テニス大会が終わって翌日、バンたちはそれぞれで手分けしてキュータマを探したり、ジャークマターの転生者を取り締まったりしていた。
そんな中、バンはエリオとギンガと一緒に行動していた。
「この辺りとかは大丈夫そうだな…。
おい、そっちは大丈夫か?」
「う~ん、こっちは特に問題はなさそうですね。
エリオ、そっちはどうかな?」
「そうですね…!
待ってください、今キュータマの反応がありました!」
管理世界の一つの街の中でバンたちはキュータマを探していた。
そんなときにエリオがキュータマを見つけたらしい。
「どこだ!」
「ここです!」
エリオがペガサスの石像に指をさす。
「この中にキュータマが?」
「はい!
でも、どうやってこの中からを…」
「こんなところにキュウレンジャーがいるなんてな…うん」
『っ!?』
三人が声のした方向に向くと、金髪の男が立っていた。
しかもよく見ると、隠れてる左目にはスコープが付いていて、両掌には口があるようだった。
「…お前、暁のデイダラか?」
「元だけど、今のオイラはジャークマターの一員としてここにいるってことだ。
で、お前らはそこで何を探してるんだ?」
「お前には関係ねぇだろ。
それとも、お前はジャークマターの一員として俺たちを倒しに来たのか?」
「…まぁ、そういうところだ。
お前らを倒して、お前らが捜してる物を、オイラが分捕ってやるって話だ」
「ちっ、やるしかないか!
ギンガ、エリオ、こいつはヤバイ!
気を引き締めろよ!」
「えっ、ヤバイって…?」
「つまり、もう攻撃されてんだよ!」
その瞬間、バンはクレシューズで何かを吹き飛ばして、爆発した。
「今のって…!」
「爆弾!?」
「それはちょっと違うな。
オイラのは芸術だ、そして…」
動揺するエリオたちを余所に、デイダラは両側にあるポケットから大量の粘土のクモを取り出して放り投げる。
「芸術は、爆発だ!!」
「くっ、アサルトハント!!」
バンはクレシューズを振りまわしてクモを吹き飛ばして弾いていく。
「エリオ、私たちも行くよ!」
「はい!」
『オウシ カジキキュータマ!
セイザチェンジ!』
『スターチェンジ!!』
ギンガとエリオはオウシブラックとカジキイエローに変身して、バンの両側からデイダラに向かって走る。
「はっ、甘いんだよ!」
デイダラはそれを読んでいたように、両手の口からムカデを出して攻撃する。
しかも二人がかわしてもそれを追撃してくる。
そしてギンガが縛られてしまった。
「しまっ!」
「喰らえっ、渇っ!!」
「させるかっ!!」
爆発する直前に、バンが粉々に切り裂いて爆発を防ぐ。
「ちっ!」
「このやろう、だったら俺も!」
『シシキュータマ!
セイザチェンジ!』
「スターチェンジ!!」
バンもシシレッドに変身して、セイザブラスターで牽制しながらデイダラに近づく。
近づく瞬間、デイダラは鳥の粘土を出して召喚し、空高く飛んでバンたちの攻撃を避ける。
「ウイングロード!!」
「サンキューギンガ!」
空に向かったことを確認したギンガはウイングロードで道を作って、バンたちが空にいるデイダラのところへ向かえるようにした。
しかし、デイダラは四枚羽の鳥の粘土を投げつけて、真っ先にエリオの目の前まで飛んで来た!
「えっ!?」
「まずは足の早いお前から、渇っ!」
「エリオ、避けろっ!!」
「うわっ!」
後から追い付いたバンがエリオを後ろに引っ張って、自分で爆発を食らってしまい、ウイングロードから落ちてしまう。
「ぐあっは!!」
「バンさんっ!」
「へっ、まずは赤いのからか。
そのまま地面に落っこちて爆発しちまいな、うん!」
「地面に爆発…?
まさか!」
ギンガは思わず地面を見ると、一つだけ不自然な穴があった。
しかもよく見ると小さい白いクモみたいなのが穴の中に入ってくるのがわかる。
「あれは、まさか地雷!?」
「くっ、エリオ、電気纏わせた槍を投げろ!!」
「えっ!?
は、はい!」
もうすぐ地面に落下するバンはエリオにそういうと、エリオは焦りながらもストラーダを電気を纏わせて地面に投げつけて突き刺す。
すると、凄まじい威力だったのか、地面に突き刺さったストラーダから電流が流れ込み、辺り一面に放電する。
その後でバンは地面に激突するが、爆発は起きず、代わりにストラーダの電気を浴びてしまった。
「ぎゃっ!?」
「バンさん!?
ご、ごめんなさい!」
「へ、平気だ…。
それよりも、ほら…、出てきたみたいだぜ?」
電気で痺れながらもバンはペガサスの石像を見ると、凄まじい放電だったせいか、一部が割れて、そこから何か光るものが見えた。
それを引っこ抜くと、それはプラチナを思わせる輝かしく白いキュータマがあった。
「…やっぱり、この中にあったわけだな。
行くぜ!」
『ペガサスキュータマ!
セイザアタック!』
ペガサスキュータマをセットして発動した瞬間、バンの胸にペガサス型の鎧が装着される。
「ペガサスの石像だからまさかだとは思ったが、やっぱりペガサスキュータマだったか…!」
『んっ?
何や久しぶりに起きたと思ったら、何やこの騒ぎは!?』
「うおっ、喋った!?」
『何や、お前がワイを起こしたんか?
それにしても何やねんこの騒ぎ?』
ペガサスアームが喋ったことに驚くバン。
「何だあの馬の鎧は?
とにかく死ね!!」
それを見ていたデイダラは先ほどの四枚羽の鳥を複数出して、バンに向かっていく。
「やべっ!」
『うおっ、何やあれ!
…何かよう分かれへんけど、捕まっとき!』
その瞬間、バンの体がペガサスの鎧に引っ張られる形で消え、鳥たちは見失ってその場で爆発する。
「何っ!?」
「バンさんが消えた!?」
「あ、あそこ!」
ギンガが指を指した方向を見ると、バンは先ほどの場所からかなり離れた場所にいた。
「び、びっくりした…!」
『こんなもん、まだまだ序の口や!
それで、お前らは何もん?』
「うぅ、俺はバン…、キュウレンジャーのシシレッドだ。
今様々な世界でジャークマターを名乗る転生者集団が支配してるから、俺たちは戦ってるんだ」
『ほぉ、今の世界そうなってるの?
せやけど、それでジャークマターと戦うにしても、ワイの動きでそんなに驚いてるようじゃ、先が思いやられるで?』
「それでも、だ!
俺たちは、目の前で転生者が人を襲うなら、俺たちは戦う!
俺はもう、俺たちのような犠牲者を出したくないから、迷ってる暇なんかない!
だから、一緒に戦ってくれ!」
『…つまりは転生者から人を守りたい、か。
口ではなんぼでも言えるけど、お前からはすっごい根性を感じる。
ええやろ、なら、せいぜい振り回されへんように、気ぃつけや』
「おう、任せろ、ペガサス」
『アホぅ、そこはぺガさんって呼びや!』
「わかったぜ、ぺガさん!!」
「何をしたか知らないが、これでも喰らえ!!」
バンとぺガさんが覚悟を決めた途端に、デイダラが大量の四枚羽の鳥を出して攻撃しようとする。
『…来たで、バン』
「あぁ、行くぜぺガさん!!」
その瞬間、バンの体はまっすぐとデイダラの方へと跳躍する。
途中飛び交う四枚羽の鳥たちをすり抜け、爆発するよりも早くに通過した。
「何っ!?」
「おらっ!!」
「ぐぼぁ!?」
瞬時にデイダラと距離を詰めて、その腹に向かって強化された拳を突き刺すように殴る。
巨大な鳥から突き落とされたデイダラはそのまま地面に叩き落される。
「がはっ、くそぉ!
オイラのアートで吹き飛ばねぇとはやるじゃねぇか…。
だったらこれならどうだ!」
そう言ってデイダラは両手をポケットに入れて中の粘土を掌の口で食べ、それを両手で合わせるようにくっつけた後、だるまのような形の粘土が出来上がり、それを空高く投げると、まるで巨大な隕石みたいに落ちてきた。
「こうなったらこいつでお前らもろとも、この街を破壊してやるよ!
オイラの盛大なアートの前にひれ伏せ!!」
「あれは、まずい!
エリオ、お前の電気をあのだるまに浴びせろ!」
「わ、わかりました!
サンダーレイジ!!」
エリオはだるまの真下で強烈な電気をだるまに向けて浴びせる。
「無駄だ!
オイラのC3がちびごときの電気で壊れる訳ないだろ!」
「お前、ひょっとして忘れてるんじゃねぇのか?」
「何!?」
「エリオ、もう電気を浴びせなくていい!
ギンガ、エリオと変わってお前があれを壊してくれ!」
「了解!
ナックルバンカー!!」
ギンガはリボルバーナックルを装着した左手に魔力を込めて、勢いよくだるまを殴った。
すると、ギンガの拳がだるまに勢いよく突き刺さり、だるまは変形しながら崩れていった。
「何ぃ!
何でだ、オイラのC3が、何で、爆発しない!?」
「やっぱり、お前はあいつがいなかったから有頂天になって忘れてたろ」
「何だと…!?」
デイダラはだるまが爆発しなかったこととバンの言葉に驚きが隠せないでいた。
「お前のその爆弾、電気に弱いだろ?
それを証拠に気付かないのか、何でお前が配置した地雷が、何故起爆しなかったのかを」
「…ま、まさか!」
デイダラは思わず周りを見て気付いた。
地雷を配置したはずなのになぜ発動しなかったのか、なぜC3が爆発しなかったのか。
それで思い出したのだ。
自分が人間として最後に戦った相手のことを。
「お前ら、まさか、う、うちはサスケと、同じことを…!」
「まぁそう言うことだ。
とりあえず、これで終わりだデイダラ!」
『ギャラクシー!!』
バンたちはそれぞれのキューザウエポンにキュータマをセットして狙いを定める。
しかし、デイダラも負けじと上着を脱いで胸の口にありったけの粘土を食べさせようとするが、バンたちの方が早かった。
『ペガサス・オールスターインパクト!!』
ギンガとエリオの攻撃が、バンの攻撃と合わさって強烈な一つの斬撃となってデイダラを切り裂いた。
「ぐほぁあああああああああああ!!!!
芸術は…爆発だぁああああああああ!!!!!」
デイダラはその言葉を最後に爆散し、光となって消えた。
「…任務完了!」
『しっかし、お前らってすっごいコンビネーションやったな!』
「いやぁ、それほどでも…」
「でも、本当に鎧が喋ってるんですね…」
デイダラを更生した後、バンたちはぺガさんと話をしていた。
ちなみにぺガさんはバンが変身を解除しても、未だにバンに装着されている。
『それで、お前らも、バンと同じように転生者に被害にあったんか?』
「あぁ、僕たちは違うんですよ」
「バンさんの他にも、二人いるんです。
バンさんたちは、三人とも転生者に殺されて…」
『けど、殺されたって言ってるのに、バンはピンピンやん!』
「それは俺たちの生前の体がないから、容姿を引き継いだ新しい体にしてもらったからだよ」
『なるほど、お前らも、苦労してんねんなぁ。
うっし、決めた!
そんなん言うんやったら、何か放っとかれへんわ!
改めて、バンの言ってた犠牲者ってのも現実味湧いてきたし、ワイも本格的に力を貸したる!
共に、世界を救おうや!』
「あぁ、よろしく頼むぜ、ぺガさん♪」
こうしてバンたちはペガサスキュータマを手に入れて、ぺガさんが仲間になったのだった。