パワプロドリームカップⅡ オールスターゲーム編   作:橘の雨

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いよいよ、プロ野球の開幕が間近に迫ってきました。

今年もプロ野球を観戦しに行きたいと思う投稿者です。

さて、前回は両チームの打線・投手陣の特徴を説明しましたが、分かりやすかったでしょうか。

もし、分からなかった場合はおーい汚水様の動画をご視聴頂くか、質問返答の欄に書き込んで頂ければ、分かる範囲で説明致します。

では本編をどうぞ。


第四話 期待されているが故に

司馬達也は相手チームの攻略法を考えていた。相手打線は一発のある打者が多く並び、下位打線も侮れない。少しの油断が大きな致命傷になりかねないからだ。

 

達也はキャッチャーマスクをかぶり、ミットを前に出した。今は自身の最善を尽くすことを誓って。

一方の深雪は喜んでいた。再び、最愛の兄とバッテリーを組めるのだから。嬉しさに心を躍らせながら、マウンドの感触を確かめて、投球練習に入る。ストレートと決め球のインフェルノを中心に達也のミット目掛けて投げた。

 

達也(ブルペンで投げていた印象ではストレート、変化球や制球力に問題は感じられなかった。あとは…)

 

彼女は打たれ弱さがあるため、自身のリードで補うことを考えていた。最終的には深雪をMVPに選ばれることが彼が望む願いであった。しかし、

 

深雪(お兄様にMVPを取ってもらいたい)

 

その願いは妹も同じであった。

 

投球練習が終わりに差し掛かり、深雪がセットポジションから投げたボールを達也が2塁へ送球した。その後の内野間でのボール回しが終わると、達也は深雪のいるマウンドへ向かい、二人で話し始めた。

 

深雪「お兄様、今日はどのような投球をしましょうか?」

 

まず、深雪が達也に問いかけた。

 

達也「とりあえず、先頭打者を出さないことが重要だ。序盤は変化球を多投することになるから、甘いコースにいかないように注意をしていこう」

 

投球における指針と注意事項を伝えて、定位置に戻ろうとした時に深雪が達也に話した。

 

深雪「お兄様に必ず勝利を捧げます」

 

達也「あぁ、必ず勝とう」

 

最愛の妹からの言葉に達也の口元が緩んだように見えた。このバッテリーは今まで以上に輝きを放っていた。

 

 

ー西軍ベンチにて

 

アインズ「あれが大会随一と謳われる司馬兄妹か」

 

西軍の先発である部下のシャルティアをリードするアインズはマウンドにいる二人を注視していた。彼は前回大会開幕前から達也に注目していた。同じ捕手としてだけでなく、チームを束ねる司令塔として、彼はチームの準優勝に大きな働きをしていたからである。アインズは頬に右手を近づけて、試合に関する戦略を考えて始めた。すると、

 

シャルティア「何を考えておられるのです?アインズ様」

 

シャルティアが興味本位で尋ねてきた。アインズは

 

アインズ「あのバッテリーを攻略する方法を考えていたのだ。ところで、調子はどうだ?」

 

シャルティア「昨日、アインズ様自らが球を受けて頂き、好調を実感出来たでありんす」

 

アインズ「うむ、それは良かった」

 

アインズは試合の前日に自ら西軍専用ブルペンに赴き、投手陣の状態を確認していた。中でも、部下であるシャルティアには人一倍注意を払った。彼女の投球練習になると自らキャッチャーマスクを被り、30球程投球を受けたが彼女はまだ、投げ足りない様子であった。

そこで彼は彼女に近づき、こう言った。

 

アインズ「お前の気持ちはよく分かった。だが、明日の試合のため、体力を温存することは重要だ。私はお前に期待しているのだ」

 

彼の言葉に感動したシャルティアは跪(ひざまず)き、素直に聞き入れた。その日は十分に休息をとり、万全の状態で今日の試合に臨めたのである。

 

シャルティア「私が先発する以上、相手には1点もあげるつもりはないでありんす」

 

彼女は好調を維持し、此方も準備は整った。

 

アインズ「では、相手チームに我々の真の力を見せてやろうではないか」

 

死の支配者と彼の配下が猛威を振るうときが近づきつつあった。

 

そして、いよいよその時が来る。

 

ウグイス嬢「1回の表、チームウェストの攻撃は1番セカンド、アスナ」

 

実況「さぁ、いきなり閃光の騎士姫と氷魔法の優等生の対決となりました」

 

ウグイス嬢の声で球場は歓声に包まれる。いきなり、前回大会決勝以来の対決が実現するのだから、盛り上がらない筈がないのである。

 

達也はアスナを警戒していた。前回大会で最多安打と盗塁王のタイトルを一緒に獲得し、バットコントロールと足の速さは一級品であり、出塁されると盗塁を狙ってくるため、バッテリーとしては厄介であったからだ。

そんな警戒とは裏腹に彼女は悠々と打席に向かい、達也に声をかけた。

 

アスナ「今日はよろしくね。達也君」

 

達也「あぁ、よろしく頼む」

 

達也も返事をして、アスナが右打席に入ると主審の右腕がまっすぐ伸び、人差し指が投手方向に向けられて「プレイ」と宣告される。そして、直ぐに深雪の足が上がった。

 

初球はスローカーブが内角低めに決まり、ストライクとなる。

 

彼女の球速はMAX143㎞で、持ち球はストレート、ムービングファスト、スライダー、ドロップ、スローカーブそして決め球のスクリュー系のインフェルノがある。どの球も特殊能力である「驚異の切れ味」によって大幅に強化されていたのである。また、制球力が良く、投球モーションが見分けがつきにくい上に牽制も速いことも彼女の持ち味である。

 

2球目はスライダーが外に外れ、カウント1-1となり、達也が3球目に要求したのは…決め球であるインフェルノを低めに決めることであった。深雪は頷き、ミットへ投げた。

 

アスナ「ストレートじゃない?」

 

変化球続きで、直球を待っていたアスナは体勢を崩すも、バットに当てた。しかし、2塁前に転がるのを衛宮が難なく捌いて一塁へ送り、アウトとなる。アスナは悔しそうにベンチへと戻った。

 

実況「最初の対決は司馬兄妹に軍配が上がりました」

 

続く、2番アバンは2球ともストレートで追い込み、3球目にインフェルノで空振り三振に仕留めたが、次は…

 

ウグイス嬢「3番セカンド、キリト」

 

実況「さぁ、キリト選手が打席に向かいます。2アウトを取りましたが、まだまだ気は抜けないでしょう」

 

達也はキリトが打線の中で最も警戒するべき選手と考えていた。彼は高い身体能力に加え、持ち前の勝負強さでチームの優勝に大きく貢献し、打点王にも輝いた。調子を乗らせる訳にはいかないのである。

 

キリト「よろしくお願いします」

 

礼儀正しく挨拶して、バットを構えると真剣な眼差しでマウンドを見つめた。達也は深雪にサインを送った。

 

1球目に投げたのは内角高めにストレートだったが、キリトはバットを振り抜いた。打球は3塁線から鋭く切れてファウルとなる。これに対して、達也は考えた。

 

達也(ストレートを狙っているのか?)

 

キリトを警戒して内外へ球を散らすことを考えた。2球目はスローカーブにタイミングが会わず、空振り。3球目と4球目も変化球を投げるも、カットされる。5球目のストレートは高めに6球目にドロップを低めに投げるも外れて、カウント2-2となる。ここで…

 

達也「次はインフェルノで仕留める」

 

キリト「おそらく、次で決めにくるな」

 

達也は決め球を使うことを決め、深雪にサインを送り、キリトは次が勝負となると直感が告げる。インフェルノが投げられると、彼は思いっきりバットを振り抜いた。

 

実況「打ったー! 大きな当たりがライトへ飛んだ!」

 

ライトを守る北山が打球を追った。ある者は思った。キリトの打球がホームランになるかも知れないと。先制点が入るかもしれないと。

 

 

 

しかし、キリトは知らなかった。この球場の恐ろしさを

 

ZOZOマリンスタジアムは昔から海から強風が吹く球場として知られており、その風は多くの選手達を苦しめてきた。今日はライトからホームへ5mの風は吹いており、その向かい風が打球を失速させ、北山は落下点に入り、捕球した。

キリトは悔しがり、司馬バッテリーは安堵した。

 

実況「アウトです。キリト選手の打球はマリン特有の風に押し戻されてしまいました」

 

解説「自然の力ですから、これは仕方がありませんね」

 

これで3アウトで攻守交代となる。

 

ー西軍ベンチにて

 

アスナ「惜しかったね。キリト君」

 

キリト「あぁ、まさか風にやられるなんて」

 

アスナはベンチに戻ったキリトを気遣い、水入りのペットボトルを渡した。水を飲み終わると、彼にグローブを渡した。

 

アスナ「やっぱり、あのバッテリーは凄いね」

 

彼女は司馬兄妹を褒めた。決勝では勝ったものの、再び相対すると、その手強さに感服してしまう。

 

キリト「あぁ、でも負ける訳にはいかないな」

 

彼は彼女の肩を掴み、励ました。確かに強敵ではあるが、決して勝てない相手ではない。彼は「次は打つ」と心に決めた。

 

キリト「守備から流れを作ろう!行こう、アスナ!」

 

彼からの言葉に彼女は頷き、二人は守備へと向かう。再び訪れる対戦の機会を待ちながら。

 

 

ー東軍ベンチにて

 

達也「良い投球だったぞ。深雪」

 

深雪「有り難うございます。これもお兄様のお陰です」

無事に三者凡退に打ち取った司馬バッテリーはベンチへ向かっていた。そこに、

 

猪熊「ナイスピッチ!」

 

衛宮「ナイスピッチングだったぞ」

 

ジョナサン「達也もナイスリードだったよ。」

 

櫟井「投球、良かったよ」

 

内野の仲間達が二人を労った。そして、ベンチに戻ると、

 

七草「深雪さん、達也君、上々な立ち上がりね」

 

北山「深雪、ナイスピッチング」

 

鳴子「球、よう走っとったで」

 

ジュドー「達也も良くやったな」

 

他のメンバーからも労いの言葉を掛けられた。二人は「有り難う」と返した。

 

達也「では、打席に向かう準備をしてきます。」

 

彼はミットを椅子に置き、プロテクターを外しながら、相手先発の情報を整理した。

 

シャルティアの球速はMAX160㎞で制球力・スタミナともに抜群であり、持ち球は切れのあるスライダー、落差のあるナックルカーブ、そして、フォーク系の決め球の「インプロージョン」は打者の手元から高速で落ちていくため、非常に当てづらく、多くの強打者を苦しめた。

また、驚異的な打たれ強さを持っているため、連打されても必ず持ちこたえる、正に難敵である。

だが、彼女はホームランでの失点が多く、突然崩れ出す癖があり、そこに漬け込むことが出来れば、得点が重ねられるのである。

 

達也はシャルティアの投球練習にタイミングを合わせるようにバットを振り込んだ。

 

一方、アインズは達也を出すことはリスクが高いと考えており、何としても打ち取っておきたいと思っていた。投球練習が終わるとシャルティアに話しかけた。

 

アインズ「あの男を決して、出塁させる訳にはいかない。シャルティア、出し惜しみはするな。初回から全力で行くぞ。」

 

アインズの言葉をシャルティアは直ぐに心に刻んだ。敬愛するアインズ様のため、決して出し惜しみなどするものかと。

 

ウグイス嬢「1回の裏、チームイーストの攻撃は1番キャッチャー、司馬達也」

 

名前のコールが掛かると観客が歓声に沸き立った。まるで、主役が登場したかのように。

 

シャルティアの足が上がり、達也は内角へ投げられた初球を当てにいくも、ストレートの速さに振り遅れてしまう。その球速は…

 

実況「なんと、いきなり158㎞が出ました。」

 

解説「これは驚異的な数字ですよ。流石の一言です」

 

実況席だけでなく、観客席も驚愕した。初球から豪速球が唸りを上げたのだから。

続く2球目も内角ストレートをファウルするが、3球目は決め球のインプロージョンで空振り三振に仕留めて見せた。

 

達也「ストレート、変化球ともに抜群の制球力で入れてきたな。これは厄介だ。」

 

この後の2番北山はストレートにタイミングが合わず、3球三振に、3番ラインハルトは外角ストレートを2球ファウルするも、最後は内角ギリギリ一杯のスライダーで空振り三振に打ち取られた。

 

北山「ストレートが全然見えなかった」

 

ラインハルト「想像していた以上に速い上に、変化球の切れも申し分ないですね」

 

この回、東軍はシャルティアの前に為す術なく、三者連続三振で攻撃を終えた。

 

シャルティア「大したことなかったでありんすね」

 

アインズ「慢心はするな。まだ始まったばかりだからな」

 

完璧に抑えたとは言え、決して警戒を怠らない。彼の言うとおり、試合はまだ始まったばかりであった。

 

 

 

 

続く…




書いていて思ったのですが、全然話が進まないです。細かい所まで書こうとすると、文字が増えて、纏めるのに非常に苦労します。でも、少し小説を書く人の気持ちが分かったような気がします。

次回は4回か5回まで書きたいと思っております。出来れば、PDCⅢの開幕戦迄には本編を完結させられれば良いな、と考えております。

また、ご質問や気になったことがありましたら、ご指摘頂けると幸いです。また、次回作が出来るまで、気長に待って頂けると幸いです。
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