期に入っている。実戦形式の試験はやりたい放題と言う訳だ。」
「(要は俺らは人出が少ないから手伝えって事だろ?)」
「【多分だがアフリカの連中が暴走した時に何人かの衛士がカバーしたり
流れ弾に当たって重症又はBETAの腹に収まったんじゃねえか?】」
「(だから今回の企画をサンダーク中尉が進言したのか。アメリカ軍に
直接頼んで貸し作りたくねえからって露骨に嫌な顔されている所の救援何て
こっちが精神的に参っちまうっツウの。)」
「【だがやらなきゃあアメリカの連中は間違いなく《G弾》を打ち込むぜ。】」
「(ああ、あの噂に聞く新兵器ねえって・・・あれって本当に爆弾なのか?
黒い光なんて聞いた事ねえゼ?俺は隊長から遠目から出見たことしか
聞かれてねえけど?)」
ユウヤの隊長であったレックス曰くであるが
彼は《明星作戦(オペレーション・ルシファー)》で後方支援担当であった際に
撤退した後に黒く光るものを目撃したと話していたが爆弾がそんな風に光るのかと疑ったほどである。
無論それは全員同じであるがそれだけではない。
「(環境に何ら問題ないとか人体に問題ないとか言っているけど
あれってデマだろ?そんな願ったりかなったりの爆弾なんて
この世の中作れるわけねえよ。)」
「【確かにな、・・・黒い光・・・いや待てよ、それならまさか】」
「(どうしたんだエボルト?】」
ユウヤは何やら考えているエボルト二向けてそう聞くとエボルトはこう答えた。
「【いや、何でもねえって説明終わってねえぞ。】」
ああそうだったなとユウヤはラトロワの方に視線を移した。
「ではまずは作戦の概要に移る。第一段階は水上艦による爆雷攻撃、
第二段階は上陸地点に対して海上艦艇、地上ロケット部隊による支援砲撃と
航空部隊における航空爆撃に伴う面制圧、第三段階はそれすらも避け切った連中を海岸線から十キロメートルの所に配置されている機甲部隊と戦闘ヘリの直接駆逐でここが第二防衛ラインだ。第四段階は混戦時に伴う我々戦術機部隊の出番であり
この時貴様らがいる場所が第三防衛ラインとなっておりここ迄はセオリー通りだが遺憾なれど貴様らの試験の為に残敵が一定数を下回った際大隊規模のBETA群を
貴様らが実験すると言う子供でも出来る簡単な任務だ。」
よく覚えておけと言うラトロワ中佐の言葉に何人かの衛士の一人が
歯軋り鳴らしていた。
こちとらだって最前線経験者だ、アフリカと一緒にするなと
言いたげな表情で一杯の人達がごまんといるのを見てユウヤはこう思っていた。
「(これって・・・俺に対して言っているよなこれ?)」
「【さあな。】」
次回は実戦に向けて。