ペガサスアーマーことぺガさんが仲間になって翌日。
バンは機動六課の隊舎の近くをパトロールをしていた。
「特にこの辺りは何もねぇな…。
それにしても、ジャークマターの連中、確か世界を支配しようとしてるんだよな…」
バンは今までのことを思い返す。
今現在、ジャークマターから世界を守るためにバンたちはキュータマを集めている。
それで今現在各々の変身用のキュータマの他にも様々なキュータマが集まっている。
その上バンにはクレシューズがあるのだ。
「これだけ集まってるんだ…。
少なくともリュウソウジャーには遅れを取らないはずなんだよな…!?」
そんな時、遠くから何かが衝突する音がした。
向いた方向を見ると、そこは人気のない街の方だった。
「何だ今の音は!
それに、これは転生者!?」
バンはセイザブラスターの反応を追って、人気のない街へと走っていった。
バンは街を走っていくと、かつてエルトリアで見た顔があった。
それは今までバンたちと戦った、怪盗の素顔だった。
「お前は、雨宮連!!」
「ちっ、こんな時に」
本来ならこの世界にいないはずリュウソウレッド及びルパンレッドである雨宮連が、舌打ちを打ちながら構える。
「お前は、なぜこの世界に!!」
「さぁな、どっちでも良いよ」
連はそう言いながらも、こちらの様子を伺って、その隙を見て逃げようとしてるようだった。
「お前がなぜミッドチルダにいるか分からないが、この世界にいる以上、逮捕させてもらう」
「?」
連は一瞬だけ訳がわからないような顔をするがすぐに我に帰る。
バンとしては、今すぐにでも連たちを逮捕する気持ちだった。
どういう理屈でジンガとカグネ使いと一緒にいるのかわからないし、何よりここで捕まえたなら、死神様からの警告に触れないはずだから。
バンと連は、互いにアイテムを持って構える。
「リュウソウチェンジ!」
「スターチェンジ!」
『リュウソウCOOL!』
『シシキュータマ!
セイザチェンジ!』
その音声と共に連の姿はリュウソウレッドへ、バンもシシレッドへと変身する。
互いの武器を構え、先に動いたのは連だった。
連の、手に持った剣から身を守るようにバンはキューソードを構え、防ぐ。
「お前はリュウソウブラックの正体を知っていて、言っているのか!」
「さぁどうだろうか?」
リュウソウブラックの話を出されて少し驚く連だが、それでも手を緩めることはしない。
バンはその手に持っているキューソードだけではなく、セイザブラスターによる牽制も同時に行いながら戦っていく。
連はそんな攻撃を剣で受け流しながら、戦いは続いていく。
「奴はジンガ!
かつて、牙狼の世界において人々を守る戦士でありながら、自らの欲望の為に多くの人をその手にかけた最悪の戦士だ」
その言葉を聞きながらも、連の攻撃は止むことなく、バンは言葉を続ける。
「奴がどういう経緯でお前達の仲間になったかは知らないが、このままだと悲劇を繰り返すんだぞ!!」
「それで?」
「お前は、それをそのまま引き起こすつもりなのか!!」
そうい言い、連を吹き飛ばしたバンはペガサスキュータマを取り出し、セイザブラスターにセットする。
『ペガサスキュータマ!
セイザアタック!』
「だから、その前に俺が止める!!」
その言葉と共に連に向かって、突っ込む。
「…はぁ、さっきから過去の事ばっかりだな、お前」
「なに!」
その言葉と共に、剣が取り出した炎をイメージしたアイテムを取り出し、それを剣に入れ、発動させる。
『メラメラソウル!』
「神牙がこれまで行った事なんて、知らないよ!
だけどな!!」
その言葉と共に、炎を纏った剣を一閃に切り裂き、バンを吹き飛ばした。
「仲間ぐらい信じないで、何が戦隊だ!」
「ぐっ!」
ペガさんを身に纏ったバンはその高い運動性能で雨宮連を追い詰めようとしたが、連は剣から伸びた炎の鞭でバンを切り裂き、バンは変身を解除される。
「ぐぁ!!」
「次に過去の事とかくだらない事を引きずったら、今度は容赦しない」
「待…て…っ!」
その言葉と共に、雨宮連は走り出して、バンは手を伸ばすがその直後に意識を失った。
「…ここは」
バンは目を覚ますと、そこは病室だった。
だが、パトレンジャー本部のではなく、機動六課の病室だった。
それに先ほどまでの痛みもない、おそらくかこが治したのだろうか。
「むっ、気が付いたようだな?」
「っ、あんたは…」
突然ここでは聞きなれない声に驚くバンだが、同時に懐かしさを感じた。
病室のベッドの隣で、その声の主が座っていた。
「ドギー・クルーガー…」
「久しぶりだな、バン。
今回は随分とやられたようだな…」
「あんた、見てたのか」
「何、俺はただパトロールでこの世界に来たまでだ。
それで君が倒れているところを、俺がここに運び込んだまで。
誰にやられたのかは、大体は見当もつく。
さては、雨宮連にやられたな?」
「…!
ドギーのおっさん、あんたあいつのことを知ってるのか!?」
ドギー・クルーガーの口から雨宮連の名前が出てきたことにバンは驚く。
「俺も一時、あいつと一緒に戦ったことがあるからな。
それに、あいつらリュウソウジャーにも、俺たデカレンジャーの力が引き継がれている。
ちなみに、君が彼に会うまで探していた転生者は、君を倒した後仲間と共に倒したそうだ」
「何だと!?」
「そこで、俺から一つ聞きたいが、何故お前はあいつに負けたと思う?
君は確かに、様々なアイテムを集めてはそれらを使いこなしてるみたいだが」
「そ、それは…」
バンは考え込んでしまう。
確かにこれまでキュータマを集めてそれを使いこなしてきた。
パトレンジャーとキュウレンジャーじゃ勝手が違う。
それは雨宮連たちも同じだろう。
なのに、どうしてバンは連に負けたのか?
こんなにも、強くなったはずなのに。
「…」
バンが考え込んでる間に、ドギー・クルーガーは少しため息をついて、椅子から立ち上がってその場を後にしようとする。
「…君たちが互いに力を合わせて戦うことも、別に悪いことではないし、それを否定するつもりもない。
だが、それでも彼らとは違って、君たちにはどうしても足りない物がある。
今は、それを見つけ出せ。
良いな?」
「ま、待て!」
バンの制止も空しく、ドギー・クルーガーは病室を出ていった。
「…」
バンは自分の手を見つめる。
ドギー・クルーガーは先ほどこう言った。
何故連に負けたのか、自分たちに何が足りないのか。
しかし、答えはすぐに見つかるわけではなかった。
ただ、少なくともバンの中ではある感情があった。
それは悔しさだった。
「何で、何で俺はあいつに負けたんだ…!」
バンは血が滲むくらいに拳を握った。
だが、握ったところで、手から手が出るだけで、何の解決にもならなかった。
そんな時、バンの頭の中で、エリスの声が聞えた。
『バンさん、聞こえますか!?
たった今、改造中だったVSチェンジャーが転生者に奪われました!
至急かこさんたちと合流して転生者から回収してください!』
「VSチェンジャーが!?
…とにかく、今は行くしかない!」
バンは立ちあがって制服を羽織り、急いで病室から出ていった。