今回はボルメテウスさんの『特典を喰らう騎士』との初めての合同です。
それでは、どうぞ。
ギンガがオウシブラックに変身してから数日後、機動六課とパトレンジャー本部でエマージェンシーが発令されていた。
それは、宇宙から、転生者が乗っているであろう隕石が、ミッドチルダに向けて接近していたのだ。
バンたちはそれぞれのキューボイジャーを召喚し、目的地に向かっていた。
『まさか、隕石を落とそうとする転生者がいるとはな』
『ですが、今すぐにそれを落とさないと、大変なことになるのは、変わりありませんよ』
『一応、なのはたち魔導士たちが結界張ったりしてる、迎撃の魔法を組んでるみたいだけど』
『だけど、あの人たちがそうして頑張ってくれてるから、私たちも、頑張らないといけませんよね』
『そうよ。
じゃなきゃ私たちがキュウレンジャーになった意味もないじゃない」
『それにしても、ここが宇宙かぁ。
僕、ミッドチルダでずっと暮らしてたから、異世界に行くことはあってもこんな宇宙空間に、しかもこういう乗り物に乗っていくのは初めてだなぁ』
『フェイトさん、こんな宇宙に行ったことあるかな?』
『ねぇねぇキャロ、今度なのはさんたちに聞いてみようよ』
『こーら三人とも、今は重要な任務なんだから、プライベートなことは後にしようね』
バンたちはそれぞれのボイジャーの通信でそのような感じで会話をしながら、目的地に向かっていた。
『…おい、そろそろ目的地の隕石だぜ?』
バンはボイジャーのモニターを通して、隕石を見つける。
それもかなり巨大な隕石だった。
『な、なんですかあれ!?』
『こんなの、小惑星とかそんなレベルを超えてるよ!』
『こ、こんなのがミッドチルダに落ちたらマズいよ』
『待って!
この反応、転生者が?』
『てことはまさか、転生者がこの隕石の中に!?』
『ちぃ、だとしたら、さっさと中に入って、転生者を倒すしかねぇな。
行くぞ!』
『了解!!』
バンたちは、隕石の穴から中に入り、キューボイジャーから降りる。
中はまるでアリの巣みたいな通路になっていて入り乱れているが、空気があったので、変身せずとも普通に行動ができる。
バンたちは、セイザブラスターからの反応を頼りに、全員が逸れないように移動する。
「…この奥みたいだな。
おい、気を引き締めろよ!」
そうしてバンたちは通路の奥に向かうと、隕石の中心部なのか、隕石の中にさらに惑星があって、バンたちはそれに乗り移った。
するとその先では赤青緑の三色が混ざった怪物たちと、その中心に闇を思わせるドレスを着た一人の女性がいた。
「ほぉ、よくぞここまでたどり着いたな」
「この隕石を動かしてるのはお前か?」
「ふふ、そうさ。
これを世界に衝突させるためにな!」
「なっ!?」
女性の言葉に絶句するバンたち。
「そして、これを衝突させれば人間どもは絶望に染まる。
それが私の力の糧となるのだ!!」
「人の絶望を力に変える能力にその姿…。
お前、レイアースのデボネアか!」
「デボネア?」
「レイアースってところのやつで、人間が絶望すればするほどこいつは強くなる、それも無限にな!」
『っ!?』
バンの言葉に驚くスバルたち。
その話が本当なら、この隕石が衝突すれば人々は一瞬で絶望する。
その絶望のエネルギーを、自分の糧にするのだ。
つまりは、自分のために、人々を踏みにじるのだ。
そういう考えが至ったところで、かこたちもスバルたちも覚悟を決めた。
「ほぉ、私の正体を知っているとは。
お前たち、一体何者だ?」
「…お前のようなやつから人を守るために戦う、救世主だ!
行くぞ!」
『マワスライド!!』
『シシキュータマ!』
『カメレオンキュータマ!』
『ワシキュータマ!』
『サソリキュータマ!』
『オオカミキュータマ!』
『カジキキュータマ!』
『テンビンキュータマ!』
『ヘビツカイキュータマ!』
『オウシキュータマ!』
『セイザチェンジ!!』
『スターチェンジ!!』
バンたちはキュータマを回し、セイザブラスターにセットして、トリガーを変身する。
「スーパースター シシレッド!」
「シノビスター カメレオングリーン!」
「スピードスター ワシピンク!」
「ポイズンスター サソリオレンジ!」
「ビーストスター オオカミブルー!」
「フードマイスター カジキイエロー!」
「トリックスター テンビンゴールド!」
「サイレントスター ヘビツカイシルバー!」
「リングスター オウシブラック!」
「究極の救世主!」
『宇宙戦隊 キュウレンジャー!!』
「キュウレンジャー?
なら、私の前にひれ伏すがいい!!」
デボネアは怪人たちに指示を送り、バンたちに攻撃を仕掛ける。
バンたちもこれを迎え撃つ。
バンたちは9人で向こうは数えきれないほどの大群だったが、立ち向かうのだった。
先にエリオとスバルが攻撃を仕掛け、電撃を纏ったキュースピアや高速でのキュークロで怪人たちを吹き飛ばしてく。
それ続くようにギンガがキューアックスの一撃で吹き飛ばし、アストルフォが空を飛んで翻弄しながらキューレイピアで貫いていく。
バンはキュータマを装着したキューソードを投げつけて大爆発を起こし、怪人を吹き飛ばしていく。
キャロはフリードリヒを強化させて、フリードリヒは翼を使って飛び、自らの炎を纏わせたキューシックルで怪人たちを切り裂いていく。
バンたちの後ろで、かことティアナがキュークロスボウやキューショットやクロスミラージュを使って援護している。
闘っていく中で、バンたちはあることに気付いた。
「こいつら、グランセイザーのボスキートか!?」
「でもおかしいな。
ボスキートには炎とか水とか風とか、こんな感じで出せたのかな?」
「でも色によって使える能力も違うようです。
なんでしょうか、レイアースの力を思わせるような…」
「まさか、このボスキート、レイアースの力でも宿ってるのか!?」
「でも、このままいけば、あのデボネアに…!」
「ふん、それはどうかな?
ハッ!!」
デボネアの体から赤い稲妻が発生し、それがバンたちを襲う。
「ぐぁっ!!」
「キャッ!」
「うわっ!」
「きゅくるー!?」
赤い稲妻の衝撃を受けたバンたちは吹き飛び、地面に叩き付けられる。
それと同時にバンたちの周りをボスキートたちが先ほどとは比べ物にならない数で囲い込む。
「…これは、数が多いなぁ」
「ふん、私に歯向かおうなど、愚かな救世主だな。
そのままボスキートたちによって食い荒らされて、絶望しながら死ぬがいい!!」
「くっ…!」
バンたちを、ボスキートたちが襲い掛かろうとした時だった。
「奪え、アルセーヌ!」
ふと、どこかで聞いたことのある声が聞こえ、その声に続くように、周りにいたボスキートたちは黒い炎で焼き尽くされていく。
「なっ、これは闇のエネルギー!?」
「ぐっ、何だこれは!?」
「隊長、あれはっ!」
いきなり黒い炎で困惑する中、バンはアストルフォが指した方向を見る。
するとそこには怪盗のような幻影が、手から黒い炎でボスキートたちを焼いていたのだ。
「アルセーヌ!?
あのペルソナはもしかして…!」
思わず幻影いやペルソナのアルセーヌの足元を見ると、どこか見覚えのある顔をした一人の男の他に、5人の集団がいた。
「どうやら正体不明の奴らはお前たちだったとはな」
その男はそう言うと炎を振り払い、仲間とともに地面に降り立った。
「何だっ、貴様らは!?」
「俺たちか?
俺たちはお前たちのような奴らから、人々を守る騎士さ」
「騎士?」
バンたちにはその声に聞き覚えがあった。
だが、その男はかつて、怪盗戦隊ルパンレンジャーを名乗っていたはずだった男だ。
まさか自分たちと同じように、ギャングラーを倒した時に、向こうもVSチェンジャーが壊れた口なのかとバンは思った。
それを証拠に、その男たちはVSチェンジャーではない、恐竜の腕輪を翳し、騎士の人形を構えたのだ。
「さぁて、行くか」
その男たちは、腕輪に人形を差し込んだ。
何をするのか知らないが、邪魔をするなと言わんばかりにボスキートたちが襲い掛かる。
だが、その攻撃は男たちに当たらなかった。
何故なら、男たちの周りに飛び出した騎士たちが防いだからだ。
『ケ・ボーン!』
防ぎ終わった騎士たちは、男とその仲間たちの周りで踊りだす。
『ワッセイ ワッセイ ワッセイ!
ソウ ソウ ソウ!
ワッセイ ワッセイ ワッセイ!
ソウ ソウ ソウ!』
「まさか、あいつらも」
バンはそのアイテムを見て、何かを察した。
それが現実に出てくるように、男たちは腕輪を回して、恐竜のバイザーのような形になる。
『リュウSO COOL!!』
それと同時に、踊っていた騎士たちが男たちに向かっていき、光に包まれ、恐竜型のバイザーに、それぞれ赤青黄緑ピンク黒のスーツを身に纏い、手には恐竜型の鍔の剣が握られていた。
「なんだっ、あの戦隊はっ!!」
「ボクたちが知らないスーパー戦隊!!」
「知らないだったら、教えてやるよ!!」
驚きを隠せないバンたちに答えるように、男たちは剣を構えて名乗る。
「勇猛の騎士 リュウソウレッド!」
「叡知の騎士 リュウソウブルー!」
「雄飛の騎士 リュウソウイエロー!」
「剛健の騎士 リュウソウピンク!」
「威風の騎士 リュウソウブラック!
「疾風の騎士 リュウソウグリーン!」
「正義に仕えし、6本の剣!
騎士竜戦隊 リュウソウジャー!」
「リュウソウジャー…」
「騎士だと?
まさか私の正体前で騎士が現れるなんてな!
やれボスキート!!」
デボネアは生前のことを思い出したのか、わなわなしながらボスキートたちに指示を出した。
「ボスキート、人間ではない奴らも転生した訳か」
「油断はできないようだな」
「だったら、嵐を巻き起こしてやるぜ!!」
リュウソウレッドたちはそう言うと、グリーンがアイテムを取り出し、風を巻き起こした。
それと同時にグリーンの背中からミサイルが飛び出して攻撃する。
バン、かこ、アストルフォはそのミサイルを知識として知っていた。
あのミサイル、いや能力がどんな存在なのかを。
「なっ、あれはカグネっ!!」
「知っているの?」
「あぁ喰種と呼ばれる奴だけが持っているけど、まさか奴ら!!」
それからブラックが先ほどの剣とは別の剣を取り出し、紫の炎でボスキートを焼き尽くし、二刀流でデボネアの前にいるボスキートたちを切り裂いて道を切り開いていく。
その炎も、その剣も、バンたち三人は知っていた。
それと同時に理解した、あのグリーンとブラックの正体とその存在を。
「あれはっ」
「あれも知ってるの?」
「あぁ、もしも正しかったら、あの二人は危ないよ」
「止めないとなっ!!
2つに分かれるぞ、俺達はグリーンとブラックをアストルフォ達はデボネア達を」
「分かった」
バンたちは、バンとスバルとギンガとエリオとティアナ、かことアストルフォとキャロとフリードリヒの二手に別れ、バンたちはグリーンとブラックのところへ向かった。
「なっ!?」
バンたちに驚いたグリーンとブラックはそれぞれの武器を構えて、抵抗する。
「何で俺たちに攻撃するんだよ!」
「俺たちだって、本当はこんなことしたくはねぇよ。
状況が状況だからな。
その力とその声を聞くまではな!」
「ぐっ!」
グリーンは背中のミサイルを使ってバンたちに攻撃する。
バンたちはセイザブラスターで撃ち落としていく。
その間にエリオとスバルが距離を詰めてグリーンを攻撃する。
「がっ!?」
「不知!!」
「お前の相手は俺たちだ!」
「くっ!」
バンとギンガはブラックの相手をする。
「お前、何で俺たちを攻撃するんだ!
「まさか、お前は俺たちの正体を…!」
「そこのグリーンは、さっきの変身前の姿と能力を見てだが、喰種っていう、人喰いだろ!
そしてお前は、魔戒騎士でありながらホラーってやつに成り下がった、ジンガだろ!」
「…!」
バンに正体を言われて動揺する二人。
バンは先ほどのことでこの二人がどんな存在かを理解した。
当然バンも、今はこの二人を相手にしてる暇はないと思っている。
だが、この二人の存在は、デボネアがやろうとしていることと同等か、あるいはそれ以上の脅威を感じていた。
だから、バンは二手に分かれて攻撃を仕掛けることにしたのだ。
「正直な話、お前たちがなぜあいつらと一緒に行動してるのか、全くわからねぇ。
だが、それでもあいつと同じように危険なのは変わりないんでな。
悪いが、ここで倒させてもらうぜ!」
「くっ…!」
バンはキューソードでブラックに攻撃を仕掛け、ブラックは二刀流で迎え撃つ。
ブラックの剣捌きは、とてつもなく凄まじかった。
バンは距離を放すと同時に、ギンガが割って入り、キューアックスで剣を弾き飛ばし、拳でブラックを殴り飛ばした。
「ぐぁ!!」
「…悪く思うなよ、ここまでだ」
バンはセイザブラスターを構えてブラックに近づき、銃口を向ける。
グリーンの方も、スピードで相性が悪かったのか、スバルとエリオに押されて膝をついていた。
その時だった。
「っ!?」
かこやアストルフォたちが向かった方向から、強い光が発せられた。
「今の光は…!」
バンたちは思わずその方向に目を向けると、レッドの手に赤い巨大な弓矢が握られていた。
その形状にバンは見覚えがあった、いや知識として知っている物だった。
「あれは、グランセイザー!?」
「バンさん!
あの二人が…!」
「なっ!?」
ギンガに言われて、ブラックとグリーンがいた場所に目を向けると、すでに二人はいなくなっていた。
「まさか、あの隙にこの場から逃げたってのか…!」
すでに二人が消えたことを確認したバンたちは、すぐにかこたちが向かった場所へと向かった。
向かった先では、膝をついているかこたちの他に、力を失っているのデボネアを担いでいるレッドたちといつの間に合流したのか、グリーンとブラックの姿があった。
レッドの手には、先ほど変身に使ったアイテムと形状が似ている別のアイテムが握られていた。
「怪盗っ!!」
「それじゃあ、久しぶりに会ったが、俺たちはここで逃げさせてもらうぜ」
「決着はついたようだな」
「ではグリーン!!」
「俺かよっ!?」
グリーンはぎょっとしながらミサイルを出して煙幕を張った。
「ぐっ!」
煙幕で視界が覆われるが、すぐに消えて、そこには誰もいなかった。
レッドたちは煙幕で隙を突いてその場から離れたようだ。
「逃げられたか…。
おい、お前ら大丈夫か!」
「はい、何とか…」
「あの怪盗、特典を食べて新たな力を手に入れるなんて…」
「特典を食べる?
おいアストルフォ、どういうことだ?」
アストルフォの言葉に疑問を抱くバン。
しかし、今はそんな状況ではないと、すぐに頭を切り替えた。
デボネアとボスキートたちが倒されたのに、この隕石は無くならないのだ。
このままだと、ミッドチルダに落下するかもしれない。
「…ちっ、今はそんな状況じゃないよな。
急いでここから出て、この隕石を破壊するぞ!」
『了解!!』
バンたちは急いでキューボイジャーを召喚し、宇宙へと脱出する。
『セイザドッキング!』
『キュウレンオー!!』
そしてシシボイジャーを中心に、右腕にワシ、左腕にサソリ、右脚にオオカミ、左足にカメレオンと合体し、キュウレンオーになる。
その周りで、エリオ、キャロ、フリードリヒ、ギンガの乗るボイジャーが飛んでいた。
「さてと、早いところこの隕石を破壊しねぇとな。
…ん?」
バンは隕石の向こう側に何かいるのを見つけて、モニターでズームする。
そこには、恐竜を模したロボットが弓矢を構えていた。
おそらくさっきのリュウソウジャーたちが乗っているのかもしれない。
『あれは、さっきのリュウソウジャー!?』
『バンさん、どうしますか?』
「…いや、このまま争ってる暇はなさそうだぜ。
おそらくそれは向こうも同じだからな」
『そうですね。
今は、この隕石の破壊を…!』
「そうだな。
行くぞ!」
『キュウレンオーメテオブレイク!!』
『スーパーギャラクシー!!』
キュウレンオーの両腕に形成された高エネルギーの矢と、向こうのリュウソウジャーと思しきロボットの矢が隕石を貫き、爆散した。
バンたちはキュウレンオーの合体を解除して、すぐにその場から撤退し、ミッドチルダに向かう。
「まさか、あの怪盗も新たな力を手にしてたとはな」
「そうですね、私たちも驚きでしたよ。
何か、新たなアイテムで強化しているみたいでしたし」
「あと、相手の特典を食べてそれを自分のアイテムに変えちゃうんだから、それも驚きだよ」
「そう言えばバンさん、さっきの二人、何で怪盗と一緒にいたんですかね?」
「それは俺もわからねぇよ。
少なくとも、向こうでも何かしらの事情はあるだろうな。
…最も、あの二人の存在が危険だってことは変わりないけどな」
怪盗たちが騎士になっていたこと、特典を食べることで新たなアイテムを手にすること、そして新たに入ってきただろう三人の内の二人の存在などから、バンは危機感を覚えていた。
かつて怪盗ことレッドは人は変われると言った。
だが、それでも限度がある。
特に喰種のグリーンに元魔戒騎士のホラーのブラックは、存在や仕出かしたことを考えれば、なおさらだ。
どういう経緯でレッドたちと一緒にいるのかはわからない。
ならば、こっちも負けないように強くならなければならない。
バンたちは、改めてそう思うのであった。