『もう大丈夫!』
ぼくはみた。せいぎのヒーローを。
『何故かって?』
ぼくはあこがれた。
『私が来た!』
そのヒーロー。オールマイトに。
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ども!兵藤一誠です!今進路調査で進学したい高校を考える時間なんだけど俺はもう決めている!その高校は!
「はい!俺雄英高校志望しまっす!!
「お前が雄英?」
「無理無理!倍加の個性とかなんだかしらんけどお前みたいな1を倍にしたって2にしかならねぇ。そんな個性じゃ無理だよ!」
「諦めとけって。」
…みな口を揃えてそういう。俺だってわかってる。もし倍加出来るものに選択肢があれば未来も変わっていたかもしれない。だけど、俺の個性、「倍加」は自分にしか働かない。倍加の個性を使わない俺のスペックはそこまで高くない。普通だ。その普通が倍加されたところで個性持ちには勝てない。だって皆、獣の個性で人間の比ではないほどの身体能力、特殊能力を持つ人。破壊の個性で絶対的な力を持つ人もいた。そんな人らに倍加したところで追いつくはずがないはわかってる。超えることが出来ないのは俺自身よくわかってる。ただそれでも、諦められないでいた。オールマイトに憧れてしまったからだ。
「はいはい、夢を持つのは自由、皆も兵藤くんを馬鹿にするのは止めなよー。それじゃプリント後ろから集めてー。」
プリントを渡し、帰る支度をする。この後はHRをして帰るだけだし。部活もやってないしね。
学校を終え帰宅したあとは、受験に向けての勉強、トレーニングに費やしている。雄英高校に入るなら、勉強と体力を得ておかなきゃいけない。少しでも可能性をあげるため毎日続けているが、正直自分でも、この努力が実る気がしない。個性のせいにしたくはないけど世間一般でいうハズレ個性みたいなものだしな。
そうこうしているうちにもう夜の11時になっていた。今日は少し早いが寝てしまおう。学校での事もあるし、気分を入れ替えるために一度寝よう。
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ふとした時に目が覚めたような感覚に陥った。今何時かを確認しようと体を動かそうとするが、ほんの少しも動かない。
『…だ…ぅ…しろ…来…。』
声が聞こえた。途切れ途切れだが聞こえた。その声は実際に質量でもあるかのように重く感じ、恐怖を覚えた。
声のする方向に視線を向けると、黒いシルエットがぼんやりと見えた。
シルエットが人より大きいことしかわからない。だが、人の形をしていないことはわかった。何かはわからないが、恐ろしく感じた。
そのシルエットはゆっくりとこちらに近づいて来た。
逃げようにも、体は動かない。
シルエットが、近づいてくる。目測で数メートル程度ではないかと思える距離まで来た。
そこではっきりと聞こえた。
『 白いのが来る 』
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必死に体を動かし逃げようとしていた。急に体が動くようになり景色も、見覚えのある自分の部屋だった。
そこに大きなシルエットはない。
多少なり安堵はしたが、未だにあの恐怖感が残っている。本当に死ぬんじゃぁないかと思うほどだった。
時計を確認すると朝の4時を示していた。もう一度、寝れるような状態ではないし、気を紛らわすために、日課のトレーニングをするための準備をすることにした。