次回はなるべくペースを上げれるように頑張ります。
パトレンキュータマを使ってパトレンジャーに変身し、キングノスウェルを倒して翌日。
各自パトロールを行ってる時、バンははやてと一緒に行動していた。
本来ならばなのはが付いてくるはずだったが、ヴィヴィオの面倒を見る関係上急遽はやてが同行することになった。
「それにしても、バンくんらどんどん強くなってるな」
「まぁな、これだけ強くなればあいつらにも負けねぇ。
だけど、現状に満足してるわけじゃねぇから、もっと強くならねぇとな」
「あいつらに負けない、か…」
バンが言うあいつらとは雨宮連率いるリュウソウジャーのことだとはやては察した。
「けどバンくん、君らあの子らの神様からなるべく共闘するよう言われてるんやろ?
連くんと会っても、なるべく争わへんようにな?」
「そんなことはわかってる。
会ったときはなるべく話し合いできるようにするさ」
「…ほんまかいな」
ここのところ、バンは確かに強くなってるが、どこか焦ってるようにも見えた。
別に強くなること自体は悪いことではない。
だけど、今のバンはどうしても強くなることに焦りがあるのが見える。
確かにバンたちキュウレンジャーは現在ドギー・クルーガーに修行をつけてもらってるが、特にバンは中でも妙に積極的だった。
だからこそ思ってしまうのだ、バンは焦ってるのではと。
以前雨宮連と戦って負けたのが余程悔しかったのだろう。
そう思ってる時に、セイザブラスターと探知機から転生者の反応があった。
「バンくん!」
「わかってる、しかも二人いるみたいだ!」
「それやったら、別々から転生者を探そう!」
「あぁ!!」
バンとはやてはそれぞれ別の道から転生者を探した。
「この近くのはずなんだがな…」
バンはセイザブラスターを頼りに転生者を探してると、そこはジャングルのような森林だった。
すると、茂みに誰かが隠れているのを見つけたバンは恐る恐る見ようとすると、その誰かが立ちあがり、その全貌が明らかになった。
そいつは前にバンを叩きのめした男にしてリュウソウジャーのリュウソウレッド、雨宮連だった。
「また、お前か」
雨宮連は面倒そうにそう言う。
バンはそんな雨宮連を見て口を開いた。
「雨宮連、お前は、分かっているのか」
「何をだ?」
雨宮連はバンが何を言い出すのかと身構える。
「ジンガの危険性をだ!!」
「…また、過去の事かよ。
それを言ったら容赦はしないと言ったはずだぞ」
「いいや、分かっていない!!
ジンガは多くの人々を傷つけ、殺してきた。
奴を放っておけば、また被害が出る、それが奴の所業なんだぞ!」
「はぁ…」
それだけ言ったバンに対して、雨宮連はため息を吐く。
「さっきから被害だとか殺しただとか言っているけどな。
例えそれが、本当だとしても、俺は神牙をお前らに渡すつもりはない」
「いい加減に…」
「いい加減にするのはてめぇだ!」
「っ!」
「人の過去をベラベラと喋っているけどな、だったらあいつがどんな思いでそれをやったのか分かって言っているんだろうな」
「…」
雨宮連は遠回しに下らないと切り捨てるようにバンに言う。
「お前のようにやった事しか目を通さない奴の話を聞くつもりはない」
「…やはり無駄だったか」
バンは少し残念そうに言い、キュータマを取り出す。
同時に雨宮連もアイテムを取り出して左腕のブレスレッドを構える。
「はやてにどう謝ろうかな」
話だけで解決出来たらと思ったが、こうも切り捨てられたら実力行使しかなかった。
同時に、内心で言ったそばからはやてとの約束を破ってしまったことを後悔しながらも、雨宮連を睨みつける。
「怪盗チェンジ!」
「警察チェンジ!」
『怪盗チェンジ!』
『警察チェンジ!』
その音声と共にバンはパトレン1号に、雨宮連はリュウソウレッドに変身する。
変身を終えると共に、バンはセイザブラスターを、雨宮連は恐竜を模した銃を構える。
互いに動きを見せず、気味の悪い静けさが支配する中で、近くから物音が一つなる。
「「っ!!」」
それを合図に、互いの武器の引き金を引く。
互いの攻撃が激突し、消滅を繰り返しながら、二人は接近する。
「ほわちゃぁ!!」
「はっ!!」
バンは雨宮連へと接近すると同時にその手に持っていたクレシューズを使って攻撃を仕掛ける。
「特典か」
「あぁ、俺にはまだ扱いきれなかった分の武器を、今は使えるようになったんだよぉ!!」
そう言いながらバンは雨宮連に攻撃を仕掛けると、雨宮連は何かを呟いた。
「ペルソナ!!」
その言葉と共に、襲い掛かるクレシューズの攻撃を遮るように召喚した紫色の狼がバンを襲う。
「なっ、なんだ、このペルソナはっ!!」
目の前にこれまで見た事のないペルソナに驚きを隠せないバンだが、なんとかクレシューズの攻撃で現れたペルソナを吹き飛ばす。
「へぇ、なかなかに面白い奴だな。
おい、人間」
「なんだ」
「名前は」
「連だ」
「そうか、だったら、俺の力を使ってみろ!」
その言葉と共にペルソナは紫色の光と共に、雨宮連の手には紫色の剣が現れる。
『我は汝、汝は我。
我、欲望を喰らいし者。
汝の欲望が尽きるその日まで、我が牙を使え。
我が名はルシエド、欲望を司るガーディアン』
「今のは、まさかルシエドっ!」
バンはそのペルソナの名前を聞いて驚く。
「悪いが、剣の扱いも鳴れているんだよ」
その言葉と共に雨宮連はその手に持ったルシエドを構え、互いにぶつける。
「たぁ!」
「はぁ!!」
バンはルシエドの圧倒的な力に圧倒されながら攻撃を捌いていく。
一撃で地面を抉る程の威力を見て、警戒を高めたバンもすぐにクレシューズに秘められた力を開放する。
「神器開放!!」
同時にバンはこれまでにない速さと共に雨宮連の攻撃を逸らしていく。
バンはスピードで、雨宮連はパワーで。
これまで正反対だった二人の戦いはまるで入れ替わったように戦いは繰り広げられていた。
そんな時、物陰から二つの影が飛び出してきた。
「まさか、こんな所でな」
「やるぞ!!」
その二人の怪人はバンと雨宮連の間に割り込んで攻撃を仕掛けようとしてきた。
その瞬間だった。
「「邪魔だぁ!!」
バンと雨宮連は2体の怪人を吹き飛ばすと同時に、その手に持っていた武器で怪人を吹き飛ばす。
同時にバンはセイザブラスターを、雨宮連は恐竜を模した剣と銃を構える。
『ギャラクシー!』
『ジュウレンソウル アバレンソウル!』
バンはセイザブラスターを構えて、雨宮連はそれとは別に変った動きで銃を構える。
「オールスタークラッシュ!」
「ゴーカイキョウリュウブラスト!」
その言葉と共にバンから放たれる必殺技は二人の怪人の動きを完全に止め、雨宮連の銃から放たれた弾丸は剣から出た斬撃を浴び、巨大なティラノザウルスとなり2体の怪人を完全に食らう。
「「がああぁ!?」」
瞬きにもならない程の一瞬の攻撃により、倒された2体の怪人はそのまま倒れる。
「さて、邪魔な奴はいなくなった」
「続きをするか」
その言葉と共に、二人は再度睨み合い、その手に持った武器を構える。
「「はああぁぁ!!」」
「辞めんかい!!」
その瞬間、バンと雨宮連の頭が何かで殴られた。
「がぁ、なっ何をする!!」
振り返ると、そこには変身したはやてがいた。
恐らく、手に持っている杖で殴ったのだろう。
「それはこっちの台詞や!
…全く、バン君はもう少し落ち着き。
それに連君も」
「別に俺は…」
「戦う理由も分かる。
けど、周りも観ないとあかん」
「…すまん」
はやての言葉を聞き、少し落ち着きを取り戻した雨宮連は周りを見ると、そこには巨大な骸骨の三つ首龍がいた。
「あれは」
「君達が倒した奴らが合体した姿や。
とにかく、バン君も急ぎ」
「…あぁ、そうだな」
『セイザゴー!
シシボイジャー!!』
バンはそれに頷くと同時に手に持ったセイザブラスターからシシボイジャーを呼び出し、飛び立つ。
「ちっ、それにしてもなんだこの三つ首野郎は…!
何というかキョウリュウジャーとゴーバスターズのボルドスに似てるけど…」
バンはそう呟きながらシシボイジャーを飛ばす。
そうしてるとこちらに気付いたのか、ボルドスはシシボイジャーに向かって走ってきた。
「野郎!!」
バンはレバーを強く握って狙いを定める。
シシボイジャーのつま先からミサイルが発射されて、ボルドスは一旦動きが止まる。
そのタイミングを見計らって口からのレーザーで攻撃し、ボルドスに直撃した。
「やったか!?」
バンはレバーを握りながら煙の向こう側を見ると、煙を突き破るようにボルドスが突っ込んできた。
「なっ!?」
思わずバンはシシボイジャーを横に避けさせようとするが、それよりも早くボルドスが突進する。
「しまっ!?
がぁあああああああああ!!!!!!」
直撃したシシボイジャーは回転しながら地面に落下しようとしたその時だった。
雨宮連の恐竜の体は分裂し、空中で飛んでいたシシボイジャーへと迫り、本来ならキューボイジャーとの合体に使われる、いわばジョイント部分に無理やり恐竜のパーツが合体する。
そうして分裂したパーツがシシボイジャーに合わさる事で、新たな姿へと進化した。
「完成 キシキュウレンオー、なんてな」
「なっ、何が起きた!?」
キシキュウレンオーと呼ばれたロボットの胴体にあたるキュータマのコクピットに入っているバンは何が起きているのか分からず周りを見つめているが、そんなバンの事を無視し、手を前にかざす。
するとシシボイジャーの顔を模した銃と盾が一体化した武器と恐竜の顔を模した剣がキシキュウレンオーは手に取った。
「さぁ、俺の騎士道見せてやる」
「なっその声は、雨宮連っ!!」
何が何だかわからない状態の中、雨宮連の声が聞こえ、そのままキシキュウレンオーが走り出すと、迫りくるボルドスはこちらに向かって襲い掛かる。
だが、盾を使い、その攻撃を防ぐと、そのまま剣で切り裂く。
「勝手に動かすな!」
その言葉と共にバンがレバーを動かすと、雨宮連の操作から離れ、バンの動きによって、背中のバックパックから炎が噴射し、空中に飛び、盾から放たれるレーザーによって、首を撃ち落とす。
「この形態はあんまり長続きそうにないな」
『あぁ、向こうのエネルギーとは上手く合わない。
性能はこれまでで一番だが』
「息の合わない者同士という事か。
だったら、一気に行くぜ!!」
その言葉と共に盾を構える。
すると盾から出てきた巨大な赤いエネルギーの球体がボルドスを閉じ込めると、キシキュウレンオーは構える。
「キシキュウレンオー ギャラクシー真っ二つ斬り!!」
「なんだ、今のダサい名前は!?」
「ふっ」
バンの言葉を無視するように、雨宮連はシシボイジャーを吹き飛ばすと、そのまま立ち去った。
「あっ、あの野郎っ!?
うぉおおおおおおおおおおお!!!!」
急いで姿勢制御に移ろうにも間に合わず、シシボイジャーはそのまま墜落してしまう。
「バンくん、大丈夫なん!?」
墜落したシシボイジャーにはやては駆け寄り、バンはシシボイジャーを解除して脱出する。
「イテテ、何とかな…。
それにしてもあの野郎…!」
「まぁ落ち着きぃな、転生者も倒せたことやしな。
…でも、さっきまで二人で戦ってたけど、何でなん?」
雨宮連が消えた方向を睨みつけるバンに先ほどの戦闘のことを聞くはやて。
「…あいつが話を聞かなかったからだ」
「内容にもよるけど、連くんに何て聞いたん?」
「ジンガのことだ。
あいつが、ジンガの危険性を知ってるのかってな」
「それって、会ってすぐに?」
「…あぁ。
悪いな、約束、さっそく破っちまった」
「それはええねん。
でも、それはどうしても聞かなあかんことやったん?
転生者よりも?
やとしたら、それはバンくんが悪いで」
「…」
はやてはきっぱりとそう言った。
バンが悪いと。
「確かに私たちはジンガのことをバンくんたちから聞いた情報しか知らん。
でも、それはここに居った転生者を倒すのに必要なことやったん?」
「…確かにさっき戦った転生者は危険だった、正直雨宮連がいなかったらどうなっていたか。
けど、ジンガはあいつよりも危険な存在なんだよ。
だから…」
「せやかて、いきなりそんな風に聞くことなかったやろ!」
「…」
「…良いバンくん?
君はな、確かに皆に慕われてるよ?
だって、君はいつだって的を得てることよう言うし、それで皆が賛同してくれてる。
でもこの際言わせてもらうけど、君は思い込みが激しすぎるし人の気持ちがわかってないところがある!
右京さんたちかて、警戒はしてもそこまではせえへんで!?
君は連くんの気持ち考えたことあるん!?
いきなり仲間のことをそんな風に言われたあの子のことを!」
「…!」
はやてははっきりとした口調で、バンの目を見て言う。
「君たちは確かに敵対してる、でも今回はどう聞いてもバンくんが原因作ってる!
何でそんなこと聞こうとしたん、なぁ?」
「それは…」
バンははやての言葉に何も言えずにいた。
確かにバンたちキュウレンジャーは雨宮連たちリュウソウジャーと敵対してる。
しかし、今回については共闘に失敗したのは、他でもないバンの言葉と態度だった。
共闘するどころか、ますます敵対心を強める羽目になったのだから。
「なぁ、もう一回聞くけど、バンくんにとって、ジンガのことは、連くんと共闘することよりも重要なことなん?
君があの子に話しかけた時に、ジンガは居ったん?」
「…」
「違うやろ?
ここにはジンガは居らへんかったやろ?」
「…そうだな、悪かった。
確かに、ここにはジンガはいなかったし、転生者を倒すことに専念すべきだったぜ…」
それ以上、バンは何も言えなかった。
はやてとの約束を破ったことへの後悔と、約束を破る原因を作ったのは自分だったことへのいたたまれなさ。
何より、転生者を取り締まる立場でありながら、近くにいる転生者よりも、この場にいないジンガのことを優先したこと。
「…そうやな、わかってるならそれでえぇ。
けどな、最後に聞かしてくれる?」
「…何だよ」
バンの様子から反省してると感じたのか、はやては穏やかな表情になって聞く。
「もしも、もしもの話やで。
私らや君らキュウレンジャーの仲間になってる皆が、様々な過去のことで責められて、危害加えらたら、どう思う?
ほら、私ら機動六課ってツッコミどころ満載な部隊なの、知ってるやろ?」
「…っ!」
はやての言う通り、バンは知ってる。
現在キュウレンジャーのメンバーになってるスバルたちやはやてたちの生い立ちや経緯を。
フェイトとエリオはクローンで、スバルとギンガは戦闘機人。
キャロは生まれ持った力のせいで故郷を追放され、ティアナは自身のコンプレックス故に騒動を起こしかけた。
その上、フェイトは10年前に母親であるプレシアの事情もろくに知らなかったとはいえジュエルシードを集め、ヴィータたちヴォルケンリッターは当時足に障害を負ったはやてのためにボロボロになりながら闇の書の蒐集を行った。
また、はやて自身、今でもその10年前のことで密かに暗いうわさを立てられることは珍しくもない。
他にも機動六課ではないエルトリアのイリスのことやチンク達更生組のナンバーズことも上げればきりがない。
「…そんなの、嫌に、決まってるだろ」
震える声で、バンははやてから背を向けてその場から離れようとする。
「悪いっ、しばらくっ、頭を冷やしてくる…」
「バンくんっ!!」
「…っ」
その場から離れようとするバンにはやては引き留め、思わず足を止める。
「君らをサポートする立場やのに散々色々言うてごめん!!
でもなバンくんは、今は人の気持ちがわからんくても、少なくとも人の痛みがわかる子やって、私らは知ってるからなっ!!!」
「…」
バンははやての言葉に何も言わず、今度こそその場を後にした。
「…俺って、本当に最低だ」
ぽつりと、誰もいない道で、そう呟きながら。