犬吠埼樹(憑依)は勇者である   作:夏目ユウリ

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なんかゆゆゆで新しいの書きたいなぁ。

TSっていいよね。


日常の章
ここはどこ、私は誰


「ん…………………あれ……」

 

突如うとうとしながらも意識が覚醒する。いや、正確には覚醒しきったとはいえない。視界がぼやけているため何がどうなっているのかわからない。

 

でもそれも徐々にゆっくりと回復していく。

 

「………天井」

 

意識が唐突に覚醒して一番最初に天井が映ったとなるとまぁとどのつまり俺は寝ていたのだろう。

 

……あれ、いつ寝たんだっけ。というかなんで寝てたんだっけ?

 

んーなんかおかしい。

 

「まだ寝ぼけてんのかな…」

 

それを口に出していう時点でもう寝ぼけてなくないと思いましたけどいっか、別に。

 

俺は眠いんだ。まだまだ眠れる。

 

「というわけでおやすみ…」

 

自らにかかっていた布団を適当に頭まで持ってきて体全身をくるませる。あったかい。

 

てな感じで再び夢の世界に旅立とうと思ったその時だった

 

ガチャ

 

みたいな感じの部屋のドアが開く音がした。

 

嫌な予感。やめて!俺を起こさないで!眠いの!(切実)

 

せめてもの抵抗ということで体を覆っている布団をギュッと掴む。

 

「樹ー朝だよー」

 

どこからともなく、というかすぐ近くからとても可愛らしい声が聞こえてきた。まだまだ幼さが残っているあどけない声が。

 

「…………ぇ…」

 

思わず小声で反応してしまった。––––––というか俺の声もなんか可愛くね?

 

あれ…んん……あれ…………?

 

頭の中をはてなマークが埋め尽くす。さっきまで頭の中を埋め尽くしていたはずの眠気がどこかへ消えていってしまった。

 

「もう朝ごはんできるよーおーきーて」

 

なおも続く可愛らしい声。

 

「………ぁ〜ぁ〜……ぁ〜ぁ〜…」

 

俺のことを起こしに来ている声を多少の罪悪感はありつつも無視して小声で発声練習みたいなことをしてみる。

 

うん、なるほどね。

 

 

 

 

 

 

 

やっぱりおかしいって!!!

 

めちゃくちゃ可愛いじゃん!俺の声!

 

「早く起きないとお母さんに言いつけちゃうよ!樹が悪い子って言っちゃうよ!」

 

未だに布団の外では可愛らしい声の主が催促するかのように声をかけてくる。

 

そんなこと言われましても…

 

「樹〜お姉ちゃんが起こしに来たぞ〜。えいえい」

 

なっ!?つ、ついに実力行使にきやがった!うぉー布団引っ張らないで!てか力弱!?

 

抵抗しようにも予想以上に俺?の力が弱すぎてしゅるりと布団を剥ぎ取られてしまう。

 

ついに謎の少女によってこの俺?の身が布団より解き放たれてしまったわけだがまだ負けてない!諦めたらそこで試合終了なんです!

 

てな訳で剥ぎ取られる寸前にとっさに目を瞑って静止する。

 

「あれ?樹?」

 

案の定謎の少女は不思議そうな反応をしている。ふふふ……勝った!

 

すると謎の少女…もうめんどくさいから少女はちょこちょことベッドの周りを動き回る。にしても随分アグレッシブなこと。

 

……案外黙ってじーっとしてるのって大変なのね…

 

目をつむってるから全然状況わかんないし。

 

ぷにぷに

 

ん?

 

ぷにぷに

 

ん?ん?

 

ぷにぷにぷにぷにぷにぷに

 

多い!多い!あとくすぐったい!

 

「ゃっ…」

 

思わず声を漏らしてしまった。あぁ…ここまでの努力が水の泡に…

 

んでやっぱめちゃくちゃ可愛い。…俺の声のはずなんだけどなぁ。

 

「あ!樹起きた!」

 

これ以上は流石に嘘眠りも無理があるかと思い目を開く覚悟を決めた。

 

「ん…」

 

再び開かれる瞼の重みに耐えながら目を開く。また視界が多少ぼやけていたが先ほどよりも早くそれも治る。

 

すると目の前にはまぁ何ということでしょう。とってもとっても可愛らしい幼女がいるではありませんか。年齢的には8歳から9歳ぐらいの見た目っぽい。

あとちゃっかり心の中での呼称が少女から幼女に変わってるけどそんなことはどうでもいい。

 

「えへへ〜おはよ。樹!」

 

こっちがようやく目を覚ましたと思って満面の笑みを浮かべながら朝の挨拶をかける幼女。うわぁ…マジで可愛い…えぇ…(昇天)

 

「…………………………」

 

「?どしたの?」

 

俺が黙ったままだからだろう、幼女は不思議そうに首をかしげる。そんな何でもないような一動作すらも見事に可愛い。天使ですね。間違いない。

 

「だいじょぶ、樹?どっか痛い?」

 

すると今度は不安そうになりながら俺の額に自分の額をくっつける幼女。子供特有の温かみが額を通してじんわりと伝わってくる。

 

思わず体がこわばって、同時に急激に体温が上昇するのを感じた。

 

「大変!お熱あるよ樹!お母さん呼ばなきゃ!」

 

「え–––あっ!ま、まって!?」

 

とっさに口から言葉をなんとか絞り出し部屋の外に出て行こうとする幼女を引き止める。こんな意味不明な状態でさらに登場人物を増やされるのは困る!一回落ち着きたい!てか落ち着かせてください…

 

幼女はなおも不思議そうに

 

「でもおでこすごく熱いよ?」

 

などと純粋な意見を述べてくる。

 

「もう平気だよ…ほ、ほら、ねっ?」

 

平気アピールとして身振り手振りをしてごまかす。自然に笑えているかどうかむしろ知りたくない…おかしな笑い方になっている可能性大だから。

 

「––––そっか!」

 

ちょっとの逡巡の末になんとか納得してくれたようだ。あ、だからもう一回額くっつけようとしないで、再発しちゃう。

 

「じゃあ今度こそおはようだね!」

 

「うん…うん…お、おは…よう」

 

この世にこれたどたどしい朝の挨拶があるだろうか?でも挨拶を返せただけ偉いと思ってほしい。

 

–––––にしても本当に可愛い子だなぁ。明るい茶色のロングヘアーを後ろで二つにまとめている。俗に言うツインテール。

 

笑顔が眩しく元気で活発そうな彼女を表しているかのようだ。

 

「ほら顔洗わなきゃでしょ」

 

「うん……………うん………?」

 

しまった!ついつい見惚れてしまったせいで普通に頷いちゃった!

 

そしてそのまま抵抗する隙さえ与えずに手を握って連行––じゃなくて部屋の外に連れ出されれそうな俺。というかいつき……って言ったっけ…?

 

名前で樹となると……まぁ樹だよな?

 

へぇー俺は樹ちゃんっていうのか。いい名前だなぁ、気に入ったよ。

 

とかなんとか思ってる間にあんだけためらっていた部屋の外に出てきてしまった。

 

そして俺の目に映ったものとは!?

 

 

 

 

「いい匂い…」

 

ごく一般的な家庭の風景だった。普通のマンションとかの普通のリビング。備え付けであろう台所からは包丁で食材を買っているであろう音と鍋から立ち込めるほのかな煙がチラッと見えた。

 

ちゃんとは見えなかったけど大きめの机の上にもちらほらとご飯やらなんやらが確認できた。

 

といっても俺はそのまま洗面所に直行させられたわけだけどね。

 

「樹ー顔お姉ちゃんが洗ってあげよっか?」

 

「えっ!?」

 

「たまに洗ってあげてるでしょ?」

 

うそん。マジかよ樹ちゃん。顔ぐらい自分で洗いなさいな。

 

「い、いいよ。うん…だいじょぶ…」

 

「そっかぁ」

 

そしてなんでちょっと残念そうなの?え、洗いたかった?

 

「じゃあさきに席ついてるからね。樹も早く来てね?」

 

「うん。–––ありがと」

 

あ、今のは結構落ち着いて言えたかも。

 

そして彼女はスタコラとリビングの方へと戻っていった。

 

「はぁ……」

 

思わずため息が出てしまったが寝起きならば顔はたしかにちゃんと洗うべきなので洗面台に向き直る。

 

 

 

 

「––––––––––––え」

 

そこには先ほどまで一緒にいた幼女と同じ髪色でショートカットが可愛い幼女の姿があった。

 

 

というか

 

 

「やっぱり可愛い……」

 




この樹ちゃんは本編通りの小動物みたいで可愛い樹ちゃんになってくれるのだろうか……?

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